禁忌混成傭兵団   作:甘めのコーヒー

6 / 62
第6話

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第四章

 

《黒き王と戦場の獣》

 

⸻

 

惑星ネクロス=カーイン。

 

死者の王国。

 

その中心で。

 

二体の怪物が激突した。

 

⸻

 

沈黙王

 

銀河最古の支配者。

 

永遠を生きる機械王。

 

⸻

 

ヴォルグラム・ケイン

 

ヴォルグラム・ケイン

 

戦争に愛された、

禁忌の傭兵王。

 

⸻

 

両者が動いた瞬間。

 

空間が砕けた。

 

⸻

 

ドゴォォォォォン!!!

 

⸻

 

衝撃波だけで、

周囲数キロの地形が吹き飛ぶ。

 

ネクロン軍団が宙を舞い。

 

オーク達が歓声を上げる。

 

⸻

 

「団長ォォォ!!」

 

「ぶっ殺せェ!!」

 

狂気の怒号。

 

だが。

 

戦場中央だけは、

異常な静寂だった。

 

⸻

 

沈黙王の一撃。

 

空間そのものを切断する、

古代兵器。

 

通常なら、

触れた瞬間に存在が消滅する。

 

だが。

 

ヴォルグラムは笑っていた。

 

⸻

 

「効くじゃねぇか」

 

左腕が消し飛んでいた。

 

それでも止まらない。

 

むしろ。

 

笑みが深くなる。

 

⸻

 

「楽しくなってきた」

 

⸻

 

巨大斧が振るわれる。

 

王の障壁が軋む。

 

惑星全土が震える。

 

⸻

 

第一節

 

崩壊戦線

 

その頃。

 

戦場各地でも、

凄惨な戦闘が続いていた。

 

⸻

 

北部戦線

 

グラッグ率いるオーク軍団は、

ネクロン重装兵と激突。

 

巨大ハンマーが振り下ろされる度、

金属の巨兵が粉砕される。

 

⸻

 

「オデらァァァ!!」

 

「家族傷付ケル奴ハァァ!!」

 

「全部殺ス!!」

 

⸻

 

オークとは思えないほど、

怒っていた。

 

仲間が傷付けられたから。

 

ただそれだけで。

 

⸻

 

だが。

 

ネクロン側も止まらない。

 

無限に再生する機械兵。

 

数。

 

火力。

 

圧倒的。

 

オーク達が次々と撃ち抜かれていく。

 

その時。

 

⸻

 

緑色の閃光。

 

空間転移。

 

セトラ率いるネクロン部隊が、

前線へ出現した。

 

⸻

 

セトラ=ヴェイン

 

セトラ=ヴェイン

 

古代貴族ネクロン。

 

本来なら、

同胞側につくべき存在。

 

だが。

 

彼は静かに武器を構えた。

 

⸻

 

「ネヴァーモーン前衛」

 

「援護する」

 

⸻

 

オーク達が一瞬沈黙し。

 

次の瞬間。

 

大爆笑した。

 

⸻

 

「ギャハハハ!!」

 

「骸骨野郎ォ!!」

 

「遅ェンダヨ!!」

 

⸻

 

セトラは呆れたように答える。

 

⸻

 

「貴様らは騒がしい」

 

「だが嫌いではない」

 

⸻

 

その瞬間。

 

ネクロン貴族砲撃。

 

敵軍中央が蒸発した。

 

⸻

 

第二節

 

死に損ない共

 

中央戦線。

 

マルケウス率いる混沌兵部隊は、

ネクロン処刑騎士団と交戦していた。

 

⸻

 

超大型ネクロン。

 

高さ十メートル超。

 

巨大処刑鎌。

 

重力破壊装置。

 

まさに戦争機械。

 

⸻

 

「チッ」

 

マルケウスが吐き捨てる。

 

マルケウス

 

マルケウス

 

「デカブツ共め」

 

その瞬間。

 

処刑騎士の斬撃。

 

地面が消し飛ぶ。

 

混沌兵数十名が蒸発。

 

だが。

 

マルケウスは笑った。

 

⸻

 

「それで終わりか?」

 

⸻

 

次の瞬間。

 

ワープ炎。

 

黒紫の爆炎が、

処刑騎士を包み込む。

 

さらに。

 

上空から。

 

⸻

 

ドガガガガガガ!!

 

⸻

 

スペースマリーン部隊の重火器掃射。

 

装甲が砕ける。

 

動きが止まる。

 

そこへ。

 

⸻

 

「邪魔だァァァ!!」

 

グラッグが突撃。

 

巨大ハンマーが、

処刑騎士の頭部を粉砕した。

 

⸻

 

爆発。

 

衝撃。

 

破片。

 

その中で。

 

ネヴァーモーン兵達は、

笑っていた。

 

⸻

 

「死に損ない共め」

 

マルケウスが笑う。

 

すると隣で、

人間兵レオンも笑った。

 

⸻

 

「アンタ達も十分化物ですよ」

 

⸻

 

第三節

 

家族の名

 

だが。

 

戦況は悪化していた。

 

数が違い過ぎる。

 

ネクロン軍は無限。

 

いくら倒しても、

大地から蘇る。

 

⸻

 

「弾薬尽きます!」

 

「南部戦線崩壊!」

 

「敵大型兵器接近!」

 

通信が怒号で埋まる。

 

そして。

 

最悪が現れた。

 

⸻

 

巨大構造体。

 

全高五百メートル。

 

惑星級兵器。

 

⸻

 

《星喰らい》

 

ネクロン王朝最終殲滅兵器。

 

主砲一撃で、

都市を消し飛ばす。

 

⸻

 

人間兵達が絶望する。

 

「……終わりだ」

 

誰かが呟いた。

 

その時。

 

通信機から、

ヴォルグラムの声が響く。

 

⸻

 

『終わってねぇ』

 

⸻

 

戦場中央。

 

ヴォルグラムは、

全身ボロボロだった。

 

装甲は砕け。

 

片腕は消失。

 

血を流し。

 

それでも。

 

立っていた。

 

⸻

 

沈黙王もまた、

損傷していた。

 

王の胸部装甲には、

巨大な斧傷。

 

初めて。

 

王が怒っていた。

 

⸻

 

「何故立つ」

 

「何故壊れぬ」

 

ヴォルグラムは笑った。

 

⸻

 

「決まってんだろ」

 

⸻

 

背後を見る。

 

そこには。

 

オーク。

 

人間。

 

ネクロン。

 

マリーン。

 

デーモン。

 

血塗れの仲間達。

 

誰一人、

退いていない。

 

⸻

 

ヴォルグラムは、

静かに斧を握り直した。

 

⸻

 

「家族がいるからだ」

 

⸻

 

その瞬間。

 

ネヴァーモーン全軍が、

雄叫びを上げた。

 

⸻

 

銀河を震わせるほどの、

狂気の咆哮。

 

⸻

 

そして。

 

死者の星を揺るがす、

最後の総攻撃が始まった。

 

⸻

 

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第四章 完

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。