《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第五十一章
《乾杯》
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アメストリア防衛陣地。
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夜が訪れていた。
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燃えていた戦場も静まり。
砲声も止み。
咆哮も消えた。
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空には灰が舞っている。
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しかし。
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もう誰も恐れてはいなかった。
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怪物は死んだ。
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惑星は救われた。
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家族は帰ってきた。
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傷だらけで。
血まみれで。
今にも倒れそうな者達ばかりだったが。
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それでも。
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帰ってきた。
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陣地では既に宴の準備が始まっていた。
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巨大な焚き火。
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運び出される酒樽。
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簡易テーブル。
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負傷者用の寝台。
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治療班。
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そして。
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数え切れない兵士達。
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ネヴァーモーン。
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アメストリア軍。
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難民達。
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誰もが忙しく動いていた。
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その中央。
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マルケウスに担がれたヴォルグラムが笑う。
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「降ろせ。」
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「重い。」
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マルケウス。
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「嘘つけ。」
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「お前の方が重い。」
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周囲が笑う。
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その時。
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ヴォルグラムが通信機を受け取った。
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血の付いた手。
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傷だらけの顔。
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それでも。
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ネヴァーモーン団長の声はいつも通りだった。
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「通信を繋げ。」
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オペレーター。
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「全艦回線接続。」
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「レクイエム・オブ・アッシュ。」
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「アメストリア防衛軍。」
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「全部隊接続完了。」
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ヴォルグラムは少し笑う。
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「セトラ。」
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艦橋。
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静かな王。
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老王セトラが答える。
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『聞いている。』
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ヴォルグラム。
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「お前も艦から降りてこい。」
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少し沈黙。
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『余がか?』
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「飲むぞ。」
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艦橋のクルー達が静かに笑う。
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セトラは数秒黙る。
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そして。
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『……分かった。』
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『たまには悪くない。』
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リリスが笑う。
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「奇跡ね。」
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ドッグ。
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「王様が宴に来る。」
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グラッグ。
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「酒飲ム!!」
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ヴォルグラムは立ち上がろうとする。
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当然。
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失敗する。
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「無理するな!!」
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「団長!!」
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「座ってろ!!」
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兵士達が慌てる。
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ヴォルグラム。
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「うるせぇ。」
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「団長だぞ。」
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ブラッドレイが静かに肩を支える。
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「まだ動くな。」
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ヴォルグラム。
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「王様が言うなら仕方ねぇ。」
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そして。
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彼はゆっくり前を見る。
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数千人。
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ネヴァーモーン。
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アメストリア。
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難民達。
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家族達。
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死んだ仲間達の遺体。
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負傷者。
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泣いている者。
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笑っている者。
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その全てを見渡した。
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そして。
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通信回線を開く。
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『ネヴァーモーン。』
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『及び。』
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『アメストリア全軍に告ぐ。』
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静寂。
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誰も喋らない。
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数千人が耳を傾ける。
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ヴォルグラムはゆっくり話した。
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「よくやった。」
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「終わりだ。」
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「俺達の勝ちだ。」
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兵士達が静かに笑う。
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涙を流す者もいる。
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ヴォルグラム。
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「たくさん死んだ。」
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「たくさん怪我した。」
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「俺達もボロボロだ。」
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グラッグ。
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「ボロボロダ。」
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周囲が笑う。
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ヴォルグラム。
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「だがな。」
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「難民は生きてる。」
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「惑星も生きてる。」
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「家族も帰ってきた。」
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「だから。」
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「上出来だ。」
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アメストリア兵達が静かに拳を握る。
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ブラッドレイも黙って聞いている。
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ヴォルグラムの声が少し優しくなる。
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「宴の準備だ。」
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「死にかけの奴も酒を持て。」
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「重傷者も持て。」
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「医者は後回しだ。」
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治療班。
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「駄目です!!」
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周囲が笑う。
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ヴォルグラム。
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「少しくらい死なねぇ。」
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ドッグ。
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「たぶん。」
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リリス。
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「保証しない。」
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再び笑い声。
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そして。
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ヴォルグラムはゆっくり酒瓶を受け取る。
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血の付いた手。
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震える腕。
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それでも。
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しっかり持ち上げる。
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夜空。
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灰。
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焚き火。
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そして。
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静かに言う。
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「死んだ英雄達に。」
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「逝った家族達に。」
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周囲の兵士達が酒を持つ。
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包帯だらけの兵士。
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義手の兵士。
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担架の重傷者。
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誰もが酒を持つ。
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アメストリア軍も同じだった。
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ブラッドレイも酒杯を取る。
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セトラもゆっくり陣地へ現れる。
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老王。
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古き王。
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静かに杯を持つ。
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ヴォルグラムの目がブラッドレイへ向く。
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アメストリア。
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人間達。
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共に戦った新しい戦友。
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そして。
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彼は笑った。
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「そして。」
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「新たな家族に。」
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ブラッドレイの目がわずかに細くなる。
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アメストリア兵達が驚く。
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しかし。
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誰も反対しない。
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セトラが静かに杯を掲げる。
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『良き出会いだ。』
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ブラッドレイが酒杯を持ち上げる。
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「光栄だ。」
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ヴォルグラムが叫ぶ。
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「乾杯!!」
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その瞬間。
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数千人の声が夜空へ響いた。
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「乾杯!!」
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酒が飲まれる。
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笑い声。
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泣き声。
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歌。
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焚き火。
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抱き合う家族。
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肩を叩く戦友。
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死者の名前を語る者。
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笑いながら泣く者。
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そこには。
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種族も。
国家も。
立場も。
存在しなかった。
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ただ。
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同じ地獄を生き抜いた家族だけがいた。
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ブラッドレイは静かに酒を口にする。
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その隣。
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ヴォルグラム。
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「どうだ?」
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「悪くない。」
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「だろ?」
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夜空の下。
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死んだ英雄達はきっと見ている。
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そして。
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ネヴァーモーンとアメストリア。
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二つの家族の宴は。
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朝まで続くのだった。
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《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第五十一章 完
――血の繋がりはなくとも、共に戦い、共に笑い、共に杯を交わした者達は家族である。――