転生したらミュトスの身体でテイワットにいた件   作:dark9486

25 / 27

前回、怒りに任せ博士討伐RTAを実行しようとしたものの見事に逃げられ教令院に追われることになったクライヴ
スメールシティから離れ砂漠地帯へと避難してすぐディシアと出会い、お嬢様が世話になった恩返しにと友人がいるという村へ案内されるのであった


第24話『アアル村』

 

 

 

 

 

 

 

──────『アアル村』

 

 

 

「さて、着いたな!とりあえずあそこにある村長の家へ入ろう。あたしも今はそこに泊まらせてもらってるんだ」

 

 

 

 

ドンッドンッ

 

 

冷たい夜風が吹きすさぶ中、ディシアは村の中で一番大きな家屋の扉をノックする……そして扉の向こうから誰かの気配は感じるがその人物は扉を開けようとせず、こちらの様子を伺っているようであった

 

 

 

 

 

 

 

「『キャンディス』、あたしだよ。今散歩から帰ったとこさ」

 

 

 

 

 

ガチャッ…ギイイイイィィィ…

 

 

 

 

 

ディシアの声に静かにドアが開くと中から蒼と黄金のオッドアイをした蒼髪の女性が二人を出迎える

 

 

 

 

 

「随分早い散歩だったわねディシア……そちらのお方は?」

 

 

 

 

『キャンディス』と呼ばれた女性は怪訝な表情でクライヴを見つめる

 

 

 

「ド二アザードお嬢様が世話になった恩人さ。色々と訳ありで宿無しみたいだから恩返しも兼ねて案内した。」

 

 

 

「クライヴ・ロズフィールドだ。宜しく頼む」

 

 

 

「ご丁寧にありがとうございます。私はキャンディス、このアアル村の『ガーディアン』を努めていますわ。クライヴさんはどうしてこのような時間に砂漠を?」

 

 

 

「実は…」

 

 

 

 

クライヴは先ほどディシアにも伝えたことをキャンディスに説明する…

そして彼女はそれをただ黙って聞き終えると口を開く

 

 

 

「成る程、ファデュイ執行官につけ狙われていると…でしたらここは安全です。どうかゆっくりしていって下さい」

 

 

 

「助かる……だが世話になるだけなのも忍びない。何か手伝えることがあれば遠慮なく言って欲しい」

 

 

 

「紳士的な方ですね、それでしたら時々来る魔物の撃退をお願いします。この村は若い人手が不足していますから」

 

 

 

 

 

その後クライヴはキャンディスの案内で寝床へ通され、今後のことを考えながらも疲れが出ていたのかすぐに眠りに就く…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─── 一週間後『村の入り口』付近にて

 

 

 

 

 

 

「「「グアアアアッ!」」」

ブンッ!

 

 

 

クライヴはあれからアアル村で過ごし、今は村の近くに出現したアビスの魔物『獣域ハウンド』達の討伐を受けていた。

そして現在進行形で三匹のハウンドに囲まれ、三つの強靭な爪が同時に彼へ襲いかかっていた

 

 

 

 

 

 

 

「『シヴァ』…!」

      《メズマライズ》

ピキイイイイイィィィンッ!!!

 

 

「ガッ!?」「グアッ!?」「グウゥ!?」

 

 

 

 

だがその爪が届くより前にクライヴから放たれた氷の結晶が三匹を捉え、弾けると同時にクライヴの元へと引き寄せられる

 

 

 

 

 

 

 

 

「『オーディン』!」

      《境界転移》

ブオンッ…!

 

 

 

 

クライヴの周囲の時間が遅く流れはじめ、三匹の獣はスローモーション映像のようにゆっくりとした動きで宙を舞う…

 

 

 

 

 

 

 

 

「『バルバトス』ッ!!!」

       《風神の詩》

ビュオオオオオオオオオオオッッッ……!

 

 

 

 

 

クライヴは風神の力で弓を造り、膨大な風元素を矢に込め空へと放つと強烈な竜巻が発生し三匹を呑み込む…常に浮いているはずの彼らは何も出来ず手足をバタバタと揺らすのみであった

 

 

 

 

 

 

 

 

シュイイイイイイイイィィンッ…

 

 

そしてクライヴは自身の胸から『夢想の一太刀』を取り出し、自身の剣を『斬鉄剣』へと変化させると腕を左右に交差させる

 

 

 

 

 

 

 

 

「こいつで決める…!終わりだあああああああっっっ!!!!」

      《奥義 夢想真説》

 

シャキイイイイイイインッ!!!

 

 

 

二つの閃が三匹の身体を滑るようになぞったかと思うとその身体は真っ二つに分かれ、魔物達は断末魔をあげる間もなく塵となって消え失せる…

 

 

 

 

 

 

「片付いたな…これで暫くは安全になるはずだ。戻ってキャンディスへ報告するか」

 

 

 

 

 

消えずに残った魔物の一部を回収し村への道を引き返すが、途中で風が強くなるのを感じたクライヴは立ち止まり周囲を見渡す

 

 

 

 

 

「……砂嵐が来そうだな。急ぐとするか」

 

 

 

 

そう言い早足で歩きながら20分程で入り口へと到着する

 

 

 

 

 

 

「『教令院の大物』二人が……大変なことに……」

 

 

「悪いがそこの男は…邪魔立て……巻き込まれると……」

 

 

「仮に……君は……『裁決』……」

 

 

 

 

ふと、村の入り口でどうやら二人の男性のような声、そしてディシアが言い争っているのが聞こえる…遠い為か断片的にしか聞こえないが時折聞こえてくる言葉にクライヴは心当たりがあった

 

 

 

 

 

「(今のはディシアの声…ということは他にいるのは『アルハイゼン』と『セノ』か?そうだとすれば『もう着いた』ということだな…)」

 

 

 

 

クライヴは様子を伺いながらも会話している者達の元へと歩み寄りディシア声をかける

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたディシア。困り事か?」

 

 

「ん?ああ、クライヴか。ちょっとばかし厄介な事になっててな、この二人を止めるのを手伝って欲しいんだが…」

 

 

 

クライヴの問いにディシアは頭をかきながら目の前にいる上裸姿に動物のような被り物をした少年と落ち着きこある知的な顔つきに反して体格の良い男性を指差す

 

 

 

 

 

 

「うえっ!?クライヴ!?お前こんな所にいたのか!というか今お前が出てきたらヤバいぞ!」

 

 

「そうだよ…!だって今貴方の名前は…」

 

 

 

「パイモンに旅人か、また会ったな……その様子じゃ俺はスメールシティでお尋ね者にでもなってるか?」

 

 

「その通りだ……こんな所でもう1人のターゲットに出会すとはな……」

 

 

 

 

少年が手に持っていた槍を突きだしクライヴの方へ穂先を向ける

 

 

 

 

 

「……セノ、今のあんたは『自己追放』してるからそんな権限は持ち合わせてないだろ?大賢者アザールの不正を暴く為にな」

 

 

 

「……お前…何処まで知っているんだ…?」

 

 

 

「詳しくは言えないが色々とな、とにかく今は村長の家に入るぞ。もうすぐ砂嵐が来そうだ」

 

 

 

「……確かに風の様子が変わってきたね、あんた達も早く入るよ」

 

 

 

 

クライヴの言葉に全員は無言で彼の後を付いて行き、家屋に入ってすぐに強い風が砂を含みながら強く壁を叩く音が聞こえ始める…

 

 

 

 

 

 

 

「今日も魔物の討伐お疲れ様でしたクライヴさん。お客人方もとりあえず砂嵐が収まるまではここで過ごして頂ますが……もしこの屋根の下で争う者がいるなら砂漠の獣達にもてなして貰うしかありませんので…」

 

 

ディシアは笑顔だがその瞳はこの場の全員に警告をするかのように鋭い眼差しを向けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひえぇ…お、おっかないぞ…」

 

 

「彼女なら何時ものことさパイモン、それにしてもさっきから見ていたのなら止めても良いと思うが?」

 

 

「あら、やはり貴方にはバレてしまいますか。うふふ…さて、何方からお話しますか?」

 

 

 

 

キャンディスは先ほどとは打って変わり優しい笑顔で全員を見回す

するとそばの柱にもたれていたセノが手を挙げる

 

 

 

 

 

 

「……なら俺から改めてそこの男に質問したい。お前は一体何処まで知っている?」

 

 

 

「……本当は黙っていたかったが仕方ない、旅人、パイモン。これはお前達にも隠していたことなんだが…」

 

 

 

 

クライヴは全員に自分が旅人と同じ『降臨者』であること、前世ではこの世界が一種の『創作物』として存在し、自分はそれを見ていたからこれから先起こる事がわかっていたこと。そして自分は異なる『もう一つの物語《ファイナルファンタジー》』の主人公の力と姿を得てこのテイワットに現界したことを話した…

 

 

 

 

 

「そうだったんだ……」

 

 

「すまない…下手に干渉すればこれから君が関わる人間に被害が出るかもしれないとはわかってはいたんだが救える命は救いたかった……それと、『哲平』のことは間に合わずすまなかった。」

 

 

 

 

申し訳なさそうに旅人に対し頭を下げるクライヴ

 

 

 

「……貴方が謝る必要はないよ。貴方は自分が正しいと思ってやってきたんでしょ?それは私だって同じ…だから顔を上げて?」

 

 

「蛍……ありがとう…」

 

 

 

 

そんな彼に旅人は優しく微笑み、クライヴの肩にそっと手を添えるとクライヴは涙を堪えながらも彼女を見据える…

 

 

 

 

 

 

ガシッ

 

 

「うん……?」

 

 

ふと自分の両腕を不意にがっちりと掴まれたクライヴが旅人を見るとそこには獲物を見つけた捕食者の如く舌なめずりをしながら目を細める彼女の姿があった

 

 

 

「でも…隠してきたことについてはちょっと怒ってるよ…?だからお詫びに今日は私の言うことをしっかり聞いてね?/////キャンディス…?クライヴのベッド借りてもいい?」

 

 

 

「いやあの…ちょっと…?これから大事な話があるから一回待ってくれる…?キャンディスさん?見てるなら……というか笑ってないでどうにかして欲しいんですけど?」

 

 

 

 

「……ベッドはここを出て上にありますわ。ちょうど砂嵐も収まったみたいですのでどうぞごゆっくり♪」

 

 

 

 

 

クライヴは最後の希望とばかりにキャンディスの方を見るが彼女は笑ったまま扉を開け、そのままクライヴの寝床の方を指差す

 

 

 

 

 

 

「いや何普通に案内してるんだ…!ちょっ…!ホントに離し…いや力強ッ!?何処にそんな筋力があるんだ…!あのマジで勘弁して…!」

 

 

 

「さ、早く行こっか♪私達の愛の巣に…ね?//////」

 

 

「イヤアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!」

 

 

バタンッ

 

 

鼻歌を歌いながらスキップで部屋を出る旅人と半ば引き摺られる形で付いていかされるクライヴであった…

 

 

 

 

 

 

「「「「「……………………」」」」」

 

 

 

 

「ええっと……話し合いはまた明日ってことでいいか?」

 

 

 

 

 

そしてクライヴの絹を裂くような悲鳴(cv内田夕夜)を最後に静まり返った中でパイモンが気まずそうに全員を見る……

 

 

 

 

「そうだな…あたしも疲れが残ってるし休ませて貰うよ」

 

 

「ふむ、俺も本来ならとっくに退勤時間だから帰らせて貰うとしよう。」

 

 

「俺は……もう少しここに残って調査を続ける。」

 

 

「では皆さんお気をつけて。」

 

 

 

 

 

各々は微妙な空気の中解散という形になりパイモンは別の部屋のベッドで過ごすことになった。

そして翌日の朝にはツヤツヤな表情の旅人と剣を杖代わりに腰を抑えながら出てくるクライヴの姿があったとか……

 

 

 

 

 

「………こんな形でチェリーを卒業する日が来るとはな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 





とうとう喰われちゃいましたねえクライヴ君……( ^ω^ )
多分今のところでのヒロインレースは旅人がぶっちぎりですね
これ正直R15でええんかと思いましたが描写はないのでセーフ……と思いたい…w



次回は本編と同じ流れで書く予定です!
本来はこの後に獣域ハウンドが出るはずでしたが先にクライヴが倒しちゃったので無くなりました

当初はネタ多めというか各キャラとの恋愛√路線で行こうと思ってのに気付いたら割と序盤からシリアスだしなんなら魔神任務にもがっつり関わってますが読者の皆様としてはどうでしょう…?

  • もっと恋愛やギャグとかも混ぜて欲しい。
  • このまま突き進め…お前が始めた物語だろ?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。