生産職のシャングリラフロンティア   作:ゆやた

1 / 2
設定やストーリーがいくつか思いついたので書き始めました。地の文が下手すぎたので、AIさんに添削してもらったところ、優しい口調で改善策(ダメ出し)されました。いつか一人で書けるようになりたいです。


生産職のシャングリラフロンティア

見渡す限りの美しい水晶。きらきらと光を反射する群青の群生は、まるで星空を閉じ込めたかのようだ。ひんやりとしたそよ風が肌を撫で、ここがゲームの世界であることを忘れさせる。

前世から夢見た「シャングリラフロンティア」の世界。そのゲームの中で、俺は今、原作主人公が訪れた場所の聖地巡礼――もとい、宝石を扱う職業“宝石匠(ジュエラー)”へと至るための宝石アクセサリー制作クエストの素材集めとして、此処「水晶巣崖(すいしょうそうがい)」に立っていた。

 

「ん〜!風が気持ちいいぜ」

 

思わず大きく両手を広げて深呼吸をした、その時だった。

カタリ……。

背筋に冷たいものが走る。

おっといけね……。この場所は、音や振動に反応する“あの”モンスターがいるんだった。

俺は慌てて口元を両手で覆い、その場にしゃがみ込む。そろり……そろりと、聳え立つ水晶の柱を盾にしながら、足音をたてないようにして目的の場所まで移動していく。心臓の鼓動が、VRの振動機能を通じてリアルに胸を叩いていた。

目的の採掘ポイントに到着した俺は、はやる気持ちを抑えながらツルハシを構えた。

狙うは、風と地の属性を宿した二つの超レア素材「ローエンアンヴァ琥珀晶」だ。

カキン、カキン、と慎重に水晶の表面を削っていく。

運良く、目当ての輝きがすぐに顔をのぞかせた。新緑のような爽やかな緑色と、大地を思わせる深い茶褐色。二つの琥珀晶をインベントリに回収した瞬間、脳内で勝利のファンファーレが鳴り響いた。

だが、歓喜の余韻に浸る間もなく、ツルハシの最後の一撃が、静寂なフィールドに高く響き渡ってしまう。――カーンッ!

しまった、と思った時にはもう遅かった。

背後から、ガラスを激しく引っ掻いたような不快な駆動音が響く。

振り返ると、そこには不気味な輝きを放つ、巨大な水晶の蠍――「クリスタルスコーピオン」の群れが、こちらを完全にロックオンしていた。

 

「うおっ、やっぱり来やがったな!」

 

地響きを立てて突進してくる群れのスピードは、フルダイブVRの視覚効果も相まって心臓が止まりそうなほどの迫力だ。まともに戦えば一瞬でデスペナルティ(死亡)確定。しかし、転生者である俺には、前世の知識とこの日のために用意した秘策がある。

俺は走りながら、事前に錬金術師のプレイヤーに特注して作ってもらった特殊アイテム「アイスボール」をインベントリから実体化させた。手の中に現れた冷たい球体を、思い切り足元の地面へと叩きつける。

パリンッ!という小気味いい破砕音と共に、水晶の床が一瞬で鏡のような極氷へと変化した。

 

「くらえ! 特製ローションエリアだ!」

 

突進の勢いを止められない最前列のクリスタルスコーピオンたちが、面白いように足を滑らせてスピンしていく。

ドンガラガッシャーン!!

まさに大惨事。制御を失った先頭の巨体が、後ろから猛スピードで追従していた後列の仲間たちを容赦なく巻き込み、美しい水晶の蠍たちが芋蔓式に激突し合う。ゲームの物理演算がフル稼働したかのような、凄まじい大クラッシュの音が洞窟内に木霊した。

 

「よし、計画通り!」

 

敵がパニックに陥っている絶好のチャンスを逃す手はない。俺はすかさず懐から別のアイテム「煙玉」を取り出し、地面に叩きつけた。

辺り一面にブワッと広がった濃い紫色の煙が、モンスターたちのヘイト(敵対心)と視界を完全に遮断する。

背後から聞こえる蠍たちの怒りの咆哮をシャットアウトするように、俺は全速力で出口へと駆け抜けた。




アイスボール
サンラクの物理演算さそり落下を参考に、後ろの奴らは急には止まれない。という性質を利用した簡易事故発生アイテム。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。