《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第二十九章
《鋼鉄の津波》
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アメストリア中央戦線。
黒煙。
炎。
崩れ落ちる建造物。
血。
死。
砲声。
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ネヴァーモーンとアメストリア軍は前進していた。
しかし。
敵はまだ止まらない。
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オークの大群。
混沌軍。
異形。
デーモン。
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地平線そのものが敵だった。
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グラッグは巨大なハンマーを振るう。
カイウスは剣を振るう。
ブラッドレイは敵陣を斬り裂く。
ヴォルグラムは巨大斧で怪物を叩き潰す。
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だが。
セトラの戦術表示は真っ赤だった。
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「敵増援。」
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「推定十五万。」
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レオンが青ざめる。
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「まだ来るのか……」
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その時。
ヴォルグラムが空を見上げる。
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《レクイエム・オブ・アッシュ》。
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銀河を漂う巨大墓標艦。
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まだ。
切り札は残っていた。
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ヴォルグラムが通信機を取る。
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『レクイエム・オブ・アッシュ。』
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艦橋。
全員が振り返る。
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『戦車に。』
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『強襲艦も。』
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『全部出動させろ。』
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格納庫。
整備兵。
パイロット。
機関士。
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全員が動き始める。
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『蜂の巣にしてやれ。』
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その瞬間。
巨大な格納庫扉が開く。
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轟音。
警報。
赤色灯。
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数百の強襲艦。
無数の輸送艇。
重装戦車。
自走砲。
歩行兵器。
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ネヴァーモーンが隠していた鋼鉄の軍勢。
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オーク達が歓声を上げる。
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「出番ダ!!」
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巨大履帯が回転する。
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エンジンが咆哮する。
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鋼鉄が動き出す。
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空。
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次々と降下する強襲艦。
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巨大な黒い影。
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推進炎。
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轟音。
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まるで流星群だった。
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アメストリア兵達が空を見上げる。
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「すごい……」
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「全部出す気か……」
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ブラッドレイが静かに見上げる。
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ヴォルグラムは通信を続ける。
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『全軍下がれ。』
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最前線。
ネヴァーモーン。
アメストリア。
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全兵士が驚く。
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『兵器で削る。』
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ブラッドレイが即座に命令する。
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「全軍後退。」
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「防御線を形成しろ。」
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アメストリア軍が動く。
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負傷者。
歩兵。
砲兵。
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全員が後方へ下がる。
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ネヴァーモーンもまた。
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グラッグが笑う。
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「ヤット遊ベル。」
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ドッグが帽子を被る。
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「派手にやるな。」
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その時だった。
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第一陣。
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重戦車部隊。
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巨大な黒い戦車が煙の中から現れる。
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分厚い装甲。
巨大砲。
鋼鉄の車体。
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その後ろ。
自走砲。
多連装砲。
ミサイル車両。
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さらに。
低空を飛ぶ強襲艦。
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機銃。
ロケット。
爆撃。
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敵軍が咆哮する。
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オーク達が突撃する。
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しかし。
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砲撃。
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轟音。
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敵の先頭部隊が消し飛ぶ。
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二発。
三発。
十発。
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巨大な爆炎。
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戦車部隊が進む。
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履帯が大地を砕く。
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主砲。
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発射。
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混沌戦車が爆散。
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異形の群れが吹き飛ぶ。
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強襲艦が頭上を通過する。
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機銃掃射。
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敵歩兵が次々倒れる。
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ロケット弾。
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デーモンが消滅する。
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アメストリア兵達は言葉を失った。
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今まで。
彼らはずっと。
自分達の身体だけで戦ってきた。
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だが。
今。
目の前にあるのは。
純粋な火力。
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圧倒的な兵器。
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圧倒的な破壊。
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ブラッドレイは静かに見つめる。
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その横。
ヴォルグラム。
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「どうだ?」
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ブラッドレイが答える。
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「頼もしい。」
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ヴォルグラムが笑う。
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「うちの家族だ。」
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しかし。
戦場は終わらない。
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敵はまだ来る。
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オーク。
混沌。
異形。
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だが。
今度は違う。
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前には。
鋼鉄。
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後ろには。
兵士達。
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巨大戦車が進む。
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強襲艦が空を埋める。
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《レクイエム・オブ・アッシュ》の砲撃が降り注ぐ。
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まるで。
一つの艦隊そのものが地上戦に参加しているようだった。
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若いアメストリア兵が呟く。
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「これが……ネヴァーモーン……」
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隣の老兵が答える。
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「違う。」
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遠く。
巨大な墓標艦を見ながら。
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「あれが家族なんだ。」
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戦車。
兵士。
怪物。
人間。
オーク。
デーモン。
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その全てが。
ネヴァーモーン。
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その全てが。
家族。
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そして。
燃える戦場の中央。
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キング・ブラッドレイとヴォルグラム・ケインは並んで立っていた。
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片方は。
人間だけで怪物を超えた王。
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片方は。
怪物達を家族にした男。
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二人は炎の向こうを見つめる。
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敵はまだいる。
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だが。
今。
戦場の流れは変わった。
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鋼鉄の津波が。
地獄そのものを飲み込み始めていた。
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《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第二十九章 完
――全軍下がれ。ここからは鋼鉄の時間だ。――