アークナイツ「慈悲光塔」RTA 1098年10ヶ月 作:おじさん
ホモちゃんと騎士と騎士で崩壊体をしばき倒すRTA、始まってしまいました。
前回は隠しノードに釣られクマーしたら相手がどうやら崩壊体らしいことをエドウィンニキに暴露されました。もう許さねえからな!!
ということで……現着しました。
うーん、亜寒帯って感じですね。バッチェ冷えてますよ〜。
ちなみに途中でペガサスと沢山すれ違いました。
どいつもこいつもプライドの高そうな顔で殴りがいがあるぜ!!
かくいうペガサスの皆さんも爆速で駆け抜ける台車に面食らってましたね。
ちなみに王室の城塞内敷地を突っ走って来ました。エドウィンニキとアルバートニキがほぼ顔パスって感じだったのでセーフセーフ!
まあアルバートニキはめっちゃやりにくそうにしてましたけどね!
まだ国境越えてちょっとぐらいなので近くにはいないと思いますが、ひとまずは索敵アーツで……
「どうだ、ホルス嬢?」
……うーん、やはりまだちょっと遠いですかね?
引っかからないですね。もうちょっと北まで台車押していきましょう。
「……妙だな。そこまで北に行くことなど考えにくいが……」
崩壊体は北に向かう習性がありますからね。それに伴って戦場が北へ北へと移るパターンはままあると思います。
……或いは……いえ、やめておきましょう。
あっ、そうだ(唐突)
本作で氷原に行く機会というのは、縛りプレイか氷原関連のイベント出ない限りほとんど無いかと思いますので、視聴者兄貴姉貴達に崩壊の仕様についてほんの少しだけ解説しておきます。
索敵についてですが……崩壊は肉眼で捉えられても、機械では感知できない、という性質があります。
ホモちゃんの索敵アーツも、仕組みとしてはソナーと一緒なので、崩壊自体は感知出来ません……が!
全身崩壊野郎である悪魔とは違って、崩壊体は肉体に崩壊が侵食している状態なので、肉体の方がソナーで感知可能です。
そのため、今回のように相手が明確である場合ならば、崩壊関連が相手でも索敵が有効なんですね。
崩壊を受けたときのデバフは……まあ色々あるんですが、何よりも厄介なのはこちらの操作にも影響してくる所さんですかね。
スキルコマンドの位置が変わってたり、敵が画面に映らなかったり、現在どんなデバフにかかってるのかが見えなかったり、操作が反転したり、エトセトラエトセトラ……。
何が言いたいかと言いますと、崩壊はクソということです。
クソが……。(一般通過星6哨戒衛士)
……などと解説していたら、ひっかかりましたね。
全裸中年男性……じゃなくて、ペガサスが三体と、岩角獣が一体です。
「……居たのか?」
「の割には、静かだな?」
これは……歩いてはいますが、戦闘はしていないですね。
「それは……あの岩角獣もどきとはぐれたということか?」
いや……
……北に向かって歩いています。
……崩壊体は、平時は北に向かう性質がある。覚悟しておいた方がよさそうですよ。
「……術者。それは、俺に同胞を殺せということか?」
「おい、エドウィン……!!」
そんな物騒なこと言ってないでしょ!戦闘の覚悟をしとけってことですよ!!
まあかといってペガサス達の崩壊の浄化が出来るかどうかは別なんですけど……
いやまあ、隠しノードとしてあるからには解決策はあるはずです。各々最善を尽くしましょう。
「いいだろう。同胞を殺す必要は……今のところは、無いのだな」
「ああ。ひとまずは解決するのが先だ。どう仕掛ける?」
やっぱり僕は、王道を征く……不意打ち系ですか。
とりあえずこちらからは位置がわかってるので、真正面から挑む必要はありません。
かといって完全に気配を殺して一体潰す……というのは、今のメンツではおそらく無理です。流石に5メートル範囲内に入ったら気付かれるでしょう。
なので、効果としては先手を取る程度ですかね。
恐らくペガサスこと崩壊体貴族騎士三体と岩角獣一体との戦闘になります……が、目標は殺害ではなく無力化ですね。
隠しノードの戦闘は以前話した行動パターン76種に当てはまらないから、臨機応変な対応が求められるのが厄介やねんな……。
「騎士相手はならば気絶させるのはそう難しくはない。不規則な動きをするとはいえ、体の構造は俺達と同じだ」
「問題は岩角獣もどきの方か?」
「そうなるな」
じゃあまあ騎士の無力化は任せるとして、岩角獣はホモちゃんがケツからアーツをブチ込めば気絶はいけますね。
「……術者。お前正面切っての戦いは出来るのか?」
「ホルス嬢は身体が弱いからな……出来たとしてもペガサスの筋力に押し負けると思うぞ」
「軟弱な……」
エドウィンニキのケツに加速アーツをかけたアーツユニットでもブチ込んでやりたいところですが、ロスになるのでここは我慢します。
つーことでホモちゃんは正面切って戦えないので前の方で二人はプリキュアして♡
「ふむ……同胞の相手はお前がやれ、アルバート。お前なら三人同時に相手出来るだろう」
「任された」
「岩角獣もどきの注意は俺が惹こう。地形を利用して奴を転倒させる。術者、お前はそこを狙え」
おかのした!
じゃまあホモちゃんはエドウィンニキが準備出来るまで後方支援しとくんで、あとはヨロシクゥ!!
ということで無事不意打ちして崩壊体貴族騎士×2と崩壊体岩角獣戦です!!
崩壊体貴族騎士についてですが、なんと不意打ちの一発目でアルバートニキが崩壊体貴族騎士を一体気絶させたので崩壊体貴族騎士×2です。
こいつやっぱなんかおかしいよ……。
とはいってもやることはそう多くはありません。
とりあえずはアルバートニキとエドウィンニキの後ろからチクチクするだけです。
特に岩角獣の気を惹いてくれてるエドウィンニキを注意しましょう。エドウィンの転倒作戦の成功率を高めるためにも、体力は削っておいた方がいいです。
発火アーツを飛ばしたり加速アーツをかけた木の枝を飛ばしたりして、ひたすらチクチクしましょう。
オラオラ、アーツアーツ、セィヤセィヤ!!
「ホルス嬢!防げ!!」
おや、こちらに気付いた崩壊体貴族騎士が矢を飛ばしてきたみたいですね。
カスが効かねぇんだよ!(無敵)
貴族騎士のくせして飛び道具とは、軟弱な奴ですね!ノンケかな!?
この時代の飛び道具は基本的に発火アーツで燃やせます。攻撃が飛んできたら当たる前に燃やし尽くして防ぎましょう。
焼く時は!!(迫真)
「ッ術者!! 仕掛けるぞ!! 準備しろッ!!」
オッスオッス!!
エドウィンニキもそろそろ仕掛けるみたいなので、詠唱をかけながら近付いておきましょう。そろりそろりと参ります!
「……掛かった! やれ!!」
崩壊体岩角獣がすっ転んだら巫術でケツを殴り時!!アリス、モモイを殴ります!!
ジャッ!キー!チェン!
「……本当に気絶したか」
本当に気絶しました。気絶に真も偽もあるかい!!
見ろよ見ろよ〜ホモちゃんの天才的な巫術いいゾ〜コレ。嬉しいダルルォ?
「おーい! こちらも終わったぞ! 峰打ちとはやはり中々難しいな……!」
アルバートニキの方も大丈夫だったみたいですね。
一応崩壊体二体を相手にしてる筈なんですが……なんか余裕そうだな……。
……この人ずっと駄獣にボコボコにされてたのに……。
というか、なんか……隠しノードにしてはわりとあっさり倒せましたね。
ホモちゃんのレベルが想定より高かったのかな?
同行者が強かったのもありそうですね。ペガサスの貴族騎士と、それより強いらしい騎士が居たらまあこんなもんなのかもしれませんね。
……ところで、なんでまだクエスト表示が消えないんですか??
「……ッ! 下がれ術者!!」
ひょ?
「ッエドウィン!!」
エッ!?なんかエドウィンニキがホモちゃん庇って吹っ飛んだんですけど!!
何!?もしかして岩角獣の気絶失敗してました!?ガバ!?!?
「あれは……新手か!?」
何ですかアルバートニキ!!砂ぼこりで見えないんですけど!!
だがしかしィ!こんなときこそ索敵アーツ!
……ん?
あれ?
気絶させた崩壊体岩角獣も崩壊体貴族騎士も、動いてませんね?
環境パラメーター……も普通だから、天災でも自然災害でもない……。
……いや超音波にひっかからないってことはこれ……。
「……アレは、何だ……?」
まずいですよ!!!!
なんでこんなとこに悪魔がいんだよ!!!!!!
教えはどうなってんだ教えは!!!!!!
「相手は不明で、君も消耗している、ここは引くべきか……!」
連戦でしかも相手が崩壊体じゃなくて悪魔なのは本当に本当に本当にまずい!!!!
うわっっ!!!!!!視認できたけどクレイズセオンと同格だこいつ無敵のエフェクト出てる!!あかん死ぬぅ!!
再走したくない!!ねぇやだ!小生やだ!!
ここは逃げて一旦体勢を立て直し……!!
逃げ……
▶★巫術(神経操作)
アーツ(加速)
アーツ(発火)
アーツ(索敵)
剣術
蹴る
………*1
「どうしたホルス嬢!? 早くこちらへ!」
…………………………。*2
馬鹿野郎お前俺は勝つぞこの野郎!!!!!
「ホルス嬢!? 駄目だ戻ってこい!! このままでは君の命が危うい!! 分かっているのかッ!!」
馬鹿野郎戻れたら真っ先に戻ってるに決まってるだろうがよ!!!!
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛も゛う゛や゛だ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!
「君も大概、騎士道馬鹿だなッ……!!」
クソっ戻ってきてくれたのは大変ありがたいのですがアルバートニキに同類認定されてやがる!!
逃げるコマンドが!!ないだけなのに!!!!
ということで連戦!!悪魔戦です!!!!!!!!(ヤケクソ)
「……! 手応えが無い……!!」
早速アルバートニキが切ってかかりましたが、当たりましたが
サーミローグをちゃんとやってる兄貴姉貴達ならお分かりかと思いますが、悪魔は実在と非実在状態の重ね合わせ存在です!オメエ何言ってんだ!?
悪魔は非実在の性質が強く、こちらの攻撃を無効化する癖に相手側は情報災害として殴ってきます!!ふざけんな!!
とにかく現状は攻撃が通らないということです!!
クレイズセオン戦なら空間安定装置で
でも隠しノードとして受注出来たからには攻略法が必ずあるはずなのでなんとかしましょう!!!!
「……! 避けろ!!」
ひぃん!!!!
こんな風にぃ!!直接崩壊を飛ばしてきますぅ!!!!
ホモちゃんの体力だと当たったらほぼ確で一発KOなのでキャラコンでなんとかしてください!!
撤退は出来ないけど相手の命中を下げるぐらいなら出来ます!!ちょっと加速アーツかけた剣をぶん投げてそこら辺の木をなぎ倒しましょう!!
アヒィ!!こっちが行動する時に攻撃してくんなお前この野郎!!プリキュア先輩が変身してるときにも攻撃するのかよお前はよ!!
ジリ貧すぎるアカンこれじゃホモちゃんが死ぬぅ!!
ねぇやだ!!小生やだ!!!!
再走したくない!!!!再走したくない!!!!
アルバートニキ、何とかしろ!!!!!(他力本願寺)
「何か手立ては……!!」
そんなんあったらとっくにやっとるわい!!!
なんか有効そうなスキルは……!!!
▶★巫術(神経操作)
アーツ(加速)
アーツ(発火)
アーツ(索敵)
剣術
蹴る
んっ!?!?
えっ!?!?
あれ!?!?!?
▶★巫術(神経操作)
アーツ(加速)
アーツ(発火)
アーツ(索敵)
剣術
蹴る
なんか巫術以外使えなくなってる!!!!
イベント戦ってこと!?
それ以外のスキル使えないってことはそういうことだよね!?!?
そういうことでいいんだよね!?
信じるよ!?
信じますからね!?!?
■
「サー・アルバート。私がアレに攻撃が通るようにする」
「出来るのか!?」
「ものは試しというやつだ。そのソードスピアは投げれるか?」
「投げッ……どうかな……大暴投するかもしれない」
「ノーコン騎士道馬鹿……!!」
レヴァナントはと不機嫌を隠しもせずにわりと大きめの舌打ちをこぼす。
集落で騎士と子供とがキャッチボールをしていた時、やけにコントロールが下手だとは思っていたが、所謂手心というやつだろうと今日の今日まで思っていたのだ。実際のところ、本当に騎士はコントロールがド下手くそなだけだった。
倒木の合間から、空間そのものが染みのように腐食したかのような、暗闇の姿が覗いている。ソレが動くたび、耳の奥でガラスを引っ掻くような不快なノイズが響いた。
レヴァナントが稼いだ時間はそう多くはない。
物理法則をおおよそ無視しているソレから距離を取って、倒木で姿をくらまして、それだけだ。
アレがこちらを捉えるまでそう長くない。レヴァナントも騎士も、それを直感的に理解していた。
「私のアーツ……否、巫術に抵抗は出来るか?」
「……動物を気絶させてきたアレか? 対策法はあるのか」
「貴方の周囲の空気だけが孤立していればあるいは……現実的ではないか」
あえて巫術と言い換えたことを、騎士は指摘しなかった。
自らの策を否定したレヴァナントを横目に、騎士は一つ頷く。
「いや……もしかすると、もしかするかもしれん」
「は?」
「要は俺の周囲が他の空気と混ざらなければいいんだな?」
そのソードスピアすらまともに投げられない癖にか?と騎士に尋ねようとして、レヴァナントは思わず口を噤む。
騎士があんまりにも、思い詰めた顔をしていたからだ。
「俺は君を信じる。君も俺を信じろ!」
は、とレヴァナントは目を見開いた。
この期に及んでなんと陳腐な言葉を吐くのか、とレヴァナントは絶句する。
このような言葉一つでは何の証明にもならない。気休めのような言葉に命を委ねるのは愚かな判断だ。それはただ、心を慰めて死にゆくだけの終末だ。
レヴァナントはかつてカズデルで何度もそれを眺め、例外なく訪れる最期を見てきた。
だからこそ、中途半端な希望がいかに最も絶望的なのかを知っている。
「……いいだろう。気絶してくれるなよ」
レヴァナントを安心させようと握ったのだろうか、騎士の手は酷く震えていた。武者震いなどではない。
恐怖と、緊張と、その他にも沢山。
冷や汗を流して、血の気も何処か引いている。信じろ、と声をかけた相手がする顔ではない。
騎士が恐れているのは己の命を失うことではなかった。
誰かを守れずに、無力なままに終わること。
己の中の騎士像が、打ち砕かれること。
レヴァナントはそれを正しく理解して、震える手を強く、強く握り返した。
動揺したように揺れる瞳がレヴァナントに向けられる。
それでも進むと言うのならば。
それでも折れずに立ち上がると言うのならば。
騎士の言葉は中途半端な希望などではなかった。騎士のそれは、執念だ。
彼の中の騎士像に殉じようとする執念に他ならない。
震えている騎士の瞳と視線を合わせて、頷く。
「……さて。緊張しているところ悪いが、貴方が気絶したら諸共全滅だ。頼むぞ」
「こっ、ここでよりプレッシャーをかける奴があるか!!」
そういえばこの騎士は、チェスをするときであっても仲間を守ることに拘っていたな、とふと思い出す。
やはり騎士道馬鹿だったか、とレヴァナントは笑った。
「アレに攻撃が通るようになったら指示を出す。貴方にはそこを仕留めてほしい」
「……任せてくれ」
「ついでに私が詠唱を終えるまで囮をやってもらえるか。30秒ほどかな。先に言った通り、周囲の空気から孤立した状態で」
「ついでに囮とは……ううん、人使いが荒くなったな、ホルス嬢」
困ったような顔のまま、騎士はソードスピアを握って立ち上がる。
自ら囮となる為に立ち上がるその姿は、彼の騎士道とやらを体現するかのようだった。
「出来るな。サー・アルバート」
ならばその執念の背中を押そう。
騎士であろうとするその精神を、尊重しよう。
「やってみせよう」
騎士は笑って応えた。
その手は、最早震えていなかった。
「──告げる」
「光よ──!!」
詠唱を開始したレヴァナントの視界の隅で、騎士が輝く。
騎士の手のひらの上に灯った小さな光が、延びて、流れて、光の束を纏うように。焦がれるほどに眩く。
「夜の帳に灯火は消え、轍は砂へと還る」
次いで暴風がレヴァナントの髪を翻す。
発生源は騎士だった。鮮烈の光の束と猛烈な風の鎧とを纏って、騎士は嵐のように駆けていた。
誰があれを蛍光虫野郎などと呼んだのか、と場違いな思考がレヴァナントの頭をよぎる。そう呼ばれるような生易しい光ではなかったからだ。
5年間あのアーツを見せなかったのに惜しげもなく晒すとは、と呆れるレヴァナントもまた、5年間──否、それ以上に久しい詠唱を紡ぐ。
「お前の眼から我が影を奪い、お前の胸から我が声を削り取らん」
この巫術の本質は空気の振動である。振動させた空気に神経を操作する巫術を乗せることで、範囲を広げる。
そのため、空気が届かなければレヴァナントの巫術も届かない。
暴風を吹き荒らし、周囲の空気を押し退ける騎士にレヴァナントの巫術が届くことはない。
それを証明するかのように、騎士は悪魔の攻撃を跳ね除けてその場に留めている。
「血を以て代償とし、肉を以て境界と成す」
空間が、歪む。
悪魔の引き起こす現象を後のテラでは崩壊と呼ぶ。
レヴァナントはそれを正しく知るわけではない。悪魔と崩壊に対するレヴァナントの持つ知識のすべては、己の中にいる同居人から継ぎ接ぎで得た知識に、自らの推測を水増ししたもののみ。
「魂の底を虚無で洗え」
喉の奥から、鉄の味がせり上がってくる。貧弱な身体の細い血管が、膨大な力の奔流に耐えかねて激痛を訴えていた。
一秒ごとに身体の寿命が数ヶ月単位で摩滅していく感覚。魂を溶かすように、酷く熱い感覚。久しく味わっていなかった、生命を削る感覚。
崩壊とは恐らく、周囲に感染するように……もしくは、取り込んで広がっていくもの。
崩壊に汚染されたモノや命は、現実性、あるいは実在性と呼ぶべきものを失っていく。
崩壊した騎士たちが正気を失っていたのも、悪魔に当てた攻撃が当たっていないのも、その影響だ。
「流れよ。果てよ。来たりて満ちよ」
じわり、と雪に赤色が滲む。レヴァナントの口の端からは血が一筋、二筋と伝っていた。
頭の裏側だけがやけに冷えていて、震える指先を無視するように、レヴァナントの精神は冷静に詠唱を続ける。
崩壊は緩やかに侵食していくように拡大していく。
しかし、例外的に源石だけは取り込まれない。
黒く染まった騎士たちが持つアーツユニット。その中枢にあたる源石部分のみは崩壊を逃れていたことを、レヴァナントは知っている。
ならば、形は違えども源石であればアレの力を退けられるはずだ、とレヴァナントは結論づけた。
「我この身を捧げ、虚で満たす大河と成さん」
ごう、と吹き付ける暴風が、レヴァナントの吐き出した血を攫っていく。
ああ、これで詠唱がしやすくなった、とレヴァナントは笑う。もはや痛みに身悶えるような感覚も遠い。
巫術とは、アーツのように源石を異なるエネルギーに変換するのではなく、自らの命を媒介として源石そのものをエネルギー体の形に変換し、利用する技術。
二つは相反する指向性の力同士。
「夜明けと共に消え失せる幻」
それゆえ、より強い方向のエネルギーに場は傾く。
「レーテー」
空間が、
「……刺せッ!!」
──迸る光の束が、暗闇に突き刺さる。
爆発と見紛うような、目も開けていられない熱と光。
体を引き裂くような暴風。次いで轟音が何人たりとも立つことを許さぬとばかりに襲う。
踏ん張ることも出来ずに宙に飛ばされるレヴァナントは、体が疲弊しきって指先の一つも動かない。
酷く軽い風船のように、無抵抗な身体は空中を舞う。
ただ、視界だけは明瞭にその光景を映していた。
眩い光が──金色の騎士が、そのソードスピアで暗闇を突き刺している。そして、暗闇は既に霧散しつつあった。
安堵のため息を吐くような間もないまま、体は地べたへと投げ出され、動くことすらできなかった。そのまま思考が遠のいていくのに、抗うこともしなかった。
薄れゆく意識のなか、目を瞑れども未だ目を焼くようなその光に、故郷の夜明けを幻視した。
カジミエーシュ編も終わりが近づいて来た雰囲気がありますね。
ちなみに今回の話は半分くらい捏造設定です。シテ……ユルシテ……
なんと推敲をほぼしていないので、誤字脱字設定の錯誤などの指摘をお待ちしております!
評価感想お気に入りここ好きなどもお待ちしております!