禁忌混成傭兵団   作:甘めのコーヒー

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第7話

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第五章

 

《酒の時間だ》

 

 

惑星ネクロス=カーイン。

 

死者の世界。

 

そこは今、

完全な地獄と化していた。

 

 

空は割れ。

 

大地は燃え。

 

数億のネクロン軍勢と、

ネヴァーモーンが激突している。

 

爆炎。

 

怒号。

 

砲撃。

 

悲鳴。

 

血。

 

鉄。

 

狂気。

 

銀河でも類を見ない、

史上最悪規模の戦争。

 

その中心で。

 

 

ヴォルグラム・ケイン

 

は笑っていた。

 

 

全身血塗れ。

 

片腕消失。

 

装甲は砕け。

 

内臓すら見えている。

 

だが。

 

その目だけは、

死んでいなかった。

 

 

背後には。

 

血だらけの家族達。

 

オーク。

 

人間。

 

マリーン。

 

ネクロン。

 

デーモン。

 

皆、

満身創痍。

 

それでも誰一人、

退こうとしていない。

 

 

その時。

 

巨大兵器《星喰らい》が、

ゆっくり主砲を展開した。

 

 

ゴゴゴゴゴゴ……

 

 

惑星全土が揺れる。

 

エネルギー収束。

 

超高熱反応。

 

人類国家なら、

文明ごと消し飛ぶ威力。

 

若い兵士レオンが青ざめる。

 

 

「だ、団長……!」

 

 

誰もが思った。

 

終わった、と。

 

だが。

 

ヴォルグラムは、

面倒臭そうに頭を掻いた。

 

 

「チッ……」

 

巨大斧を肩に担ぐ。

 

そして。

 

通信回線を全軍へ開いた。

 

 

数秒の沈黙。

 

直後。

 

低く。

 

野太く。

 

笑うような声が響く。

 

 

「テメェらァ!!」

 

 

全戦場が静まり返る。

 

ネヴァーモーン全軍が、

その声を聞いた。

 

 

「早く片付けて飲むぞォ!!」

 

 

数秒。

 

静寂。

 

そして。

 

 

爆笑。

 

 

「ギャハハハハハ!!!」

 

オーク達が腹を抱える。

 

マリーン達すら笑う。

 

デーモンが狂喜する。

 

人間兵達も、

恐怖を忘れて笑っていた。

 

 

「聞いたかオイ!!」

 

グラッグが叫ぶ。

 

「オワッたら、酒ノ時間ダァァァ!!」

 

 

「総員突撃!!」

 

マルケウスがチェインソードを起動。

 

 

「遅れる奴は置いてくぞォ!!」

 

 

「全門解放」

 

セトラが静かに命令する。

 

 

「我らの家族を帰還させる」

 

 

その瞬間。

 

ネヴァーモーン全軍が、

狂ったように突撃した。

 

 

第一節

 

最後の突撃

 

オーク軍団が先頭を走る。

 

巨大ハンマー。

 

戦斧。

 

スクラップ砲。

 

ネクロン軍勢を、

真正面から粉砕。

 

 

「飲ムゾォォォ!!」

 

「肉ダァァァ!!」

 

「酒ダァァァ!!」

 

 

後方から。

 

人類重火器部隊が一斉射撃。

 

超高熱弾。

 

プラズマ。

 

ミサイル。

 

敵前線が崩壊する。

 

 

さらに。

 

スペースマリーン降下。

 

空から降る鋼鉄の死。

 

ボルト弾の嵐。

 

デーモン達は、

ワープ炎で空間そのものを焼く。

 

 

戦場が壊れていく。

 

惑星が悲鳴を上げる。

 

だが。

 

誰も止まらない。

 

 

第二節

 

王と獣

 

戦場中央。

 

沈黙王が、

ついに本気を見せた。

 

 

「愚かな獣共」

 

重力が反転。

 

大地が浮上。

 

数千の兵士が吹き飛ぶ。

 

王の周囲に、

巨大な恒星槍が形成される。

 

 

「消えよ」

 

放たれる。

 

惑星を貫く光。

 

だが。

 

その前へ。

 

ヴォルグラムが立った。

 

 

「邪魔だボケ」

 

 

真正面から突撃。

 

超重力。

 

空間崩壊。

 

肉体が裂ける。

 

骨が砕ける。

 

それでも。

 

止まらない。

 

 

「団長ォォォ!!」

 

レオンが叫ぶ。

 

ヴォルグラムは笑う。

 

 

「叫ぶ暇あんなら撃てェ!!」

 

 

次の瞬間。

 

巨大斧が振り下ろされた。

 

 

ドゴォォォォォォン!!!

 

 

沈黙王の障壁が砕ける。

 

王の身体が初めて後退した。

 

数億のネクロン軍が、

一瞬静止する。

 

 

沈黙王が呟く。

 

 

「……理解不能」

 

 

ヴォルグラムは、

血を吐きながら笑った。

 

 

「家族持った事ねぇだろ、王様」

 

 

第三節

 

帰る場所

 

戦場全域。

 

ネヴァーモーンは前進していた。

 

どれだけ傷付こうと。

 

どれだけ死にかけようと。

 

誰かが倒れれば、

誰かが肩を貸す。

 

 

オークが人間を守る。

 

ネクロンがデーモンを援護する。

 

マリーンが避難民を背負う。

 

狂っていた。

 

本当に。

 

だが。

 

それは確かに、

“家族”だった。

 

 

そして。

 

《星喰らい》主砲へ、

ついに突撃部隊が到達する。

 

 

「爆薬設置!!」

 

「急げ!!」

 

「飲み会に遅れるぞ!!」

 

 

誰かが笑う。

 

全員が笑う。

 

死地のど真ん中で。

 

 

その時。

 

ヴォルグラムの声が、

再び通信へ響いた。

 

 

「生きて帰れ」

 

少しだけ静かだった。

 

 

「帰ったら肉焼くぞ」

 

 

その瞬間。

 

ネヴァーモーン全軍が、

雄叫びを上げた。

 

 

爆炎。

 

砲撃。

 

狂笑。

 

そして。

 

死者の星を揺るがす、

最後の爆発が始まった。

 

 

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第五章 完

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