ToLoveる×超宇宙刑事ギャバンインフィニティ 〜零度の蒸着者〜 作:アキ1113
今回は、永久とララが中心の話となります。
それでは、どうぞご覧ください。
リトと友人になってから数日後の昼休み……
「あれから異常は特になし、か……」
永久の姿は屋上にあった。どうやら一人で昼食を食べているようで、その内容は購買で買ったサンドイッチに自販機で買った飲み物……以上。周りが弁当だったりもっとたくさん食べているのに比べると、永久のは高校生とは思えない食生活だった。そこに……
「やっぱりここにいたー!」
元気な声と共に扉が開いた。その声の主は、振り返るまでもなくララだった……後ろからは、リトがついてきていた。
「永久、一人でご飯?」
「そうだけど」
「寂しくない?」
「別に」
即答だった。それを聞いたララはむっと頬を膨らませる。
「むー!」
その様子を見ていたリトが苦笑する。
「永久はそういうやつなんだよ」
「つれない!」
「いつものことだよ」
そんなやり取りもありつつ、昼休みも過ぎていき……
「じゃあね」
永久は放課後になると、すぐに鞄を肩にかけて教室を出ていっていた。そんな永久を見て……
「そういえば……
永久ってなんだか変だよね」
「!?」
思ってもみなかった言葉に、リトは思わず固まる。
「な、何が?」
「放課後すぐにいなくなるし、勘が良すぎるし……あと運動神経もすごいし」
永久は転入してきてからすっかり人気者になっており、先生に聞かれた問題には正解以上の最適解を示し、体育の授業では圧倒的な身体能力を見せていた……ちなみにこれらは全て、銀河連邦警察での訓練や任務での経験の賜物である。
「す、すごいよな〜……」
リトはララが何かを察しているようなことを言うため、思わず冷や汗をかいてしまっていた。
「……リト、もしかして何か隠してる?」
「し、知らねぇ!」
「ホントかなぁ〜?」
ララはリトに疑いの目を向けた後……
「よし!なら自分で見に行く!」
「え、ちょっと待――――」
リトが止めようとする前に、そのまま永久のことを追いかけに行ってしまうのだった……。
◇
その頃、永久のもとにはとある通信が入っていた……。
『付近でネガエモルギー反応を確認』
「こちら冷弩、現場に急行する」
『了解』
それはネガエモルギー反応を検知したというもので、永久はパルクールのように町中の道をショートカットしながら現場へと向かっていた。そうして現場に辿り着くと……
『GyAAAAAAAAA!!』
「いた」
暴れ回っているエモンズがいたのだ。永久はすぐさま蒸着しようとしたが……
「見つけたー!」
「え?」
何とそこに、ララが追いついてきていたのだ。
「……何でここに?」
「気になるから!」
「帰ってほしいんだけど?」
「やだ!」
「即答……」
ララはどう言っても、この場から離れる様子を見せることはないと判断した永久は……
「仕方ない……今は――――」
ララの目の前で、ギャバリオンライフルMKⅡとレイドーエモルギアを取り出した。
「!それって……」
「話は後だよ」
「レイドー!チャージ!」
「……蒸着」
「レイドー!アクティベート!」
永久はライフルのトリガーを引くと、ララの目の前でギャバン・ゼロへと蒸着したのだ。
「すごい……」
『蒸着!それは、ギャバンシステム発動のコマンドだ。では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!』
『蒸着コマンドを受けて、臨海点を超えたエモルギーは、ライフル内に凝縮されたギャバリオン粒子と融合。僅か1ミリ秒でコンバットスーツへと投射形成され、蒸着を完了するのだ!』
「かっこいい……!」
永久の蒸着したギャバン・ゼロを初めてみたララは、目を輝かせながら思わずそんなことを呟いていた。
「……ララさんは下がってて」
「う、うん!」
ゼロはララを下がらせると……
「ふっ!」
『GyA!?』
ライフルでエモンズの急所を狙い撃ちつつ、ギャバリオンブレードを出現させていた……ゼロは基本的に一番得意なブレードを使った剣術や格闘術で戦うのだが、実は射撃も得意であり、急所を狙い撃つ精密射撃もゼロの大きな武器となっている。
「っ!」
それからゼロはブレードを持つと、エモンズに向かって駆け出し……
「ふっ!はぁっ!」
『GyAAAAAAA!?』
エモンズの攻撃をブレードの峰で受け流すと、逆手に素早く持ち替えてカウンター攻撃を次々と食らわせていった。エモンズも負けじと鋭い爪で反撃してきたが……
「甘い」
『GyAAAAAAA!?』
いつの間にか左手に持っていたライフルで、零距離射撃をお見舞いしたのだ。その攻撃によって、エモンズは吹き飛ばされていった。
「……終わりだ」
『!?』
それを見たゼロは、身体のラインや頭を光らせながら、ブレードを逆手に持ったまま駆け出していき……
「しっ!」
『GyAAAAAAAAAA!?』
文字通り一瞬でエモンズの胴体を斬り、とどめを刺したのだった。
「う、嘘だ……」
「あっ!永久、そこに誰かいるよ!」
「!」
するとその直後、近くの物陰に隠れていたある男が出てきたのだ。その手にはネガエモルギアが握られており、この男が今回の事件の犯人のようだ。永久は蒸着を解除し、膝まずいているその男のところに歩いていくと……
「お前をネガエモルギア所持の容疑で逮捕する……誰にそれをもらったのかは、後で話してもらうよ」
「……くそっ……!」
その手に手錠をかけ、事件を解決したのだった。その後……
「冷弩捜査官、お疲れ様です!」
「そっちもお疲れ様。じゃあ、任せたよ」
「はい!」
到着した銀河連邦警察の他の捜査官に、何事もなく男の身柄を引き渡した。
「すごかったよ永久!」
捜査官たちが去った後、ララがそう話しかけてきた。
「……驚かないの?」
「だって永久だもん!」
「り、理由になってない……」
ララはそんな永久の反応を見て笑っていたが……
「……でもね、秘密を守るのって大変でしょ?」
「……」
それを聞いて、永久は少し固まった。
「だから私も守るよ!」
「!」
「だって私も、永久の友達だもん!」
そう言って笑うララ。それを見た永久は少しだけ目を見開いた後……
「……ありがとう」
本当に小さく、そう礼を言ったのだった。
◇
ララに正体を明かしたその日の夜……
『こんばんは、永久』
自身の部屋にいる永久の目の前に、銀河連邦警察手帳の中からある人物が現れた……その人物は、透き通るような蒼色のロングヘアーを持ったクールさを感じさせる美少女だったが、その身体はホログラムで構成されていた。
「……」
『どうかしましたか、永久?』
「いや……なんでもないよ、アルマ」
彼女の名はアルマといい、永久がギャバンゼロになった時から一緒にいるサポートAIだ。主に任務では永久のサポートを担当しており、永久にとっては相棒とも言える存在なのだ。
『それならいいのですが……あっ、それと良かったですね』
「え?」
永久はその言葉に首を傾げた。
『友人が増えたじゃないですか』
「……!」
『……違いますか?』
しばらく沈黙していた永久だったが……
「……まぁ、そうかもしれないね」
そう言って、ほんの少しだけ微笑んだ。すると……
「あっ、司令官から通信です」
「分かった。繋げて」
永久の上官にあたるこの宇宙の銀河連邦警察の司令官から通信が入ったのだ。
「お疲れ様です、司令官」
『あぁ、2人とも夜遅くに済まないな。それとそれほど重要な用件ではないから、そんなにかしこまらなくてもいいぞ?』
「は、はい……」
「では一体、どのようなご要件で……?」
アルマがそう訊くと……
『なに、学校生活はどうかと思ってな……お節介かもしれないが、親代わりとしては心配でな。それにお前に何かあったら、あの2人に顔向けできない』
「!」
それを訊いた永久は、肩の力を抜き……
「……心配いらないよ。友達もできたし」
砕けた口調で話し始めたのだ……実はこの司令官は永久の親代わりであり、永久の死んだ両親の友人にあたるのだ。
『確か、ララ王女殿下と結城リト君だったか……』
「!知ってたんだ」
『それと、2人にお前がギャバンであることが知られているのもな』
「……」
その言葉に、永久は思わず黙り込んでしまったが……
『いや、責めているわけじゃないんだ……お前が信用できると判断したなら、私はそれを信じるだけだ。それに、正体が露見するリスクは承知の上だったし、親しい者に話すかどうかをお前の判断に任せたのは私だからな』
「……うん、ありがとう」
『アルマも、これからも永久をよろしく頼む』
「了解しました」
『では、今後とも警戒を頼む……あと、身体には気をつけてな』
「……分かってるよ」
永久がそう言うと、司令官との通信は終了した。その後……
「じゃあ、おやすみなさい永久」
「うん、アルマもおやすみ」
明日に備えて、2人はすぐに寝ることにするのだった。
読んでくださり、ありがとうございます!
今回でまた1人、永久の秘密を知るキャラクターが増えました。登場するキャラクターが増えるまでには少し時間がかかりますが、気長にお待ちいただけると幸いです。
それと、オリキャラも2人出してみました。司令官の方は、今後名前が明らかになっていきます。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いします。