二色の魔眼と錬鉄の呪術師   作:lambdazero

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姉妹校交流戦 四

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 吹雪の舞う、何も浮かばない闇夜の雪原。

 様々な武具が無造作に突き刺さる領域展開。

「スゲえなおい。これ見た所全部高専にある呪具だぞ」

「それ以外にも、伝説や神話の武器が平然と転がってる……。僕の領域に似てるけど、これ多分複製だよ。何となく、分かる気がする」

「憂太の術式、模倣だもんな」

 パンダ達が吹雪でクソ寒い中を眺めながら言う。

 乙骨の持っている呪具が大体揃っている。

 よく出来た複製だ。

「ってかこれよく見たらあいつらより真希にスゲえ有利じゃね? 呪具用意しなくても、転がってるの使えそうじゃん」

 パンダの言うとおり実際そうだった。

 この領域展開、武芸の達人たる真希にとっては得物がそこら中に転がっている上に大抵使えそうなモノばかり。

 雪原で寒いのと吹雪と闇夜で視界が悪い以外好条件。

「おかか」

 狗巻も同感と頷いた。

「パンダ先輩、これ一個ぐらいパクっても良いですよね?」

 釘崎が早速ゴールデンな斧を見つけてがめようとする。

「ちょっとー? 私の複製、確かにレプリカだけど性能あんまり落ちてないからって、勝手に持っていくのは止めてよー?」

 当然、近くに居た雪が気付いて釘崎に言う。

「欲しいなら持ってっても良いけど転売目的はムカつくから止めてね」

「転売目的じゃなければ良いのかよ!」

 気前が良いのか、釘崎に得物が欲しいなら複製するがどうするか聞く。

「芻霊呪法にハンマーは必須だもんね。何なら予備作ろうか?」

「そこまで金銭的に困ってねえよ! 私が悪かったわ、売らないし貰わない」

 芻霊呪法についても知っててももう驚かない。

 このイレギュラー、大抵のことは分かっていると見た。

 で、お相手は。

「必中効果のある領域を単なるフィールド代わりにする……。上等だ、これだけ転がった呪具、勝手に使ってやるよ!」

 キレた伏黒。影絵で渾を呼びつけて、唸った人狼を嗾けようとする。

「こっちは思いっきり不利なんだからさ、少しは落ち着きなよ。どう転がっても、伏黒君には有利だって分かってる?」

「何だと!?」

 そうだろう。よく見ろという。

 これだけの呪具が自由に使える領域展開。

 雪は別に、必中効果で呪具を津波のような怒濤の勢いでぶつける気は無い。伏黒が物量で防げずに死ぬ。

 呪具は好きに使え。慣れてる呪具もその辺にあるだろう。

 こっちはウォーミングアップをしたいだけだ。

 二丁拳銃を取り出した彼女が言うのは、ハンデだった。

 決して伏黒の式神は殺さない。

 こっちは領域展開の維持で呪力持っていかれている。

 虎杖の特訓に付き合ってくれれば良い。

「……なら、縛りを結べ。勝ったら白状を」

「あぁ、良いよ。要らない要らない。勝とうが負けようが、この時点で伏黒君のお姉ちゃんは助かったも同然だもの」

「……何?」

 ぶっちゃけ、宿儺が死んだのでこの姉弟が救済されたのも事実だった。

 津美紀の原因を知りたいなら、寧ろ探せ。

 この中の呪具に、津美紀を救えるモノが隠れている。

 それ拾って帰るだけで、解決する。

「待て、この大量の呪具から探せって言うのか!? ヒントも無く!」

「知りたいなら私からヒントを吐かせれば?」

「この野郎……! 茶化すな、面白がるな! 俺の家族をお前の娯楽にするな!!」

 怒りの方向が変わった。

 嫌でも譲歩されたと幾分冷静になったようだ。

「いや、別に良いんだよ。そこまで嫌なら止めても」

 選択肢は伏黒にある。乗るか、乗らないか。

 続けるのも、止めるのも。

「秤先輩みたいなことを言いやがって!」

「まぁ、確かに賭けだね。私はどっちでも良いし。君の人生の重要な意味でもこっちには他人事だし? 肩の力抜きなよ。君が選ぶんだから」

 どうでも良い、と自分で思う。

 もう条件は揃った。

 彼の十分無双出来る基盤は出来ているのに。

 寄り道してみたくなる。救えるなら、変化も見たい。

「どうなるかなぁ? 復活したら君のお姉ちゃんも呪術師になるのかなぁ?」

「黙れッ!! 津美紀までこの世界に連れ込む気か!」

「いや、五条先生が……」

「……そう言う意味かよ! おい、有り得るのか!?」

 普通に例えば復活する。

 その後多分五条が介入する。

 ……万年人手不足のこっちに招かれないか?

 焦るのはそっちだと思う。

「ゴメン、其処までは分からないや。でもやりかねないと思うよ」

「あの人なら有り得る……!」

 そっちの危惧は置いといて。

 やろうか、と銃口を向ける。

「条件は?」

 彼は一旦深呼吸して、ヒントを引き出す条件を聞く。

 ヒントの条件? 雪は少し考えて言った。

「私のこの武器達を拾って使いこなす度に一個ずつ」

「本当に訓練か……。分かった、じゃあ先ずはこれだ」

 伏黒は足元にあった呪具を拾った。

 ……血の気が、雪から引いていく。

「えっ。いきなりそれ選ぶの……?」

 拾った武器が、最悪だった。

 待って、それは伏黒は使ったが宿儺がいるときだ。

 本人が使うとか聞いてない。

「はっ? これがどうした? そんな顔されても俺だって初見だぞ」

 身構える伏黒が、渾を携えて走り出す。

 四つ足で追走する。こっちは始まった。

 向こうでは。

 虎杖が真希の薙刀の間合いを侵略して、徒手空拳で戦っていた。

 薙刀を振るう前に腹に拳が飛ぶ。

 女性故に軽めにしているし顔も殴らない。

 それでも雪原で足場が悪い、徒手空拳の速度が速い。

 何より虎杖の攻撃が明らかに重たい。

 食らう度に体勢が崩れるし、最悪仰け反る。

 天与呪縛というフィジカルを以てしても。

「クソ、呪具変えるか!」

 虎杖は攻め手がさっきから妙に遠慮がちで、呪力も身体能力の向上のみにしている。

 あの小手、彼の身体能力を底上げしている。

 打撃が去年の東堂並みに威力が乗っかる。

 追撃しないし、呪具を探すならファイティングポーズで待っている虎杖。

「すいません、何かこう……やりにくくて」

「お前は悪くねえよ。ってか、敬語と手加減止めろ。本気で来い」

 特訓なんだろう? と言って薙刀を放り投げて、適当に良さそうなのを拾う。

「おっ、屠坐魔じゃねえか。いいもん落ちてるな。これで行くか」

 所有物が五条に貸したまま行方不明になっていた屠坐魔を見つけた。

 拾って構える。

「いや、その。真希さん……でいい?」

「おう、それでいい。で、どうした?」

 凄く言いにくそうに告げる虎杖。

 それは、本気で殴ると真希の骨やら内臓やらを壊すので、出来ないという話だった。

「……あー、なるほど。お前、その小手で身体能力底上げしてるんだろ? で、そこに呪力を流さないのは十分籠もってるから。それで本気で殴ったら私の身体でも折れるし潰れると」

「うっす……」

 ダメだった。手加減状態でやっても意味が無い。

 確かに言っておいて何だが、手加減状態でこっちの体勢を崩せる、仰け反る程のパワーだ。

 本気で殴れば防御しても腕の骨が持っていかれるか。

 事情はわかった。これ平気なの恐らく東堂並みに頑丈じゃないと無理だろう。

 天与呪縛の限界を超えるパワーとかこいつ流石器だっただけはある。

「憂太ー! お前代わりに組み手やってやれ!」

 自分じゃ無理なので、乙骨を呼ぶ。

 彼ならスパーリングに付き合える。

 呼ばれた乙骨が、駆け寄ってきた。

 話を聞いて、納得した。

「確かに素のフィジカルが真希さんより高いとなると、僕の出番ですね」

「私じゃ遠慮がちでな。思い切り殴れねえって。お前反転術式で治せるだろ」

「ええ。じゃあ、虎杖君。僕とやろうか」

 変更して、特級の乙骨が相手になる。

 生憎と得物が無かったのでちょっと拝借。

 突き刺さる刀を借りる。

(……? 普通の刀じゃないな。術式付与されてる)

 まぁいいかいつも通りで、と構える乙骨。

 虎杖も乙骨なら五条と同じだし大丈夫かと思う。

 乙骨の方が手加減状態にしないといけない。

 ある程度出力を抑えて、走り出す。

 足場は悪いが、関係ない。

 圧倒的な速度で間合いに入る。

 が、それ以上の反応で突っ込んでくる虎杖。

 速い。刀を一閃して振るうも屈んで避けて足払い。

 後退で退いて、屈んだ状態で跳ねる虎杖。

 無防備な一瞬を狙って殴る。

 空いた手で拳を受け止める。

 その一撃の重さに、驚いた。

(ちょ、去年の東堂さんより重たい!? こんなの真希さん食らったら間違いなく死ぬ!)

 こっちも強化してるのに、相手の呪力の強化の割合に合わない威力。

 余程練習したかったのだろう。

 掴まれた拳を押して、無理矢理後方に吹っ飛ばす。

 踏ん張ったのに軽々飛ぶ乙骨。

 着地するともう眼前に虎杖が居た。

 モーションは小さくジャブの要領で殴るのを刀で弾く。

 すると。

 強化で流していた刀の刀身がいきなり着火した。

 炎を纏って、払った勢いで虎杖を焼く。

「熱ッ!?」

 切っ先が頬を掠めて、思わず怯む虎杖。

 こっちもビビる乙骨。

 この呪具、火を噴く術式だった。

「うわゴメン!?」

 手加減状態だったのに、やらかした。

 虎杖が焦げる頬を押さえる。

 直ぐに反転術式で治す。

「先輩、その武器無しでも良い?」

「うん、止めようこの呪具。物騒すぎる」

 剣術主体の乙骨だが何処かに普通の刀がないか探す。

 その時、向こうで雷鳴が轟いた。

 爆音で驚く一行。

 それは、原因は伏黒の持っていた呪具だった。

 先程小手調べにどういう呪具か、先ず振るった。

 そうしたらいきなり雷撃が呪具から出た。

 雷である。誇張抜きの。一瞬で雪に届いて、貫いた。

「!?」

 立ち止まる伏黒。ギョッとした。

 こいつはどう見ても特級の呪具。

 雪が何故警戒したか、理解する。

 わかってるなら言えよと刹那思う。

 慌てて駆け寄ると雪は白煙を上げてぶっ倒れていた。

「初手神武解は……卑怯でしょ……」

 生きてた。何て防御力。

 倒れている間に凄い勢いでダメージが治っていく。

 反転術式……では無い。呪力を感じない。

 自然治癒か? それにしては異常に速い。

 強化していても即死するような一撃を不意に撃ったのに。

「お前知ってるなら言えよ! 特級だろう、これ!」

 思わず叱る伏黒。規格外なら使わないのに。

 皆が駆け寄ってきた。

「恵、いくら怒ってもそんなもん使うな! 殺す気か!」

 真希が持っていたブツを引っ手繰る。

「俺のせいですか!? こいつの呪具ですよ!?」

 理不尽に怒る真希に不可抗力だと言っておく。

 起き上がる雪は、痛そうにしていた。

「神武解ヤバいね。クッソ痛かった。あ、交流戦に持ってく? 向こう陣営これ一個で全滅するけど」

 などと言いながら、笑う。

 何で即死級の一発食らって生きてるんだこいつと皆は思わず凝視。

 雷鳴なぞ呪術師でも受けたら物理的に一発で死ぬ。

 なのに生きている。

「神武解……? この呪具か?」

 真希が持っていた神武解を投げて雪に渡す。

 振るう、という動作が悪かった。

 神武解、再び放電。今度は虚空に雷鳴が走った。

 全員青ざめて絶句した。

 何も投げ渡すという動作ですら発動するらしい。

 笑う雪が雪原に落ちる神武解を拾った。

 敵対相手が居なくとも暴発する特級呪具。

「これね、千年前の宿儺の呪具。生前使ってたマジモノの武器だね」

「んなもの恵に渡すな!」

 ゴンッ、と真希に拳骨を貰う雪。

 危うく死にかけたのに笑っているあたり、こいつ随分と現状を謳歌しているようだった。

「空折さん? この刀ももしかして?」

 乙骨が虎杖を焼き肉にしかけた刀を見せた。

 普通のブツじゃ無いよね、と。

「あれ? これ火之夜藝だ。何処にあったの先輩。これ先輩のうちの武器だけど」

「待って、今の僕は持ってないよ!?」

 火之夜藝というらしい。

 乙骨の家……というか、五条先生の家の呪具。

 いつの間にか複製していた。

「おーい真希、ここに游雲あるぞ?」

 パンダが示す方には挙げ句に特級の呪具がまだ転がっている。

 武器に関して、所有者に関わらず無作為に複製している。

 無法すぎる領域展開。

「あー、もう痛いの嫌だからいいや。伏黒君。はい、これね」

 神武解で焼かれて死ぬほど痛かったので、こっちは止める。

 肝心の虎杖に聞いた。

 感想は、乙骨と軽くやったが準備運動にはなった。

 続けてたら多分良い経験になったとも思う。

 雪が複製して渡す、稲妻みたいな刀身のナイフ。

 無銘のブツだが、効力は保証する。

「これでお姉ちゃんをプスッとやれば目を覚ますよ」

 原作で言う『破戒すべき全ての符』。

 ルールをブレイクする最強の呪具の一つだ。

 これなら寝たきりの津美紀も万を内側で強制チョンパして、普通の女の子に戻る。

「……ありがとう。本当に良いんだな、これで?」

「私の複製品に何か?」

「効力を疑ってるんじゃない。やり方を聞いているだけだ」

「それ以外これ用途無いよ」

 よく考えたら宿儺もこれで殺せば良かった?

 ふと思うが、奴の場合絶対に抵抗するので直で殺した方が正解か。

「んー……割りと楽しめたかな。さて、領域を閉じるか」

 パチンッと指を鳴らして領域を収束させる。

 崩れて数秒でロビーに戻る。

「あ、これどうしよう……」

 火之夜藝が成り行きで持ち帰ってしまった乙骨にあげるから使ってみたら? と雪は言った。

 確かに常用には悪くないと思うけど。

 交流戦に使うものじゃないと思うので、一応好意で頂いていく。

「まぁ、いいじゃん。面白い領域だったな棘」

「シャケ!」

 パンダは見物だったが狗巻も同様に、正体不明の雪が少なくとも、敵意は無いのはわかった。

 その気だったら全員とうに死んでいる。

 高専に居る、謎の呪術師は感覚が狂っている愉快犯。

 多くを知り、未来を変えたい五条の推しが強くて虎杖や伏黒もついでに助ける、得体の知れない厄介オタク。

 そういうポジションで良くないか? 

 そうパンダは見ていて言った。

「空折、これありがとうな!」

「気にしないで。君は明日、東堂さんにもっと鍛えて貰える。キッチリ黒閃、決めてね?」

 黒閃? と首を傾げる彼に伏黒が言う。

 言っちゃえば、攻撃の際に稀に急所の当たる一撃。

 これを得ると呪術師は大きく成長するという。

 幸運と偶然の産物で、これが決まると呪力が黒く光るから黒閃という。

「因みにどんな感じかというと。えーと……。I am the bone of my sword」

 一節詠唱して、複製を取り出す。

 もう一個の屠坐魔だった。

 因みに真希も神武解と一緒に持ち帰ってきた。

 それを見て、釘崎が反射的に言った。

 あり得ない。何故だ。

 領域展開直後は術式が焼き切れて、使えないはず。

 何で普通に使ってる。

「あー……私の身体、後付けで埋め込んだ鞘の効力で自然治癒が馬鹿みたいに高いし速いからさ。術式の冷却、もう終わってるの」

「俺に埋め込んだ鞘の効果か」

 サラッと虎杖も同じと聞いて呆れる一同。

 こいつの強化とは武装という意味の強化か。

 秤の速度をゆうに超える領域展開からの復帰。

 彼以上に領域展開と術式の連発が出来る。

 ……化け物だと皆は思う。

 この規格外、これで全力では無いと言うから五条と同じと言うことか。

「乙骨先生、ちょっと本気でガードして貰える?」

 屠坐魔を掴んで、的になってくれと言うので乙骨、全力で呪力を出す。

 ……虎杖は目を丸くする。

 自分の倍以上の凄い量を全身に纏う。

 これなら一撃が重く、損傷は軽減の攻防が出来るだろう。

 これが特級。そこに、屠坐魔を軽く振り下ろす雪。

 

 バチッ!!

 

 瞬間、接触した刹那に呪力の黒い火花が散った。

 鈍痛で腕が軋む乙骨。これ屠坐魔か本当に。

 弾かれた一撃を見せて、雪は語る。

 説明した黒閃がこれ。

 今のは複製の術式で強制的に黒閃を出した。

 代わりに砕け散る屠坐魔。粒子になって霧散する。

「出ると威力が凄い上がるって覚えておけば良いよ。これ経験すると、呪術師としての未来は安泰」

「痛いなぁ……。治したのに鈍いのが続くよ……」

 腕に食らった乙骨も腕を軽く振るう。

 こういう規格外の攻撃は全力で防いでも大抵痛い。

 五条の吸引パンチといい、今の複製の屠坐魔といい。

「目標はこれね? 最悪、出来なくても私が教えるから」

「おう!」

 ……何だろう。

 少し虎杖が元の明るい言動に戻っている。

 キッチリ雪も面倒を見ている。

 真希達はちょっと集まって、相談。

 伏黒のブツといい、こいつの言動案外愉快犯だが五条と同じタイプか。

 なら、良いだろうと皆で決める。

「おい悠仁、空折」

 真希が初めて雪を名で呼ぶ。

 彼女は言った。目的は兎も角、特訓ぐらいなら付き合ってやる。

 強くなりたい。 

 それに相違は無いなと聞いて首肯して答える。

「だったら手伝え。お前らは距離を置くのは、あくまで目的の時で良いだろ。悠仁、テメエの弱さから逃げんな。私らが気持ち分かんねえって言って拒否ってもお前一人で勝てんのかよ。空折の時点でお前は理解者がいる。私らも別に嫌悪してねえならいいだろ。邪魔しねえし」

「……そう、だな。俺は、自分だけが辛いと思ってた。俺の気持ちなんて分からねえって。これってあの時のあいつと同じだ。俺は手を伸ばした。皆もそうだった。なら……」

 折り合いがついた。

 拒絶しても意味が無いことに。

 勝ちたいなら……形振り構う余裕はない。

「ゴメン、俺が悪かった。力を貸してくれとは言わない。ただ交流戦は、手伝うよ」

 頭を下げて謝る彼にこうなるか、と雪は傍観する。

 孤独を選んでも、繋がりの強さを知っているから。

(んー……最低限の仕込みはしたし、まあいいや)

 明日の交流戦。どうなるか、精々期待しておこう。

 その後、雪も混じって作戦会議を再開。

 一時間ほど使って。各々皆は眠る。

 目指せ京都校への勝利。

 ……乱入者来ることは、彼女しか知らないまま。

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