《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第五十七章
《古い身体》
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宴はまだ終わらない。
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夜明けまではまだ時間がある。
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焚き火の炎は小さくなり。
空には灰が静かに舞っている。
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歌っていた者達は眠り。
酒を飲んでいた者達は寝袋や担架で横になり。
負傷兵達は包帯だらけのまま笑いながら眠っていた。
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死んだ家族達の棺は焚き火の近くに並べられている。
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誰も独りにはしない。
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それがネヴァーモーンだった。
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その中心。
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団長ヴォルグラム・ケイン。
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椅子に深く腰掛け。
身体中を包帯で巻かれ。
酒瓶を片手にぼんやり焚き火を眺めている。
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グラッグはまだ食べている。
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カイウスは静かに酒を飲み。
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ドッグは煙草を吸い。
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ブラッドレイとセトラも近くに座っていた。
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しばらく誰も喋らない。
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戦いの後の静かな時間。
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家族が無事だったことを確かめるような時間。
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その時だった。
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ヴォルグラムが胸を押さえる。
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ギシ。
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肋骨が鳴る。
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肩が軋む。
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人工筋肉が悲鳴を上げる。
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古い機械音が身体の奥で響く。
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「痛てぇな……」
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ドッグが煙を吐く。
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「今さらか?」
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ヴォルグラム。
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「流石に身体にガタがきてる。」
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胸を軽く叩く。
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金属音。
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古い補助骨格。
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数百年前の人工筋繊維。
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無数の戦場を耐えてきた機械部品。
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どれも限界が近い。
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カイウスが静かに言う。
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「そろそろ交換時期だ。」
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ヴォルグラム。
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「だな。」
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少し笑う。
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「ぼちぼち新しい身体にしねぇとな。」
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その言葉。
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アメストリア兵達は少し驚いた。
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ブラッドレイが静かに尋ねる。
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「そこまで傷んでいるのか。」
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ヴォルグラムは酒を飲む。
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「あちこち交換してる。」
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「肺。」
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「心臓。」
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「骨。」
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「筋肉。」
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「神経。」
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「内臓。」
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「全部何回か変えてる。」
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ドッグ。
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「頭だけはそのままだ。」
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ヴォルグラム。
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「そこは壊れてる。」
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周囲が笑う。
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だが。
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ブラッドレイは黙る。
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人間。
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老い。
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寿命。
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自然な死。
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それを望む王の前にいるのは。
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何百年も生きるために。
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何度も自分の身体を捨てた男。
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ヴォルグラムは焚き火を見る。
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「最初は嫌だった。」
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誰も口を挟まない。
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「腕を失った。」
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「脚も失った。」
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「内臓もやられた。」
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「その度に交換した。」
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「気付いたら。」
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自分の腕を見る。
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傷だらけ。
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金属。
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古い義肢。
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「どこまでが俺なのか分からなくなった。」
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静かな言葉だった。
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数百年。
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何度も死にかけた。
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何度も身体を捨てた。
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生きるため。
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家族を守るため。
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戦うため。
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カイウスが静かに言う。
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「私も同じだ。」
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彼もまた。
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半分以上が機械。
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人間であり。
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機械でもある。
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ヴォルグラムは少し笑う。
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「だがな。」
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ブラッドレイを見る。
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「お前らを見ると羨ましい時がある。」
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「傷付く。」
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「老いる。」
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「死ぬ。」
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「全部人間だ。」
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ブラッドレイは静かに答える。
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「それが人間だからな。」
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ヴォルグラム。
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「ああ。」
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「だから眩しい。」
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ドッグが煙草を消す。
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「俺もいつか死ぬ。」
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「当然だ。」
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「お前も。」
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「お前も。」
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ブラッドレイを見る。
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「王様も。」
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ヴォルグラムは笑う。
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「俺らはまだ分からん。」
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グラッグ。
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「オーク長生キ。」
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カイウス。
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「私も分からない。」
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セトラ。
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「余も長い。」
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周囲が少し笑う。
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ヴォルグラム。
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「だからな。」
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「もし身体を替えるなら。」
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胸を叩く。
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「もう少し丈夫なのにしたい。」
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ドッグ。
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「頭も交換するか?」
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「お前からだ。」
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グラッグ。
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「オークニナルカ?」
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「嫌だ。」
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「強イ。」
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「飯代が破産する。」
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周囲が笑う。
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しかし。
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少しだけ。
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ヴォルグラムの顔は寂しそうだった。
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何百年。
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何度も身体を替えてきた。
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それでも。
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心だけは昔のまま。
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家族を失う痛み。
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戦友の名前。
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酒の味。
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それだけは変わらない。
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ブラッドレイが静かに言う。
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「身体が変わっても。」
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ヴォルグラムを見る。
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「お前はお前だ。」
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静かな言葉。
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ヴォルグラムは少し驚く。
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ブラッドレイ。
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「家族達がそう思っているなら。」
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「それで十分だ。」
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グラッグ。
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「団長ハ団長。」
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カイウス。
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「同意する。」
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ドッグ。
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「機械でも爺でも団長だ。」
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セトラ。
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「変わらぬ。」
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ヴォルグラムはしばらく黙る。
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そして。
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ゆっくり笑った。
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「……そうか。」
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酒を飲む。
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ぽた。
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また包帯から漏れる。
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グラッグ。
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「漏レテル。」
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ヴォルグラム。
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「うるせぇ。」
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焚き火の向こう。
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朝日が少しだけ見え始める。
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長い夜が終わる。
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戦いも終わる。
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だが。
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ネヴァーモーンはこれからも旅を続ける。
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古い身体でも。
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新しい身体でも。
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機械でも。
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人間でも。
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怪物でも。
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家族がいる限り。
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ヴォルグラム・ケインは。
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また立ち上がるのだった。
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《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第五十七章 完
――身体は朽ちても、家族を想う心だけは交換できない。――