《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第十二章
《地獄を見せてやれ》
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敵旗艦《歓喜の聖堂》。
快楽神に捧げられた巨大戦艦。
その艦橋は。
紫色の炎。
血。
香。
悲鳴。
笑い。
苦痛。
快楽。
あらゆる狂気によって満たされていた。
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玉座の上。
混沌の王子が笑う。
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『美しい』
『苦しみなさい』
『壊れなさい』
『その絶望を私に――』
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その言葉は。
最後まで続かなかった。
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ドゴォォォォォン!!
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ヴォルグラムの巨大斧が、
艦橋中央へ叩き込まれる。
床が割れる。
装飾が砕ける。
悲鳴が響く。
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静寂。
煙。
火花。
そして。
黒い巨人が、
ゆっくり前へ出る。
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ヴォルグラム・ケイン。
血塗れ。
傷だらけ。
全身が戦争そのもの。
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彼は。
ゆっくり後ろを振り返った。
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そこにいる。
オーク。
ネクロン。
マリーン。
混沌兵。
デーモン。
人間。
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血だらけの家族達。
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数秒の沈黙。
そして。
ヴォルグラムは笑った。
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「お前ら」
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巨大斧を肩へ担ぐ。
赤い義眼が燃える。
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「地獄を見せてやれ」
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その瞬間だった。
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「オオオオオオオオオオ!!」
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ネヴァーモーン全軍が、
咆哮した。
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第一節
怪物達
最初に飛び出したのは。
グラッグだった。
巨大ハンマーを振り上げ。
狂信兵の群れへ突っ込む。
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「家族泣カセタナァァ!!」
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ドガァァァァァン!!
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敵兵が壁へめり込む。
床が割れる。
装甲が潰れる。
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オーク達が続く。
酒瓶。
斧。
鉄塊。
何でも武器だった。
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「飲ミ会邪魔スンナ!!」
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その横を。
マルケウスが走る。
チェインソードが唸る。
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「片付けて帰るぞ馬鹿共!!」
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混沌兵。
悪魔。
狂信者。
全てを斬り裂く。
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そして。
緑色の閃光。
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セトラだった。
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「ネヴァーモーン前進」
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空間そのものが歪む。
敵部隊が消滅。
床が切断される。
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オーク達が叫ぶ。
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「骸骨最高!!」
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セトラは少しだけ沈黙し。
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「……うるさい」
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第二節
人間達
レオン達人間兵も前進していた。
怖い。
震える。
敵は化物。
自分達はただの人間。
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だが。
彼らはもう知っていた。
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自分達の背後には。
オークがいる。
ネクロンがいる。
デーモンがいる。
マリーンがいる。
そして。
ヴォルグラムがいる。
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レオンが叫ぶ。
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「前進!!」
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人間兵達が突撃。
ボルト弾。
プラズマ。
爆薬。
敵を押し返す。
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負傷兵を背負う者。
倒れた仲間を運ぶ者。
誰も置いていかない。
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それが。
ネヴァーモーンだった。
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第三節
快楽の王子
艦橋中央。
混沌の王子が立ち上がる。
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白い肌。
長い髪。
紫色の瞳。
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その姿は美しい。
だが。
目だけが狂っていた。
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『愛を教えてあげる』
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無数の刃。
幻覚。
精神侵食。
快楽の波。
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人間兵達が苦しむ。
膝をつく。
涙を流す。
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だが。
ヴォルグラムだけは動かない。
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『なぜ』
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王子が驚く。
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『何故壊れない?』
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ヴォルグラムは。
少しだけ考えた。
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そして。
笑った。
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「愛なら知ってる」
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後ろを見る。
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グラッグ。
セトラ。
マルケウス。
レオン。
家族達。
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「だから効かねぇ」
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その言葉に。
快楽の王子の顔が歪んだ。
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『そんなものは偽物だ』
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ヴォルグラムは斧を構える。
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「そうか?」
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義眼が赤く燃える。
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「じゃあ教えてやる」
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周囲で。
ネヴァーモーン全員が立つ。
血塗れ。
傷だらけ。
それでも笑う。
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オークが肩を組み。
人間が銃を構え。
ネクロンが武器を向ける。
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そして。
ヴォルグラムが。
静かに言った。
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「これが家族だ」
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その瞬間。
ネヴァーモーン全軍が、
最後の突撃を開始した。
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艦内は燃えている。
血が流れている。
悲鳴が響く。
だが。
快楽の王子が初めて知った。
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本当の恐怖を。
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それは。
死ではない。
苦痛でもない。
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愛する者のために、
笑いながら戦う怪物達。
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その名は。
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NEVERMOURN
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「帰ったら飲むぞォォォ!!」
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その雄叫びと共に。
銀河で最も狂った家族達は。
地獄そのものとなって、
敵へ襲い掛かった。
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《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第十二章 完