悪役令嬢の私が追放された先の世界で機械人形に乗って無双しますわ~!   作:エスカド

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117話:責任は、全てミレアにありますわ!!

 シンセ・フィブラ社内、ミレアの専用ラボ。

 レイダーを華麗に撃破し、民間輸送船シーライン号を見事に守り切ったレタリアは、無事にセルディアへと帰還を果たしていた。

 

 現在、レタリアはラボの検査台に横たわり、戦闘後の身体チェックを受けている最中だった。

 

 その傍らで、ミレアは通信端末を手に、広報部からのしつこい連絡に対応している。

 

「――レタリアを広報の顔として前面に出したい……? いえ、それについてはハッキリとお断りさせていただきます」

 

 ミレアの声には静かな拒絶の意思が込められていた。

 

「……ええ、彼女の活躍が目立っている事は承知しています。ですが、彼女は現在、私の身内である『レタリア・イチノセ』です。身元引受人である私の判断として、その件は無かったことにしてください。――では」

 

 一方的に通信を切断し、ミレアがふうと小さく息を吐いたタイミングで、バイタルチェックの機械が完了音を鳴らした。

 

 検査台から体を起こしたレタリアが、どこか首をかしげながら尋ねる。

 

「何かありましたの? なんだか浮かないお顔をしておりましたけれど」

 

 その言葉に、ミレアは一瞬だけ困ったような苦笑いを浮かべた。

 

「いえ、大したことじゃないわ。……それより」

 

 手元のコンソールに表示されたレタリアの最新データへ視線を落とす。

 

「ふむ……身体データに異常なし、ね。……それにしても、ずいぶんと無茶な機動をしてくれたみたいだけど?」

 

 ジーッとジト目を向けてくるミレアの追及に、レタリアは「ギクッ」と肩を跳ねさせ、思わず明後日の方向へと視線を逸らした。気まずそうに指先を弄ぶレタリアの分かりやすい反応を見て、ミレアは表情を和らげ、くすっと優しくほうけるように微笑んだ。

 

「まあ……あの試作ブースターを取り付ける判断をしたのは他ならぬ私だからね。あなたが無事で、本当によかったわ」

 

 そう言って、ミレアは検査台の縁に腰かけ、レタリアの頭へそっと手を置くと、まるで幼い妹や娘を慈しむように優しく撫でた。

 レタリアは少しだけ気照れくさそうに瞳を閉じ、その心地よい温もりを大人しく受け入れていた――が。

 

(ふふ、今『取り付けたのは私』、と仰いましたわね……!)

 

 すかさず目を開いたレタリアは、ここぞとばかりに一転攻勢に出るべく、ビシッとミレアを指差し胸を張った!

 

「そうですわよ! あんな激しい衝撃を受けるブースターを付けさせた責任は、全てミレアにありますわ!!」

 

 鼻を高くして一転攻勢に出たレタリア。しかし、ミレアは全く動じることなく、間髪入れずに言葉を返した。

 

「けれどアレは『長距離巡航を可能とするためのもの』であって、戦闘でそんな無茶な機動をするためのものじゃないわ」

 

「うぐっ……」

 

「確かに、瞬間的にブースターを吹かすことによってそういう使い方が出来るかもしれないけれど……あまりにも命知らずすぎるわよ、レタリア」

 

 ジト目で見つめながら繰り出されるミレアの正論に、レタリアはぐうの音も出ず、小さく肩をすぼめて縮こまるしかなかった。

 

「……けれど、その土壇場の機動のおかげで、被害を最小限に抑えてあの大型マキナを撃破することに繋がったわけでもあるからね。結果として輸送船も脱出ポッドも守り切れたのは事実よ」

 

 ミレアのフォローの言葉に、待ってましたと言わんばかりにレタリアは「うんうん!」と力強く何度も頷いた。

 

「輸送船の護衛をしていたフリーランサーたちもそれなりの腕前だったけれど、それでもレイダーの大型機には歯が立たなかった。そう考えると、あなたとアーデンの力は、私の想定すら上回っているわね」

 

 その言葉を聞いて、レタリアは何かをハッと思い出したように顔を上げた。

 

「そうですわ! あの時、わたくしが『避けて!』と思ったら、瞬時にブースターが反応してくれましたの! わたくしの思いに完璧に応えてくれるアーデンは、本当によい子ですわよ!」

 

 自分の相棒を誇るように、レタリアは嬉しそうに語る。

 

「思いに応えてくれる……そうね……」

 

 レタリアの言葉に、ミレアは一瞬だけ顎に手を当て、何か深い思考に潜るような思案顔を見せた。……だが、すぐにいつもの落ち着いた表情へと戻る。

 

「あ、そう言えばね、ソラがあなたのことを呼んでいたわよ。たぶんパイロットスーツの微調整だと思うけれど、後で彼女の部屋に顔を出しておいてちょうだい」

 

 その言葉が出た瞬間。

 レタリアの頭の中に、これまでソラの部屋で受けてきた数々の「辱め(という名の徹底的な全身採寸や可動域検査)」の記憶が駆け巡った。

 

「えっ……」

 

 さっきまでの得意げな表情はどこへやら、レタリアの顔は面白いくらいに見事な引きつりをみせるのだった。

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  • キャラクターの日常
  • 戦闘
  • 政治的な駆け引き
  • 技術系
  • 主人公の活躍
  • レタリアがかわいい!
  • いや、ミレアがかわいい!
  • 他のキャラが良い!
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