機動戦士ガンダム 不死鳥戦記   作:だいたい大丈夫

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度重なる激戦で疲弊した不死鳥隊に、つかの間の特別休暇が与えられた。
北米のプライベートビーチで、カリスたちは久々の平穏を満喫する……はずだった。
だが、部隊の煩悩と誤解が暴走する中、連邦軍の奇襲が迫っていた。


不死鳥隊の危険な夏休み

宇宙世紀0079、7月上旬。

 

 寝ても覚めても、誰かの悲鳴が耳の奥にへばりついて離れない。人間が人間でなくなっていくような、そんな絶望的な日々を送っている。

 

 だが、神は俺たちを見捨ててはいなかった!

 現在、俺たち不死鳥隊は、度重なる激戦の功労と精神的な摩耗を危惧した軍上層部の計らいにより、補給と機体整備のための数日間の特別休暇を与えられている。

 

 そして今、俺たちは北米の某所に存在する、ベースキャンプに滞在しているのだ!

 

 見上げれば、どこまでも高く澄み切った青い空。

 その空にポッカリと浮かぶ、絵に描いたような真っ白な雲。

 耳を澄ませば、ただ優しく砂浜を洗う穏やかな波の音が聞こえてくる。

 

 これほど嬉しいことはない……!

 

 ここには潮風の心地よい香りが漂っているだけだ。俺たちには、まだ帰るところがあるんだ!

 

 何がそんなに嬉しいのかって? もったいぶるなって?

 わかったよ!! 隠しても仕方ないから大声で宣言してやる!!

 

 お察しの通り、部隊の女性陣が全員、見渡す限り思い思いの『水着』になっているからさ!

 

 ここはまばゆい陽光が容赦なく降り注ぐプライベートビーチだ。

 

 俺は大きなパラソルの下で、強い日差しを遮るためのサングラスを深くかけ、快適な寝椅子にふんぞり返るようにして横たわっている。

 

 これはただの休息ではない。男としての本能と、美を追求する芸術家としての真剣な査定の時間だ!

 

 さあ、俺の脳よ、彼女たちの水着姿を一つ残らず記録し、分析し、評価を下していくぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 まずはマリアだ。マリア・オーエンス少尉。

 

 あいつは本当にけしからん! なにしろ、普段の無骨な軍服の上からでも隠しきれていなかった、とても『良いもの』をこれでもかというほどにお持ちになっているんだ!!

 

 彼女が選んだ水着は、太陽の光に映えるビビッドなブラウンのビキニだ。少し布の面積が足りていないんじゃないかと心配になるくらい、彼女のたわわな果実をギリギリのところで支えきっている!

 

 

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 今、マリアは波打ち際でシェルドを相手にビーチバレーに興じている。

 

 彼女が砂を蹴ってスパイクを打つたびに、そして着地するたびに、揺れる、揺れる!! 猛烈に揺れ動いている!!

 

 重力という見えない力が、あそこまで美しく、そして暴力的に作用するのを俺はかつて見たことがない。

 

あの圧倒的な弾力と質量は、コロニーの重力ブロックの遠心力すらも完全に凌駕しているぜ!

 

 顔を真っ赤にしてボールを追いかけているフリをしているが、あいつの視線は完全にマリアの胸元に釘付けになっている。十五歳の少年にあの破壊力は毒が強すぎる。俺ですら凝視してしまうのだからな。

 

 そして、視線を少し右に移せば、整備班長であるケイ曹長(新規配属、二十五歳)の姿がある。

 ケイさんは普段、ツナギを着込んで、顔にグリスをつけながらエンジンルームでスパナを振り回している職人肌の女性だ。

 

 だが、そのツナギを脱ぎ捨てた彼女の姿は……まさに奇跡だ!

 大人の落ち着きを感じさせる深いネイビーブルーのワンピースタイプの水着だが、胸元のカッティングが恐ろしく深く、あんなに素晴らしい魅惑の渓谷を惜しげもなく披露しているなんて……グヘヘ。

 

 普段の男勝り、この水着姿のギャップが、なんとも言えない大人の色気として俺の脳髄を直撃してくる。ツナギの下にこんな爆弾を隠し持っていたなんて、整備班の連中もさぞかし仕事に集中できないことだろう。

 

 さらに視線を巡らせると、エリスの姿が目に入ってくる。

 彼女は自分のスレンダーで引き締まったプロポーションを最大限に活かした……って、ちょっと待て!! なんだあの防御力ゼロの紐みたいな大胆すぎる水着は!!

 

 

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 ブルーとブラックのマイクロビキニ! 法に触れる一歩手前の極小サイズじゃないか!!

 

 あんな水着、少し波を被っただけでポロリと大惨事になるに決まっている! エリスは俺の身の回りの世話を焼くことには異常に厳しいくせに、自分の身の守りに関してはどうしてこんなに無防備なんだ!

 

 マークの奴め、どうして事前にチェックして止めなかったんだ! これは由々しき事態だぞ。俺が部隊長としての責任感を発揮して、彼女のあの肌の隅々まで、直々に日焼け止めを塗り込んで差し上げなくてはならないな!! いや、あくまで紫外線から部下を守るという純粋な軍務の一環としてだぞ!

 

 いやいや! ちょっと待て、あそこに見えるのはエターナお姉様じゃないか!

 また、大人の色気が完全にカンストしている、扇情的なビキニを身に纏っている……!!

 

 

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 彼女は砂浜に敷いたベンチ上に横たわり、優雅にカクテルグラスを傾けている。太陽の光を浴びたその肌は、艶めかしく輝いている。

 

 彼女の胸は、マリアのように不自然に大きくもなく、かといって小さくもない。手のひらにすっぽりと収まりそうな、あの絶妙な黄金比がまた……たまらん! 女性としての完成度が異常に高い。少し流し目でこちらを見ているような気もするが、あの誘うような視線に捕まれば、どんな男も一瞬で骨抜きにされてしまう。

 

 ああ、俺もあの隣に寝そべって、大人の女性の余裕というやつに思い切り甘やかされてみたい……。

 

 いやいやいや! いかんいかん、俺は何を考えているんだ!

 俺は、遠い宇宙で俺の帰りを健気に待っている愛しのハマーンに、男としての純潔と操を立てる身なのだ。こんな誘惑に負けて、鼻の下を伸ばしている場合ではない。俺にはハマーンという究極の女神がいるのだから……グヘヘヘ。

 

 

 ……さて、気を取り直して別の方向を見てみよう。

 エルフリーデは……あいつは何をやっているんだ。

 

 一人だけビーチの隅っこの岩場に座っているが、首の付け根から手首、そして足首まで、バッチリと全身真っ黒な長袖長ズボンのラッシュガードを着込んでいる。

 

 肌の露出が完全にゼロだ。色気もクソもあったもんじゃない。

 「騎士の肌を安々と太陽の下に晒すわけにはいかない」とか何とか言い出しそうな雰囲気で、ただ一人、海を睨みつけている。

 まるで岩場にへばりつく巨大な海カエルのようだ。水着の査定という意味では、特に言うことなし! 評価不能! 次へ行こう。

 

 むむむっ!?

 俺の視界の端を、信じられない光景が横切っていく。

 パラソルの下へ冷たい飲み物を運んできてくれたあの女性は……ニキさんじゃないか!!

 

 彼女が、あのいつも隙なく着込んでいるカッチリしたタイトな軍服の下に、こんなにいいボディを隠し持っていなさったとは!!

 

 

 

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 彼女が着ているのは、知的な彼女にぴったりな、純白のホルターネックのビキニだ。

 無駄な脂肪が一切ない、日々の鍛錬で実に美しく引き締まった腹筋のライン。すらりと伸びた長い脚。そして、決して主張しすぎないが確かな存在感を放つ胸元。実に均整の取れた、計算し尽くされたかのような芸術的な美を感じる……!

 

 凛とした雰囲気と、この水着姿の破壊力が絶妙にブレンドされて、俺の理性を激しく揺さぶってくる。

 

 いつも俺に対して冷ややかなツッコミを入れてくる彼女だが、今だけは、ほんのちょっとだけでいいから、あの引き締まった背中を後ろから思い切り抱きしめてみたい!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 煩悩のパレードが止まらない。

 

 右を見ても左を見ても、男の理性を狂わせる桃源郷が広がっているのだ。

 

 このままでは、俺の欲望がリミッターを振り切って大爆発を起こし、憲兵に連行されるような不祥事を引き起こしてしまうかもしれない。

 

 何か、何か俺のこの燃え盛る煩悩を抑え込んでくれるストッパーが必要だ!

 

 パラソルの影で、同じように寝椅子に座って休んでいるマークの背中を見つける。

 これだ。これしかない。

 

 勢いよく飛び起きると、マークの背後へ忍び寄り、まるで夏の木にしがみつくセミのように、両手両足を広げて彼の背中にガッチリとしがみつく!

 

「ブツブツブツブツ……俺はハマーン一筋、俺はハマーン一筋、地上の女に惑わされるな、俺の心はソロモンにある、ブツブツブツブツ……」

 

 目を固く閉じ、マークの背中に額を擦り付けながら、謎の念仏のような呪文を必死に唱え続ける。

 

「……なあ……カリス……。あんた、背中に抱きつくのはやめてくれないか……?ただでさえ気温が高くて暑苦しいのに、端から見たら男同士で抱き合ってる完全に頭のおかしい変態だぞ」

 

非難の言葉が突き刺さるが、俺はしがみつく力を絶対に緩めない!

 

「ん?ああ、すまん。だがな、マーク。俺の立場も少しは理解してくれ。俺としては、こうして同性であるたくましいお前と密着して、男のオーラを直接吸収していないと、周囲の女性陣の破壊力満点の水着で、理性のタガが外れて、欲求が爆発しそうでな……。これも愛するハマーンへの貞操を守るための、苦肉の策なんだ。部下なら上官の精神安定剤になる義務があるはずだ」

 

「知るか!!そんなもんてめえの性癖の問題だろうが!自分の煩悩のストッパーに、俺の背中を使うな!とにかく今すぐ離れろ、気持ち悪い!!」

 

 マークは力任せに俺の腕を掴むと、強引に背中から引き剥がし、そのままの勢いで砂浜の上へ向かって投げ飛ばしやがった!

 

「ぐわっ!」

 

「むうう……冷たい奴め。副長のくせに隊長の心のケアもできないのか。……おっ、おお!そこにいるのはジュナスじゃないか!すまんが、しばらく俺にこうさせておいてくれ!」

 

すぐさま標的を切り替える!

 

ジュナスなら、マークみたいに乱暴に投げ飛ばしたりはしないはずだ!

 

 背中に俺が張り付いたことに気づくと、ジュナスは読んでいた本からゆっくりと目を離し、少し驚いたように大きな目をパチパチと瞬かせる。

 

「……ん?ああ、少佐か。別に良いよ。好きなだけそうしていてくれて」

 

 怒るどころか、驚くほどあっさりと受け入れてくれる。声のトーンもいつも通り穏やかだ。

 

「ふふふ。流石は俺の優秀な部下だ。マークみたいな心の狭い奴と違って、お前は本当に器がデカいな。これで少しは俺の心の平穏が保たれるってもんだ。このまま少し、男の友情を感じさせてくれ」

 

 安堵の息を吐き、ジュナスの背中に顔を押し付ける。

 これで、水着の誘惑から逃れて煩悩を鎮めることができる……。

 

 しかし、その時だった。

 ジュナスの細身の腕が、背中にしがみついている俺の腕を、まるで絡め取るかのようにゆっくりと下から撫で上げてきたのだ。

 

その手つきは、男同士のじゃれ合いにしては異常なほど優しく、だが同時に絶対に逃げられない力がこもっている。

 

「……え?」

 

 ジュナスは俺の腕を器用にすり抜けると、滑るような動きで俺の背後へと回り込む。その身のこなしは、まるで獲物を狙う一匹の蛇のように滑らかで音がない。

 

視線を横に向けると、ジュナスの瞳が間近に見える。その瞳は、いつもの虚ろで無表情なものとは全く違い、ギラギラと輝いている。

 

「……こういう趣味はさ、軍隊の中じゃ、あまり大っぴらに言っちゃいけないと思っていたんだけど……。そっか、カリスは女の子だけじゃなくて、両方イケる人だったんだね。嬉しいよ。僕もね、実を言うとずっと、カリスのことが、たまらないなって思っていたんだ……」

 

「…………は?え?あ?ちょっ、待っ……!!」

 

俺の脳みそが、その言葉の意味を理解するのを全力で拒絶している!

 

「嘘だろ!?お前、そっちの趣味があったのか!?離せ、冗談だろジュナス!!」

 

 必死にもがいて彼から逃れようとするが、ジュナスの力は見た目に反して恐ろしく強く、俺の体をガッチリとホールドして離さない!

 

「冗談じゃないよ。カリスから求めてくれたんだから、最後まで面倒見てあげるよ。さあ、一緒に楽しもうか……」

 

 俺の貞操は、ハマーンに捧げる前に、まさかの同僚によって奪われてしまうのか!? 誰か、誰か助けてくれ!!

 

 

 

 

 

◇◇

 

 

 

 

 

 

「えっと……あれ、どういう状況なんでしょうか。カリス少佐、マーク中尉に思い切り振られたかと思ったら、今度はものすごい勢いでジュナス少尉の背中に抱きついてますけど……。もしかして少佐は、私たちが思っている以上に、欲求不満をこじらせてしまっているんですかね? いくらなんでも、男の人に抱きつくなんて……」

 

マリア! そもそも『振られた』って、俺はマークに告白なんかしてない! そして『欲求不満をこじらせて男に抱きついてる』って、お前はどんな腐ったフィルターを通して現実を見てるんだよ! ただの緊急避難だ!

 

「どうやらそのようですね……。全く、フロートニック家の御曹司として嘆かわしい限りです。ですが、少佐のあの奇行にも、一応の説明はつきます。少佐は、私たちのこの魅惑的な水着姿を直視するのが恥ずかしくて、そして自らの理性を保つことができなくて、その行き場のない欲望を、あろうことかボーイズラブ的なベクトルへと発散しているようです。なんと難儀で、そして救いようのない性癖なのでしょうか」

 

エリス!なんだその冷静沈着なトーンで語られるイカれた分析は! BL的なベクトルに発散してるって、そんな倒錯した設定にこじつけるな! 誰がボーイズラブだ!

 

「うむ! なるほど、そういうことであったか! いや、素晴らしいことではないか!いわゆる『衆道』というものは、古来より武士や騎士たちの間では高尚な嗜みであると、私の亡き兄様より聞かされたことがある! 戦場という極限状態において、主君と家臣が身も心も深く結ばれ、互いの命を預け合う関係になるというのは、大いに結構なことではないか! ああ、私もカリス隊長の剣となり、あのようにお側に侍りたいものだ!」

 

エルフリーデ!一人だけ深く納得してんじゃねえ!『衆道』ってなんだよ! 時代錯誤な武士道と騎士道を都合よくブレンドして勝手に感動に打ち震えるな!

 

「えーと、エルフリーデ少尉……男の人同士の友情って、そういうものなのでしょうか……? 私にはちょっと難しすぎてよくわからないんですけど……。でも、こころなしか、あっちの方から少佐の悲鳴みたいな声が聞こえてくるような気がするんですけど……気のせいでしょうか?」

 

ルナ! お前だけだ、まともな視点を持ってるのは! そう、俺の悲鳴は気のせいじゃない! 本気でSOS出してるんだよ! 早く助けてくれ!

 

「ふふっ。ルナちゃんはまだ子供だからわからないのよ。最初はね、誰だって痛いものなの。……女も……そして、男もね。自分の中に、入れられるときは、恐怖と痛みが伴うのが自然な反応なのよ。あの悲鳴は、大人の階段を登るための産声みたいなものね」

 

エターナお姉様!? 真昼間のビーチでなんてド直球な下ネタぶっ込んでるんですか! 『入れられる恐怖と痛み』って、俺の大人の階段を勝手にプロデュースしないでくれ!

 

「そ、そうですよね……。最初は、すごく……痛かったです……。シェルド、普段はあんなに気弱で泣き虫なのに、夜は、なんだか別人のように力が強くて……。私も……彼を抱きしめたら、そのまま……っ。い、いやだ、私ったら何を思い出してるの!」

 

「そうですか? 私はそれほど痛くはありませんでしたよ。マークが、ああ見えてすごく優しく、丁寧にリードしてくれましたから。彼、戦場ではあんなに乱暴でガサツに見えますけど、ベッドの上では繊細で、私のことを本当に大切に扱ってくれるんです。ですから、恐怖よりも安心感の方が大きかったですね」

 

「えっ!? ええっ!? ケホッ、ゲホッ……! み、みなさん、もしかして、そういう大人の『経験』が、すでにあるっていうことなんですか!? マリアさんも、エリスさんも!? 嘘ですよね!?」

 

「ハハハ! おいおいルナ! アンタのその反応を見る限り、もしかしてここの女の中で、まだ男を知らないままでいるのは、アンタだけってことだな!! 初々しいねえ、実に可愛らしいよ! 戦場なんていつ死ぬかわからないんだから、アンタも早いとこ、いい男を見つけて女にしてもらいな!」

 

「う、うわあああん! ケイさん、やめてくださいよぉ!! 恥ずかしいです!! 私なんてまだそんなの、全然わかんないんですから!!」

 

 

 

 

 

 

 

「や、やめろ! ジュナス! 頼むから嘘だと言ってくれ、ただの冗談だろ!? 目は口ほどに物を言うっていうか、お前の目が、本気だって物語っているんだよ!! なんで、なんで俺の上に馬乗りになりながら、自分のズボンの紐をゆっくりと解き始めているんだよ!! おかしいだろ!!」

 

完全にホールドされてる! 関節技と体重移動が完璧すぎて一ミリも動けない!

 

「大丈夫だよ、カリス。そんなに怯えないで。宇宙の広さに比べたら、最初の痛みなんてほんの一瞬の出来事さ。すぐに、溶けるような快感に変わる。君は毎日、精神をすり減らして苦しんでいるじゃないか。僕が、僕の深い愛で、その心の隙間を全部、余すところなく埋めてあげるから。だから、全部僕に委ねて」

 

「ふざけるな!! 精神の摩耗をそんな物理的な方法で埋めようとするな!! そんなご立派に反り立っている凶器を、尻に当てるな!! やめて!! 本当にやめてっての!! 俺の初めては、愛しのハマーンに捧げるって、固く心に誓っているんだ……いや、そもそも相手が男とか女とかそういう問題じゃなくて!! 誰か、誰でもいいから俺を助けろおおおっ!! マーク!! エリス!! 助けてくれええええっ!!」

 

 

――ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!!

 

って、第一種戦闘配備のサイレン!?

 

『総員、直ちに第一種戦闘配備につけ!! 貴重な休暇の最中に本当にすまないが、非常事態だ! 敵の部隊が、我が軍の沿岸警戒レーダーに捕捉された! 連邦軍による、海中からの大規模な浮上攻撃だ! 敵は無数の潜水艦隊! 補給線に対し、奇襲をかけるつもりと思われる! モビルスーツ隊のパイロットは、直ちに出撃準備を完了させよ!!! 繰り返す、モビルスーツ隊は直ちに出撃せよ!!!』

 

パラソルの下で優雅に恋愛トークしてた女性陣たち、サイレン聞いた瞬間に空気が『ガチの戦士』に切り替わったぞ! グラス放り投げて、水着の上にノーマルスーツ引っ掛けながら格納庫へ猛ダッシュしてる! 切り替えの速度がニュータイプ級だろ!

 

「……ちっ」

 

ジュナス! 俺の上に馬乗りになったまま、めっちゃ忌々しそうに舌打ちすんな!

 

「連邦の奴ら、本当に空気の読めない、最悪のタイミングで邪魔をしてくれるね……。せっかくの良いムードだったのに。仕方ない、カリス。続きはまた今度。少佐、早く着替えないと置いていくよ」

 

俺にとっては最高のタイミングだ! そして「続きはまた今度」じゃねえよ! 永遠に封印しろ!

 

「のおおおおおおおお!!!!! ありがとう!! ありがとう連邦軍!! 今日だけは!! 今日、この瞬間だけは、地球連邦軍に、心の底から最大級の感謝と敬意を表するぞおおおっ!!!!」

 

「俺は戦う!! この身を賭して、命に代えてでも、この美しい海を、そして俺の貞操を絶対に守り抜いてみせる!! ザクだ! 俺のザクはどこだ!! 早く俺をザクに乗せろおおおっ!!! 連邦軍の潜水艦ども、俺の純潔を守ってくれた礼に、一隻残らず海の藻屑にしてやるから覚悟しろおおおっ!!!」

 

今日という日、俺は連邦の存在を少しだけ愛おしく思えたのだった。

 

……って、綺麗にまとめてる場合か! 急いで出撃しないと基地が沈むわ!!




ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回は、不死鳥隊の休暇回と、そこからの緊急出撃を書きました。
水着回の掛け合いや、カリスとジュナスの騒動、最後の連邦軍襲撃など、印象に残った場面があれば感想をいただけると嬉しいです。
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