転生したらミュトスの身体でテイワットにいた件   作:dark9486

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ここいらでちょっとこの物語におけるクライヴの設定を深掘りしていこうかと思います。
色々と辻褄を合わせるのって大変ですな…


第13話 自我

 

翌日、クライヴは冒険者協会で依頼を受けようとまだ眠い目を擦りながらも宿を出て向かおうとしていたが…

 

 

 

 

 

 

 

「見つけた!クライヴ!大変なことが起きてしまったの!」

 

「刻晴?どうしたんだ?」

 

後ろから刻晴が走ってきて声をかけられクライヴは立ち止まる…刻晴は息を切らして肩で呼吸しながらも少しすると落ち着きを取り戻し

 

「実は…今日の迎仙儀式で岩王帝君が何者かに殺害されたの…それで千岩軍はその場にいたモンドからの旅人を疑わしいとして追っているのだけれど…まだ行方が分からなくて」

 

「旅人?もしかして『蛍』のことか?(始まったか…)」

 

刻晴の言葉にクライヴは冷静に考える。『本来の物語』であればここで旅人は公使『タルタリヤ』と会い共に無実を証明するため璃月各地の仙人を訪ねるという展開である

 

 

「ふうん…知り合いなの...?ならどういう関係なのかしら…?(ズイッ」

 

「…彼女はモンドの《栄誉騎士》、つまり俺の後輩だ。彼女とは昨日たまたま万民堂で会って食事を奢っただけさ(なんか近いな?)」

 

それを聞いた刻晴はクライヴに顔を近づけ、ジトッと湿り気を帯びた目を向ける

 

「そう…でも容疑者には変わらないわね……私だって彼と食事したことないのに情報提供ありがとうクライヴ、貴方はこれから仕事かしら?」

 

「ああ、懐は暖かいが何もしていないのは性に合わなくてな…じゃあまた、刻晴。あまり仕事で無理はするなよ?(ポンッ」

 

「う、うん…ありがとう////そっちも気を付けてね?」

 

 

 

昨日に続き再びクソボケムーヴをしたクライヴは刻晴と分かれ(何時もの《デイリー》)をこなすため『帰離原』へと橋を渡ろうとする

 

 

「ふふ♪モンドの時と違って思ってたより慎重なタイプみたいね!」

 

そう何処か悪戯っぽい声が聞こえたかと思うと

 

『仕方ないわよアリス、物語に干渉するということはそれだけ重大なことなのよ?実際彼女が璃月にくるのに本来よりも3日程遅れてたんだから』

 

クライヴの頭の中に直接もう一つの声が響く…

 

「この声は……『魔女会』のメンバーか、発言を聞く限り俺のことを知っているみたいだが」

 

「あらあら、別にわたしたちの前では『彼を』演じなくてもいいのよ?『転生者』くん

 

 

「なっ…!」

 

 

クライヴはそれを聞き身構える…何故自分の前世を、ましてや『彼』を知っているのか…そんな疑問を考えていると

 

 

『実を言うと、貴方をここに連れてきたのは私達なの。理由はアリスが面白そうっていう単純なことなんだけどね?』

 

もう一人の魔女『ニコ』がそう答える、そしてアリスはう~んと声をもらすと

 

「ここじゃちょっと疲れちゃうから、場所を変えるわね♪」

 

パチンッと指を鳴らす音が響き、気付くとクライヴは鮮やかなテーブルやお菓子が並ぶ場所へと飛ばされていた…がクライヴは冷静に用意されたであろう席に座ると、いつの間にか目の前に美人な女性二人が彼の方を見ていた

 

「それじゃあ早速だけど今の『貴方』がテイワットにきたことについて説明するわね♪じゃあ、お願いニコ」

 

アリスがそう言うとニコはため息をつく

 

『結局私が言うのね……まあいいわそれじゃあ、まずは貴方がここに来る前に恐らく意識の中で『彼』と話したと思うのだけれど、あれは私とアリスが意図的に貴方と『彼』の意識を繋げたのよ』

 

「俺と…あの人の意識をだと…?どうやって…」

 

「そこは魔女の素敵な魔法の力よ♪」

 

いや、それの原理を知りたいんだが…と思ったが突っ込むのを止めたクライヴ。彼の前世でやってきたゲーム内でも『アリス』はこういったキャラクターなのである

 

 

『ある時アリスが「近頃まだ暇だし何処か別の世界の物語でも覗かない?」と私を誘ったの、その時たまたま覗いていた世界が、貴方の身体の元の持ち主が住んでいた世界』

 

「……『ヴァリスゼア』のことか…」

 

『そう、そして私達は気付けばいつの間にか彼の求めた最後の幻想《ファイナルファンタジー》に夢中になっていたの』

 

 

「『人が人として生きられる世界』を作るため……なんっっって優しくも儚くて…そして美しい物語なのかしら!もうわたしは心の底までファンになったわ!」

 

ニコが説明する中アリスは体をくねくねさせながらときめく乙女のように熱のこもった声で語りだす。それを(気持ちはすごくわかる)と思うクライヴだったがニコは『あっちいってなさい!』とアリスを隅に追いやると話を続ける

 

 

 

『それで、その物語の最期は…貴方も知っているわよね?』

 

「……ああ、最終的に『アルテマ』の力を使い世界から黒を消しさる…それと同時に全ての『クリスタル』や大地の『エーテル』も消え、『魔法』も無くなり…」

 

それから先の言葉をクライヴは出さずに俯く

 

 

『そこから先は言わなくていいわ、重要なのはその後よ…『彼』が辿る結末に納得がいかなかったアリスは肉体を失い、今にも意識が消えそうな『アルテマ』にある取引を持ちかけたわ彼を救う代わりに貴方の死を無くすってね

 

ニコから衝撃的な言葉を聞いたクライヴは思わず立ち上がる

 

「『アルテマ』と……取引だと…!?一体なにを!?」

 

 

「簡単にいえば、『彼』を死んだ後もまた人生を歩めるように記憶を持たせて転生させて欲しいって伝えたの!もちろん、彼だけじゃなくて『彼の周りの皆』も死後に同じ様なやり方でね♪」

 

「……どうしてわざわざそんなことを?」

 

「だって、どんな物語であれ最後はハッピーエンドでなくっちゃ♪

 

いつの間にか二人の間に戻ってきたアリスがそう言い終わるとニコはまた語り始める

 

『…ただ条件として二つ出したわ、一つは「これから先、意識だけで貴方の創った世界を見守ること」そして「今後は人間達と寄り添い、向き合う」ことよ、これを聞いたアルテマは文句を言うどころかむしろ前向きに肯定したわね』

 

「あのアルテマがか?」

 

「それについてはわたしが説明するわね♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────とある境界にて

 

 

「それにしても随分とあっさり提案を受け入れるのねえ?もっとごねるのかと思っていたわ?」

 

アリスは何もない空間で光輝く球体、今や実体も失った『アルテマ』に語りかける…そしてアルテマは静かに口を開いた

 

 

 

 

《あの時…我はミュトスからこう言われた…》

 

 

 

『貴様はただ逃げただけだ…!世界からも!人からも!』

 

 

 

 

 

 

《我はそれを『器』ごときがと一蹴したが……結局、我は破れた…それはやつの…いや、『人』が持つ自我の強さ故であろう…》

 

アルテマは何処か遠くを見るような声で話す

 

《我は…やつの言う通り恐れていたのだろう…人が自我を持ったことを…そして『黒』の浸食に抗えない我に対して…人がいずれ刃を向けることをな…》

 

「そうね、生き物とはそういう物なの…それに人間は自らの欲に溺れて道を誤ることもあるわ、でも困難が立ちふさがった時には皆で手を取り合うし…辛い時は一緒に傍にいてくれる…それが人間の良いところよ?」

 

アリスはアルテマに近づき、球体を指でツンツンとつつく

 

「それに貴方は実際に戦ったのだからよくわかるんじゃないかしら?」

 

《ふっ…………どうやら我は永い時を彷徨い続けようやく己が過ちに気付くことが出来たようだ、『異界の魔女』よ…その取引を呑もう》

 

「うふふ♪取引成立ね!じゃあ後は彼の『替わり』となる相手を見つけないと♪じゃあねアルテマくん♪人間観察を楽しんで!」

 

《……もう会うことはないであろうが、汝の旅路にささやかながらの祝福を祈ろう》

 

その言葉を最後にアリスは空間から消えていく…アルテマは下界を見おろす

 

 

 

 

《ミュトス…いや、クライヴよ……汝がその御霊を捧げてでも守ろうとしたこの世界を……我は見守り続けよう…いずれまた汝と巡り会うその日まで…》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と!こんな感じだったわよ♪あの後私はどうにか転生させるため彼の記憶と経験を受け継がせようとした時にちょうど他の世界で『貴方』を見つけたの!」

 

そう説明を終えたアリスにクライヴは少しの沈黙の後

 

「……なら何故『俺』なんだ?『彼』ではなく」

 

そう質問を投げ掛けると

 

「実は…その…過程は成功したんだけれど…」

 

『順序が失敗して、「本来とは違う結果」になってしまったのよ』

 

もじもじしているアリスにニコはバッサリと結論を語る

 

 

『本当は「彼」をここに連れてきて、貴方には向こうの世界で転生させるつもりだったのよ、だからテイワットでは肉体も力も『彼』のつもりだったけど、魂は『貴方』になった…』

 

ニコはそういってクライヴに転生の真実を話した後

 

『貴方も覚えがあるはずよ、時々自分が話しているはずなのに何処か他人のような奇妙な感覚……それは「肉体」に「魂」が共鳴しているからよ』

 

「だからあの時《授与式》から俺は…」

 

そう言われたクライヴはモンドでのことを思い出す…つまりは『本来転生すべきは《彼》だったのだが手違いでその身体に自分が入った』から魂が《彼》の影響を受けているということなのだ

 

『そういうこと、でも悪い影響はないわ。もう貴方は既に慣れているみたいだし』

 

「…だとしてもあの人ならもっと上手くやれただろうな」

 

クライヴがそう弱音を吐くとアリスは笑顔で肩を叩く

 

「心配しなくていいわ♪たとえ身体が違っても『貴方は貴方』よ、物語が変わってしまうかもしれないと恐れなくてもいいのよ♪それに物語を決めるのは他人ではなく自分自身なの!だから思い切り前を向いてちょうだい!

 

「アリス……ありがとう。あんたの言う通りだ…俺は俺…『モンドの《不死鳥騎士》クライヴ』なんだ…!」

 

アリスから励まされたクライヴはそう前を向く、その瞳は今までと違い焔の如く光輝いている

 

『うふふっ…今のは演技じゃなくて本心ね。なら行きないクライヴ…私達は何時でも貴方を支えるわ』

 

 

そう再び指を鳴らす音が聞こえるとクライヴは元の場所に戻ってきていた

 

「ふう……少し回り道にはなったが、冒険再開だ!」

 

そう言うクライヴな大地を踏みしめる…彼の足取りは今までよりも軽快で迷いのない様子だった…




前に本編には絡めないと言ったな、あれは嘘だ…

つい昨日魔神任務クリアしました。いやあ……よかった…ネタバレになるから言えないけどホントによかったね…

さてわかりにくかったと思いますがこれが今回の物語の独自設定ですね

アリス達がたまたまff16の世界を知り、興味を持ち「え!クライヴ死んじゃうの!いやいや!せめてハッピーエンドにはしたい!そうだわ!転生させちゃおう!」となる

アルテマが『クライヴ』に負ける

負けて実体をなくし、死にかけたアルテマをアリスが繋ぎ止めて交渉する

交渉が成立し、代わりにとプロローグで死にかけてた『主人公』を見つける

『クライヴ』がアルテマの力を使い、死にかけたところをアリスとニコが二人がかりで『主人公』と意識を繋げる

この物語のプロローグ

という感じです。まだまだ知識不足ゆえ、色々間違っていたら手直しをするつもりです!

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