禁忌混成傭兵団   作:甘めのコーヒー

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第31話

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第二十九章

 

《鋼鉄の津波》

 

 

アメストリア中央戦線。

 

黒煙。

 

炎。

 

崩れ落ちる建造物。

 

血。

 

死。

 

砲声。

 

 

ネヴァーモーンとアメストリア軍は前進していた。

 

しかし。

 

敵はまだ止まらない。

 

 

オークの大群。

 

混沌軍。

 

異形。

 

デーモン。

 

 

地平線そのものが敵だった。

 

 

グラッグは巨大なハンマーを振るう。

 

カイウスは剣を振るう。

 

ブラッドレイは敵陣を斬り裂く。

 

ヴォルグラムは巨大斧で怪物を叩き潰す。

 

 

だが。

 

セトラの戦術表示は真っ赤だった。

 

 

「敵増援。」

 

 

「推定十五万。」

 

 

レオンが青ざめる。

 

 

「まだ来るのか……」

 

 

その時。

 

ヴォルグラムが空を見上げる。

 

 

《レクイエム・オブ・アッシュ》。

 

 

銀河を漂う巨大墓標艦。

 

 

まだ。

 

切り札は残っていた。

 

 

ヴォルグラムが通信機を取る。

 

 

『レクイエム・オブ・アッシュ。』

 

 

艦橋。

 

全員が振り返る。

 

 

『戦車に。』

 

 

『強襲艦も。』

 

 

『全部出動させろ。』

 

 

格納庫。

 

整備兵。

 

パイロット。

 

機関士。

 

 

全員が動き始める。

 

 

『蜂の巣にしてやれ。』

 

 

その瞬間。

 

巨大な格納庫扉が開く。

 

 

轟音。

 

警報。

 

赤色灯。

 

 

数百の強襲艦。

 

無数の輸送艇。

 

重装戦車。

 

自走砲。

 

歩行兵器。

 

 

ネヴァーモーンが隠していた鋼鉄の軍勢。

 

 

オーク達が歓声を上げる。

 

 

「出番ダ!!」

 

 

巨大履帯が回転する。

 

 

エンジンが咆哮する。

 

 

鋼鉄が動き出す。

 

 

空。

 

 

次々と降下する強襲艦。

 

 

巨大な黒い影。

 

 

推進炎。

 

 

轟音。

 

 

まるで流星群だった。

 

 

アメストリア兵達が空を見上げる。

 

 

「すごい……」

 

 

「全部出す気か……」

 

 

ブラッドレイが静かに見上げる。

 

 

ヴォルグラムは通信を続ける。

 

 

『全軍下がれ。』

 

 

最前線。

 

ネヴァーモーン。

 

アメストリア。

 

 

全兵士が驚く。

 

 

『兵器で削る。』

 

 

ブラッドレイが即座に命令する。

 

 

「全軍後退。」

 

 

「防御線を形成しろ。」

 

 

アメストリア軍が動く。

 

 

負傷者。

 

歩兵。

 

砲兵。

 

 

全員が後方へ下がる。

 

 

ネヴァーモーンもまた。

 

 

グラッグが笑う。

 

 

「ヤット遊ベル。」

 

 

ドッグが帽子を被る。

 

 

「派手にやるな。」

 

 

その時だった。

 

 

第一陣。

 

 

重戦車部隊。

 

 

巨大な黒い戦車が煙の中から現れる。

 

 

分厚い装甲。

 

巨大砲。

 

鋼鉄の車体。

 

 

その後ろ。

 

自走砲。

 

多連装砲。

 

ミサイル車両。

 

 

さらに。

 

低空を飛ぶ強襲艦。

 

 

機銃。

 

ロケット。

 

爆撃。

 

 

敵軍が咆哮する。

 

 

オーク達が突撃する。

 

 

しかし。

 

 

砲撃。

 

 

轟音。

 

 

敵の先頭部隊が消し飛ぶ。

 

 

二発。

 

三発。

 

十発。

 

 

巨大な爆炎。

 

 

戦車部隊が進む。

 

 

履帯が大地を砕く。

 

 

主砲。

 

 

発射。

 

 

混沌戦車が爆散。

 

 

異形の群れが吹き飛ぶ。

 

 

強襲艦が頭上を通過する。

 

 

機銃掃射。

 

 

敵歩兵が次々倒れる。

 

 

ロケット弾。

 

 

デーモンが消滅する。

 

 

アメストリア兵達は言葉を失った。

 

 

今まで。

 

彼らはずっと。

 

自分達の身体だけで戦ってきた。

 

 

だが。

 

今。

 

目の前にあるのは。

 

純粋な火力。

 

 

圧倒的な兵器。

 

 

圧倒的な破壊。

 

 

ブラッドレイは静かに見つめる。

 

 

その横。

 

ヴォルグラム。

 

 

「どうだ?」

 

 

ブラッドレイが答える。

 

 

「頼もしい。」

 

 

ヴォルグラムが笑う。

 

 

「うちの家族だ。」

 

 

しかし。

 

戦場は終わらない。

 

 

敵はまだ来る。

 

 

オーク。

 

混沌。

 

異形。

 

 

だが。

 

今度は違う。

 

 

前には。

 

鋼鉄。

 

 

後ろには。

 

兵士達。

 

 

巨大戦車が進む。

 

 

強襲艦が空を埋める。

 

 

《レクイエム・オブ・アッシュ》の砲撃が降り注ぐ。

 

 

まるで。

 

一つの艦隊そのものが地上戦に参加しているようだった。

 

 

若いアメストリア兵が呟く。

 

 

「これが……ネヴァーモーン……」

 

 

隣の老兵が答える。

 

 

「違う。」

 

 

遠く。

 

巨大な墓標艦を見ながら。

 

 

「あれが家族なんだ。」

 

 

戦車。

 

兵士。

 

怪物。

 

人間。

 

オーク。

 

デーモン。

 

 

その全てが。

 

ネヴァーモーン。

 

 

その全てが。

 

家族。

 

 

そして。

 

燃える戦場の中央。

 

 

キング・ブラッドレイとヴォルグラム・ケインは並んで立っていた。

 

 

片方は。

 

人間だけで怪物を超えた王。

 

 

片方は。

 

怪物達を家族にした男。

 

 

二人は炎の向こうを見つめる。

 

 

敵はまだいる。

 

 

だが。

 

今。

 

戦場の流れは変わった。

 

 

鋼鉄の津波が。

 

地獄そのものを飲み込み始めていた。

 

 

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第二十九章 完

 

――全軍下がれ。ここからは鋼鉄の時間だ。――

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