ToLoveる×超宇宙刑事ギャバンインフィニティ 〜零度の蒸着者〜 作:アキ1113
今回は、タイトル通りに永久とリトが話の中心となっていきます。
それでは、どうぞご覧ください。
「!……冷弩……」
「……」
リトの前で蒸着を解除した永久は、少しの間黙ったままでいたが……
「今日見たことは忘れて」
「は……?」
「これ以上、僕に関わらない方がいいよ」
急に突き放すようなことをリトに言った……が、リトにはそれが自身を危険から遠ざけようとしていると分かっていた。そのままリトの前から去ろうとした永久だったが……
「待ってくれ!」
「……」
「さっき、戦ってただろ?守るために」
「……これが僕のすべき仕事だよ」
「仕事って――――」
「だから、君が気にする必要はない」
「っ……」
そう冷たい眼で見つめられたリトだったが、永久の事情を知るためにその場から動かずにいた。そうして、沈黙が流れた後……
「はぁ……分かった。最低限は話す……どっちにしろ、君は宇宙人の存在を知っているからね」
「!お前、まさかララたちのことも知って……」
「もちろん。それに君は、現にそのことを不特定多数に言いふらしたりはしてない……そこは信用できる」
「えっと……ありがとう……?」
永久の方が折れ、リトの知りたいことを最低限ではあるが話すことにした。
「君の家まで送るから、道すがら話すよ。このまま1人で帰すわけにはいかないし」
「そ、そっか……」
そして、現場から少し離れたところで、永久は話を始めた。
「まず、銀河連邦警察を聞いたことは?」
「あぁ、ララから聞いてる。宇宙の警察……であってるよな?」
「そう……僕はそこの特捜課に所属している捜査官だよ」
永久はそう言い、自身の銀河連邦警察手帳を見せた。
「へぇ……って、特捜課……?」
「特捜課は、主にエモルギアというのを使った犯罪を追っている部署……その他にも凶悪犯の捜査・確保をすることもある――――で、これがそのエモルギア」
『エモエモ……!』
「しゃ、喋った!?」
レイドーエモルギアを近くで始めて見たリトは、喋る見たこともない物体に驚いた様子でいた。
「詳しくは話せないけど、これを悪用した犯罪を追って、僕は宇宙を飛び回ってああいう奴らと戦ってるんだ」
「……」
そんな永久の事情を聞き終えたリトは……
「じゃあ、永久はずっと1人で……?」
「それが普通だよ。あの姿――――ギャバンになれるのは、宇宙でただ一人……だからエモルギア犯罪には、必然的に僕が対応することになる」
「!だとしても普通じゃないだろ、それ……」
それに納得できない様子でいるのだった。
◇
その翌日、学校で……
「なぁ冷弩、昨日のことだけど――――」
「忘れろ……って、言ったはずだけど」
リトはもっと詳しいことを訊こうとしたが、永久は昨日以上のことを話す気はないようだ。
「んなこと言われても……無理だろ」
「……」
すると……
「だってさ、冷弩は友達だろ?」
「……!」
そう言われた永久は思わず固まってしまった……今まで永久には銀河連邦警察内の上官、同期などはいたが明確に『友達』と呼べる存在はいなかった。だから、こうして正面から友達だと言われたことに、永久は少なからず驚いているのだ。そこに……
「おはよー!」
「おはよう、ララさん」
「!永久私の名前覚えてくれたんだー!」
元気よくララが話しかけてきたのだ。
「そういえば永久さ、昨日は何してたの?」
「え?特には何も――――」
「ぶふっ」
永久の発言に、事情を知っているリトは思わず吹き出してしまっていた。
「……リト君」
「いや無理だろ!」
「何が?」
「いや何がじゃねぇだろ!」
ララはそのやり取りを見てきょとんとしている……それもそのはず。永久の事情を知っているのはリトだけなのだから……。
「「……」」
「???」
永久とリトの間にだけ妙な空気が流れるのを感じたララは、ただ首を傾げるばかりなのだった。
◇
その日の放課後、1人で帰る永久をリトは後ろから追いかけていた。
「……」
「……」
「……何の用?」
「!えっと……少し話せないかなって」
「……分かったよ。そこでいい?」
永久が指差したのは、近くにある公園だった……2人は自販機で飲み物を買うと、そこにあるベンチに腰掛けた。
「……」
「……」
それから少しの間は沈黙が流れたが……
「なぁ……何でそんなに1人でいようとするんだ?」
リトは思い切って、永久にそう訊いてみた。すると……
「……危険だからだよ」
「危険……?」
「僕と一緒にいれば巻き込まれる……昨日のようなことがこれからもこの町で起こる。だから、僕と関わるのを止めた方がいい」
「……」
そう再び忠告した永久に対し、リトはしばらく黙っていたが……
「つまりそれってさ、俺達を心配してのことなんだろ?」
「!それは……」
「朝も言ったけどさ、俺はお前のこと友達だって思ってる。お前は俺に持っていない力があるけどさ、それでも心配するっていうのはいけないことなのか?」
「……」
その言葉を聞き、永久は思わず黙り込んでしまった……その時、
『GyAAAAAAAAA!!』
「「!?」」
そこに黒い霧の塊が飛んで来たと思えば、そこからエモンズが現れたのだ。
「あれって昨日の……」
「……」
(エモンズだけ……ネガエモルギアと犯人はどこに……?)
永久はネガエモルギアを持った犯人がこの場にいないことに、疑問を覚えていたが……
『GyAAAAAAA!!』
「避けて!」
「うおっ!?」
エモンズは目の前にいた永久とリトに向けて火球を放ってきたのだ。永久がリトを引き寄せることで避けさせ、2人に怪我はなかった……が、
「ママぁ〜!!」
「「!」」
そこには公園で遊んでいたであろう女の子がおり、急な出来事にパニックになったのか母親を探しながら泣いていたのだ。
『GyA?』
女の子の泣き声に反応したエモンズは、その子に狙いを定めて火球を放とうとしていた。それを見て……
「!危ないっ!!」
「っ!?」
リトは女の子のところに飛び出していき、身を挺してエモンズの攻撃から守ろうとしたのだ。そして、2人に向けて火球が放たれたが……
「レイドー!チャージ!」
「蒸着!」
「レイドー!アクティベート!」
「ふっ!」
『GyA!?』
「あっ……!」
永久はギャバン・ゼロに蒸着すると、ギャバリオンブレードで2人に当たりそうになっていた火球を叩き斬ったのだ。
『蒸着!それは、ギャバンシステム発動のコマンドだ。では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!』
『蒸着コマンドを受けて、臨海点を超えたエモルギーは、ライフル内に凝縮されたギャバリオン粒子と融合。僅か1ミリ秒でコンバットスーツへと投射形成され、蒸着を完了するのだ!』
「一体なんのつもりで――――」
永久は無茶なことをしたリトに説教しようとしたが……
「この子は俺が安全なところに連れて行く」
「!」
「だから、そいつは頼んだぞ」
「……分かってる。その子は任せた」
「!……あぁ!」
今は目の前のエモンズを倒すことに集中することにした。そして、リトたちを後ろへ下げた後……
「一気に倒す……!」
ゼロはブレードを構えると、一気に加速して攻撃へと転じた。
『GyAAAAAAAAA!!』
「――――遅い」
『GyA!?』
その研鑽を積み重ねてきた剣技にエモンズが対応できるはずがなく、次々と斬撃を食らっていたのだ。
「ふっ!」
『GyAAAAAAAAA!?』
そして、ゼロはエモンズを広い場所に吹き飛ばし……
「……これで終わりだ」
『!?』
「ギャバリオンブレード……!」
ブレードの切っ先をエモンズへと向けた。それと同時にゼロの身体のラインが氷のような蒼色に光り、頭部には冷たい怒りを露わにした表情のようなものが、身体のラインと同じ色で浮かび上がっていた。さらにブレードは、氷のような蒼色のエネルギーを纏っており……
「はぁっ!!」
『GyA……!?』
ゼロはそれを横一閃に振ると、蒼い刃を飛ばすことでエモンズの急所に命中させ、撃破することに成功したのだった。
◇
「――――了解」
永久はエモンズを撃破した後、他の銀河連邦警察の捜査官と通信をしていた。
「ど、どうだった……?」
永久と合流したリトは、恐る恐るといった感じで通信の内容を訊いた。
「犯人は無事確保。ネガエモルギアも回収完了――――で、そっちは?」
「あぁ、それなら――――」
リトが目を向けた方向には、助けた女の子とその母親が歩いてきていた。
「娘を助けていただき、ありがとうございます……!」
「お兄ちゃんたちありがとう!」
「どういたしまして」
リトが女の子に対してそう言った後、永久は女の子の目線に合わせるように膝をつくと……
「……もう、お母さんとはぐれないようにね?」
「うん!」
優しげな……だがどこか寂しそうな表情でそう言ったのだ。
「永久……?」
リトはそんな表情をする永久を見て、何かを疑問に思ったようだったが、その場では何かを訊くことは無かった……。
「バイバイ!」
2人で母親と一緒に家へと帰る女の子を見送った後……
「……今日はありがとう、リト」
「え?」
「多分僕だけじゃ、あの子を守り切れなかったと思う」
「……!」
永久はリトに対し、素直に女の子を守ってくれたことに対する礼を言ったのだ。
「……やっぱり、お前は優しいやつだな」
「!……帰るよ」
「あぁ!」
その言葉に永久は少し照れた表情をしながらも、リトと――――初めての友人と共に帰っていくのだった……。
読んでくださり、ありがとうございます。
今回で、永久にリトという初めての友達ができました。今現在、永久の秘密を知っているのはリトだけですが、この先どうなっていくのか……。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いします。