禁忌混成傭兵団   作:甘めのコーヒー

18 / 35
第18話

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第十六章

 

《遅れてきた悪党共》

 

 

敵旗艦《歓喜の聖堂》。

 

艦橋。

 

快楽の王子は後退していた。

 

目の前には。

 

ネヴァーモーン全戦力。

 

 

ヴォルグラム。

 

グラッグ。

 

セトラ。

 

リリス。

 

カイウス。

 

ドッグ。

 

レオン。

 

マルケウス。

 

 

そして。

 

血塗れの家族達。

 

 

本来なら。

 

ここで終わるはずだった。

 

だが。

 

戦争とは。

 

いつだって予定通りには終わらない。

 

 

その時だった。

 

 

艦橋全体が揺れる。

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴ……

 

 

「な、何だ!?」

 

敵兵が叫ぶ。

 

オペレーターが悲鳴を上げる。

 

 

「接近反応!!」

 

 

「大型艦!!」

 

 

「まっすぐ突っ込んできます!!」

 

 

窓の外。

 

暗黒宇宙。

 

そこから。

 

巨大な黒い影が現れた。

 

 

鋼鉄の塊。

 

棘だらけの装甲。

 

無数の砲門。

 

混沌の紋章。

 

血塗られた軍旗。

 

 

ネヴァーモーン所属。

 

重強襲艦。

 

 

《ブラッド・リーパー》。

 

 

その巨大艦が。

 

速度を落とさず。

 

敵艦隊残骸を突き破る。

 

 

ドゴォォォォォォォォン!!!

 

 

敵巡洋艦が真っ二つになる。

 

爆発。

 

炎。

 

破片。

 

宇宙空間が燃える。

 

 

レオンが目を見開く。

 

 

「まだいたのか!?」

 

 

リリスが笑う。

 

 

「あらあら。」

 

 

カイウスがため息をつく。

 

 

「遅いな。」

 

 

その瞬間。

 

《ブラッド・リーパー》側面ハッチが開く。

 

 

ドガァァァン!!

 

 

数十。

 

数百。

 

無数の降下艇。

 

混沌種兵士達。

 

黒い装甲。

 

傷だらけの旗。

 

巨大武器。

 

返り血。

 

 

まるで。

 

地獄そのものが降ってきた。

 

 

先頭に立つ男が。

 

ゆっくり煙草を吐く。

 

 

「まったく……」

 

 

巨大戦斧を肩へ担ぐ。

 

右目に古傷。

 

黒い装甲。

 

 

ガルム・レイン。

 

マルケウス直属。

 

混沌種部隊指揮官。

 

ネヴァーモーン最悪の乱戦屋。

 

 

その背後には。

 

マルケウスの部下達。

 

数百名の混沌戦士。

 

全員が血塗れ。

 

全員が笑っている。

 

 

ガルムは周囲を見る。

 

死体。

 

炎。

 

ネヴァーモーン。

 

 

そして。

 

マルケウスを見つけた。

 

 

「おい。」

 

 

マルケウスが振り向く。

 

 

「あ?」

 

 

ガルムが肩を竦める。

 

 

「隊長のお前だけに。」

 

 

巨大戦斧を引き抜く。

 

 

「良いとこ取りはさせないぜ?」

 

 

数秒。

 

静寂。

 

 

そして。

 

マルケウスが爆笑した。

 

 

「遅ぇんだよ馬鹿野郎!!」

 

 

混沌種達も笑う。

 

 

「外の敵艦全部沈めてきたぞ!!」

 

 

「ついでに逃げた奴も潰した!!」

 

 

「酒残ってるか!?」

 

 

グラッグが大笑いする。

 

 

「最高ダ!!」

 

 

ドッグが帽子を押し上げる。

 

 

「また化物が増えた……」

 

 

レオンが呆然とする。

 

 

敵艦隊。

 

壊滅。

 

残敵。

 

殲滅。

 

 

つまり。

 

今ここにいる敵は。

 

快楽の王子ただ一人。

 

 

その事実に。

 

快楽の王子の顔色が変わった。

 

 

周囲には。

 

オーク。

 

ネクロン。

 

マリーン。

 

デーモン。

 

混沌種。

 

傭兵。

 

人間。

 

 

そして。

 

遅れてきた悪党共。

 

 

ガルムが戦斧を肩へ担ぐ。

 

 

「で?」

 

 

「どいつ殺せばいい?」

 

 

マルケウスが親指を立てる。

 

 

「玉座の前だ。」

 

 

ガルムが快楽の王子を見る。

 

数秒。

 

沈黙。

 

 

「……気持ち悪ぃな。」

 

 

部下達も頷く。

 

 

「同感だ。」

 

 

「趣味悪ぃ。」

 

 

「早く帰って飲もうぜ。」

 

 

その瞬間。

 

ヴォルグラムが笑った。

 

 

「これで全員か?」

 

 

セトラが答える。

 

 

「確認した。」

 

 

カイウスが頷く。

 

 

「欠員なし。」

 

 

リリスが微笑む。

 

 

「全家族集合ね。」

 

 

ドッグが煙草を捨てる。

 

 

「宴会の前に。」

 

 

グラッグがハンマーを握る。

 

 

「掃除ダ。」

 

 

マルケウスが笑う。

 

 

「総掛かりだ。」

 

 

そして。

 

ヴォルグラムが巨大斧を構える。

 

赤い義眼が燃える。

 

 

「ネヴァーモーン。」

 

 

数千の兵士達。

 

数百の怪物達。

 

全てが武器を握る。

 

 

「――今度こそ終わらせるぞ。」

 

 

快楽の王子の背後には。

 

もう誰もいない。

 

 

目の前には。

 

銀河最悪の家族達。

 

 

そして。

 

地獄が。

 

ゆっくりと歩き始めた。

 

 

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第十六章 完

 

――続く――

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。