禁忌混成傭兵団   作:甘めのコーヒー

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第8話

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第六章

 

《死者の星の落日》

 

 

惑星ネクロス=カーイン。

 

銀河最古の王墓世界。

 

その地表は今、

崩壊していた。

 

 

超巨大兵器《星喰らい》内部。

 

ネヴァーモーン突撃部隊は、

主機関部へ到達していた。

 

周囲には、

無数のネクロン近衛兵。

 

黄金装甲。

 

重力兵器。

 

空間切断槍。

 

王を守る最終防衛軍。

 

 

普通なら、

突破不可能。

 

だが。

 

ここにいるのは、

普通の軍隊ではない。

 

 

「道開ケェェェ!!」

 

グラッグ・ドッカが、

巨大ハンマーを振り下ろす。

 

グラッグ・ドッカ

 

グラッグ・ドッカ

 

重力障壁ごと、

近衛兵数十体が粉砕された。

 

 

「前進!!」

 

マルケウスが吼える。

 

マルケウス

 

マルケウス

 

チェインソード回転。

 

黒紫のワープ炎。

 

ネクロン兵を斬り裂きながら、

突撃部隊が進む。

 

 

後方では。

 

人間兵達が、

必死に重火器を撃っていた。

 

若い兵士レオンも、

血だらけになりながら叫ぶ。

 

 

「弾薬!!」

 

「もっと持ってこい!!」

 

 

すると。

 

隣へ静かに弾薬箱が置かれた。

 

振り向く。

 

そこにいたのは。

 

 

セトラ=ヴェイン。

 

古代ネクロン貴族。

 

無表情のまま、

静かに言う。

 

 

「死ぬな、人間」

 

 

レオンは一瞬呆然とし。

 

そして笑った。

 

 

「アンタもですよ、骸骨野郎」

 

 

セトラは数秒沈黙し。

 

わずかに。

 

本当にわずかに、

口元を緩めた。

 

 

第一節

 

王の怒り

 

戦場中央。

 

ヴォルグラムと沈黙王の激突は、

既に人智を超えていた。

 

 

斧が振るわれる度、

山脈が消える。

 

王の槍が放たれる度、

空間が裂ける。

 

周囲のネクロン兵ですら、

近付けない。

 

 

「何故だ」

 

沈黙王が問う。

 

その声には、

僅かな苛立ちが混じっていた。

 

 

「何故そこまで戦う」

 

 

ヴォルグラムは笑う。

 

血を吐きながら。

 

折れた牙を見せながら。

 

 

「……ウチの馬鹿共が」

 

斧を担ぐ。

 

 

「帰ったら宴会する気満々だからだ」

 

 

沈黙王の瞳が揺れる。

 

理解出来なかった。

 

何故。

 

そこまで傷付き。

 

そこまで壊れ。

 

それでも笑えるのか。

 

 

王は永遠を知っている。

 

不滅を知っている。

 

だが。

 

“誰かと生きる喜び”だけは、

知らなかった。

 

 

第二節

 

爆破装置

 

《星喰らい》主機関部。

 

巨大な緑色の恒星炉が、

唸りを上げていた。

 

もし暴走すれば。

 

惑星ごと吹き飛ぶ。

 

 

「設置完了!!」

 

人間工兵が叫ぶ。

 

だが。

 

その瞬間。

 

 

ゴゴゴゴゴ……

 

 

巨大な影。

 

最後の守護者。

 

全高百メートル。

 

六本腕。

 

超重装甲。

 

ネクロン最終処刑機械。

 

 

《王墓執行者》

 

 

「……は?」

 

誰かが呟く。

 

絶望的だった。

 

あまりにも巨大。

 

あまりにも強大。

 

 

だが。

 

グラッグが笑った。

 

 

「デケェなァ」

 

 

マルケウスも笑う。

 

 

「酒前の運動には丁度いい」

 

 

そして。

 

ネヴァーモーン全員が、

自然に前へ出た。

 

 

オーク。

 

人間。

 

マリーン。

 

デーモン。

 

ネクロン。

 

皆ボロボロ。

 

満身創痍。

 

それでも。

 

誰も退かなかった。

 

 

レオンが震えながら言う。

 

 

「……勝てますかね」

 

 

すると。

 

隣の老兵が笑った。

 

 

「知らねぇよ」

 

ライフルを構える。

 

 

「でもまぁ」

 

後ろを見る。

 

そこには。

 

血塗れで笑う家族達。

 

 

「負ける気はしねぇな」

 

 

第三節

 

家族の咆哮

 

王墓執行者が動く。

 

超重力砲。

 

空間断裂。

 

惑星震動。

 

周囲一帯が吹き飛ぶ。

 

だが。

 

ネヴァーモーンは止まらない。

 

 

「突撃ィィィィ!!」

 

 

全軍総攻撃。

 

オークが脚部へ飛び付き。

 

マリーンが装甲を撃ち抜き。

 

デーモンがワープ侵食。

 

ネクロンが内部構造を解析。

 

人間兵達が爆薬を運ぶ。

 

 

その姿を見た沈黙王は、

初めて沈黙した。

 

 

理解不能だった。

 

本来。

 

種族は憎しみ合う。

 

裏切る。

 

争う。

 

それが生命。

 

だが。

 

目の前の怪物達は違った。

 

 

彼らは。

 

互いの為に死のうとしている。

 

 

その時。

 

ヴォルグラムが、

巨大斧を振り上げた。

 

 

「行くぞォォォ!!」

 

 

ネヴァーモーン全軍が、

咆哮する。

 

銀河を震わせるほどの雄叫び。

 

 

そして。

 

《王墓執行者》の胸部へ、

ヴォルグラムの斧が叩き込まれた。

 

 

ドゴォォォォォォォン!!!

 

 

巨大爆発。

 

白光。

 

衝撃波。

 

惑星全土が揺れる。

 

 

《星喰らい》主機関、

暴走開始。

 

 

警報が鳴り響く。

 

 

【炉心崩壊】

 

【惑星崩壊まで残り十分】

 

 

数秒の沈黙。

 

そして。

 

ヴォルグラムは笑った。

 

 

「……テメェら」

 

通信回線を開く。

 

 

「全員走れェ!!」

 

 

その瞬間。

 

銀河最悪の家族達による、

命懸けの大脱出が始まった。

 

 

《WARHAMMER 40,000》

 

NEVERMOURN

 

第六章 完

 

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