《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第十六章
《遅れてきた悪党共》
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敵旗艦《歓喜の聖堂》。
艦橋。
快楽の王子は後退していた。
目の前には。
ネヴァーモーン全戦力。
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ヴォルグラム。
グラッグ。
セトラ。
リリス。
カイウス。
ドッグ。
レオン。
マルケウス。
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そして。
血塗れの家族達。
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本来なら。
ここで終わるはずだった。
だが。
戦争とは。
いつだって予定通りには終わらない。
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その時だった。
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艦橋全体が揺れる。
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ゴゴゴゴゴゴゴ……
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「な、何だ!?」
敵兵が叫ぶ。
オペレーターが悲鳴を上げる。
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「接近反応!!」
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「大型艦!!」
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「まっすぐ突っ込んできます!!」
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窓の外。
暗黒宇宙。
そこから。
巨大な黒い影が現れた。
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鋼鉄の塊。
棘だらけの装甲。
無数の砲門。
混沌の紋章。
血塗られた軍旗。
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ネヴァーモーン所属。
重強襲艦。
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《ブラッド・リーパー》。
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その巨大艦が。
速度を落とさず。
敵艦隊残骸を突き破る。
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ドゴォォォォォォォォン!!!
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敵巡洋艦が真っ二つになる。
爆発。
炎。
破片。
宇宙空間が燃える。
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レオンが目を見開く。
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「まだいたのか!?」
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リリスが笑う。
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「あらあら。」
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カイウスがため息をつく。
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「遅いな。」
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その瞬間。
《ブラッド・リーパー》側面ハッチが開く。
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ドガァァァン!!
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数十。
数百。
無数の降下艇。
混沌種兵士達。
黒い装甲。
傷だらけの旗。
巨大武器。
返り血。
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まるで。
地獄そのものが降ってきた。
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先頭に立つ男が。
ゆっくり煙草を吐く。
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「まったく……」
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巨大戦斧を肩へ担ぐ。
右目に古傷。
黒い装甲。
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ガルム・レイン。
マルケウス直属。
混沌種部隊指揮官。
ネヴァーモーン最悪の乱戦屋。
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その背後には。
マルケウスの部下達。
数百名の混沌戦士。
全員が血塗れ。
全員が笑っている。
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ガルムは周囲を見る。
死体。
炎。
ネヴァーモーン。
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そして。
マルケウスを見つけた。
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「おい。」
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マルケウスが振り向く。
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「あ?」
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ガルムが肩を竦める。
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「隊長のお前だけに。」
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巨大戦斧を引き抜く。
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「良いとこ取りはさせないぜ?」
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数秒。
静寂。
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そして。
マルケウスが爆笑した。
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「遅ぇんだよ馬鹿野郎!!」
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混沌種達も笑う。
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「外の敵艦全部沈めてきたぞ!!」
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「ついでに逃げた奴も潰した!!」
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「酒残ってるか!?」
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グラッグが大笑いする。
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「最高ダ!!」
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ドッグが帽子を押し上げる。
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「また化物が増えた……」
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レオンが呆然とする。
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敵艦隊。
壊滅。
残敵。
殲滅。
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つまり。
今ここにいる敵は。
快楽の王子ただ一人。
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その事実に。
快楽の王子の顔色が変わった。
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周囲には。
オーク。
ネクロン。
マリーン。
デーモン。
混沌種。
傭兵。
人間。
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そして。
遅れてきた悪党共。
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ガルムが戦斧を肩へ担ぐ。
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「で?」
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「どいつ殺せばいい?」
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マルケウスが親指を立てる。
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「玉座の前だ。」
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ガルムが快楽の王子を見る。
数秒。
沈黙。
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「……気持ち悪ぃな。」
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部下達も頷く。
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「同感だ。」
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「趣味悪ぃ。」
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「早く帰って飲もうぜ。」
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その瞬間。
ヴォルグラムが笑った。
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「これで全員か?」
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セトラが答える。
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「確認した。」
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カイウスが頷く。
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「欠員なし。」
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リリスが微笑む。
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「全家族集合ね。」
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ドッグが煙草を捨てる。
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「宴会の前に。」
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グラッグがハンマーを握る。
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「掃除ダ。」
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マルケウスが笑う。
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「総掛かりだ。」
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そして。
ヴォルグラムが巨大斧を構える。
赤い義眼が燃える。
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「ネヴァーモーン。」
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数千の兵士達。
数百の怪物達。
全てが武器を握る。
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「――今度こそ終わらせるぞ。」
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快楽の王子の背後には。
もう誰もいない。
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目の前には。
銀河最悪の家族達。
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そして。
地獄が。
ゆっくりと歩き始めた。
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《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第十六章 完
――続く――