《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第七章
《帰還》
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惑星ネクロス=カーイン。
死者の王国。
その終焉が始まっていた。
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《星喰らい》主機関暴走。
惑星全域で、
超臨界反応発生。
大地が裂ける。
空が燃える。
無数の王墓施設が崩壊し、
数億のネクロン軍団が、
緑色の炎に呑まれていく。
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警報。
爆発。
絶叫。
地獄。
だが。
ネヴァーモーン全軍は、
笑いながら走っていた。
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「急ゲェェェ!!」
グラッグが、
人間兵を肩に担いで疾走する。
グラッグ・ドッカ。
「飲ミ会ニ遅レルゾォ!!」
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「アンタが一番遅いですよ!!」
レオンが叫ぶ。
すると周囲が爆笑した。
死にかけなのに。
全員血塗れなのに。
笑っていた。
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第一節
崩れる世界
《星喰らい》内部通路。
天井が落ちる。
床が裂ける。
超高熱蒸気が吹き荒れる。
後方では。
王墓執行者の残骸が、
なお動いていた。
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「しつけぇんだよォ!!」
マルケウスが振り返る。
チェインソード全力回転。
巨大残骸を叩き切る。
その瞬間。
瓦礫崩落。
マルケウスが飲み込まれた。
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「マルケウス!!」
人間兵が叫ぶ。
だが次の瞬間。
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ドガァァァァン!!
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瓦礫が内側から吹き飛ぶ。
血塗れのマルケウスが、
笑いながら出てきた。
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「誰が死ぬかボケ」
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全員がまた笑う。
狂っていた。
本当に。
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第二節
沈黙王
その頃。
崩壊する戦場中央。
沈黙王は、
静かに立っていた。
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周囲では。
王墓世界が崩れている。
数千万年築いた帝国。
永遠の王国。
その全てが、
終わろうとしていた。
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その前に。
ヴォルグラムが立つ。
全身崩壊寸前。
片腕消失。
装甲全壊。
だが。
まだ笑っていた。
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沈黙王が問う。
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「……何故だ」
「何故そこまでして生きる」
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ヴォルグラムは、
少しだけ考えた。
そして。
肩を竦める。
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「帰る場所があるからだ」
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沈黙。
王は初めて、
遠くを見るような目をした。
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「……羨ましいな」
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その言葉に。
ヴォルグラムは、
少し驚いた顔をした。
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沈黙王は、
ゆっくり武器を下ろす。
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「行け」
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周囲のネクロン軍勢が、
一斉に停止した。
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「貴様らは」
「滅びるには惜しい」
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ヴォルグラムは数秒黙り。
そして。
ニヤリと笑った。
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「今度酒飲むか?」
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数千万年生きた王が。
初めて。
ほんの僅かに笑った。
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第三節
全員で帰る
脱出地点。
ネヴァーモーン輸送艇が、
次々着陸していた。
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「急げ急げ!!」
「負傷者優先!!」
「置いてくぞ馬鹿共!!」
怒号。
笑い声。
爆発。
その中で。
レオンが気付く。
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「……団長は?」
空気が止まった。
全員が振り向く。
その瞬間。
遠方で。
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ドゴォォォォォォン!!!
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超巨大爆発。
崩壊する王墓都市。
そこから。
一つの影が飛び出した。
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ヴォルグラムだった。
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「遅ェぞ団長ォォォ!!」
グラッグが大笑いする。
ヴォルグラムは着地すると、
血塗れのまま怒鳴った。
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「誰だ置いてこうとした馬鹿はァ!!」
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「アンタです!!」
全員が爆笑した。
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その直後。
輸送艇離陸。
惑星表面から離脱。
そして。
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惑星ネクロス=カーインが、
崩壊した。
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白色閃光。
超新星級爆発。
数千万年の王墓世界が、
宇宙の塵へ変わっていく。
艦内は静かだった。
誰も喋らない。
ただ。
その光景を見ていた。
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すると。
セトラが静かに呟く。
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「……終わったか」
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ヴォルグラムは、
酒瓶を投げ渡した。
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「落ち込むな骸骨」
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セトラが受け取る。
数秒見つめ。
そして。
静かに飲んだ。
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周囲が騒然となる。
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「骸骨が酒飲んだァァァ!!」
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爆笑。
怒号。
歓声。
艦内が揺れるほどの大騒ぎ。
その中心で。
ヴォルグラムは笑った。
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「よし」
酒瓶を掲げる。
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「宴会だァァァ!!」
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歓声。
歌声。
笑い声。
血塗れの怪物達は、
肩を組みながら騒ぎ始める。
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銀河は今日も狂っている。
戦争は終わらない。
明日も誰かが死ぬ。
それでも。
この宇宙のどこかで。
禁忌の家族達は、
笑いながら生きていた。
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《WARHAMMER 40,000》
NEVERMOURN
第七章 完