《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第三章
《王墓世界》
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惑星ネクロス=カーイン。
死者の星。
数千万年の眠りから目覚めた、
ネクロン王朝の墓標世界。
その光景は、
あまりにも巨大だった。
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惑星全土が割れる。
黒い大地が崩れ。
無数の墓標が浮上する。
巨大な緑光が、
宇宙空間を染め上げた。
まるで。
星そのものが目覚めている。
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「……信じられん」
人間兵達は震えていた。
惑星表面に見えるのは、
軍勢。
軍勢。
軍勢。
どこまでも続く、
銀色の死者達。
ネクロン。
無限の機械兵団。
その数。
推定――数億。
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普通なら、
逃げる。
間違いなく。
だが。
ネヴァーモーンは違った。
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「降下準備」
ヴォルグラムが笑う。
すると艦橋全員が、
自然に立ち上がった。
オーク達が武器を掴む。
マリーンが祈りを捧げる。
デーモンが狂笑する。
人間兵達も、
恐怖を押し殺して立ち上がった。
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「おいおい団長」
マルケウスが低く笑う。
「相手は星一つ分のネクロンだぞ?」
ヴォルグラムは肩を鳴らす。
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「だから面白ぇんだろ」
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誰かが笑った。
次第に。
全員が笑い始める。
狂っていた。
本当に。
だがその笑いは、
恐怖を吹き飛ばす。
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第一節
降下
降下ポッドが、
大気圏を突き破る。
燃える。
揺れる。
警告音。
そして。
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ドゴォォォォン!!
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惑星表面へ激突。
ハッチが吹き飛ぶ。
そこは。
死の平原だった。
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空は暗黒。
大地は黒鉄。
無数のネクロン兵が、
静かにこちらを見ている。
数え切れない。
視界全てが敵。
その中央。
巨大な黒曜石の王座。
そこに。
“王”が座っていた。
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《沈黙王》
沈黙王
全高十五メートル。
黄金と黒鉄で構成された、
古代の王。
その瞳は、
恒星のように緑色に燃えていた。
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「生者」
王の声が、
大気を震わせる。
「何故、この墓標へ来た」
セトラが前へ出る。
膝をついた。
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「王よ」
「私はセトラ=ヴェイン」
「あなたの臣下です」
沈黙。
永遠のような静寂。
やがて。
王の瞳が、
ゆっくりヴォルグラムへ向く。
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「……貴様」
「何だその肉体は」
ヴォルグラムは笑った。
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「寄せ集めだ」
「気に入ってる」
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瞬間。
王の周囲の空間が歪む。
殺気。
惑星そのものが震えた。
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「穢れた融合体」
「存在そのものが冒涜」
数億のネクロン軍団が、
一斉に武器を構える。
人間兵が青ざめる。
オーク達は嬉しそうに笑う。
デーモン達が歓声を上げる。
そして。
ヴォルグラムは、
巨大斧を肩に担いだ。
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「上等だ」
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第二節
銀河最悪の戦場
開戦。
その瞬間。
世界が吹き飛んだ。
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ネクロン砲撃。
超高熱光線が、
大地を蒸発させる。
空間断裂兵器が、
山脈ごと切断。
重力崩壊波動。
通常軍隊なら、
一秒で消滅していた。
だが。
ネヴァーモーンは止まらない。
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「突撃ィィィ!!」
グラッグ率いるオーク軍団が、
真正面から突っ込む。
ネクロン歩兵を、
ハンマーで粉砕。
身体が吹き飛ぶ。
だがオーク達は笑う。
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「最高ダァァァ!!」
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その横を。
スペースマリーン部隊が進軍。
ボルト弾の嵐。
爆裂。
粉砕。
マルケウスが、
巨大チェインソードで敵を両断する。
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デーモン達は空を飛び、
ワープ炎を撒き散らす。
人間兵達は、
重火器を抱えて突撃。
誰一人、
退かなかった。
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なぜなら。
隣に家族がいたから。
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第三節
死なせない
戦場中央。
若い人間兵、
レオンは震えていた。
十九歳。
元鉱山労働者。
数日前まで、
ただの一般人だった。
だが今。
目の前には。
数百体のネクロン。
死の軍勢。
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「む、無理だ……」
脚が震える。
呼吸が止まる。
死ぬ。
そう思った瞬間。
誰かが、
レオンの肩を掴んだ。
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「前見ろ、小僧」
低い声。
マルケウスだった。
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「恐怖は正常だ」
「だがな」
チェインソード起動。
轟音。
火花。
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「家族は置いて死ねねぇ」
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次の瞬間。
マルケウスが突撃。
ネクロン数十体を、
まとめて切り裂く。
血ではなく、
緑色の火花が吹き上がった。
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レオンは呆然と見ていた。
すると。
通信機から、
ヴォルグラムの声が響く。
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『全軍聞け』
『死ぬな』
『以上だ』
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たったそれだけ。
だが。
ネヴァーモーン全軍が、
笑った。
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第四節
王の怒り
戦場の奥。
沈黙王が、
静かに立ち上がる。
その瞬間。
惑星全土の重力が変わった。
空が歪む。
山脈が崩壊。
数百万のネクロン軍が、
一斉に跪く。
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「愚かな生者共」
王の声。
銀河を揺らすほどの威圧。
「貴様らに理解は不可能だ」
「永遠とは何かを」
ヴォルグラムは笑う。
血塗れのまま。
真正面から。
王を見上げる。
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「永遠なんざ興味ねぇ」
巨大斧を構える。
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「俺達ゃ今日を生きてんだ」
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その瞬間。
沈黙王の瞳が、
初めて揺れた。
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次の瞬間。
王とヴォルグラムが、
同時に動いた。
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銀河が震える。
惑星が裂ける。
そして。
禁忌の戦争は、
更なる地獄へ突入していく。
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《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第三章 完