「ぷはぁっ!! 生き返る゛ぅぅぅぅぅ!!」
「それはよかった」
ソンジさんは苦笑しながら頷く。
「サダメ君。周囲の様子は?」
「今のところ異常はありません」
「そう。ならあと十分ほど休憩したら出発するよ。それまでよろしく、ミオ君」
「はい。ほら、足出して」
「いやぁ~、すいませんねぇ~」
『さっきまで死にそうな顔してた人とは別人みたいだね』
「元気になってよかったでござるな、ギリスケ殿」
迷宮に入ってから約一時間。
地下五階まで到達したところで、ちょうど身を隠せそうな岩場を見つけたため、一時的に休憩を取ることになった。
もっとも、堂々と休めるわけではない。
【
そのため、ミオが治癒魔法を使う間も、こうして岩陰に身を潜めているというわけだ。
ちなみに自分はというと、少し離れた岩の上に腰掛け、周囲の警戒を担当していた。
視覚と魔力感知。
両方を使いながら周辺を探っている。
以前より感知範囲は広がったものの、まだ完璧には程遠い。だから近場は自分の目でも確認するようにしていた。
とはいえ、こうしている間にもギリスケは女子三人に囲まれながら手厚い介護を受けている。
正直、少し羨ましい。
まあ、普段の扱いを考えれば、これくらいの役得があっても罰は当たらないだろう。
「んー……」
ふと、小さな唸り声が聞こえた。
見ると、ソンジさんが地図と睨めっこしている。
「どうかしました?」
「いやね」
ソンジさんは地図から目を離さず答えた。
「今のギリスケ君の体力を考えると、このまま正規ルートを進んだ場合、最低でもあと三回は休憩が必要になりそうなんだよ」
「三回ですか……」
「うん。だから少しでも近道がないか探してるんだけど――これがなかなか見つからなくてね」
なるほど。
それは確かに悩みどころだ。
一回十分休憩するとしても三十分。
迷宮の中で三十分という時間は決して短くない。
魔物と遭遇する危険性も上がるし、帰りの体力も考えなければならない。
「それなら、途中から俺がギリスケを背負いましょうか?」
「うーん……」
ソンジさんは少し考え込む。
「最悪の場合はお願いするかも。その時は頼むよ」
「了解です」
体力にはまだ余裕がある。
気配消しの魔道具もあるし、多少重量が増えたところで問題はないだろう。
魔力感知も使える。
少なくとも今の段階では、それが一番現実的な気がした。
もっとも――
問題があるとすれば、ギリスケ本人だ。
背負った途端、
『もっと優しくして~』
とか、
『肩揉んで~』
とか、
余計なことを言い出さないかが不安で仕方ない。
流石にそんなことを言われたら、その場で放り投げる自信がある。
いや、本当に。
頼むから大人しくしていてくれ。
そんなことを考えていた、その時だった。
「うおわぁぁぁぁぁーーーーーッ!!!!!」
「「ッ!?」」
突然、耳をつんざくような悲鳴が迷宮内に響き渡った。
反射的に振り返る。
声の主は――ギリスケだった。