禁忌混成傭兵団   作:甘めのコーヒー

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第30話

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第二十八章

 

《弾幕薄いぞ》

 

 

アメストリア中央防衛線。

 

炎。

 

黒煙。

 

崩壊した都市。

 

 

敵は止まらない。

 

砲撃で吹き飛ばされても。

 

仲間が死んでも。

 

悪魔が消滅しても。

 

オークの死体を踏み越え。

 

混沌兵が進む。

 

 

地平線。

 

そこにあるのは敵だけだった。

 

 

セトラの戦術投影装置が赤く染まる。

 

 

「敵第三波接近。」

 

 

「第四波確認。」

 

 

「第五波も接近中。」

 

 

レオンが息を呑む。

 

 

「まだいるのか……。」

 

 

ドッグが苦笑する。

 

 

「今日は随分歓迎されてるな。」

 

 

その時。

 

前線中央。

 

巨大な瓦礫の上へ。

 

ヴォルグラム・ケインが立った。

 

 

巨大斧を肩に担ぐ。

 

血に濡れた装甲。

 

無数の傷。

 

 

その姿は。

 

まるで戦場そのものだった。

 

 

彼は通信機を掴む。

 

 

全軍回線。

 

ネヴァーモーン。

 

アメストリア。

 

《レクイエム・オブ・アッシュ》。

 

 

全員が耳を傾ける。

 

 

『ネヴァーモーン。』

 

 

短い。

 

 

『兵器と頑丈な奴は前に行け。』

 

 

グラッグが笑う。

 

 

「俺達ノ出番ダ。」

 

 

オーク達が武器を掲げる。

 

 

マリーン達が前へ出る。

 

 

重装歩兵。

 

混沌種。

 

大型デーモン。

 

 

巨大な盾。

 

重装甲。

 

分厚い肉体。

 

 

彼らが動く。

 

 

『後ろの盾になれ。』

 

 

その言葉。

 

 

ネヴァーモーンの兵士達は迷わない。

 

 

彼らは知っている。

 

 

自分達の後ろには。

 

アメストリア兵。

 

避難民。

 

子供達。

 

家族がいる。

 

 

ならば。

 

前へ出る。

 

 

グラッグが巨大ハンマーを振り上げる。

 

 

「オーク前進!!」

 

 

重装オーク達が進む。

 

 

巨大な盾。

 

鉄板。

 

装甲。

 

 

敵弾が降り注ぐ。

 

 

銃弾。

 

砲弾。

 

魔力。

 

 

しかし。

 

彼らは止まらない。

 

 

その後ろ。

 

アメストリア兵達が息を呑む。

 

 

目の前を。

 

巨大なオークが壁のように進む。

 

 

デーモンが笑いながら盾になる。

 

 

マリーンが銃撃を受け止める。

 

 

混沌種が前へ立つ。

 

 

誰も後ろを向かない。

 

 

ヴォルグラムの声が響く。

 

 

『出し惜しみなしだ。』

 

 

《レクイエム・オブ・アッシュ》。

 

 

艦橋。

 

 

砲術長が笑う。

 

 

「許可出たぞ。」

 

 

主砲担当。

 

 

「全部撃つか?」

 

 

「全部だ。」

 

 

その瞬間。

 

墓標艦の全砲門が開く。

 

 

巨大主砲。

 

副砲。

 

艦首砲。

 

側面砲。

 

 

数百。

 

数千。

 

 

宇宙そのものが光る。

 

 

轟音。

 

 

敵後方が消える。

 

 

大地が吹き飛ぶ。

 

 

オーク軍が蒸発する。

 

 

混沌戦車が砕ける。

 

 

デーモンが消滅する。

 

 

アメストリア兵達が呆然とする。

 

 

ブラッドレイだけが冷静だった。

 

 

彼は空を見上げる。

 

 

「見事だ。」

 

 

ヴォルグラムが笑う。

 

 

「うちの家族は優秀だ。」

 

 

しかし。

 

敵はまだ来る。

 

 

数万。

 

数十万。

 

 

終わらない。

 

 

その時。

 

ヴォルグラムが怒鳴った。

 

 

『弾幕薄いぞ!!』

 

 

《レクイエム・オブ・アッシュ》艦橋。

 

 

砲術長が爆笑する。

 

 

「言われたぞ!!」

 

 

オーク砲兵。

 

 

「モット撃ツ!!」

 

 

再び。

 

主砲。

 

 

副砲。

 

 

ミサイル。

 

 

火の雨。

 

 

空が赤く染まる。

 

 

敵陣全体が燃える。

 

 

アメストリア兵達が歓声を上げる。

 

 

「撃て!!」

 

 

「まだ撃て!!」

 

 

「もっとだ!!」

 

 

ブラッドレイが剣を構える。

 

 

「アメストリア軍。」

 

 

兵士達が整列する。

 

 

「前進。」

 

 

ヴォルグラム。

 

 

「ネヴァーモーン。」

 

 

怪物達が武器を掲げる。

 

 

「前進!!」

 

 

その瞬間。

 

鋼鉄の壁が動き出した。

 

 

オーク。

 

重装兵。

 

マリーン。

 

混沌種。

 

デーモン。

 

 

その後ろ。

 

アメストリア軍。

 

 

人間達。

 

 

銃。

 

剣。

 

誇り。

 

 

前には怪物。

 

後ろには家族。

 

 

それが。

 

ネヴァーモーンの戦い方だった。

 

 

ブラッドレイが静かに言う。

 

 

「怪物に守られる日が来るとはな。」

 

 

ヴォルグラムが笑う。

 

 

「家族だからな。」

 

 

遠く。

 

《レクイエム・オブ・アッシュ》が再び火を吹く。

 

 

そして。

 

銀河最狂の傭兵団と。

 

人類だけで怪物に抗う軍隊は。

 

 

炎と鉄と血の中を。

 

再び前進していった。

 

 

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第二十八章 完

 

――後ろに家族がいる。だから前へ行け。――

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