ToLoveる×超宇宙刑事ギャバンインフィニティ 〜零度の蒸着者〜   作:アキ1113

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 今回は、日常回に近い話となります。

 それでは、どうぞご覧ください。



第5話 宇宙刑事の休日

 

 魔空空間に拠点を置いていたネガエモルギアの売人を逮捕してから数日後……取り調べは行われているが、売人は黙秘を貫いているらしい。そんな休日の朝……

 

 「……」

 

 静かな部屋にキーボードを叩く音だけが響いていた。永久は目の前のノートPCの画面を見つめながら、小さくため息を吐いた。

 

 「この事案は、被害なし……次が――――」

 

 そう、永久はこれまでに起きた事案の報告書を書いていた……宇宙刑事の仕事は現場に出ての戦闘だけではなく、こうした書類仕事も含まれている……むしろこちらの方の割合が多いこともある。そんな永久の前に……

 

 『永久』

 

 アルマがホログラムで現れた。

 

 『残り15件です』

 

 「聞かなきゃよかったよ……これでも随分と減らした方なんだけど」

 

 『頑張ってください。まぁ、最近はエモルギア犯罪が増えてきてますし、仕方のないことですね』

 

 「……随分と他人事だね?」

 

 『そもそも私、AIですので』

 

 「……」

 

 アルマは笑みを浮かべながら即答した。そんなやり取りをしていると……

 

 『♪〜』

 

 「誰だ……?」

 

 突然、インターホンが鳴る。その直後……

 

 「永久ー!」

 

 「……」

 

 聞いたことのある元気な声が聞こえてきた……嫌な予感がしながらも、永久が扉を開けると、そこには……

 

 「おはよう、永久!」

 

 満面の笑みのララがいた。そして、その隣にはリトがおり……

 

 「おはよう、永久」

 

 「……おはよう」

 

 この時、永久は一瞬で理解した……今日は普段のような静かな休日にはならない、と。

 

 「……それで、2人して何か用?」

 

 「一緒に遊びに行こう!」

 

 「ごめん無理」

 

 「即答!?」

 

 「何か用事でもあるのか?」

 

 リトが永久にそう訊くと……

 

 「報告書があるんだ」

 

 「遊んでからやればいいじゃん!」

 

 「終わったら苦労しないよ」

 

 「どれくらいあるの?」

 

 ララが首を傾げながら訊いたのだが……

 

 「……15」

 

 「「え」」

 

 その数を聞いたララとリトが同時に固まるのだった。

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 「えっと……ここは?」

 

 「ゲームセンターだよ!」

 

 あの後、ララはリトと共に永久を強制的に連れ出し、3人でゲームセンターへと来ていた。

 

 「ほらほら!入って入って!」

 

 永久はララに背中を押されつつも、2人と一緒にゲームセンターの中へと入っていく。まずララが目をつけたのは、クレーンゲームだった。

 

 「じゃあ、あれやってみよう!」

 

 「クレーンゲーム……だよね」

 

 「やったことないのか?」

 

 その言葉に、永久は静かに頷いた。

 

 「そもそも、そんな暇なかったしね」

 

 「……?」

 

 「あーもう!」

 

 「「!」」

 

 ララが景品を取るのに苦戦していると……

 

 「永久、お願い!」

 

 「え?お願いって……」

 

 「やってみたらどうだ?もしかしたら取れるかもしれないし」

 

 「……分かったよ」

 

 そう言って永久は初めてのクレーンゲームに挑戦したのだが……

 

 「い、一発で……!?」

 

 「す、すごい……」

 

 何と、一発で景品をゲットしたのだ。

 

 「ど、どうやったんだ……?」

 

 「ロボの操縦訓練の応用だよ」

 

 「お、応用……」

 

 景品のぬいぐるみを獲得した永久は、それをララに渡そうとしたが…… 

 

 「あげるよ!」

 

 「えっ?」

 

 「もともとそのためにやってたんだし」

 

 もともと永久のために獲ろうとしていたものらしく、そのままプレゼントしようとしてきたのだ。

 

 「いや、でも……」

 

 永久が突然のことに戸惑っていると……

 

 「せっかく獲ったんだし、素直にもらっておけよ?」

 

 「私もその方が嬉しいよ!」

 

 リトが助け舟を出してきた。

 

 「……じゃあ、そうするよ」

 

 ララの言葉を聞いた永久は、素直に景品を貰うことにしたのだ。その後も永久たちは、他のゲームで遊んだり、永久が普段行かないような様々な場所へと遊びに行った。

 

 その後、昼ご飯も食べ終わった3人は、公園で休憩をしていた。すると……

 

 「あはははは!」

 

 「待ってよー!」

 

 子供達が元気よく遊んでいる光景が目に飛び込んできた……が、

 

 「っ……」

 

 その光景を見た永久は、何故か少しだけ表情を曇らせていた。

 

 「どうした?」

 

 「……いや……少し昔を思い出しただけだよ」

 

 そう言う永久は、どこか寂しそうな表情をしており、リトもララも永久の普段と違う空気を感じるのだった。

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 「2人とも、次はどうする?」

 

 公園で休憩した永久たちは、次はどこに行くかを歩きながら考えていた。すると……

 

 「!おい、あれ――――」

 

 「「!」」

 

 3人の目に、道路に飛び出した子供に目掛け、大型トラックが迫っていく光景が飛び込んで来た。トラックの運転手は余所見をしているのか止まる様子はない……最悪の事態を想像したのか、周囲の人々から悲鳴が上がった。その瞬間……

 

 「っ!」

 

 永久は考えるより先に走っていた。反射的に身体が動き、ギリギリのところで走り込んで子供を抱きかかえると、そのまま地面を転がった。次の瞬間、2人がいた場所をトラックが通り過ぎていった……永久が助けるのがあと数秒遅ければ、最悪の事態になっていただろう……。

 

 「お、お兄ちゃん……」

 

 抱きかかえられた子供が、永久のことを涙目で見上げる。永久はゆっくり立ち上がると、少しだけ笑い……

 

 「怪我はない?」

 

 一言だけ、そう言ったのだ……その言葉は、宇宙刑事としてでもなく、銀河連邦警察の捜査官としての言葉でもなく、ただの1人の少年である冷弩永久としての言葉のように聞こえた。

 

 「永久!大丈夫!?」

 

 「うん、この子は無事で――――」

 

 「いやそれもそうだけどさ……お前もだよ」

 

 「……?」

 

 「永久は怪我してない?」

 

 「あぁ、そういう……僕は大丈夫だよ」

 

 「お前なぁ……まぁ、無事ならいいんだけど」 

 

 そんなやり取りをしていると……

 

 『永久、先程のトラックからネガエモルギア反応を確認しました!トラックは現在も暴走中です!』

 

 「!」

 

 「ぼ、暴走!?」

 

 銀河連邦警察手帳からアルマがそう言ってきたのだ。先ほどのトラックはネガエモルギアの影響で暴走していたようで、このままではいずれ被害が出てしまうという。

 

 「……分かった。2人ともこの子を頼むね。僕もすぐに戻る」

 

 「あ、あぁ!」

 

 「任せといて!」

 

 2人に子供を任せた永久は……

 

 「レイドー!チャージ!」

 

 「蒸着」

 

 「レイドー!アクティベート!」

 

 「ふっ!」

 

 駆け出しながらギャバンゼロへと蒸着すると、すぐさま飛び上がって屋根から屋根へと飛び移り、暴走するトラックを追いかけていった。

 

 

 

 

 

 『蒸着!それは、ギャバンシステム発動のコマンドだ。では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!』

 

 『蒸着コマンドを受けて、臨海点を超えたエモルギーは、トリガー内に凝縮されたギャバリオン粒子と融合。僅か1ミリ秒でコンバットスーツへと投射形成され、蒸着を完了するのだ!』

 

 

 

 

 

 「いた……!」

 

 コンバットスーツの機動力で追いかけること十数秒、ゼロは暴走しているトラックを捕捉した。ゼロは足についているブースターで加速すると、トラックの通る道に先回りして立ちはだかる。

 

 『永久、来ます!』

 

 「了解」

 

 それから数秒後、アルマの予測通りにトラックがゼロに向かって突っ込んできた。

 

 「ぐっ……!!」

 

 ゼロは手足のブースターを噴射させ、トラックを減速させていく。そして……

 

 「……よし」

 

 被害が出る前に止めることに成功したのだ。ゼロがトラックの中を確認すると、そこには気を失っている運転手とその側にネガエモルギアがあり、運転手の方には命に別状はなさそうだった……が、

 

 『GyAAAAAAAAAA!!』

 

 ネガエモルギアが暴走し、エモンズを生み出してしまったのだ。

 

 「悪いけど、さっさと倒させてもらう……!」

 

 ゼロはギャバリオンブレードを取り出すと、エモンズに向けて得意の剣術で攻撃を加えていく。エモンズも負けじと反撃するが、攻撃は全て受け流され逆に斬撃を食らってしまっていた。そして……

 

 「終わりだ……」

 

 『!?』

 

 ゼロはギャバリオンブレードを順手で構え、コンバットスーツのラインを光らせると……

 

 「はぁっ!!」

 

 『GyAAAAAAAAAA!?』

 

 そのまま一刀両断し、エモンズを撃破したのだった。

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 「お待たせ」

 

 「あっ!永久!」

 

 あの後、現場の処理を他の捜査官に任せた永久は、リトとララのところへと戻っていった。

 

 「あの子は?」

 

 「さっき親御さんが来て一緒に帰って行ったよ」

 

 「そう……なら良かった」

 

 「あっ、あと永久にお礼も言ってたよ!」

 

 「お礼……?」

 

 「うん!『お兄ちゃんありがとう!』だってさ!」

 

 その言葉を聞いた永久は……

 

 「……そっか」

 

 珍しく微笑みながら、そう口にしたのだ……ララがそれを見逃すことはなく……

 

 「あっ!永久笑った!」

 

 「!……笑ってない」

 

 「笑ったよ!」

 

 「笑ってない」

 

 「笑った!」

 

 「笑ってない」

 

 そんな光景を見て、リトは苦笑いをしながらも2人のことを止めに入るのだった……。

 

 

 

 

 




 読んでくださり、ありがとうございます!

 今回は永久……というよりも、リトとララを加えた3人の休日の様子をお届けしました。

 それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いします。
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