転生したらミュトスの身体でテイワットにいた件   作:dark9486

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そろそろ執行官とも会わせたいな~と思いながら書きました。
お待たせしてしまい誠に申し訳ない……書く意欲はあるんですが7daysToDieが楽しすぎて…


第17話 罪と救済

 

 

 

 

 

─────翌日 『天領奉行所』

 

 

 

 

「『たたら砂』のことについて調べたい…と?」

 

 

「ああ、かつてあそこで起きた事に個人的に興味があってな」

 

 

クライヴの言葉を聞いた沙羅は少しばかり思案すると問題ないと判断したのか顔を上げる

 

 

 

「失礼だが貴殿に考古学の素養があるとは思わなかった…だが私は公務があるので代わりの遣いを一人貴殿に付けよう。それに今日は貴殿にこれといった頼みもないからゆっくり羽根を伸ばすと良い、これが書庫の鍵だ。調べ終われば入り口の門番に預けて構わない」

 

 

「ありがとう、そっちも気を付けてな」

 

 

 

そうやり取りをした後クライヴは再び荷物を纏め、沙羅に召集された監視役と共に奉行所を出て天守閣の書庫へと向かう…

 

 

 

 

 

 

───『天守閣 書庫』

 

 

 

 

「……やっぱり『丹羽久秀』は裏切り者としての史実しか残ってないか…」

 

 

「クライヴさん…そんなこと調べてどうするんです?その事について何かあるのですか?」

 

 

 

 

熱心に文献を漁り、文字とにらめっこをするクライヴに監視役の兵士は疑問を投げ掛ける

 

 

 

 

 

 

 

「……これは後々面倒になるから君には黙っていて欲しいんだが…丹羽久秀はたたら砂の皆を裏切ってなんかない…全ては…ある男が仕組んだ策略だ」

 

 

兵士の疑問を聞いたクライヴは明らかな怒りを隠せない声色と表情で持っていた本をパタンと閉じる…兵士は会ってすぐの爽やかな顔からの変わり様に冷や汗を垂らしながらも

 

 

「……そのある男というのは…?」

 

そう続きを聞くとクライヴはギリ…と歯ぎしりをしながら巻物を元の棚に戻し兵士の方を振り向き、答える

 

 

 

 

 

 

 

「『ファデュイ執行官第2位《博士》』……やつが全ての元凶だ。そして今この稲妻に蔓延っている邪眼騒動や目狩り令も……元はと言えばやつが原因なんだ」

 

 

 

正確に言えば後半に関しては少し…いや大分違うのであるがクライヴ《の中の人物》は博士が大嫌いなので半ば偏見や私怨やらが混じっているのである…

ちなみに投稿主の感想としては『悪役としては振り切ってるから好きだしビジュも声も良き、あとザンディク君可愛いよ(*´Д`)ハアハア』です

そしてその答えを聞いた兵士はかなり取り乱した様子で…

 

 

 

 

 

「そ、そんな…!?だとすれば一大事です!直ぐに将軍様に報告しなくては…!」

 

 

「待つんだ…言っただろ?後々面倒になるから黙っていて欲しいと……それにこれ自体に物的な証拠は無いんだ」

 

 

書庫を飛び出そうとする兵士をクライヴは制止する…落ち着きを取り戻した兵士は新たに浮かんだ疑問を投げ掛ける

 

 

 

 

 

「でしたらクライヴさんはどうしてその事を…?」

 

 

「俺の力が少々特殊なのは聞いているだろう?その一つに近くの地脈に接続することでそこで起きたことを見ることが出来るんだ。地脈はテイワットの記憶そのものとも言っていいからな

 

 

 

 

と、クライヴは冷静に自身の能力を明かすが……真っ赤な嘘である実際はゲームの知識でこの後稲妻に起こることや過去の出来事を全部知っているだけなのだ…(世界任務等はネットからの知識)

 

 

 

「それに先に対処するべきは邪眼の方だ…ファデュイは邪眼を抵抗軍等に横流しすることで幕府との対立を煽っている…このままだとさらに被害は増える一方だ…だからこれから天領奉行、勘定奉行がファデュイと癒着している証拠を集めるためにも九条孝行の部屋へも行くつもりだ。ここに来たのもその為だが…手掛かりはなかった」

 

 

 

 

「勘定奉行まで……でしたら不躾ながら自分にも手伝わせて下さい…!自分は『孝行様』の執務室の見張りも担当していますので頃合いを計って通すことが出来ます…!どうかこの稲妻を正しい路へと導いて下さい!」

 

 

クライヴの言葉を聞いた兵士は一度自らの主に失望したような表情を見せたがすぐに持ち直したのかクライヴを見つめ、失敗すれば自らの立場が危ういにも関わらず一つの提案を持ち掛ける

 

 

 

「ありがとう……なら善は急げだ!行こう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────『九条孝行の執務室』

 

 

 

 

クライヴは一心不乱に机の書類を漁ると机上にはファデュイとの契約の印が残った一枚の紙、そしてそれに伴う莫大な資金の動きが残された帳簿を発見する…

 

 

「あった…!これだけの証拠があれば確実に天領奉行の悪行を示すことが出来る!急いでここを離れないといけないな…『作戦』通りに動くぞ!

 

 

 

 

 

 

 

「あらあら…どうやら貴方の部下の中に鼠が入りこんでいたようね?」

 

 

二人の背後から不敵な笑いとともに優雅なドレスを纏った女性と、それに反して厳かな雰囲気の佇まいをした男性『九条孝行』が静かに入ってくる

 

 

 

 

「《淑女》か…!」

 

 

「はじめまして、モンドの英雄《不死鳥騎士》さん…あんな廃れた国なんかを守るだなんて物好きなことね?何の価値すらも無いというのに…」

 

 

「……随分と嫌っているんだな、『彼』のことがあるからか?」

 

 

 

「っ…!どうやら命が惜しくないようね…?いいわ…こいつらを始末しなさい…!」

 

 

「かしこまりました」

 

 

 

 

彼女の号令により周りのファデュイ達は陣を組みクライヴを取り囲む…

 

 

 

「悪いがこんな所でみすみすチャンスを逃がす気は無い……いけるな?」

 

 

「はい…!任せて下さい!」

 

 

「わかった……『モラクス』!

 

ピキイイイイィィン…!

 

 

 

クライヴは岩神の力を使い自らと兵士の周りにシールドを生成すると…

 

 

 

「うおおおおおおおおっっ!!!」

 

 

バキッ…!ブオオオオンッ!

 

 

そのまま兵士を掴み、窓を割るとそこから全力で外に向かって放り投げるとそれを見た淑女達は呆気にとられる

 

 

「なっ!?貴方血迷ったの…!?仲間を投げ捨てるだなんて!」

 

 

「……少なくともお前達が妨害に来ることは知っていたさ…四六時中、背後から尾けられていたのに気付いていたからな。だから事前に妨害があっても良いように打ち合わせをしておいたのさ…それに、シールドの堅さは自分で実践済みだ。どうやら俺達の方が一枚上手だったな?」

 

 

 

淑女にそう語りかけるクライヴだがその言葉は今の彼女には届くことなく怒りに震えながら全身から氷元素を溢れるばかりに放出し、辺りの温度が一気に氷点下へと下がる

 

 

 

「……そんなの今ここで貴方を始末してからゆっくりと処理すれば済むことよ…風神と岩神の力を手に入れて、公使にも勝って頭に乗っているようだけれど、私はあいつより序列は上よ?勝てるわけがないわ」

 

 

 

「止めておいた方がいい…ここ天守閣で争いを起こせば幕府との関係も悪化するだろう。そうなったらあんたらファデュイも天領奉行も動きづらい」

 

 

怒り心頭な淑女に対しクライヴは冷静に争った後のリスクを彼女に伝えると…

 

 

 

「それと、頭に乗っているのはあんたの方じゃないのか?神は人とは根本的に倫理観と価値観が違う…『人知』を越えた存在なんだ二つの神の心を手に入れたからといって、将軍も話が通じる相手じゃないぞ?そのままじゃいずれ……」

 

 

クライヴは先を知っているため彼女に警告をするが…淑女はそんな彼の心情など露知らず

 

 

「なに?私に説教でもするつもりかしら?大きなお世話よ…いいわ、ここでは見逃してあげる。けど次に会った時は殺すわ…」

 

 

 

「淑女殿…!それでは我々の立場が!」

 

 

と、ここまでずっと空気だった九条孝行が声をあげるが淑女はあっけらかんとした表情で

 

 

「あら?私達が望むのはあくまで神の心、貴方たち天領奉行のことなんかどうだっていいわ。それに……貴方だって信仰しているのは将軍自身ではないでしょう?

 

 

 

そう言い返されると孝行は苦虫を噛み潰したように黙りこくる…

 

 

 

「それではごきげんよう《不死鳥騎士》さん、良い旅になるといいわね?」

 

 

 

そう言い残し淑女達は部屋を立ち去り、九条孝行も慌てて後に続く……やがて完全に姿が見えなくなり一人残ったクライヴはホッとした顔で胸を撫で下ろし、自らも他に目ぼしい物は無いことを確認し割れた窓から天守閣を後にする

 

 

 

「……どうにかなったな、後は彼が沙羅へ報告してくれるのを待つのみか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その晩クライヴは奉行所に戻るや否や沙羅から呼び出され、部屋へと向かうと彼女は中央に正座し瞑想をしていた

 

 

 

「彼から報告を聞いた……そして書類にも目を通した」

 

 

沙羅は静かにそう言葉を紡ぐ

 

 

「…信じてくれるのか?」

 

 

「あれほどの証拠ならな…その後私は直ぐに義父上に問いただした所、『九条家のため』だの『我々には将軍様の《夢想の一太刀》がある』と開き直られてな…あの方が信じていたのは将軍様ではなく『その力』に対してだったのだ…」

 

沙羅の口調は至って冷静を装ってはいるものの言葉の節々は震え、内に秘めた想いを隠しきれていないようだ

 

 

ポタ…ポタ…

 

 

クライヴがふと沙羅の顔を見るとその目からはポロポロと涙が溢れ、部屋の畳を濡らす…

 

 

 

 

 

「私は……そんなことも知らずに彼らから神の目を奪い続けてきた…それは彼らの願いを踏みにじってきたも同然だ…!だが私は…それが将軍様の望む永遠のためと信じていた…!なのに……!」

 

 

「沙羅……」

 

 

 

 

クライヴは暫く彼女の弱り果てた姿を眺めていたがやがて静かに歩み寄るとその肩に優しく手を伸ばし…

 

 

 

 

ギュゥゥ…

 

そのまま頭を撫でながら自らの胸の中へと彼女の頭を埋める

 

 

 

 

 

 

「ならこれからの九条家はあんたが変えていけばいい…俺も微力ながら手を貸す…だから今は弱音を吐いたっていいんだ…」

 

 

「クライヴ…私は…私は…!うあああああ………!」

 

 

 

 

 

感情が爆発し声をあげて泣く彼女をクライヴは無言で抱きしめ、皆が寝静まった稲妻の城下に彼女の慟哭が哀しく響いてゆく……

そしてそれが収まったのを確認したクライヴは声をかける

 

 

 

 

 

「……少しは楽になったか?」

 

 

それを聞いた沙羅はクライヴの胸から離れ、何時もの表情へと戻る

 

 

 

「ああ…すまない、こんな醜態を晒して…」

 

 

「構わないさ、これからどうする?」

 

 

「明日に抵抗軍の大将『珊瑚宮心海』と話をするつもりだ。貴殿らの報告によれば彼女の兵士達にファデュイは邪眼を送ることでこの戦いを混乱させていたのだからな…彼女らも被害者だ」

 

 

「そうか…なら俺に出来ることはないか?」

 

 

「であれば貴殿も同行して欲しい、調査を行った本人から説明した方が彼女達も信用するだろう」

 

 

「わかった。御安い御用だ」

 

 

「ではもうこんな時間だ、今日は色々あったから休むといい…それと……先ほどことは…どうか内密に頼む…////

 

 

「……?ああ、それじゃあお休み沙羅」

 

「お休み、クライヴ」

 

 

クライヴが部屋を後にしてから残った沙羅は先ほど撫でられた頭に手を添え…

 

 

 

「……これが恋心…というものか…////」

 

 

そう顔を赤らめながらポツリと呟くのであった…




次回は反乱軍との交渉パートになりますかね~、後の矛盾がないように前に書いたお話とかも見返して修正しながら頑張ってきます
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