たった一つの道標 〜暁美ほむらが鹿目まどかと別れるまで〜 作:厨二少女
私はずっとまどかのことが好きだった。
あの子は私にとってたった一つの道標で、だからそんな彼女と幸せになりたいと思っていた。
だけど、私とまどかは少女同士。
性別的に決して付き合うことが出来ないはずで。
それでも私はまどかのことが大好きで。
その想いは、彼女のことを考える度に重くなる。
あの子を見る度に、好きという気持ちが膨れ上がって……。
だから私は、気持ちが抑えきれず。
まどかと会った、ある日。遂に彼女に口にした。
「まどか。あなたに、伝えたいことがあるわ」
「え?なぁに、ほむらちゃん」
まどかが不思議そうに首を傾げる。
今の私にはその仕草すら可愛く思えて──バクン、と心臓が高鳴った。
──ゴクリ。
思わず、唾を呑み込む。
今からまどかに告白すると思うと──それだけで緊張が走る。
そもそも女性同士が付き合える確率なんて、皆無に等しくて。
これは本当にただの自己満足。ダメで元々。……ただ単純に、私の気持ちに区切りを付けるための儀式。
その結果、まどかに嫌われることは怖いけど……それでも、もう、我慢出来ないから……。
「まどか。私は、あなたのことを──」
まどかの瞳を見据える。
大きな、クリクリとした桃色の瞳。
それに吸い寄せられるように、私は彼女を見つめて。
緊張のあまり、一度言葉が途切れてしまったけど。大きく、息を吸った後に。
「──愛してるわ」
「ふぇ!?きゅ、急にどうしたの?ほむらちゃん」
「……そのままの意味よ。私はあなたを愛してる。友達としてじゃなくて、一人の少女として──あなたのことが好きなの」
「えっと……ほむらちゃんもそういう冗談を言うんだね」
まどかが苦笑気味に、そんなことを口にする。
冗談?そんなわけない。
私はそんなくだらない冗談をつかないわ。美樹さやかじゃないのだから。
それを、まどかに伝えなきゃ……。
「冗談なんかじゃないわ。私の目を見て、まどか……!」
私が真剣な眼差しでまどかを見つめると、彼女もおずおずとジッと眺めてくれた。
「たしかに……嘘をついてる目、じゃないね。……ほむらちゃんは私が好きなの?」
「ええ、好きよ。私はあなたを愛してる。それが嘘偽りない本音よ」
「そっか……」
まどかは私の言葉を聞いて、困ったような表情をした後に。
「いいよ、付き合おう?ほむらちゃん」
「えっ……?それは本当?まどか」
「本当だよ。だってほむらちゃんがせっかく勇気を出して告白してくれたんだもん。……だから、ほむらちゃんの気持ちに応えたいなって」
少し照れたように頬を染めながら、まどかの返答。
女性同士の恋愛なんて有り得ない。
それはきっと、禁忌のようなもの。
──そんな常識を、まどかは打ち砕いてくれた。
「ありがとう、まどか」
だから。
今まで我慢していた分を解放するように、私はゆっくりとまどかに迫り。
「愛してるわよ、まどか──」
私はまどかの唇を奪った。
──それから、私たちは他愛のない会話をして。
その内容はあまりカップルらしくないけど。それでも彼女も「好き」という言葉は口にしてくれて。
それから私たちは、それぞれの家に帰った
とりあえず付き合い始めるまでです
ダークなパートは徐々にじっくり描いていきます