《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第五章
《酒の時間だ》
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惑星ネクロス=カーイン。
死者の世界。
そこは今、
完全な地獄と化していた。
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空は割れ。
大地は燃え。
数億のネクロン軍勢と、
ネヴァーモーンが激突している。
爆炎。
怒号。
砲撃。
悲鳴。
血。
鉄。
狂気。
銀河でも類を見ない、
史上最悪規模の戦争。
その中心で。
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ヴォルグラム・ケイン
は笑っていた。
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全身血塗れ。
片腕消失。
装甲は砕け。
内臓すら見えている。
だが。
その目だけは、
死んでいなかった。
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背後には。
血だらけの家族達。
オーク。
人間。
マリーン。
ネクロン。
デーモン。
皆、
満身創痍。
それでも誰一人、
退こうとしていない。
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その時。
巨大兵器《星喰らい》が、
ゆっくり主砲を展開した。
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ゴゴゴゴゴゴ……
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惑星全土が揺れる。
エネルギー収束。
超高熱反応。
人類国家なら、
文明ごと消し飛ぶ威力。
若い兵士レオンが青ざめる。
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「だ、団長……!」
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誰もが思った。
終わった、と。
だが。
ヴォルグラムは、
面倒臭そうに頭を掻いた。
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「チッ……」
巨大斧を肩に担ぐ。
そして。
通信回線を全軍へ開いた。
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数秒の沈黙。
直後。
低く。
野太く。
笑うような声が響く。
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「テメェらァ!!」
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全戦場が静まり返る。
ネヴァーモーン全軍が、
その声を聞いた。
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「早く片付けて飲むぞォ!!」
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数秒。
静寂。
そして。
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爆笑。
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「ギャハハハハハ!!!」
オーク達が腹を抱える。
マリーン達すら笑う。
デーモンが狂喜する。
人間兵達も、
恐怖を忘れて笑っていた。
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「聞いたかオイ!!」
グラッグが叫ぶ。
「オワッたら、酒ノ時間ダァァァ!!」
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「総員突撃!!」
マルケウスがチェインソードを起動。
「遅れる奴は置いてくぞォ!!」
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「全門解放」
セトラが静かに命令する。
「我らの家族を帰還させる」
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その瞬間。
ネヴァーモーン全軍が、
狂ったように突撃した。
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第一節
最後の突撃
オーク軍団が先頭を走る。
巨大ハンマー。
戦斧。
スクラップ砲。
ネクロン軍勢を、
真正面から粉砕。
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「飲ムゾォォォ!!」
「肉ダァァァ!!」
「酒ダァァァ!!」
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後方から。
人類重火器部隊が一斉射撃。
超高熱弾。
プラズマ。
ミサイル。
敵前線が崩壊する。
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さらに。
スペースマリーン降下。
空から降る鋼鉄の死。
ボルト弾の嵐。
デーモン達は、
ワープ炎で空間そのものを焼く。
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戦場が壊れていく。
惑星が悲鳴を上げる。
だが。
誰も止まらない。
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第二節
王と獣
戦場中央。
沈黙王が、
ついに本気を見せた。
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「愚かな獣共」
重力が反転。
大地が浮上。
数千の兵士が吹き飛ぶ。
王の周囲に、
巨大な恒星槍が形成される。
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「消えよ」
放たれる。
惑星を貫く光。
だが。
その前へ。
ヴォルグラムが立った。
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「邪魔だボケ」
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真正面から突撃。
超重力。
空間崩壊。
肉体が裂ける。
骨が砕ける。
それでも。
止まらない。
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「団長ォォォ!!」
レオンが叫ぶ。
ヴォルグラムは笑う。
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「叫ぶ暇あんなら撃てェ!!」
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次の瞬間。
巨大斧が振り下ろされた。
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ドゴォォォォォォン!!!
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沈黙王の障壁が砕ける。
王の身体が初めて後退した。
数億のネクロン軍が、
一瞬静止する。
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沈黙王が呟く。
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「……理解不能」
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ヴォルグラムは、
血を吐きながら笑った。
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「家族持った事ねぇだろ、王様」
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第三節
帰る場所
戦場全域。
ネヴァーモーンは前進していた。
どれだけ傷付こうと。
どれだけ死にかけようと。
誰かが倒れれば、
誰かが肩を貸す。
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オークが人間を守る。
ネクロンがデーモンを援護する。
マリーンが避難民を背負う。
狂っていた。
本当に。
だが。
それは確かに、
“家族”だった。
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そして。
《星喰らい》主砲へ、
ついに突撃部隊が到達する。
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「爆薬設置!!」
「急げ!!」
「飲み会に遅れるぞ!!」
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誰かが笑う。
全員が笑う。
死地のど真ん中で。
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その時。
ヴォルグラムの声が、
再び通信へ響いた。
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「生きて帰れ」
少しだけ静かだった。
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「帰ったら肉焼くぞ」
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その瞬間。
ネヴァーモーン全軍が、
雄叫びを上げた。
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爆炎。
砲撃。
狂笑。
そして。
死者の星を揺るがす、
最後の爆発が始まった。
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《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第五章 完