異能コレクターは気がつかない   作:永戸陽介

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異能日記①

・風の刃よ対象を切り裂け(カマイタチ)

 

天童達志が初めて見た異世界アニメで、主人公が最初に習得した初級魔法。

 

実際に詠唱するのは『風の刃よ・・・』の方。

「カマイタチ」は字幕が表示される。

 

「カマイタチ」は魔法の名称で、実際に攻撃する時に『風の刃よ・・・』を詠唱するイメージ。

 

風の刃を設定した対象に向けて、そこそこ高速で射出する魔法。

初級魔法にしては威力が高く、細い木程度なら簡単に切断できる。

 

ただしそれは魔力を持たない物体に対する話であり、魔力を持つ生物相手ではそう簡単にはいかない。

 

『対象』を明確に設定しないとあらぬ方向へ飛んでいったり、詠唱時に指定した時の『対象』の位置に向けて真っ直ぐに射出されるため、動き回る相手に当てるのは難しいなど、欠点も目立つ。

 

風属性と斬撃属性を併せ持つ。

風耐性の低い相手でも斬撃耐性が高いとダメージが通りにくいなど、良い事ばかりではない。

 

風耐性か斬撃耐性が低く動きが鈍い、しかし一度でも直接攻撃が当たると致命的な影響を受けてしまうなど、接近戦をするには厄介な相手に非常に有効。

 

その異世界アニメでは命中精度に難がある事を理由にしばらく使われていなかったが、主人公がゾンビの大群に囲まれた時に久しぶりに使用され大活躍。

 

弱いと思われていた魔法が使い方次第で活躍できるという事を見せつけ、友人たちとの話題に「弱いけど活躍できる可能性がある魔法」というテーマが追加されるほどの影響を与えた。

 

天童達志にとっては初めて見た魔法だったので、上述の活躍をする前からカマイタチの事はお気に入り魔法の1つとして覚えていた。

 

 

 

・望遠鏡

 

とあるカメラアクション系のゲームで、最初に貰えるアイテム。

この望遠鏡のレベルをあげていき、様々な場所を記録して地図を作る事が目的のゲーム。

 

あまり人気がなくゲーム屋の中古コーナーで500円で売られていたのを、小学生時代の天童達志は発見。

買うか買わないか30分ほど考え込んで、お小遣いを使って買った。お年玉などではなくお小遣いで買ったゲームはこれが初。

 

このゲームのプレイヤーにレベルは設定されていないので、モンスターの襲撃を受けると簡単に死ぬ。

 

オートセーブ機能もないので、こまめに拠点に戻って受付にレポートを提出しなければ、最後に記録した所からやり直しさせられる。天童達志は2回ほどセーブを横着してやらかした。

うち1回はかなり巻き戻され、しばらく遊ばなくなるほど絶望した。

 

この望遠鏡はレベルが上がるごとにズーム機能の性能や視点の解像度が高くなる。レベル100が最大だが、めぼしい機能はレベル80までに全て解放されるので、全クリ目的なら最大まで上げる必要はない。

 

地図を完成させると全クリになり、以降は裏世界が解放され、モンスターの脅威だけ上げられた2周目が始まる。

 

プレイヤーのステータスは上がらないので、見つかったらほぼ即死する環境でロケーションを見つけていかなければならない。

 

また望遠鏡のステータスも全クリ時より性能が上がる事は殆どないのでモチベーションも乏しくなる。

天童達志は裏の序盤を苦悩しながらやり進めていたが、しばらくして挫折した。

 

望遠鏡がレベル100になると伝説の称号というアイテムが貰えるが、望遠鏡に小さい金のバッジがつくだけで特に効果はない。通信機能もないので自己満足のやり込み要素に過ぎない。

 

手をかざすと勝手に手元に現れる。ゲーム内で特に言及はないが、恐らくアイテムを取り出すモーションの省略なので、特に異能の効果ではないと思われる。

 

 

 

 

・テレポーター

 

とあるカメラアクション系のゲームで、主人公が購入できる数少ないアイテムの内の1つ。

 

このゲームは通常、一度訪れた事のある場所にしか移動できない。

しかしこのアイテムを使えば、今まで観察する事しか出来ず立ち入れなかったエリアにも移動できるようになる。

そのエリアから見える光景を更に記録していく事で、全クリに向けて地図の作成を進めていくことになる。

 

終盤にショップで解放されるアイテムであり、金稼ぎのお題を強制的に消化させるためか、無駄に高価。そのため地図の作成だけを進めてお題を無視しながら進めていると、このアイテムが購入できず、途端に行き詰まるようになっている。

 

使用すると大きな音を立てて割れるため、モンスターが寄ってくる。

しかも使用してから移動するまでにラグがあるので、適当な場所で使った瞬間にモンスターに袋叩きにされるトラップとなっている。

 

移動自体に費やす時間は一瞬であり、テレポーターの名に恥じない機能を持っている。

 

空中を移動ポイントに設定すると、地面に着地するまでの間、落下速度が低下して安全に着地できる、親切な性能も付いている。

 

ちなみにこのゲームでは10mほどの高さから落下するとゲームオーバーになる。

 

この仕様に納得できなかった天童達志がこのゲームについて調べたところ、この世界では足が折れて移動できなくなった時点で遅かれ早かれ死ぬのでゲームオーバーの判定が下される、という考察を見てしまい、しばらく軽い高所恐怖症になった。

 

 

 

・ドラゴンバスターキャノン

 

天童達志が昔ハマっていたRPGに登場した魔法。

ゲーム内では高レベルの勇者か魔法使いしか習得できない究極魔法という評判だった。

 

その効果は「あらゆるドラゴンを絶対に即死させる」というシンプルながら強力なもの。

 

しかし習得するには、大量の希少アイテムを竜の里の族長に渡さなければならず、そんな事をするよりレベルを上げて進めた方が手っ取り早かったので、誰も注目していなかった。

 

消費する魔力も他の究極魔法と同等レベルで消費するためコスパが良い訳でもなく、当然ながらドラゴン以外には全く効果がないので汎用性も低い。

 

後のアップデートで、レベル制限のあるダンジョンが追加された時に少し注目が集まったが、究極魔法も制限されて使えないという事が分かり、短い脚光となった。

 

天童達志は名前がカッコいいからきっとエフェクトは豪華なのだろうと期待し、大量の希少アイテムをわざわざ集めて勇者に習得させたが、結果は、モノクロの太い線が出てくるだけという拍子抜けのものに終わった。

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