夢見るニートのダンジョン生活   作:ダクネスARuFa

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プロローグ

 

「はークソつまんねえ。何か楽しいことでも起きねえかな。」

 

そう言って今日もおれは怠惰な日々を過ごす。

俺は田中総悟23歳。大学を卒業したもいいもののやりたい仕事など特になく、労働もクソだと思ってるから就活は一切せずに卒業した。

俺の親父はある大企業の社長をやっており、俺はその隠し子だ。

働くても食っていける程の金額が口座に毎月振り込まれるためバイトすら人生でした事ない。

惰性で通っていた所謂Fラン大学も特になんの思い出もないまま卒業した。

毎日ネットサーフィンしてオンラインゲームや映画をみながら優雅に眠る。そのゴミ人間みたいな暮らしにも飽きてきた。

その時<Infinite Dendrogram>というとあるゲームにであった。

 

そのゲームの発表は情報を目にした世界中のユーザーの度肝を抜いた。

 そんなことが可能なのか、と。

 どれだけの予算と技術を使えば実現できたのか、と。

 そして失笑した。「誇大広告を出すならもう少しリアリティを出せ」

と。

 

だが、俺はそう思わなかった。

昔から俺には一つだけ才能というか変な過去を何回か体験している。

それは面白いゲームにであったとき勘で分かるのだ。

その勘がおれに激しく告げていた。このゲームを今すぐ買えと。

そして俺は俺の人生を変えるゲームを買ってしまった。

 

「よし。やっと買えた。早く始めよう。」

そして俺はゲームのスイッチを入れた。

 

「はーい、ようこそいらっしゃいましたー」

 

 気がつくと自室ではない空間に俺はいた。

 部屋の内装は木造洋館の書斎を思わせる。

 目の前では見知らぬ猫が、作りの良さそうな木製の揺椅子に座りながら俺に話しかけている。

 

「猫が喋ってるとは驚いた。面白いチュートリアルだな。」

 

「あはは。びっくりするよねー。ごめんねー驚かせてー。

僕はチェシャ。この世界の案内人だよー。」

 

「そうか。宜しくチェシャ。早速だがチュートリアルを進めてくれるか?」

 

「よーしー。じゃあまず描画選択ねー。サンプル映像が切り変わるからどの方法が良いか選んでねー」

 

 猫……チェシャがそう言うと周囲の風景が一変した。

 書斎から広々とした空間……どこか中世ヨーロッパ風の町並みになっている。

 そこには多くの人々が歩いていたが、一定周期でその姿が切り替わっていた。

 いや、姿ではなく見え方が切り替わっている。

 現実に見るような姿からCGの姿に、CGからアニメに。

 アニメーションはレンダリングされたCGアニメーションではなく、TVアニメみたいだ。

 

「すげえ技術だな……。どうなってんだこりゃ……。ま、まあいいや現実で頼む。」

 

「了解だよー。じゃあ次は君の名前を教えてくれるー?」

 

「エスケープで頼む。」

 

「分かったー。次は容姿を設定してー。」

 

チェシャがそう言うと、目の前にのっぺらぼうのマネキンと、沢山の画面が現れた。

 画面の中には「身長」、「体重」、「胸囲」などの言葉と共に並んだスライド式のバーや、目や鼻が収まった画面がある。

 

「現実をデフォルトにしたやつで頼む。」

 

髪を赤に目を赤に背を高くし、キャラクターモデリングを完了した。

 

その他の説明を聞き初期装備の片手剣と5000リルを受け取りエンブリオを移植した。

 

「じゃあ最後に所属する国を選択してくださいねー」

 

 チェシャは書斎の机の上に地図を広げる。

 それは古びたスクロール型の地図だったけれど、広げ終えると変化が起きた。

 地図上の七箇所から光の柱が立ち上り、その柱の中に街々の様子が映し出されている。

 

「この光の柱が立ち上っている国が初期に所属可能な国ですねー。柱から見えているのはそれぞれの国の首都の様子ですー」

 

 それぞれの光の柱の周囲には、国の名前や説明が光の文字となって浮かんでいる。

 

 白亜の城を中心に、城壁に囲まれた正に西洋ファンタジーの街並み

 騎士の国『アルター王国』

 

 桜舞う中で木造の町並み、そして市井を見下ろす和風の城郭

 刃の国『天地』

 

 幽玄な空気を漂わせる山々と、悠久の時を流れる大河の狭間

 武仙の国『黄河帝国』

 

 無数の工場から立ち上る黒煙が雲となって空を塞ぎ、地には鋼鉄の都市

 機械の国『ドライフ皇国』

 

 見渡す限りの砂漠に囲まれた巨大なオアシスに寄り添うようにバザールが並ぶ

 商業都市郡『カルディナ』

 

 大海原の真ん中で無数の巨大船が連結されて出来上がった人造の大地

 海上国家『グランバロア』

 

 深き森の中、世界樹の麓に作られたエルフと妖精、亜人達の住まう秘境の花園

 妖精郷『レジェンダリア』

 

「おお!!テンションあがるなコイツは!!どうしようかなやっぱりロボがありそうなドライフか?いや、砂漠に囲まれまカルディナもおもろそうだな。エルフがいるレジェンダリアもいいな。どうしよう。」

 

そうだな…どこでもいいがここは勘で行くか。

 

「チェシャ。レジェンダリアで頼む。」

 

「おっけー。ちなみにアンケートだけど理由を教えてくれるー?」

 

「勘だ。特に理由はないな。」

 

「そ、そっか。」

 

「それでいつゲームスタートなんだ?」

 

「今からだよー。改めて<Infinite Dendrogram>へようこそ。“僕ら”は君の来訪を歓迎する」

 

 その言葉の直後、周囲から書斎が消え去った。

 机も、書架も、チェシャさえも消失し、俺自身は空に浮かんでいた。

 

「ああああああああああああああああああああああああ」

 

 

 

 

 

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