『死んだはずの雷神、璃月で狐面を被る』 作:悲劇のキャラに救済を
お茶の湯気が、ゆっくりと立ちのぼっていた。
白い湯気は薄く揺れ、開け放たれた障子の向こうへ流れていく。
庭には、まだ見慣れない花が咲いていた。
紫の花弁。
雨のあとのような土の匂い。
遠くで鳴る、鳥の声。
そのすべてが綺麗で。
綺麗すぎて、胸の奥が落ち着かなかった。
「眞」
向かいに座る影が、静かにこちらを見ていた。
「冷めます」
「あ……ええ」
手元の茶碗を見る。
湯気が指先を撫でている。
持ち上げようとして、少しだけ手つきがぎこちなくなった。
まずい。
雷電眞なら、きっとこんな動きはしない。
この身体には記憶がある。
茶碗の持ち方も、座り方も、視線の置き方も。
けれど、それを“知っている”ことと、“自然にできる”ことは違った。
自分は、雷電眞になった。
でも、雷電眞そのものではない。
それが、動くたびに分かってしまう。
「……味が変ですか」
影が問う。
「いえ。美味しいです」
「なら、なぜ難しい顔を」
「少し、考え事を」
「またですか」
影の声に、わずかな不満が混じる。
怒っているわけではない。
ただ、納得していない。
それが分かるくらいには、もう影の声音が聞き分けられるようになっていた。
いや、違う。
雷電眞の身体が、覚えているのだ。
影の沈黙。
影の呼吸。
影が不満を飲み込む時の、ほんの少しの間。
それらが、当たり前のように胸の中へ入ってくる。
眞にとって、影は近い。
近すぎる。
だからこそ、怖い。
この子には、隠しきれない。
「影」
「はい」
「私は、そんなに変ですか」
そう聞くと、影は少しだけ目を伏せた。
困らせたかもしれない。
そう思った時には、影が口を開いていた。
「変、というほどではありません」
「では」
「遠い」
また、その言葉だった。
影は湯呑みに視線を落とす。
「眞はここにいます。声も、姿も、気配も変わらない。けれど、時折、私の知らない場所を見ている」
胸が詰まる。
言い当てられていた。
この子は本当に鋭い。
「……怖い夢を見たと言ったでしょう」
「夢でそこまで変わるのですか」
「変わることもあります」
影は納得していない顔をした。
当然だ。
自分でも苦しい言い訳だと思う。
でも、まだ言えない。
言葉にした瞬間、何かが地の底に吸い込まれるような感覚。
あれを一度味わった以上、軽々しく未来の名を出すことはできなかった。
カーンルイア。
天理。
神櫻。
影の永遠。
言えることと言えないことの境目を、慎重に探らなければならない。
「眞」
「はい」
「私には、剣しかありません」
影は淡々と言った。
「ですが、眞のために振るう剣ならば、迷いません」
「……ええ」
「だから、必要なら言ってください。誰を斬ればいいのか。何を退ければいいのか」
その真っ直ぐさに、息が詰まる。
影は本気だ。
眞が命じれば、迷わず剣を取る。
この時代の影は、まだ自分を“影”として定めている。
眞のための武。
眞を守る半身。
そして、民の前では一人の雷神として振る舞うための影武者。
世界はまだ、雷神が双子だと知らない。
人々が見上げる雷電将軍は、一柱。
けれど、その裏側には眞と影がいる。
眞が国を見て、影が剣を振るう。
その在り方は美しい。
けれど、危うい。
眞が消えた時、影は自分の意味を失ってしまう。
だから。
このままではいけない。
「誰も、斬らなくていいです」
「今は、でしょう」
「ええ。今は」
「なら、いつかは斬る必要がある」
影の言葉は揺れない。
武人として、当然のように未来の戦いを見ている。
眞は茶碗を置いた。
「その時が来たら、あなたに頼るでしょう」
「ならば」
「でも、影。私があなたに頼るのは、剣だけではありません」
影が瞬きをした。
「剣以外に、私に何が」
「目があります」
「目?」
「あなたは、私が見落とすものを見る。私が迷った時、私を止めることもできる。私が間違えた時、違うと言える」
影の表情がわずかに強張った。
「私が、眞を止める?」
「ええ」
「そんなことは」
「してほしいのです」
影が黙る。
空気が少し重くなった。
この時代の影にとって、眞を止めるなど考えたこともないのだろう。
眞が進む。
影が道を開く。
それが影の当たり前だった。
けれど、それだけでは足りない。
影には、影自身の目で見てほしい。
眞のためではなく、稲妻のために。
いつか、眞がいなくなっても。
「私は、間違えます」
「眞が?」
「ええ。間違えます。怖くもなるし、迷いもする」
「……今日の眞は、弱いことばかり言う」
影の声が、少しだけ低くなった。
責めているのではない。
不安なのだ。
眞が弱さを見せることに、影が慣れていない。
それが分かる。
「弱いのです」
「違います」
「影」
「違います」
二度目は、少し強かった。
影は正面からこちらを見る。
「眞は弱くありません。私が知る誰より、強い」
その言葉が嬉しくて。
同時に、苦しかった。
それは眞への信頼だ。
でも、自分はその眞ではない。
眞の身体と記憶を持っていても、中には別の魂が混じっている。
その事実を、影は知らない。
言えるはずもない。
もし言えば、影はどうするだろう。
眞ではない何かが眞の身体にいる。
そう知った時、この子は自分を斬るだろうか。
いや。
斬れないかもしれない。
それが、もっと怖かった。
「……ありがとう、影」
「礼を言われることではありません」
「それでも、ありがとう」
影は困ったように視線を逸らした。
その仕草が、少しだけ幼く見えた。
雷電影。
後に神として恐れられる存在。
けれど今、目の前にいるのは、姉の言葉に戸惑う妹だった。
守りたい。
そう思うたび、胸の奥で雷が鳴る。
誓いのように。
警鐘のように。
その時だった。
襖の外で、気配が止まった。
「眞様。影様」
控えめな声。
女官ではない。
もっと硬い、武の気配を持つ者だった。
「入りなさい」
自然に声が出た。
今度は、雷電眞としての振る舞いに遅れなかった。
襖が開く。
膝をついた武士が一人、深く頭を下げた。
「東の浜辺にて、魔物の群れを確認いたしました。数は多くありませんが、村に近づいております」
影の気配が変わった。
刃が鞘の中で鳴ったような感覚。
「私が行きます」
即答だった。
眞が何か言うより早い。
武士もそれを当然のように受け止めている。
この国では、影が戦う。
眞ではなく。
眞の影が、雷神の武として戦場へ出る。
それが自然なのだ。
「待ってください」
自分の口から出た言葉に、影が振り向いた。
「眞?」
「私も行きます」
部屋の空気が止まった。
武士が顔を上げかけ、慌てて伏せる。
影の目が細くなる。
「必要ありません」
「必要があるかどうかは、見てから決めます」
「眞が出るほどのものではありません」
「だからこそです」
影の眉がわずかに寄った。
眞は立ち上がる。
身体が少しふらついた。
すぐに影が手を伸ばす。
その反応の速さに、胸が痛んだ。
「ほら、まだ本調子ではない」
「歩けます」
「私が行けば済む」
「済むでしょう。あなたなら」
「ならば」
「けれど、私も見たいのです」
影が黙る。
「村がどこにあるのか。人々が何を恐れているのか。魔物がどこから来たのか。剣で斬った後に、何が残るのか」
雷電眞なら、きっとそうする。
そう思った。
いや。
そうしたいと思った。
自分はまだ、この世界を知らない。
知識はある。
けれどそれは、画面の向こうの知識だ。
地面の匂いも、人の顔も、魔物が近づいた時の恐怖も知らない。
知らないまま、未来を変えられると思うのは傲慢だ。
「影。私はこの国を、もっと知らなければなりません」
影はしばらくこちらを見ていた。
不満そうだった。
けれど、やがて短く息を吐く。
「ならば、私の後ろに」
「隣ではなく?」
「後ろです」
即答だった。
今度は少し笑ってしまった。
「分かりました。後ろで」
「絶対です」
「ええ」
影はまだ疑わしそうにしていたが、それ以上は言わなかった。
武士へ視線を向ける。
「案内を」
「はっ」
立ち上がる影の横顔は、先ほどまでと違っていた。
妹ではない。
武人。
雷電眞の影。
稲妻の刃。
その姿に、改めて思う。
強い。
本当に強い。
けれど。
この強さが、いつか孤独になる。
それだけは、避けなければならない。
浜辺へ向かう道は、緩やかな坂になっていた。
木々の間から海が見える。
稲妻の海は、どこか冷たい紫を帯びていた。
波の音。
潮の匂い。
濡れた石の感触。
歩くたび、この世界が本物だと思い知らされる。
途中、村人たちがこちらを見て膝をついた。
「将軍様……!」
「雷電様だ……」
胸が詰まる。
彼らは知らない。
今ここにいる雷神が、二人で一人の存在だということを。
眞と影。
真と影。
世界に見えているのは、きっとその一部だけ。
それは必要な秘匿なのだろう。
けれど、その秘匿が影を“影”に縛っていることも確かだった。
影は村人たちへ短く頷くだけだった。
無駄な言葉はない。
けれど、視線は周囲をよく見ている。
倒れた荷車。
怯える子ども。
浜辺へ続く足跡。
影は剣だけの存在ではない。
本人は気づいていないだけで、ちゃんと見ている。
それが少し嬉しかった。
「眞」
「はい」
「後ろです」
「分かっています」
「今、隣に来ようとしました」
「気のせいです」
「違います」
淡々と返され、少しだけ笑いそうになった。
その時、浜辺の方で叫び声が上がった。
影の気配が消える。
一瞬。
本当に、一瞬だった。
次の瞬間には、彼女は前方へ跳んでいた。
紫電が走る。
砂浜にいた魔物の影が、二つに裂けた。
速い。
目で追うより先に、雷が動いている。
剣閃。
紫の残光。
踏み込み。
返す刃。
影の動きには迷いがなかった。
敵が何であろうと、斬ると決めた瞬間には終わっている。
武の神。
そう呼ぶにふさわしい姿だった。
村人たちは声も出せずに見ている。
武士たちですら、息を呑んでいた。
そして眞は。
自分の手が震えていることに気づいた。
怖い。
魔物が怖いのではない。
影の強さが、怖かった。
この強さがあれば、たしかに多くを斬れる。
多くを守れる。
けれど、斬れないものに出会った時。
失ったものを取り戻せないと知った時。
この子は、どこへ行けばいいのだろう。
「っ!」
浜辺の端。
岩陰から、別の魔物が飛び出した。
逃げ遅れた子どもがいた。
影は遠い。
間に合う。
たぶん間に合う。
でも、身体が先に動いた。
「下がって!」
声が出た。
雷が弾ける。
手のひらから細い紫電が走った。
狙ったわけではない。
技として整ってもいない。
ただ、子どもと魔物の間に入るように、雷が壁になった。
魔物が弾かれる。
砂が舞う。
次の瞬間、影の刃が魔物を断った。
静寂。
波の音だけが戻ってくる。
子どもが泣き出した。
母親らしき女性が駆け寄る。
影は血振りもせず、こちらを振り向いた。
その目が、少しだけ険しかった。
「眞」
「……すみません」
「後ろにいる約束でした」
「はい」
「今のは危険です」
「はい」
「雷も乱れていた」
「……はい」
まるで叱られている。
いや、実際に叱られているのだろう。
影は近づいてくると、こちらの手を取った。
怪我を確かめるように、指先を見る。
「火傷は」
「ありません」
「本当に?」
「本当に」
影はなおも疑うように見たあと、ようやく手を離した。
「無茶はしないでください」
「あなたには言われたくありません」
「私は慣れています」
「慣れているから無茶ではない、ということにはなりません」
影が言葉に詰まった。
少しだけ勝った気分になる。
けれど、その小さな余裕はすぐに消えた。
村人たちが、こちらに頭を下げていた。
「ありがとうございます、将軍様……!」
「子どもを、お救いくださり……!」
将軍様。
その言葉が重い。
彼らにとっては、眞も影も同じ雷神なのだろう。
誰が斬り、誰が雷を張ったかなど関係ない。
救ってくれた神。
ただ、それだけ。
でも、こちらには分かる。
自分の雷は未熟だった。
神の身体にある力を、乱暴に引き出しただけ。
もし影が仕留めてくれなければ、逆に危なかったかもしれない。
未来を知っているだけでは足りない。
雷電眞の身体に入っただけでも足りない。
この世界で何かを変えたいなら、ちゃんと生きなければならない。
学ばなければならない。
雷電眞として。
神として。
この国を背負う者として。
「……無事でよかった」
子どもの頭に手を置く。
泣きじゃくる子は、こちらを見上げて何度も頷いた。
その小さな手が、眞の袖を掴んだ。
怖かったのだろう。
当然だ。
この子にとって魔物は、物語の敵ではない。
命を奪いに来る現実だ。
眞は膝を折った。
「もう大丈夫です」
そう言った瞬間、胸の奥に小さな痛みが走った。
本当に?
もう大丈夫。
そんな言葉を、この世界でどれだけ言えるのか。
これから来る災いを知っているのに。
守れないものがあると知っているのに。
それでも、今この瞬間だけは。
この子は助かった。
なら、その一瞬を嘘にしてはいけない。
「よく頑張りましたね」
子どもはまた泣いた。
母親が何度も頭を下げる。
眞は立ち上がり、影の方を見た。
影は何も言わなかった。
ただ、こちらを見ていた。
その目には、先ほどまでとは違う色があった。
責めるでもなく。
疑うでもなく。
何かを確かめているような目。
帰り道、影はしばらく黙っていた。
眞も話さなかった。
波の音が遠ざかり、木々の音が戻ってくる。
先ほどの子どもの泣き声が、耳に残っていた。
助けられた。
けれど、偶然だった。
次も助けられるとは限らない。
そんな当たり前のことが、ひどく重かった。
「眞」
影が口を開いた。
「はい」
「今日のあなたは、やはり変です」
「……それは、悪い意味で?」
「分かりません」
影は前を向いたまま言う。
「以前の眞なら、あの場で雷を放つ前に、もっと綺麗に場を整えたでしょう。民を安心させ、兵に指示を出し、私に任せた」
「そう、ですか」
「ですが、今日の眞は先に動いた」
胸が鳴る。
責められるかと思った。
けれど影の声は、思ったより穏やかだった。
「あの子を、見ていたからですか」
「……ええ」
「眞は、民を見ている」
影は小さく息を吐いた。
「先ほど私に言ったことが、少し分かりました」
「私が言ったこと?」
「斬った先に何を残すのか、という話です」
影がこちらを向く。
「私は魔物を斬りました。けれど、あの子を最初に見たのは眞です」
その言葉に、胸が熱くなった。
影は、本当にちゃんと見ている。
自分では剣しかないと言いながら。
ちゃんと、見ている。
「影」
「何ですか」
「あなたは、剣だけではありません」
影はわずかに目を細めた。
「またそれですか」
「何度でも言います」
「眞は頑固です」
「あなたほどではありません」
影が少しだけ黙る。
そして、本当にわずかに、口元が緩んだ。
笑った。
そう分かった瞬間、眞の胸に強い痛みが走った。
この顔を、失わせたくない。
こんなふうに笑える影を、五百年の孤独に閉じ込めたくない。
「眞」
「はい」
「先ほどの約束ですが」
足が止まる。
影も止まった。
「私は、まだ納得していません」
「でしょうね」
「けれど、覚えておきます」
影は静かに言った。
「眞が何かを恐れていること。言えないことがあること。それでも、私を信じていると言ったこと」
言葉が胸に沈んでいく。
「それから」
影は少しだけ迷ったように視線を落とした。
「私が、眞の影だけではないと言ったことも」
眞は息を止めた。
たったそれだけ。
まだ理解したわけではない。
受け入れたわけでもない。
けれど、影は覚えると言った。
今は、それで十分だった。
「ありがとう、影」
「礼を言われることではありません」
「それでも、ありがとう」
影はまた困ったような顔をした。
このやり取りも、いつか懐かしくなるのだろうか。
いや。
懐かしいだけのものにはしない。
未来で失われた過去として抱えるのではなく、未来へ繋げるために覚えていく。
眞は空を見上げた。
雲の切れ間から、光が落ちている。
この国はまだ、美しい。
この時間はまだ、壊れていない。
けれど、いつか災いは来る。
それまでに、やるべきことがある。
稲妻を知ること。
影を影だけで終わらせないこと。
そして、自分自身が雷電眞として立つこと。
中身が誰であろうと。
過去が何であろうと。
今、この手を伸ばしたのは自分だ。
助けたいと思ったのも自分だ。
なら、その責任から逃げない。
「影」
「はい」
「帰ったら、雷の扱いを教えてください」
影がこちらを見た。
「眞が、私に?」
「ええ。私は今日、自分の雷がどれほど乱れているか分かりました」
「……珍しいことを言いますね」
「そうですか?」
「眞は私に教える側でした」
その言葉に、胸が少しだけ痛む。
でも、逃げない。
「なら、今日は逆です」
影はしばらく眞を見ていた。
やがて、小さく頷く。
「分かりました。厳しくします」
「少しは優しく」
「できません」
「即答ですね」
「眞が無茶をするからです」
影は淡々と言う。
その声音は、ほんの少しだけ柔らかかった。
眞は笑った。
雷電眞として自然に笑えたのか。
それとも、自分自身として笑ったのか。
まだ分からない。
けれど、どちらでもいいと思った。
今ここにいる自分が、影と歩いている。
それだけは確かだった。
夕暮れの光が、稲妻の道を染めていく。
並んだ影が、地面に長く伸びていた。
一つは眞。
一つは影。
けれど、その影はただ後ろに従うだけではない。
隣に並び、同じ道を進んでいる。
眞は、その光景を目に焼きつけた。
いつか来る災いの日に。
自分が揺らぎそうになった時に。
この一瞬を思い出せるように。
雷電眞として生きる。
そう決めた。
死ぬ未来を知っているからではない。
死なせたくないものを、今日また一つ見つけたから。
隣で、影が静かに歩いている。
「眞」
「はい」
「訓練の前に、茶を淹れ直します」
「え?」
「冷めていましたから」
眞は瞬きをした。
それから、少し遅れて笑った。
「そうですね。では、お願いします」
「はい」
影の返事は短い。
けれど、そこには確かに温度があった。
この子は冷たい神などではない。
ただ、不器用で。
まっすぐで。
大切なものを守るために、剣を握り続けているだけだ。
だからこそ。
その手から、願いまで奪わせてはいけない。
その目から、変わりゆく稲妻を閉ざさせてはいけない。
雷電眞は、まだ死なない。
雷電影は、まだ立ち止まらない。
この一瞬から、少しずつ変えていく。
誰にも気づかれないほど小さく。
けれど、確かに未来へ届くように。