禁忌混成傭兵団   作:甘めのコーヒー

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第45話

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第四十三章

 

《六人と一匹の怪物》

 

 

ゴォォォォォォォォ――――!!

 

 

怪物の咆哮。

 

その衝撃だけで地面が砕けた。

 

 

十メートルの巨体。

 

折れた角。

 

砕けた装甲。

 

半ば失われた肉体。

 

 

だが。

 

その力だけは死んでいない。

 

 

赤黒い瘴気が傷口から噴き出し、砕けた腕の断面から黒い肉がゆっくりと蠢く。

 

 

セトラの声。

 

 

『魔力上昇。』

 

 

『来るぞ。』

 

 

その瞬間。

 

 

怪物が消えた。

 

 

「なっ――!!」

 

 

ドッグが目を見開く。

 

 

十メートルの巨体とは思えない速度。

 

 

次の瞬間。

 

 

ズドォォォォン!!

 

 

巨大な拳がヴォルグラム達のいた場所へ叩き込まれた。

 

 

地面が爆発する。

 

岩が吹き飛ぶ。

 

砂塵が空を覆う。

 

 

しかし。

 

 

ヴォルグラムは笑っていた。

 

 

「グラッグ!!」

 

 

「オオオオオ!!」

 

 

巨大なオークが前へ飛び出す。

 

 

その筋肉は膨れ上がり。

 

巨大な戦斧を盾代わりに構える。

 

 

ドゴォォォォ!!

 

 

怪物の拳。

 

グラッグの身体。

 

 

衝撃。

 

 

数十トンの力。

 

 

グラッグの足元が砕ける。

 

 

膝まで地面に沈む。

 

 

だが。

 

 

止めた。

 

 

「止メタァァ!!」

 

 

ヴォルグラムが笑う。

 

 

「よくやった!!」

 

 

次の瞬間。

 

 

カイウスが飛ぶ。

 

 

銀の剣。

 

 

鋭い突き。

 

 

ガキィィィン!!

 

 

怪物の膝。

 

 

装甲が砕ける。

 

 

黒い血が噴き出す。

 

 

怪物が唸る。

 

 

その瞬間。

 

 

「今だ!!」

 

 

ブラッドレイが消えた。

 

 

超高速。

 

 

《究極の眼》。

 

 

世界が遅くなる。

 

 

筋肉。

 

骨格。

 

血流。

 

魔力。

 

 

全てが見える。

 

 

新しいサーベル。

 

 

家族の剣。

 

 

その刃が走る。

 

 

キィィィン!!

 

 

一閃。

 

 

怪物の首。

 

 

深い傷。

 

 

黒い血が噴き出す。

 

 

怪物が咆哮する。

 

 

ゴォォォォォ!!

 

 

巨大な腕が振り下ろされる。

 

 

だが。

 

 

ヴォルグラムが前へ出る。

 

 

「こっちだ!!」

 

 

巨大斧。

 

 

正面衝突。

 

 

ドォォォォン!!

 

 

衝撃波。

 

 

岩盤が吹き飛ぶ。

 

 

ヴォルグラムの足が数メートル沈む。

 

 

口から血が流れる。

 

 

それでも。

 

 

笑う。

 

 

「重いなぁ!!」

 

 

後方。

 

 

リリスが両手を掲げる。

 

 

黒炎。

 

 

無数の魔法陣。

 

 

「焼きなさい。」

 

 

黒い炎が怪物を包む。

 

 

肉が燃える。

 

 

再生が止まる。

 

 

リリスが叫ぶ。

 

 

「今よ!!」

 

 

ドッグが二丁拳銃を構える。

 

 

「頭を下げろ!!」

 

 

ドォン!!

 

ドォン!!

 

ドォン!!

 

 

大口径弾。

 

 

怪物の眼。

 

肩。

 

喉。

 

 

次々と着弾する。

 

 

黒い肉が飛び散る。

 

 

怪物が後退する。

 

 

セトラの声。

 

 

『再生能力低下。』

 

 

『今なら殺せる。』

 

 

ヴォルグラム。

 

 

「グラッグ!!」

 

 

「オオオ!!」

 

 

巨大なオークが突撃する。

 

 

戦斧。

 

 

全身全霊。

 

 

ドガァァァァ!!

 

 

怪物の膝が砕ける。

 

 

十メートルの身体が傾く。

 

 

カイウスが走る。

 

 

剣が閃く。

 

 

腕。

 

肩。

 

肋骨。

 

 

次々と斬り裂く。

 

 

ブラッドレイ。

 

 

左。

 

右。

 

前。

 

後。

 

 

その速度。

 

 

まるで赤い閃光。

 

 

サーベルが何十回も振るわれる。

 

 

怪物の身体に無数の傷。

 

 

怪物が怒り狂う。

 

 

赤い光。

 

 

魔力が爆発する。

 

 

地面が吹き飛ぶ。

 

 

グラッグが弾かれる。

 

 

カイウスが転がる。

 

 

ヴォルグラムも数十メートル吹き飛ぶ。

 

 

ブラッドレイだけが残る。

 

 

怪物。

 

 

ブラッドレイ。

 

 

静寂。

 

 

巨大な爪が振り下ろされる。

 

 

その瞬間。

 

 

究極の眼。

 

 

未来。

 

軌道。

 

筋肉。

 

力。

 

 

全てが見える。

 

 

ブラッドレイは半歩だけ動いた。

 

 

爪が空を裂く。

 

 

そして。

 

 

家族のサーベルが走る。

 

 

ザシュッ!!

 

 

怪物の右眼。

 

 

完全に切断。

 

 

咆哮。

 

 

後方。

 

 

ヴォルグラムが立ち上がる。

 

 

血だらけ。

 

 

傷だらけ。

 

 

それでも。

 

 

笑う。

 

 

「いい剣だろ?」

 

 

ブラッドレイが静かに答える。

 

 

「ああ。」

 

 

「実にいい。」

 

 

リリス。

 

 

「まだ動くわ!!」

 

 

セトラ。

 

 

『心臓反応あり。』

 

 

『胸部中央。』

 

 

ヴォルグラムが巨大斧を握る。

 

 

「聞いたか。」

 

 

ブラッドレイ。

 

 

「ああ。」

 

 

「最後だ。」

 

 

グラッグが立ち上がる。

 

 

「マダ戦エル!!」

 

 

カイウスが血を拭う。

 

 

「帰って酒を飲む。」

 

 

ドッグが最後の弾を込める。

 

 

「会計は団長だ。」

 

 

リリスが黒炎を燃やす。

 

 

「絶対に払わせる。」

 

 

ヴォルグラムが笑う。

 

 

「だから死ぬな。」

 

 

怪物が最後の咆哮を上げる。

 

 

六人が前へ出る。

 

 

燃える地獄。

 

崩れた都市。

 

赤い空。

 

 

ネヴァーモーン。

 

アメストリア。

 

 

二つの家族を背負い。

 

 

六人は最後の一撃のため。

 

 

怪物へ走り出した。

 

 

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第四十三章 完

 

――家族を守る者達は、最後まで前へ進む。――

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