禁忌混成傭兵団   作:甘めのコーヒー

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第5話

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第三章

 

《王墓世界》

 

 

惑星ネクロス=カーイン。

 

死者の星。

 

数千万年の眠りから目覚めた、

ネクロン王朝の墓標世界。

 

その光景は、

あまりにも巨大だった。

 

 

惑星全土が割れる。

 

黒い大地が崩れ。

 

無数の墓標が浮上する。

 

巨大な緑光が、

宇宙空間を染め上げた。

 

まるで。

 

星そのものが目覚めている。

 

 

「……信じられん」

 

人間兵達は震えていた。

 

惑星表面に見えるのは、

軍勢。

 

軍勢。

 

軍勢。

 

どこまでも続く、

銀色の死者達。

 

ネクロン。

 

無限の機械兵団。

 

その数。

 

推定――数億。

 

 

普通なら、

逃げる。

 

間違いなく。

 

だが。

 

ネヴァーモーンは違った。

 

 

「降下準備」

 

ヴォルグラムが笑う。

 

すると艦橋全員が、

自然に立ち上がった。

 

オーク達が武器を掴む。

 

マリーンが祈りを捧げる。

 

デーモンが狂笑する。

 

人間兵達も、

恐怖を押し殺して立ち上がった。

 

 

「おいおい団長」

 

マルケウスが低く笑う。

 

「相手は星一つ分のネクロンだぞ?」

 

ヴォルグラムは肩を鳴らす。

 

 

「だから面白ぇんだろ」

 

 

誰かが笑った。

 

次第に。

 

全員が笑い始める。

 

狂っていた。

 

本当に。

 

だがその笑いは、

恐怖を吹き飛ばす。

 

 

第一節

 

降下

 

降下ポッドが、

大気圏を突き破る。

 

燃える。

 

揺れる。

 

警告音。

 

そして。

 

 

ドゴォォォォン!!

 

 

惑星表面へ激突。

 

ハッチが吹き飛ぶ。

 

そこは。

 

死の平原だった。

 

 

空は暗黒。

 

大地は黒鉄。

 

無数のネクロン兵が、

静かにこちらを見ている。

 

数え切れない。

 

視界全てが敵。

 

その中央。

 

巨大な黒曜石の王座。

 

そこに。

 

“王”が座っていた。

 

 

《沈黙王》

 

沈黙王

 

全高十五メートル。

 

黄金と黒鉄で構成された、

古代の王。

 

その瞳は、

恒星のように緑色に燃えていた。

 

 

「生者」

 

王の声が、

大気を震わせる。

 

「何故、この墓標へ来た」

 

セトラが前へ出る。

 

膝をついた。

 

 

「王よ」

 

「私はセトラ=ヴェイン」

 

「あなたの臣下です」

 

沈黙。

 

永遠のような静寂。

 

やがて。

 

王の瞳が、

ゆっくりヴォルグラムへ向く。

 

 

「……貴様」

 

「何だその肉体は」

 

ヴォルグラムは笑った。

 

 

「寄せ集めだ」

 

「気に入ってる」

 

 

瞬間。

 

王の周囲の空間が歪む。

 

殺気。

 

惑星そのものが震えた。

 

 

「穢れた融合体」

 

「存在そのものが冒涜」

 

数億のネクロン軍団が、

一斉に武器を構える。

 

人間兵が青ざめる。

 

オーク達は嬉しそうに笑う。

 

デーモン達が歓声を上げる。

 

そして。

 

ヴォルグラムは、

巨大斧を肩に担いだ。

 

 

「上等だ」

 

 

第二節

 

銀河最悪の戦場

 

開戦。

 

その瞬間。

 

世界が吹き飛んだ。

 

 

ネクロン砲撃。

 

超高熱光線が、

大地を蒸発させる。

 

空間断裂兵器が、

山脈ごと切断。

 

重力崩壊波動。

 

通常軍隊なら、

一秒で消滅していた。

 

だが。

 

ネヴァーモーンは止まらない。

 

 

「突撃ィィィ!!」

 

グラッグ率いるオーク軍団が、

真正面から突っ込む。

 

ネクロン歩兵を、

ハンマーで粉砕。

 

身体が吹き飛ぶ。

 

だがオーク達は笑う。

 

 

「最高ダァァァ!!」

 

 

その横を。

 

スペースマリーン部隊が進軍。

 

ボルト弾の嵐。

 

爆裂。

 

粉砕。

 

マルケウスが、

巨大チェインソードで敵を両断する。

 

 

デーモン達は空を飛び、

ワープ炎を撒き散らす。

 

人間兵達は、

重火器を抱えて突撃。

 

誰一人、

退かなかった。

 

 

なぜなら。

 

隣に家族がいたから。

 

 

第三節

 

死なせない

 

戦場中央。

 

若い人間兵、

レオンは震えていた。

 

十九歳。

 

元鉱山労働者。

 

数日前まで、

ただの一般人だった。

 

だが今。

 

目の前には。

 

数百体のネクロン。

 

死の軍勢。

 

 

「む、無理だ……」

 

脚が震える。

 

呼吸が止まる。

 

死ぬ。

 

そう思った瞬間。

 

誰かが、

レオンの肩を掴んだ。

 

 

「前見ろ、小僧」

 

低い声。

 

マルケウスだった。

 

 

「恐怖は正常だ」

 

「だがな」

 

チェインソード起動。

 

轟音。

 

火花。

 

 

「家族は置いて死ねねぇ」

 

 

次の瞬間。

 

マルケウスが突撃。

 

ネクロン数十体を、

まとめて切り裂く。

 

血ではなく、

緑色の火花が吹き上がった。

 

 

レオンは呆然と見ていた。

 

すると。

 

通信機から、

ヴォルグラムの声が響く。

 

 

『全軍聞け』

 

『死ぬな』

 

『以上だ』

 

 

たったそれだけ。

 

だが。

 

ネヴァーモーン全軍が、

笑った。

 

 

第四節

 

王の怒り

 

戦場の奥。

 

沈黙王が、

静かに立ち上がる。

 

その瞬間。

 

惑星全土の重力が変わった。

 

空が歪む。

 

山脈が崩壊。

 

数百万のネクロン軍が、

一斉に跪く。

 

 

「愚かな生者共」

 

王の声。

 

銀河を揺らすほどの威圧。

 

 

「貴様らに理解は不可能だ」

 

「永遠とは何かを」

 

ヴォルグラムは笑う。

 

血塗れのまま。

 

真正面から。

 

王を見上げる。

 

 

「永遠なんざ興味ねぇ」

 

巨大斧を構える。

 

 

「俺達ゃ今日を生きてんだ」

 

 

その瞬間。

 

沈黙王の瞳が、

初めて揺れた。

 

 

次の瞬間。

 

王とヴォルグラムが、

同時に動いた。

 

 

銀河が震える。

 

惑星が裂ける。

 

そして。

 

禁忌の戦争は、

更なる地獄へ突入していく。

 

 

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第三章 完

 

 

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