禁忌混成傭兵団   作:甘めのコーヒー

32 / 62
第32話

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第三十章

 

《鋼鉄の道》

 

⸻

 

アメストリア中央戦線。

 

空は燃えていた。

 

黒煙。

 

砲炎。

 

降り注ぐ残骸。

 

崩れた高層建築。

 

折れた防衛塔。

 

⸻

 

先程まで数十万の敵で埋め尽くされていた大地。

 

しかし今。

 

そこを進むのは。

 

ネヴァーモーンの鋼鉄だった。

 

⸻

 

重戦車。

 

突撃戦車。

 

自走砲。

 

装甲輸送車。

 

強襲艦。

 

歩行兵器。

 

⸻

 

数百。

 

いや。

 

数千の鋼鉄の怪物。

 

⸻

 

轟音。

 

履帯。

 

爆炎。

 

⸻

 

まるで大地そのものが前進していた。

 

⸻

 

ヴォルグラムは瓦礫の上からその光景を見ていた。

 

赤い義眼。

 

巨大斧。

 

傷だらけの装甲。

 

⸻

 

その横。

 

キング・ブラッドレイ。

 

黒い軍服。

 

二本のサーベル。

 

⸻

 

二人の前。

 

敵軍中央。

 

⸻

 

まだ数十万。

 

⸻

 

まだ終わらない。

 

⸻

 

ヴォルグラムは通信機を取る。

 

⸻

 

全軍回線。

 

⸻

 

《レクイエム・オブ・アッシュ》。

 

戦車部隊。

 

強襲艦部隊。

 

前線司令部。

 

⸻

 

全員が耳を傾ける。

 

⸻

 

『兵器部隊。』

 

⸻

 

戦車長達が姿勢を正す。

 

⸻

 

『そのまま前線を上げろ。』

 

⸻

 

巨大戦車群が動き出す。

 

⸻

 

履帯。

 

鋼鉄。

 

黒煙。

 

⸻

 

『道を作れ。』

 

⸻

 

その言葉。

 

⸻

 

それはネヴァーモーンにおいて。

 

最も単純な命令だった。

 

⸻

 

前を塞ぐもの。

 

全て破壊しろ。

 

⸻

 

オーク戦車隊長が笑う。

 

⸻

 

「了解ダ。」

 

⸻

 

マリーンの装甲指揮官。

 

⸻

 

「全車前進。」

 

⸻

 

強襲艦隊長。

 

⸻

 

「低空支援開始。」

 

⸻

 

次の瞬間。

 

鋼鉄の津波が動き出した。

 

⸻

 

最前列。

 

重突撃戦車。

 

⸻

 

巨大な主砲。

 

分厚い装甲。

 

⸻

 

敵砲撃。

 

⸻

 

命中。

 

⸻

 

しかし。

 

止まらない。

 

⸻

 

二発。

 

三発。

 

五発。

 

⸻

 

それでも前進。

 

⸻

 

そして。

 

主砲。

 

⸻

 

発射。

 

⸻

 

敵戦車部隊が吹き飛ぶ。

 

⸻

 

オークの巨大兵器が真っ二つになる。

 

⸻

 

混沌の装甲車が爆散する。

 

⸻

 

その後ろ。

 

多連装ロケット車。

 

⸻

 

数百発。

 

⸻

 

空が炎で埋まる。

 

⸻

 

敵後方。

 

大爆発。

 

⸻

 

デーモンの軍勢が消える。

 

⸻

 

異形の群れが砕ける。

 

⸻

 

そして。

 

空。

 

⸻

 

強襲艦。

 

⸻

 

数百。

 

⸻

 

機銃掃射。

 

⸻

 

ロケット。

 

爆撃。

 

⸻

 

敵歩兵が次々と倒れる。

 

⸻

 

地上。

 

⸻

 

巨大歩行兵器が進む。

 

⸻

 

鋼鉄の腕。

 

巨大な盾。

 

重火器。

 

⸻

 

敵の突撃を受け止める。

 

⸻

 

踏み潰す。

 

⸻

 

吹き飛ばす。

 

⸻

 

アメストリア兵達は息を呑む。

 

⸻

 

これが。

 

ネヴァーモーン。

 

⸻

 

怪物だけではない。

 

⸻

 

家族だけでもない。

 

⸻

 

戦争そのもの。

 

⸻

 

ブラッドレイが静かに言う。

 

⸻

 

「これほどの兵力を温存していたのか。」

 

⸻

 

ヴォルグラム。

 

⸻

 

「死ぬのは家族だからな。」

 

⸻

 

「盾くらい用意する。」

 

⸻

 

その時。

 

敵中央。

 

⸻

 

巨大な混沌獣。

 

⸻

 

数十メートル。

 

⸻

 

咆哮。

 

⸻

 

戦車へ突撃する。

 

⸻

 

若いアメストリア兵が叫ぶ。

 

⸻

 

「危ない!!」

 

⸻

 

しかし。

 

重戦車が止まらない。

 

⸻

 

主砲。

 

⸻

 

発射。

 

⸻

 

怪物の胸が吹き飛ぶ。

 

⸻

 

それでも進む。

 

⸻

 

さらに二両。

 

⸻

 

三両。

 

⸻

 

集中砲火。

 

⸻

 

巨体が崩れる。

 

⸻

 

轟音。

 

⸻

 

土煙。

 

⸻

 

鋼鉄は止まらない。

 

⸻

 

そして。

 

ヴォルグラムの声が響く。

 

⸻

 

『後に続け!!』

 

⸻

 

その瞬間。

 

ブラッドレイが剣を抜く。

 

⸻

 

「アメストリア軍。」

 

⸻

 

兵士達が立ち上がる。

 

⸻

 

「前進。」

 

⸻

 

ネヴァーモーン。

 

⸻

 

オーク。

 

デーモン。

 

マリーン。

 

混沌種。

 

ネクロン。

 

人間。

 

⸻

 

全員が武器を握る。

 

⸻

 

前には。

 

戦車。

 

⸻

 

鋼鉄。

 

⸻

 

砲火。

 

⸻

 

つまり。

 

盾。

 

⸻

 

グラッグが笑う。

 

⸻

 

「道ガ出来タ!!」

 

⸻

 

ドッグ。

 

⸻

 

「走るぞ!!」

 

⸻

 

リリス。

 

⸻

 

「今度は私達の番ね。」

 

⸻

 

カイウス。

 

⸻

 

「隊列維持。」

 

⸻

 

セトラ。

 

⸻

 

「敵中央部に突破口確認。」

 

⸻

 

ヴォルグラムが巨大斧を肩に担ぐ。

 

⸻

 

ブラッドレイがサーベルを構える。

 

⸻

 

二人が並ぶ。

 

⸻

 

片方は。

 

怪物達の父。

 

⸻

 

片方は。

 

人間達の王。

 

⸻

 

ヴォルグラムが笑う。

 

⸻

 

「行くぞ。」

 

⸻

 

ブラッドレイ。

 

⸻

 

「当然だ。」

 

⸻

 

その瞬間。

 

⸻

 

戦車部隊が作った炎の回廊。

 

⸻

 

鋼鉄の道。

 

⸻

 

そこへ。

 

ネヴァーモーン。

 

⸻

 

アメストリア軍。

 

⸻

 

全軍が雪崩れ込む。

 

⸻

 

兵器が前へ。

 

⸻

 

兵士が後ろへ。

 

⸻

 

家族が続く。

 

⸻

 

銀河の怪物達と。

 

人類最強の兵士達が。

 

⸻

 

鋼鉄の道を駆け抜ける。

 

⸻

 

遠く。

 

《レクイエム・オブ・アッシュ》が再び砲撃を開始する。

 

⸻

 

空が燃える。

 

⸻

 

大地が揺れる。

 

⸻

 

敵軍中央が崩れ始める。

 

⸻

 

そして。

 

その最前線。

 

⸻

 

ヴォルグラム・ケイン。

 

⸻

 

キング・ブラッドレイ。

 

⸻

 

二人の指揮官は。

 

誰よりも前を走っていた。

 

⸻

 

後ろには。

 

家族。

 

⸻

 

守るべき人々。

 

⸻

 

帰るべき家。

 

⸻

 

だから。

 

止まらない。

 

⸻

 

鋼鉄の道は。

 

地獄の中心へと続いていた。

 

⸻

 

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第三十章 完

 

――道は作った。後は家族が続くだけだ。――

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。