《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第三十六章
《鋼鉄の葬送曲》
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アメストリア中央戦線。
巨大な亀裂。
その深淵。
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地獄の底から。
何かが這い上がってくる。
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赤黒い装甲。
無数の触腕。
黒い炎。
崩れた岩盤を押し潰しながら、巨大な影がゆっくりと姿を現し始める。
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その巨体は山のようだった。
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オークですら沈黙する。
デーモンすら震える。
混沌兵が後退する。
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まるで。
地下そのものが怪物になったかのようだった。
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ブラッドレイが軍刀を握る。
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「……なるほど。」
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「確かに怪物だ。」
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リリスの黒炎が揺れる。
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「嫌な気配。」
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「何千年分の怨念かしら。」
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セトラの戦術画面が赤く染まる。
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『目標、地表到達。』
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『熱源増大。』
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『敵エネルギー上昇。』
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『脅威度、最大。』
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その時。
ヴォルグラム・ケインが笑った。
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巨大斧を肩に担ぐ。
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血に濡れた鎧。
傷だらけの体。
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しかし。
その顔には笑みがあった。
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「よし。」
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通信を開く。
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ネヴァーモーン。
アメストリア。
《レクイエム・オブ・アッシュ》。
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全軍へ。
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「お前ら。」
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「兵器に隠れろ。」
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重戦車。
超重装甲車。
自走砲。
大型輸送車。
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鋼鉄の壁。
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アメストリア兵達が避難する。
負傷者が運ばれる。
子供達が抱えられる。
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ネヴァーモーンの兵達が笑う。
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「またか。」
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「いつものだな。」
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グラッグがオーク達を怒鳴る。
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「戦車ノ後ロダ!!」
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マリーン達が装甲車を盾にする。
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デーモン達すら避難民を守る。
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そして。
ヴォルグラムは空を見上げた。
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《レクイエム・オブ・アッシュ》。
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数十門の重粒子砲。
数百基のミサイル発射管。
無数の砲塔。
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まるで。
空そのものが武器になっている。
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ヴォルグラム。
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「セトラ。」
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艦橋。
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老王は静かに座っている。
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「聞いてる。」
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「打て。」
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少し笑う。
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「通常弾頭に。」
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「対艦ミサイルも全門斉射だ。」
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艦橋が静まり返る。
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砲術士官。
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「全門……ですか?」
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ヴォルグラム。
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「塵にしろ。」
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数秒。
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セトラは静かに目を閉じた。
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戦術図。
敵。
風向。
重力。
誤差。
味方位置。
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全てを確認する。
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そして。
老王は静かに言った。
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「……いいだろう。」
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「たまには派手にやるか。」
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砲術士官。
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「重粒子砲全門。」
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「通常砲全門。」
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「対艦ミサイル発射管全開放。」
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警報。
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艦内に赤い光が灯る。
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「砲撃準備。」
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「照準固定。」
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「目標捕捉。」
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巨大な怪物が裂け目から姿を現す。
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咆哮。
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その声だけで大地が震える。
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黒い炎。
赤い雷。
膨大な魔力。
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ブラッドレイが静かに言う。
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「怪物らしい怪物だ。」
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リリス。
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「死んでくれるかしら。」
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セトラ。
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「さあな。」
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「だが痛いのは確かだ。」
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そして。
老王が命じる。
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「重粒子砲。」
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「発射。」
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空が消えた。
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数十本の青白い光。
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それは槍だった。
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巨大な光の奔流。
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怪物へ。
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一直線。
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直撃。
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轟音。
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装甲が砕ける。
肉が吹き飛ぶ。
炎が消し飛ぶ。
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しかし。
怪物はまだ動く。
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その瞬間。
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「通常砲撃。」
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無数の主砲。
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発射。
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数百発。
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爆発。
炎。
衝撃。
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地表そのものが揺れる。
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怪物の身体が砕かれる。
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そして。
最後。
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「対艦ミサイル。」
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数百。
いや。
数千。
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空が黒くなる。
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ミサイルの群れ。
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巨大な鋼鉄の津波。
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アメストリア兵達は戦車の陰に伏せる。
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ネヴァーモーンの兵達が笑う。
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「来るぞ!!」
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ブラッドレイが軍刀を下ろす。
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「伏せろ。」
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ヴォルグラム。
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「耳塞げ!!」
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その瞬間。
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数千発のミサイルが怪物へ殺到した。
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爆発。
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爆発。
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さらに爆発。
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空が炎になる。
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衝撃波。
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熱風。
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黒煙。
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巨大な火球が戦場を包み込む。
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その中心。
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怪物の姿は見えない。
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ただ。
燃える炎。
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崩れる大地。
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轟音だけが響いていた。
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煙の向こう。
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果たして。
敵はまだ生きているのか。
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ヴォルグラムは煙草を咥えながら笑った。
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「さて。」
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「これで死んでなきゃ。」
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巨大斧を担ぐ。
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「俺達の出番だ。」
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《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第三十六章 完
――怪物には怪物の戦い方がある。だが、ネヴァーモーンには艦隊がある。――