禁忌混成傭兵団   作:甘めのコーヒー

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第32話

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第三十章

 

《鋼鉄の道》

 

 

アメストリア中央戦線。

 

空は燃えていた。

 

黒煙。

 

砲炎。

 

降り注ぐ残骸。

 

崩れた高層建築。

 

折れた防衛塔。

 

 

先程まで数十万の敵で埋め尽くされていた大地。

 

しかし今。

 

そこを進むのは。

 

ネヴァーモーンの鋼鉄だった。

 

 

重戦車。

 

突撃戦車。

 

自走砲。

 

装甲輸送車。

 

強襲艦。

 

歩行兵器。

 

 

数百。

 

いや。

 

数千の鋼鉄の怪物。

 

 

轟音。

 

履帯。

 

爆炎。

 

 

まるで大地そのものが前進していた。

 

 

ヴォルグラムは瓦礫の上からその光景を見ていた。

 

赤い義眼。

 

巨大斧。

 

傷だらけの装甲。

 

 

その横。

 

キング・ブラッドレイ。

 

黒い軍服。

 

二本のサーベル。

 

 

二人の前。

 

敵軍中央。

 

 

まだ数十万。

 

 

まだ終わらない。

 

 

ヴォルグラムは通信機を取る。

 

 

全軍回線。

 

 

《レクイエム・オブ・アッシュ》。

 

戦車部隊。

 

強襲艦部隊。

 

前線司令部。

 

 

全員が耳を傾ける。

 

 

『兵器部隊。』

 

 

戦車長達が姿勢を正す。

 

 

『そのまま前線を上げろ。』

 

 

巨大戦車群が動き出す。

 

 

履帯。

 

鋼鉄。

 

黒煙。

 

 

『道を作れ。』

 

 

その言葉。

 

 

それはネヴァーモーンにおいて。

 

最も単純な命令だった。

 

 

前を塞ぐもの。

 

全て破壊しろ。

 

 

オーク戦車隊長が笑う。

 

 

「了解ダ。」

 

 

マリーンの装甲指揮官。

 

 

「全車前進。」

 

 

強襲艦隊長。

 

 

「低空支援開始。」

 

 

次の瞬間。

 

鋼鉄の津波が動き出した。

 

 

最前列。

 

重突撃戦車。

 

 

巨大な主砲。

 

分厚い装甲。

 

 

敵砲撃。

 

 

命中。

 

 

しかし。

 

止まらない。

 

 

二発。

 

三発。

 

五発。

 

 

それでも前進。

 

 

そして。

 

主砲。

 

 

発射。

 

 

敵戦車部隊が吹き飛ぶ。

 

 

オークの巨大兵器が真っ二つになる。

 

 

混沌の装甲車が爆散する。

 

 

その後ろ。

 

多連装ロケット車。

 

 

数百発。

 

 

空が炎で埋まる。

 

 

敵後方。

 

大爆発。

 

 

デーモンの軍勢が消える。

 

 

異形の群れが砕ける。

 

 

そして。

 

空。

 

 

強襲艦。

 

 

数百。

 

 

機銃掃射。

 

 

ロケット。

 

爆撃。

 

 

敵歩兵が次々と倒れる。

 

 

地上。

 

 

巨大歩行兵器が進む。

 

 

鋼鉄の腕。

 

巨大な盾。

 

重火器。

 

 

敵の突撃を受け止める。

 

 

踏み潰す。

 

 

吹き飛ばす。

 

 

アメストリア兵達は息を呑む。

 

 

これが。

 

ネヴァーモーン。

 

 

怪物だけではない。

 

 

家族だけでもない。

 

 

戦争そのもの。

 

 

ブラッドレイが静かに言う。

 

 

「これほどの兵力を温存していたのか。」

 

 

ヴォルグラム。

 

 

「死ぬのは家族だからな。」

 

 

「盾くらい用意する。」

 

 

その時。

 

敵中央。

 

 

巨大な混沌獣。

 

 

数十メートル。

 

 

咆哮。

 

 

戦車へ突撃する。

 

 

若いアメストリア兵が叫ぶ。

 

 

「危ない!!」

 

 

しかし。

 

重戦車が止まらない。

 

 

主砲。

 

 

発射。

 

 

怪物の胸が吹き飛ぶ。

 

 

それでも進む。

 

 

さらに二両。

 

 

三両。

 

 

集中砲火。

 

 

巨体が崩れる。

 

 

轟音。

 

 

土煙。

 

 

鋼鉄は止まらない。

 

 

そして。

 

ヴォルグラムの声が響く。

 

 

『後に続け!!』

 

 

その瞬間。

 

ブラッドレイが剣を抜く。

 

 

「アメストリア軍。」

 

 

兵士達が立ち上がる。

 

 

「前進。」

 

 

ネヴァーモーン。

 

 

オーク。

 

デーモン。

 

マリーン。

 

混沌種。

 

ネクロン。

 

人間。

 

 

全員が武器を握る。

 

 

前には。

 

戦車。

 

 

鋼鉄。

 

 

砲火。

 

 

つまり。

 

盾。

 

 

グラッグが笑う。

 

 

「道ガ出来タ!!」

 

 

ドッグ。

 

 

「走るぞ!!」

 

 

リリス。

 

 

「今度は私達の番ね。」

 

 

カイウス。

 

 

「隊列維持。」

 

 

セトラ。

 

 

「敵中央部に突破口確認。」

 

 

ヴォルグラムが巨大斧を肩に担ぐ。

 

 

ブラッドレイがサーベルを構える。

 

 

二人が並ぶ。

 

 

片方は。

 

怪物達の父。

 

 

片方は。

 

人間達の王。

 

 

ヴォルグラムが笑う。

 

 

「行くぞ。」

 

 

ブラッドレイ。

 

 

「当然だ。」

 

 

その瞬間。

 

 

戦車部隊が作った炎の回廊。

 

 

鋼鉄の道。

 

 

そこへ。

 

ネヴァーモーン。

 

 

アメストリア軍。

 

 

全軍が雪崩れ込む。

 

 

兵器が前へ。

 

 

兵士が後ろへ。

 

 

家族が続く。

 

 

銀河の怪物達と。

 

人類最強の兵士達が。

 

 

鋼鉄の道を駆け抜ける。

 

 

遠く。

 

《レクイエム・オブ・アッシュ》が再び砲撃を開始する。

 

 

空が燃える。

 

 

大地が揺れる。

 

 

敵軍中央が崩れ始める。

 

 

そして。

 

その最前線。

 

 

ヴォルグラム・ケイン。

 

 

キング・ブラッドレイ。

 

 

二人の指揮官は。

 

誰よりも前を走っていた。

 

 

後ろには。

 

家族。

 

 

守るべき人々。

 

 

帰るべき家。

 

 

だから。

 

止まらない。

 

 

鋼鉄の道は。

 

地獄の中心へと続いていた。

 

 

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第三十章 完

 

――道は作った。後は家族が続くだけだ。――

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