《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第二十八章
《弾幕薄いぞ》
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アメストリア中央防衛線。
炎。
黒煙。
崩壊した都市。
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敵は止まらない。
砲撃で吹き飛ばされても。
仲間が死んでも。
悪魔が消滅しても。
オークの死体を踏み越え。
混沌兵が進む。
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地平線。
そこにあるのは敵だけだった。
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セトラの戦術投影装置が赤く染まる。
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「敵第三波接近。」
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「第四波確認。」
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「第五波も接近中。」
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レオンが息を呑む。
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「まだいるのか……。」
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ドッグが苦笑する。
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「今日は随分歓迎されてるな。」
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その時。
前線中央。
巨大な瓦礫の上へ。
ヴォルグラム・ケインが立った。
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巨大斧を肩に担ぐ。
血に濡れた装甲。
無数の傷。
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その姿は。
まるで戦場そのものだった。
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彼は通信機を掴む。
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全軍回線。
ネヴァーモーン。
アメストリア。
《レクイエム・オブ・アッシュ》。
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全員が耳を傾ける。
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『ネヴァーモーン。』
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短い。
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『兵器と頑丈な奴は前に行け。』
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グラッグが笑う。
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「俺達ノ出番ダ。」
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オーク達が武器を掲げる。
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マリーン達が前へ出る。
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重装歩兵。
混沌種。
大型デーモン。
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巨大な盾。
重装甲。
分厚い肉体。
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彼らが動く。
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『後ろの盾になれ。』
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その言葉。
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ネヴァーモーンの兵士達は迷わない。
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彼らは知っている。
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自分達の後ろには。
アメストリア兵。
避難民。
子供達。
家族がいる。
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ならば。
前へ出る。
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グラッグが巨大ハンマーを振り上げる。
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「オーク前進!!」
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重装オーク達が進む。
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巨大な盾。
鉄板。
装甲。
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敵弾が降り注ぐ。
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銃弾。
砲弾。
魔力。
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しかし。
彼らは止まらない。
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その後ろ。
アメストリア兵達が息を呑む。
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目の前を。
巨大なオークが壁のように進む。
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デーモンが笑いながら盾になる。
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マリーンが銃撃を受け止める。
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混沌種が前へ立つ。
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誰も後ろを向かない。
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ヴォルグラムの声が響く。
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『出し惜しみなしだ。』
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《レクイエム・オブ・アッシュ》。
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艦橋。
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砲術長が笑う。
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「許可出たぞ。」
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主砲担当。
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「全部撃つか?」
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「全部だ。」
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その瞬間。
墓標艦の全砲門が開く。
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巨大主砲。
副砲。
艦首砲。
側面砲。
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数百。
数千。
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宇宙そのものが光る。
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轟音。
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敵後方が消える。
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大地が吹き飛ぶ。
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オーク軍が蒸発する。
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混沌戦車が砕ける。
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デーモンが消滅する。
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アメストリア兵達が呆然とする。
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ブラッドレイだけが冷静だった。
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彼は空を見上げる。
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「見事だ。」
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ヴォルグラムが笑う。
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「うちの家族は優秀だ。」
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しかし。
敵はまだ来る。
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数万。
数十万。
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終わらない。
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その時。
ヴォルグラムが怒鳴った。
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『弾幕薄いぞ!!』
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《レクイエム・オブ・アッシュ》艦橋。
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砲術長が爆笑する。
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「言われたぞ!!」
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オーク砲兵。
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「モット撃ツ!!」
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再び。
主砲。
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副砲。
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ミサイル。
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火の雨。
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空が赤く染まる。
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敵陣全体が燃える。
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アメストリア兵達が歓声を上げる。
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「撃て!!」
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「まだ撃て!!」
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「もっとだ!!」
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ブラッドレイが剣を構える。
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「アメストリア軍。」
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兵士達が整列する。
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「前進。」
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ヴォルグラム。
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「ネヴァーモーン。」
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怪物達が武器を掲げる。
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「前進!!」
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その瞬間。
鋼鉄の壁が動き出した。
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オーク。
重装兵。
マリーン。
混沌種。
デーモン。
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その後ろ。
アメストリア軍。
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人間達。
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銃。
剣。
誇り。
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前には怪物。
後ろには家族。
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それが。
ネヴァーモーンの戦い方だった。
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ブラッドレイが静かに言う。
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「怪物に守られる日が来るとはな。」
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ヴォルグラムが笑う。
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「家族だからな。」
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遠く。
《レクイエム・オブ・アッシュ》が再び火を吹く。
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そして。
銀河最狂の傭兵団と。
人類だけで怪物に抗う軍隊は。
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炎と鉄と血の中を。
再び前進していった。
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《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第二十八章 完
――後ろに家族がいる。だから前へ行け。――