《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第二章
《死者の星》
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ヴァル=シグマ解放から三日後。
巨大移動要塞艦
《レクイエム・オブ・アッシュ》は、
静かにワープ航行を続けていた。
艦内には、
珍しく穏やかな空気が流れている。
食堂では。
オーク達が大声で喧嘩し。
人間兵が酒を飲み。
デーモンが料理を運び。
ネクロンが無言で壁際に立っていた。
普通なら、
悪夢のような光景。
だがネヴァーモーンでは日常だった。
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「オイ、チビ助」
グラッグ・ドッカが、
避難民の少女へ巨大な金属マグを差し出す。
グラッグ・ドッカ
「飲メ!!」
少女は恐る恐る匂いを嗅ぐ。
「……これ何?」
「燃料ダ!!」
周囲の人間兵が吹き出した。
「それ酒じゃなくて本当に燃料ですよ隊長!?」
「細ケェ!!」
食堂は笑いに包まれる。
その時だった。
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艦内警報。
赤い警告灯。
空気が一変する。
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【緊急観測】
【死者反応確認】
【宙域:ネクロス深淵域】
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ネクロン達の瞳が光った。
特に。
古代貴族、
セトラ=ヴェインだけは、
静かに立ち上がる。
セトラ=ヴェイン
その金属の声は、
わずかに低かった。
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「……あり得ぬ」
ヴォルグラムが振り向く。
「知ってる場所か?」
数秒の沈黙。
そしてセトラは言った。
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「我が王墓世界だ」
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空気が凍った。
ネクロンの王墓世界。
つまり。
数千万のネクロンが眠る、
銀河最悪級の死の惑星。
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「滅んだはずだ」
セトラは続ける。
「数万年前、混沌侵食により封印した」
「だが反応がある」
「嫌な予感しかしねぇな」
人間兵が青ざめる。
だが。
ヴォルグラムだけは笑った。
「面白ぇ」
その瞬間。
全員が笑った。
オークが武器を掴む。
デーモンが舌舐めずりする。
マリーンが立ち上がる。
ネヴァーモーンにとって。
危険とは、
進軍命令と同義だった。
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第二節
ネクロス深淵域
ワープ嵐の中心。
星々の墓場。
そこに。
惑星ネクロス=カーインは存在した。
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巨大。
黒い。
死んでいる。
惑星全体が金属で覆われ、
無数の巨大墓標が空へ突き刺さっている。
まるで。
銀河そのものの墓だった。
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「……嫌な星だな」
人間兵が呟く。
その瞬間。
艦全体が揺れた。
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ゴゴゴゴゴゴ――!!
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警報。
絶叫。
オペレーターが叫ぶ。
「艦下部に反応!!」
直後。
宇宙空間が裂けた。
そこから現れたのは。
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巨大な黒い艦隊。
混沌軍。
しかも。
通常の混沌軍ではない。
船体全体が肉塊と化し、
脈動している。
まるで生きた戦艦。
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「……ナーグルか」
デーモン女王リリスが顔をしかめる。
リリス=ヴァール
「腐敗臭が酷いわ」
次の瞬間。
敵艦隊から、
無数の生体魚雷が放たれた。
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「総員戦闘配置!!」
艦橋が怒号で埋まる。
マリーン達が武器装填。
ネクロン転移門展開。
オーク達が歓声を上げる。
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「戦争ダァァァ!!」
グラッグが笑う。
その直後。
《レクイエム・オブ・アッシュ》全砲門が開いた。
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ドゴォォォォン!!
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宇宙が白く染まる。
超巨大砲撃。
敵艦隊が爆散。
だが。
混沌艦隊は止まらない。
肉塊を撒き散らしながら突撃してくる。
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「接舷されるぞ!」
そして。
最悪が起きた。
敵艦が、
強引に船体へ激突。
艦内へ、
無数の腐敗デーモンが雪崩れ込んできた。
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第三節
家族の戦争
艦内は地獄と化した。
腐敗。
膿。
狂笑。
ナーグルの悪魔達が、
通路を埋め尽くす。
人間兵が喰われる。
オークが引き裂かれる。
デーモン同士が殺し合う。
その中を。
黒い巨人が歩く。
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ヴォルグラムだった。
巨大斧を引き摺り。
義眼を赤く光らせ。
笑っていた。
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「派手に来やがったなァ」
直後。
斧が振るわれる。
腐敗デーモン十数体が、
まとめて消し飛ぶ。
血と臓物が壁に叩き付けられる。
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「押し返せェ!!」
ネヴァーモーン全軍が突撃。
オークが肉壁を破壊。
マリーンがボルト弾を乱射。
ネクロンが空間切断。
デーモンがワープ炎を撒く。
混成。
狂気。
だが。
完璧な連携だった。
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その時。
若い人間兵が、
腐敗獣に押し倒された。
牙が迫る。
死。
誰もがそう思った瞬間。
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ドガァァァン!!
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巨大ハンマーが、
怪物ごと床を粉砕した。
グラッグだった。
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「家族ニ手ェ出スナ」
低い声。
怒っていた。
オークが。
本気で。
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若い兵士は震えながら言う。
「……なんで助けるんだ」
グラッグは鼻を鳴らした。
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「当タリ前ダ」
「オ前、仲間ダロ」
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その瞬間。
若い兵士は、
泣きながら笑った。
第四節
死者の目覚め
戦闘が激化する中。
惑星ネクロス=カーインが、
ゆっくりと光り始める。
セトラの瞳が揺れた。
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「……まさか」
惑星全土の墓標が、
一斉に起動。
緑色の光が銀河を染める。
そして。
数千万。
数億。
無数のネクロン軍団が、
惑星表面から起き上がった。
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沈黙の軍勢。
死の王国。
銀河最悪の古代兵器群。
その中心で。
巨大な王座が動く。
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「王が……目覚めた……」
セトラの声に、
初めて恐怖が混じった。
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ヴォルグラムは笑う。
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「最高じゃねぇか」
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宇宙が震える。
死者の星が目覚める。
そして。
ネヴァーモーンは、
その地獄へ降下を開始した。
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《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第二章 完