《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第三十四章
《王の演算、その果て》
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アメストリア中央大陸。
かつて戦場だった場所。
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その瞬間。
世界が白く染まった。
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《レクイエム・オブ・アッシュ》から放たれたバンカー・ランス。
それは砲撃ではなかった。
爆撃でもない。
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まるで。
天そのものが地上へ槍を突き立てたかのようだった。
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青白い光が雲を貫く。
大気が裂ける。
衝撃波が空を押し潰す。
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轟音。
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数秒遅れて。
惑星全体が震えた。
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大地が波打つ。
建物が揺れる。
山が崩れる。
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地下深く。
敵司令部へ。
巨大な槍が突き刺さる。
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地表に一本の巨大な亀裂が走った。
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数十キロ。
いや。
百キロ以上。
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その裂け目から青白い光が吹き上がる。
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アメストリア兵達は立ち尽くした。
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オーク達ですら口を閉じる。
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ブラッドレイは静かに空を見上げる。
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ヴォルグラムは笑った。
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「ハハハ!」
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煙を吐きながら。
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「いつ見ても凄い迫力だな。」
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巨大な光。
崩れる地面。
吹き荒れる衝撃波。
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まさに神話だった。
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通信機を取る。
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「セトラ。」
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艦橋。
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まだ警報が鳴っている。
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砲術士官達は汗を流している。
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エネルギー計器。
地殻振動。
重力偏差。
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その中央。
ネクロンの王。
セトラ。
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彼は椅子に腰掛けたまま静かに目を閉じていた。
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ヴォルグラムが笑う。
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「よくやった。」
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少し間。
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セトラは小さく息を吐いた。
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「やれやれ。」
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「歳を取るとこんな計算は疲れる。」
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艦橋に笑いが漏れる。
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ヴォルグラム。
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「反応はまだあるか?」
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セトラの緑の瞳が再び輝く。
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戦術画面。
熱源。
魔力反応。
地下構造。
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崩壊した地下施設。
落盤。
巨大な空洞。
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そして。
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沈黙。
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艦橋が静まり返る。
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セトラがゆっくり言う。
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「……ほとんど消えた。」
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ブラッドレイが振り向く。
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「ほとんど?」
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「ああ。」
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「司令部は崩壊した。」
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「地下構造も半壊。」
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「敵の大半は死んだ。」
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リリスが黒炎を揺らす。
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「でも。」
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セトラ。
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「一つだけ残ってる。」
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戦術図。
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巨大な赤い光。
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まだ消えていない。
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それどころか。
少しずつ。
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動いている。
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ドッグが帽子を深く被る。
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「生きてやがるか。」
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グラッグが牙を見せる。
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「強イナ。」
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セトラは少し笑う。
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「ようやく会えそうだ。」
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「地下二千メートル。」
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「上がってきてる。」
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その時。
崩壊した大地が揺れた。
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亀裂。
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煙。
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青白い光。
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そして。
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巨大な何かが。
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地下から現れようとしていた。
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ブラッドレイが軍刀を抜く。
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「敵の王か。」
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リリスの黒炎が燃える。
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「すごい気配。」
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ドッグが弾を装填する。
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「ようやく親玉だ。」
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グラッグが笑う。
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「殴レル!!」
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ヴォルグラムは巨大斧を肩に担ぐ。
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空。
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《レクイエム・オブ・アッシュ》。
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大地。
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割れた戦場。
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そして。
地下から現れる最後の敵。
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ヴォルグラムは笑う。
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「セトラ。」
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「なんだ。」
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「お前の勝ちだ。」
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セトラは静かに答える。
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「まだ早い。」
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「王ってのは最後まで生き残った奴が名乗るものだ。」
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地面が再び震える。
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亀裂が広がる。
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崩れた地下施設。
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その奥から。
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赤黒い光がゆっくりと昇ってくる。
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ネヴァーモーン。
アメストリア。
全軍がその光景を見つめていた。
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バンカー・ランス。
それでも殺しきれなかった何か。
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最後の敵。
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最後の王。
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それが。
今。
地獄の底から姿を現そうとしていた。
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《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第三十四章 完
――王は死んだ。だが、怪物はまだ生きている。――