転生したらミュトスの身体でテイワットにいた件 作:dark9486
前回、スメールシティに着いてそうそう教礼院から目を付けられ刺客を送り込まれたが鮮やかに返り討ちにしたクライヴ
そしてそのまま連行されるかと思いきや大嫌いな『博士』と遭遇し取引を持ちかけられてしまった!さあどうするクライヴ・ロズフィールド!
さて、これを読んでくれている旅人の皆様は博士のことシバいてるでしょうか?主はもう素材を使うキャラは全員育成し終わってるというのにシバいてます()
「……『手を組む』だと?」
「その通りだ、お前のその力に興味が湧いていてな…」
博士は胸元の装飾を指で弄り、クライヴの周りを歩き始める
「……元素の力とは神の目や邪眼といった外付けの器官が無くては我々人には扱えぬ物…そして魔神…『元素生物』と呼ばれる生命体ですらも二つ以上の元素は扱えんのがほとんどだ…異なる元素が体内で反発し合うからな……だが」
途中で説明を止めた博士はクライヴを見つめたかと思うと距離を詰め、顔を近付ける
「お前の身体には複数の元素が入り混じっているというのに何の影響もなく完璧に調和し、さらにはこれまで三つの神の力を奪いそれを我が物としている…その原理は一体何か?……実に興味深い」
「……お前個人の趣味はどうでもいい」
「ふむ、確かにそうだな。ではお前に益のある話に変えるとしよう……私にその身体を調べさせて欲しい。なに…変わりに充分な報酬は与えるとも。冒険者は常に未知と宝を求める者。私がそれを与えようではないか……悪い話ではないだろう?」
そう博士は嗤いながらクライヴに手を差しのべるがクライヴはその手を振り払う
「悪いがお断りだ。冒険とは自分の力だけでまだ見ぬ宝を探すことが醍醐味なんでな。お前も最初から過程が分かっている実験なんてつまらないだろう?」
クライヴのその言葉に思う所があったのか博士は暫く考え込んだ後顔をあげる
「ふむ………先の発言は謝罪しよう。であればこれから先、お前は他の神の力をも得るであろう……ならば私がその手助けをしようではないか、何せお前は絶対的な力を求めた《地獄の魔神》と呼ばれる存在。今の七神の力もすべて我が物としたいだろう?そうなれば私としても『自身の目標』に近づく……」
「『新世界を創造する』ことか……?」
その言葉に博士はまるで理解者を見つけたかのように笑い出し、仮面越しだというのに隠しきれない喜びの表情が伝わる
「ふふふふ……よもやそこまで知っているとは……実に素晴らしい……!お前とは善き関係を結べそうだ……どうだ?共にこの古臭い世界を終わらせ、『真あるべき正しい世界』を創りだそうではないか!」
「……………」
『真あるべき正しい世界』、その言葉に『クライヴ』の記憶にはかつての世界で戦った『アルテマ』によって起きた悲劇が蘇っていた…
「………るな…」
「どうした?感動で言葉が出ないか?喜ぶにはまだ早いぞ?先ずは『偽神計画』を成功させてからだ…そのデータを元にしてから次はお前の身体を…」
「巫山戯るなっっっ………!!!!!!!」
博士がぶつぶつと今後の計画を話す前にクライヴは顔をあげ心の底から叫ぶ
その声は月明かり差し込み静寂漂うスメールシティ全体に響き、周りの兵士や騒ぎを聞きつけていた観衆はあまりの気迫に言葉も出ずにいた…
「お前のその好奇心の為に…ただ己の私利私欲の為だけに一体何人が犠牲になった…?『ラグヴィンド家』…『たたら砂』…いや、俺が知らないだけでもっと被害を受けた人達がいるだろう…」
「…………?」
博士はさも何を言っているのか心底理解が出来ないといった表情でクライヴを見つめる…
それを見てクライヴは額に青筋を浮かべながらも言葉を続ける
「俺はモンドが誇る《不死鳥騎士クライヴ・ロズフィールド》だ……西風騎士団として弱き者を脅かす悪を赦しはしない……だが!」
クライヴは背中の剣を取り出してから左腕を胸に当てる。それは騎士にとって己の忠誠心を示す仕草であるが本来地面に突き立てるはずの剣の切っ先は博士の方を向いていた…
パチ…パチッ
「今…俺の身と心を燃やすこの激情は騎士としての矜持や誇りという優しいものじゃない……!!!今まで犠牲になった者達の無念を晴らす為…!そしてこの世界の為にも!『ドットーレ』!!!!貴様は今…!ここで殺す……!!!!!」
《リミットブレイク》
ゴオオオオオオオオオオオッッッ!!!
クライヴの瞳が蒼く光り始めると同時に身体から火の粉があがる…直後に爆炎が全身を包みクライヴは『半顕現』状態へとその姿を変え、辺りに凄まじい程の熱気が押し寄せる
「お前をここで終わらせ……残っている他の『断片』も一人残らず消す!!!!死んで償えっっっっ!!!!!!!」
「………何を言い出すかと思えば、下らないな…私の被験体として有用的に使われたのだ。寧ろ感謝するべきだろう?お前もにこの古臭い世界に妥協するということか……実に残念だ。魔神であるお前が人の感情に縛られるとは」
だが博士はそれに動じず、呆れや憐れみを含む声色でクライヴに語りかける…
「今際の際だと言うのによく喋るな…それがお前の遺言か…?『バハムート』ッッッ!!!!!」
シュウウウウウウウン…!
バチバチッ…!
クライヴが背中から龍を想わせる翼を広げ、両手を前に出すとその手から火花が散り始め、光の球体の形を造る
「こいつでくたばれえええええええええ!!!!」
《ギガフレア》
キュイイイイイイイィィィィンッッッ!!!
そしてその球体が目映く耀いたたかと思うと帯状の光が文字通りの光速で駆け抜け、博士に避ける間も与えず直撃する…
シュウウウウウウ……
「ふむ…『バハムート』か、『龍王ニーべルンゲン』の数ある伝承で呼ばれる名の一つ…あれは貴様よりも遥か前の存在だが何故使える?……まさかお前は我々の知る《イフリート》ではないのか?」
ジジッ…
だが博士は何事も無かったかのように無傷であり、冷静にクライヴを分析していたがクライヴは博士の右手や服の一部が僅かに歪むのを見逃さなかった
「今頃気付いたのか?どうも俺と『この世界の《イフリート》』は随分と似ているらしい。(幻影、ホログラムみたいな物か…!つまり目の前にいるのは本体じゃない…力を使ったのは悪手だったな…)」
「成る程、『降臨者』。いや…かつて妙論派が唱えていた『並行した世界の存在』という訳か。幼稚な議論だと思っていたがこうして目の当たりにするとはな…」
ドドドドドドドドドド!!!
二人が会話する中、大勢の足音が響き。此方へ向かって来るのが聞こえた…
「ふむ、どうやらここまでのようだな。何れまた会おうクライヴ・ロズフィールド…次はもっと良い提案を持ってくるとしよう」
シュンッ!
「…っ!待て…!クソっ!」
「動くな…!武器を棄てて投降しろ!」
クライヴが動くより前に博士は映像のスイッチを切るように姿を消し、クライヴの周囲をスメールの兵士達が取り囲む…
「貴様が此度の騒動の原因か…?かの不死鳥騎士がこの様な事態を起こすとは…モンドとの交易にどのような問題を招くか考えなかったのか?」
兵士達の中心から厳格な衣装を身に着けた老人がクライヴの前へ踊り出る
「……『大賢者アザール』。よく言うな…自分達の為に尽くしている神を閉じ込めた挙げ句、偽りの神を造りだそうとしている癖に」
「……いきなり何を言い出すと思えば、実に荒唐無稽な話だな。我々教礼院は心から『クラクサナリデビ』様を崇拝している。その様な言葉に惑わされると思っているのか?」
その言葉に一部の兵士達はどよめき、困惑するが老人は冷静に兵士達を落ち着かせる
「無論思ってない、ただお前のような屑は心底嫌いなんでね。悪いがこれ以上この場の空気を吸いたくないんだ」
「……であれば直ぐに牢へと案内しよう。拘束しろ」
「手を前に出せ」
アザールの命令に一人の兵士がクライヴへ近づき、クライヴに催促する…
「………」
クライヴは無言で両手を前に出し、兵士はそれに手錠をつけようと身を乗り出す…
ボウッ…!
「ぎゃあっ!?」
だがクライヴの手から炎が飛び出し、火だるまになった兵士はあまりの熱さに地面へ倒れのたうち回る
「貴様っ!?何を!」
「……誰が何時大人しく捕まると言った?悪いが俺も退散させて貰う」
バサッ!
クライヴはバハムートの力を使い、上空へと飛び上がる…
「……何れお前達の計画は絶対に止める。そして彼女を、クラクサナリデビを助けだす…!それまで覚悟を決めておくんだな」
シュゴオオオオオッ!
そう言い残し、クライヴはスメールの空へと瞬く間に消えていき……残されたアザールと兵士達は暫く呆然とその光景を眺めていた
──────『スメール砂漠地帯 ダールアルシファ』
シュウウウンッ!
シティから離れ、砂漠へと降り立ったクライヴは辺りの安全を確認し近くの岩場に腰を降ろし考え込む
「思わずやってしまったな……このせいで今後に響かないといいが……だが後悔はしていない!( ・`д・´)キリッ」
だが博士討伐RTAを実行しようとしたせいで教礼院に目を付けられたというのに全く反省していない様子であった…
「ようあんた。見ない顔だな?こんな夜更けに砂漠をそんな格好で歩くなんて変わったやつだ」
考え耽っているクライヴの背後から褐色肌に大胆な格好をした女性が歩み寄る
「あんたこそ人の事を言えないと思うがな…(『ディシア』か…今はド二アザードと行動はしてないみたいだな)」
「あたしはこの近くの村に厄介になっててね、眠れなくて散歩がてらって所だよ……っと、自己紹介がまだだったね。あたしは『ディシア』、『熾光の猟獣』っていうエルマイト旅団に所属してるよ」
「確か『熾鬣の獅子』っていう通り名だったな?クライヴ・ロズフィールドだ。宜しくなディシア」
「お、知ってくれてるとは嬉しいね♪というより…クライヴ…?あ!もしかんてあんたがお嬢様の病気を治してくれたっていう奴か!?」
「成り行きだったがな、知り合いなら彼女の様態はどうだ?」
「今の所かなり調子が良くてね、あたしからも礼を言わせて欲しい。お嬢様のこと、感謝するよ…それで、あんたはここで何を?」
「実は…」
クライヴはここまでの経緯を教礼院の陰謀は話さず簡潔に説明した…
「なるほどね、なら今のあんたは宿無しってわけだ。そういうことならあたしが世話になってる村に来るといい!あそこには友人がいるから、無下にはしない筈さ!着いてきな!」
ディシアは親指で村の方向を差し、クライヴを案内する
「いきなりですまないな。厚意に甘えさせて貰うよ」
クライヴは岩から腰をあげ砂が吹きすさぶ夜の砂漠の中、彼女の後を着いて行くのであった…
次回は『アアル村』ですね
あとこれを投降してる間にとうとうスネージナヤ来たどお!なんか旅人がかなり強くなるとのことだったので楽しみですなあ…
あと18話くらいで「後々のこと考えてあまり改変しないよう立ち回ろ」と考えときながらいざ博士目の前したら「んなもん知らねえ!殺す!」って矛盾してるの気付きましたが……まあ彼も人間なのでね、感情に身を任せちゃうんですよ(修正めんどいだけ)
多分スネージナヤめっちゃ探索するので投降遅れると思いますがどうかご容赦を…