自分用   作:raian sinra

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X7話

## 【BLEACH × 宝鐘マリン】千年血戦篇:霊王宮の試練と、魂の真実

### 第三章:二枚屋王悦の試練、紅海月(くれないくらげ)の真実

### 第一節:真の鳳凰殿、魂を叩き直す神の炎

暗闇の地下室で無数の浅打(あさうち)たちを服従させ、己の「ツギハギの魂」を完全に肯定した黒崎一護と宝鐘マリン。

彼らを待っていたのは、二枚屋王悦による「真の斬魄刀の再鍛造」であった。

「オーゥ、お前ら。よくぞ浅打のプレッシャーに耐え抜いた! アタシの目に狂いはなかったゼ!」

王悦の指を鳴らす音を合図に、鳳凰殿の景色が唐突に崩れ落ちた。

チャラチャラとしたネオンも、奇抜なクラブのような内装も、全ては仮初の姿。真の鳳凰殿は、断崖絶壁から流れ落ちる巨大な滝の裏側に隠された、荒々しくも神聖な『鍛冶場』であった。

「……ここが、斬魄刀を創る場所」

マリンは、熱気と高密度の霊子が渦巻く空間に足を踏み入れ、息を呑んだ。

中央には、燃えたぎる巨大な炉。そして、王悦の親衛隊である『親衛隊(刀神の付き人たち)』——燧ヶ島(ひうちがしま)めら、鑿藤(のみのとう)などの斬魄刀の精霊たちが、目にも留まらぬ速さで鍛冶の準備を進めている。

「さァ、始めるゼ。一護、そしてマリン! お前らが選んだその『浅打』をよこしな!」

王悦のサングラスの奥の目が、再び冷徹な『刀神』のそれへと変わる。

マリンは、自身の手を強く握り返してくれた一体の浅打——のっぺらぼうの人型——を、王悦へと引き渡した。

王悦が浅打に触れた瞬間、浅打は溶けるように姿を変え、一本の燃え盛る鉄の塊へと変貌した。

「いいか、チャン一、マリン。斬魄刀ってのは、死神の魂そのものだ。アタシが刀を打つ間、お前らはその鉄塊に、自分の『魂の髄』を注ぎ込み続けろ。一瞬でも気を抜けば、お前らの魂は炉の炎に焼かれて灰になるゼ!」

「……上等だ。やってやろうじゃん!」

マリンは、炉の前に胡座をかき、全神経を集中させた。

カンッ……! カンッ……!!

王悦がハンマーを振り下ろす。

その一撃ごとに、鳳凰殿全体が激しく振動し、マリンの心臓が直接ハンマーで殴られたかのような強烈な痛みが走った。

「がはッ……!!」

「マリン! 集中しろ、気を抜くな!」

隣で一護もまた、滝のような汗を流しながら己の魂を注ぎ込んでいる。

(痛い……! 魂が、引き伸ばされて、圧縮されて……千切れるッ!!)

マリンは歯を食いしばった。

彼女の魂の中には、曳舟桐生の試練で完全に同化させた『虚(ホロウ)の劇毒』が、新しい器の中で嵐のように渦巻いている。それを、一つの「刃」の形へと凝縮させなければならないのだ。

「もっとだ! もっとお前の『毒』を注ぎ込め! アタシのハンマーに逆らってみせろ!!」

王悦の怒号が響く。

マリンは自身の魂の最深部へと意識を沈め、再び己の精神世界へとダイブしていった。

### 第二節:沸騰する精神世界、深淵からの挑戦状

マリンが精神世界で目を開けると、そこはもはや以前の『凪の海』でも、嵐が吹き荒れる海でもなかった。

王悦の鍛冶の炎と共鳴し、海全体がグラグラと煮え滾る『沸騰する群青の海』へと変貌していたのだ。

「……あつッ! なんだこれ、サウナなんてレベルじゃないワゾ!」

空からは火の粉が雪のように降り注ぎ、海面からは高熱の蒸気が立ち昇っている。

『——随分と無茶をするようになったじゃないか、私の船長(キャプテン)』

蒸気の向こうから、涼やかな、しかし圧倒的な威圧感を伴った声が響いた。

姿を現したのは、真紅の海賊コートを羽織ったマリン自身の姿。彼女の斬魄刀の本体である『紅海月(くれないくらげ)』の精霊だった。

だが、以前の彼女とは様子が違った。その顔の右半分には、かつての『虚のマリン』が被っていた骨の仮面が融合するように張り付き、右目は禍々しい黄金色に輝いているのだ。

「紅海月……お前、その顔……」

『あなたが、あの虚を喰らい、魂に溶け込ませたからよ。今の私は、清浄な海を統べる海神であり、同時に全てを腐食させる深海の猛毒。……ねえ、マリン。あなたにこの重すぎる「毒の海」を統べる覚悟があるの?』

紅海月が、腰から群青と漆黒が混ざり合った美しい海賊刀を抜き放つ。

『二枚屋王悦の炎は、私たちの魂を一つの形に焼き固めようとしている。でも、あなたが私という「刃」の重さに耐えられないなら、ここで私があなたを斬り伏せ、この魂の主導権を奪う!』

「……へっ。言ってくれるじゃん」

マリンは、手ぶらのまま不敵に笑った。

「船員(クルー)が反抗期なら、力ずくでわからせるのが船長の役目だ。……来いよ、紅海月!!」

### 第三節:海神と猛毒のワルツ、極限の魂の激突

ドバァアアアアアアアッ!!!

紅海月が刀を振るうと、沸騰する海が巨大な水刃となってマリンに襲いかかった。

それはただの高圧水流ではない。触れれば魂の細胞を瞬時に腐敗させる、虚の劇毒を孕んだ死の一撃。

「響転(ソニード)ッ!!」

マリンは死神の瞬歩と虚の歩法を融合させた動きで、水刃を紙一重で回避する。彼女の足元で、水刃が海面を両断し、ドロドロの毒の飛沫を巻き上げた。

『逃げてばかりじゃ、刃は打てないわよ!』

紅海月が間合いを詰め、凄まじい剣戟の雨を降らせる。

ガギィイイイインッ!!

マリンは、己の腕に虚の硬化技術『鋼皮(イエロ)』を集中させ、紅海月の刃を素手で受け止めた。

「いッ……!!」

鋼皮越しでも、劇毒の刃がマリンの魂をチリチリと焼き焦がす。

「お前こそ……アタシを試そうなんて、百年早いんだよ!!」

マリンは刃を受け止めたまま、至近距離から左拳を振り抜く。

『双骨(そうこつ)』にも似た、白打の必殺の一撃。だが、紅海月はそれを水流の盾で軽々と受け流し、マリンの腹部に強烈な蹴りを叩き込んだ。

「がはァッ!」

吹き飛ばされ、沸騰する海の上を何十メートルも水切り石のように跳ねるマリン。

『どうしたの? 虚の力を受け入れただけで、自分が神にでもなったつもり? あなたの魂はまだ、ただの「部品の寄せ集め」よ! 滅却師(クインシー)の神を沈める錨(いかり)になりたいなら、その程度の熱量じゃ私(カタナ)は打てない!』

紅海月が刀を高く掲げる。

『沈みなさい、マリン。深淵の底へ!』

彼女の周囲の海が、巨大な複数の『水竜』へと姿を変えた。一つ一つが隊長格の卍解クラスの霊圧を秘めた、猛毒の水竜たち。それが一斉に、空中のマリンへと牙を剥いて殺到する。

絶対絶命。

だが、マリンは空中で体勢を立て直し、そのオッドアイをギラリと輝かせた。

「……部品の寄せ集め? 上等だ。なら、今ここで、アタシが世界で一番頑丈な『一つの船』に組み上げてやるよ!!」

マリンは、防御を捨てた。

迫り来る猛毒の水竜たちに向かって、真っ直ぐに腕を突き出し、突撃したのだ。

『なっ……!? 自殺する気!?』

紅海月が驚愕する。

水竜たちがマリンの全身に食らいつき、その猛毒が彼女の魂を容赦なく浸食していく。激痛。破裂しそうなほどの圧力。

だが、マリンは止まらない。

彼女は自身を蝕む水竜たち(虚の力)を、拒絶するのではなく、自身の肺に深々と吸い込むように「吸収」し始めた。

「アタシの海で……アタシの毒で……アタシが死ぬわけないだろォオオオオオオオッ!!!」

ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!

マリンの魂が、限界を超えて燃え上がった。

二枚屋王悦のハンマーの熱。曳舟桐生の料理で得た巨大な器。そして、彼女自身が選んだ「海賊」としての絶対的な自我。

それら全てが、猛毒の水竜たちを溶かし、マリンの両腕に莫大なエネルギーとして集束していく。

「アタシには、錨なんていらない」

マリンは、猛毒の奔流を突き破り、紅海月の真正面へと到達した。

「どんな嵐でも、どんな神様が相手でも……アタシ自身が、この船を前に進める『風』になる!!」

マリンが、紅海月の握る刀の『刃』を、両手でガシリと掴み取った。

刃から血が流れ、群青と漆黒の霊圧が激しくスパークする。だが、マリンは決して手を離さない。彼女の魂の熱量が、紅海月の毒の冷たさを完全に凌駕したのだ。

『……ふふっ』

紅海月が、骨の仮面の奥で、ふっと微笑んだ。

『ええ。それでこそ、私の船長よ』

紅海月の体が光の粒子となって解け、マリンの掴んだ「刃」の中へと吸い込まれていく。

マリンは、その刀を高く掲げた。

沸騰していた海が、彼女の霊圧によって一瞬で凍りつき、そして澄み切った鏡のような群青色へと戻っていく。

虚の猛毒は完全に制御され、死神の力と見事なまでの『一つの刃』として融合を果たしたのだ。

### 第四節:真・紅海月の誕生、神を穿つ漆黒と群青

カンッ……!!!

現実世界。鳳凰殿の鍛冶場。

二枚屋王悦の最後の一振りが、真っ赤に燃える鉄塊に叩き込まれた。

「……打ち上がったゼ」

王悦がハンマーを下ろし、額の汗を拭う。

冷却水である『海』に放り込まれた鉄塊から、凄まじい水蒸気と、空間を歪めるほどの圧倒的な霊圧が噴き上がった。

「ハァッ……ハァッ……」

マリンは目を開け、ゆっくりと立ち上がった。

彼女の眼差しには、もう一切の迷いも、自身の魂への負い目も存在しなかった。あるのは、揺るぎない海賊船長の覇気のみ。

マリンが、冷却水の中から『それ』を引き抜く。

「……これが、アタシの……」

引き抜かれた刃。

それは、かつての西洋風の海賊刀の意匠を残しつつも、より洗練され、無骨でありながら美しい曲線を刃を持っていた。

刀身は、光を吸い込むような『漆黒』。しかし、その刃文には、深海の底を思わせるような『群青色』の波が静かに揺らめいている。

滅却師(クインシー)を確実に腐敗させる猛毒(ホロウ)を、極限まで圧縮して封じ込めた、真の死神の刃。

「『真・紅海月』……」

マリンがその名を呟いた瞬間、刀身が主の呼応に応えるように、静かに、しかし恐ろしいほどの重圧を放って鳴動した。

「……パーフェクトだ」

王悦が、自身の傑作を見つめながら口角を上げた。

「虚の毒を極限まで濃縮し、なおかつ死神の霊圧で完全に刃としてコーティングしている。……ユーハバッハの『全知全能(ジ・オールマイティ)』の理屈は知らねェが、お前のその刃が少しでも奴の体に触れれば、その毒は奴の神話を内側からボロボロに崩す『ノイズ』になるだろうヨ」

「……ありがとう、グラサン。最高の船を造ってくれて」

マリンは、真・紅海月を空中で一振りし、見事な鞘引きで腰に納めた。

「グラサンじゃねェ! ナンバーワン・クリエイター、王悦チャンだヨ!」と王悦がツッコミを入れるが、マリンは不敵に笑うだけだった。

隣では、一護もまた自身の『真の斬月』——二刀流となった斬魄刀を引き抜いていた。

死神、虚、そして滅却師の力を全て受け入れた一護。

そして、死神と人間の魂、虚の毒を「海賊の意志」で一つに編み上げたマリン。

「……行くぞ、マリン」

一護が、真新しい刃を背中に背負いながら声をかける。

「ああ。ユーハバッハの野郎がどんな未来を視ていようが関係ない。……アタシたちの船が、あのヒゲ野郎の海図をメチャクチャに塗り潰してやる!」

霊王宮での過酷な試練を全て乗り越え、己の魂の真実を完全に手にした宝鐘マリン。

かつて「失敗作」と嗤われ、檻の中で涙を流した少女は、今や尸魂界の希望を背負う最強の「特異点」へと進化を遂げた。

真の刃を手にした彼らは、崩壊の危機に瀕する世界を救うため、見えざる帝国の支配する瀞霊廷——いや、世界の存亡を懸けた最終決戦の地へと、再びその足を踏み出すのである。

ここから物語は、真世界城(ヴァールヴェルト)でのジェラルド・ヴァルキリー戦への乱入、そしてユーハバッハとの最終決戦へと向かっていきますが、この霊王宮の試練で得た「真・紅海月」の力について、どのような必殺技や卍解の新たな形態を描写するのが良いと思いますか?

 

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