禁忌混成傭兵団   作:甘めのコーヒー

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第14話

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第十二章

 

《地獄を見せてやれ》

 

 

敵旗艦《歓喜の聖堂》。

 

快楽神に捧げられた巨大戦艦。

 

その艦橋は。

 

紫色の炎。

 

血。

 

香。

 

悲鳴。

 

笑い。

 

苦痛。

 

快楽。

 

あらゆる狂気によって満たされていた。

 

 

玉座の上。

 

混沌の王子が笑う。

 

 

『美しい』

 

『苦しみなさい』

 

『壊れなさい』

 

『その絶望を私に――』

 

 

その言葉は。

 

最後まで続かなかった。

 

 

ドゴォォォォォン!!

 

 

ヴォルグラムの巨大斧が、

艦橋中央へ叩き込まれる。

 

床が割れる。

 

装飾が砕ける。

 

悲鳴が響く。

 

 

静寂。

 

煙。

 

火花。

 

そして。

 

黒い巨人が、

ゆっくり前へ出る。

 

 

ヴォルグラム・ケイン。

 

血塗れ。

 

傷だらけ。

 

全身が戦争そのもの。

 

 

彼は。

 

ゆっくり後ろを振り返った。

 

 

そこにいる。

 

オーク。

 

ネクロン。

 

マリーン。

 

混沌兵。

 

デーモン。

 

人間。

 

 

血だらけの家族達。

 

 

数秒の沈黙。

 

そして。

 

ヴォルグラムは笑った。

 

 

「お前ら」

 

 

巨大斧を肩へ担ぐ。

 

赤い義眼が燃える。

 

 

「地獄を見せてやれ」

 

 

その瞬間だった。

 

 

「オオオオオオオオオオ!!」

 

 

ネヴァーモーン全軍が、

咆哮した。

 

 

第一節

 

怪物達

 

最初に飛び出したのは。

 

グラッグだった。

 

巨大ハンマーを振り上げ。

 

狂信兵の群れへ突っ込む。

 

 

「家族泣カセタナァァ!!」

 

 

ドガァァァァァン!!

 

 

敵兵が壁へめり込む。

 

床が割れる。

 

装甲が潰れる。

 

 

オーク達が続く。

 

酒瓶。

 

斧。

 

鉄塊。

 

何でも武器だった。

 

 

「飲ミ会邪魔スンナ!!」

 

 

その横を。

 

マルケウスが走る。

 

 

チェインソードが唸る。

 

 

「片付けて帰るぞ馬鹿共!!」

 

 

混沌兵。

 

悪魔。

 

狂信者。

 

全てを斬り裂く。

 

 

そして。

 

緑色の閃光。

 

 

セトラだった。

 

 

 

「ネヴァーモーン前進」

 

 

空間そのものが歪む。

 

敵部隊が消滅。

 

床が切断される。

 

 

オーク達が叫ぶ。

 

 

「骸骨最高!!」

 

 

セトラは少しだけ沈黙し。

 

 

「……うるさい」

 

 

第二節

 

人間達

 

レオン達人間兵も前進していた。

 

怖い。

 

震える。

 

敵は化物。

 

自分達はただの人間。

 

 

だが。

 

彼らはもう知っていた。

 

 

自分達の背後には。

 

オークがいる。

 

ネクロンがいる。

 

デーモンがいる。

 

マリーンがいる。

 

そして。

 

ヴォルグラムがいる。

 

 

レオンが叫ぶ。

 

 

「前進!!」

 

 

人間兵達が突撃。

 

ボルト弾。

 

プラズマ。

 

爆薬。

 

敵を押し返す。

 

 

負傷兵を背負う者。

 

倒れた仲間を運ぶ者。

 

誰も置いていかない。

 

 

それが。

 

ネヴァーモーンだった。

 

 

第三節

 

快楽の王子

 

艦橋中央。

 

混沌の王子が立ち上がる。

 

 

白い肌。

 

長い髪。

 

紫色の瞳。

 

 

その姿は美しい。

 

だが。

 

目だけが狂っていた。

 

 

『愛を教えてあげる』

 

 

無数の刃。

 

幻覚。

 

精神侵食。

 

快楽の波。

 

 

人間兵達が苦しむ。

 

膝をつく。

 

涙を流す。

 

 

だが。

 

ヴォルグラムだけは動かない。

 

 

『なぜ』

 

 

王子が驚く。

 

 

『何故壊れない?』

 

 

ヴォルグラムは。

 

少しだけ考えた。

 

 

そして。

 

笑った。

 

 

「愛なら知ってる」

 

 

後ろを見る。

 

 

グラッグ。

 

セトラ。

 

マルケウス。

 

レオン。

 

家族達。

 

 

「だから効かねぇ」

 

 

その言葉に。

 

快楽の王子の顔が歪んだ。

 

 

『そんなものは偽物だ』

 

 

ヴォルグラムは斧を構える。

 

 

「そうか?」

 

 

義眼が赤く燃える。

 

 

「じゃあ教えてやる」

 

 

周囲で。

 

ネヴァーモーン全員が立つ。

 

血塗れ。

 

傷だらけ。

 

それでも笑う。

 

 

オークが肩を組み。

 

人間が銃を構え。

 

ネクロンが武器を向ける。

 

 

そして。

 

ヴォルグラムが。

 

静かに言った。

 

 

「これが家族だ」

 

 

その瞬間。

 

ネヴァーモーン全軍が、

最後の突撃を開始した。

 

 

艦内は燃えている。

 

血が流れている。

 

悲鳴が響く。

 

だが。

 

快楽の王子が初めて知った。

 

 

本当の恐怖を。

 

 

それは。

 

死ではない。

 

苦痛でもない。

 

 

愛する者のために、

笑いながら戦う怪物達。

 

 

その名は。

 

 

NEVERMOURN

 

 

「帰ったら飲むぞォォォ!!」

 

 

その雄叫びと共に。

 

銀河で最も狂った家族達は。

 

地獄そのものとなって、

敵へ襲い掛かった。

 

 

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第十二章 完

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