悪役令嬢の私が追放された先の世界で機械人形に乗って無双しますわ~! 作:エスカド
グレインの視界に現れた新たなマキナ。無骨でありながら洗練されたそのシルエットに、どこか見覚えのあるような妙な既視感が重なる。
思索を巡らせる暇もなく、緑のマキナは手に保持した三連の砲門を持つ大型ライフルを即座にチャージし、凄まじい密度の光条を解き放った。
「当たってたまるかっ!」
グレインは素早くリーズを横方向へスライドさせ、紙一重で射線をすり抜ける。
回避した光条はそのまま後方に漂っていた巨大なデブリを貫通し、暗闇の彼方へと消え去っていった。
「凄まじい火力だ……だが、放つまでの隙がある!」
確信を得たグレインは、即座にアルシアンの砲身を敵機へと向けた。
――その瞬間。
激しい着弾の火花とともに、緑の敵機の左肩が大きく爆散した。予期せぬ衝撃に、敵機のバランスが大きく崩れる。
「アランドっ!」
謎の機体に一撃を見舞ったのは、アランドの『エノメイル』だった。肩部キャノン砲の一撃が見事に敵の装甲を捉えていたのだ。アランドはグレインの元へ急速接近しながら、右手のフォトンライフルで迫る量産機の一機の胸部を正確に撃ち抜く。
「隊長、なんですかこいつ……! まるで、アーデ――」
アランドが言いかけたその瞬間、緑の敵機が視界から完全に姿を消した。
超高速移動による消失。だが、グレインのリーズのメインセンサーはその驚異的な旋回軌道を捉えていた。
緑の機体は破格の加速力でアランドのエノメイルの死角へと肉薄し、すでに光芒を放つフォトンセイバーを頭上高く振りかぶっていた。
「避けろッ! アランド!!」
グレインの叫びと同時に、眩い光閃がアランドのエノメイルを切り裂いた――
◆◆◆
後方で繰り広げられる自警団とアーグリアの激戦を背に、レタリアのアーデンは建造物の裏手へと到達していた。
「……この辺りから強く感じますわ」
肌を刺すような強い違和感。
周囲を見回すと、建造物の地下へと続く巨大な搬入口と思わしき空間が口を開けていた。
「っ……!?」
直感に従い、レタリアは咄嗟にアーデンのフォトンセイバーを何もない中空へと一閃させた。
切断された空間が激しい爆破を引き起こす。
それと同時に、周囲の暗闇に埋もれていた無数の不気味な反応を一斉に検知した。
「罠……機雷ですわね!?」
フリーランサーとして仕事を請け負った時に目にしたことのある、彼女の知識の中に存在する兵器である。建物の入り口を防衛するように空間全体へ綿密に配置されている。
レタリアは集中力を高め、機雷の隙間を縫うようにアーデンを進めていく。
そして――入り口に差し掛かったその瞬間
『それ』は建造物の奥底から弾かれたように飛び出し、アーデンに向けて凄まじい速度で突撃してきた。
「姿を見せましたわね、とっちめて差し上げますわ!」
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