響け!元野球部吹部初心者のユーフォニアム   作:桜紅月音

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もう一つの作品を読んで頂いてる方はおはこんばんにちは。
初めての方は初めまして。

悩みに悩んだ結果がこれです。

まぁ、その、気楽に読んで行ってくださいね。


1.こんにちは北宇治高校

 

甲子園_それは高校野球児にとって、一度は立ってみたい場所である。

 

「浩輔は、六華から推薦来てたのに、うちじゃなくて良かったの?」

 

「立華の方が甲子園に近いのはそうなんだけど…」

 

中学三年_いや、もう高校一年生になる年の3月。

小学校から仲の良い佐々木梓と河川敷で話をしていた。

 

「立華を蹴ったって聞いた時はびっくりしたよ」

 

「言って無かった事に関しては謝るよ…」

 

「北宇治には、久美子達が居るもんね」

 

「それは関係ないでしょ…」

 

「だって、浩輔って久美子の事ずっと気にしてたでしょ?」

 

「それはまぁ…」

 

さっきから話している、久美子というのは黄前久美子。梓や僕と同じ中学校出身で、梓と同じ吹奏楽部に居た女の子。気にしてたっていうのは、僕達でいう甲子園であるコンクールのメンバーに、当時一年生だった久美子が、当時の3年生の先輩をコンクールメンバーに選ばれて、それを妬んだ先輩から八つ当たりとあからさまな無視による仕打ちを受けており、それを聞いた僕は、久美子を守りに行ったとかの事。

 

「おかげで私が告白しても、全然首を縦に振ってくれないし」

 

「それはほら…梓に悪いからさ」

 

「今はどうなの?」

 

「…今か…」

 

「私は、今でも浩輔の事好きだよ」

 

「その言葉も何回聞いた事か…」

 

「もう茶化さないで。私は本気なんだから」

 

「はいはい」

 

梓とはいつもこんなやりとりをしてばっかりである。

 

「そろそろ帰るか」

 

「後ろ乗って良い?」

 

「はいはい…お好きにしてください」

 

僕は梓にそう言って、自転車に跨り、梓が僕に身体を任せるように抱き着く。

 

「梓、本当に大きくなったよね」

 

「ちょっ!?どこの事言ってんの!?」

 

「それは内緒」

 

僕がそう言うと、梓は僕の背中をこれでもかというくらいに叩いてくる。

普通に痛いので辞めて欲しいが、明らかに僕が悪いのでこれ以上は何も言えない。

 

「さっきはごめんって」

 

「…連絡、取ってくれるなら許す」

 

「えっ?」

 

「だから!私も浩輔も、高校違うし、部活も忙しくなるでしょ?だから、これからも連絡取ってくれたら許す」

 

「それはもちろん」

 

「なら、オッケー」

 

梓はそう言って、僕のそばに駆け寄ってきて、頬にキスをしてきた。

 

「ちょいちょい…なんでキス!?」

 

「これはまだ、私たちが付き合ってないから、本当は唇にしたいけどね」

 

梓はそれだけ言うと、家の中へと入っていった。

頬に梓の感触が残る中、僕も家へと足を進めた。

 

 

 

 

*******

 

「久美子、おはよー」

 

次の朝、北宇治に向かう途中で、駅で久美子と偶然会った。

 

「浩輔、おはよー自転車じゃないんだ」

 

「うん、練習前に自転車漕いで行くのしんどいから」

 

「おい野球部…それでいいのかな」

 

「口に出てる」

 

僕がそう言うと、久美子はハッと口を塞ぐ。

 

「僕だからいいけど、先輩とかにしないようにね」

 

「…気を付けます…」

 

「全く…」

 

電車内では、特にこれといった話をすることはなく、北宇治の最寄り駅に着き、久美子と通学路を歩いて行く。

そして、校門を抜けるとそこには_

 

「新入生の皆さん。北宇治高校へようこそ」

 

「あ、吹部だ」

 

「北宇治の吹部ってどんな感じ?」

 

「えっと…ね…」

 

僕が久美子に聞くと、久美子は気まずそうな感じになっていた。

うん…なんとなくだけど分かった気がする。梓に付き合わされて、コンクールにも行った事あるから少しばかりは分かる…筈…流石に梓や久美子には負けるけど

 

「輝かしい皆さんの入学を祝して」

 

リボンの色が緑の先輩が指揮棒を振り始めて、演奏を開始したのだが…

 

「…」

 

周りにいる同級生は、目を輝かせていた中で…

 

「なぁ…久美子…これって」

 

「うん…だめだこりゃ」

 

僕もだけど…久美子、それは言い過ぎじゃ…

 

 

 

そんな事もあった後、僕と久美子はなんと同じクラスだった。

 

「席が隣になるなんてね」

 

「そうだよね。ともあれ1年間よろしく頼みますよ、黄前さん」

 

「なんで苗字呼びなの?」

 

「気にしないで」

 

席順は、窓側から五十音順でなっていた。

僕の名前が工藤なので、久美子の上の名前である黄前だから、隣同士になった。

 

「それは置いておいて、さっきのあれどう思った?」

 

「ばらばらしてた、ピッチも合ってないし、リズムも、でもまあ、全国目指してる感じじゃないんだろうなあ あっ…でもあれは下手だよなって感じ」

 

「僕が言える立場ではないけど…下手だったよな…」

 

僕がそう言ったタイミングで僕達の前に一人の女の子がやってきた。

 

「何が?」

 

「えっ?」

 

「今、言ってたじゃん二人で下手だよなーって」

 

「ていうか あなたは?」

 

「私?加藤葉月 後ろの席だからよろしく!」

 

「私、黄前久美子 よろしく」

 

「僕は、工藤浩輔、よろしくね」

 

お互いに名前だけだけど、自己紹介を交わす。

 

「で、何が?」

 

加藤さんがそう言って、話を聞こうとしたタイミングで_

 

「席に着け!高校生にもなって教室で馬鹿騒ぎするというのはあまり褒められた物ではないな。 なんだ? そのスカート丈は? すぐ直せ」

 

「すみません」

 

なんか怖い先生が来たな…そして、久美子、サラっとスカート丈直したよね?

 

「えー、私はこの1年3組を担任する松本美知恵だ。まずは名前を確認する」

 

松本先生はそう言って、名簿を見て名前を呼んでいく。

加藤さん、いい返事だなって思っていると、

       

「かわしま あ、りょくき?」

 

「すみません。あの。それさふぁいあです 緑が輝くと書いてサファイアです」

 

僕の列の一番前に居る川島さんはそう言って、顔を真っ赤にして周りをきょろきょろする。

なんか可愛いなあの子

 

「サファイアかあ。かっこいいねー」

 

「うん」

 

そして、学活を終えると、葉月さんが声をかけてきた。

 

「久美子!と浩輔!一緒に帰ろう!」

 

「いいよ」

 

「ぇっ 久美子?」

 

「う、合ってるよね? 名前」

 

「あ、うん、それはあってる」

 

「よね! 私、葉月ね。加藤とかでもいいよ。適当に呼んで」

 

「一緒に帰る子いないの?あぅぅ」

 

「いや、私さ、高校で新しい友達作って新しいこといっぱいするって決めてるんだ。だから宜しくね!久美子ちゃん!浩輔君!」

 

随分と慣れ慣れしい子だと思っていたけど、そう言う事なら友達になってあげたい

 

「僕の事も好きなように呼んでくれていいよ、よろしくね葉月ちゃん!」

 

「浩輔は本当にすぐに仲良くなれるよね本当」

 

そんなやり取りをして、三人で教室を一緒に出ると、葉月ちゃんはさっきの話を掘り起こしてきた。

 

「で、何が下手だったの?」

 

「それはもういいじゃん」

 

「あっ オパールちゃん!」

 

僕達と同じタイミングで、川島さんも反対側のドアから出てきた。

というか葉月ちゃん、名前間違えてるよ

 

「ちがうよ、なんかもっと緑色っぽい」

 

「あの。。。あのあの、それってチューバ君ですよね」

 

「えっ?」

 

「かわいいなーチューバ君 大好きなんです。触ってもいいですか?」

 

川島さんは、久美子の鞄に付いてるチューバ君というぬいぐるみを見てそう言ってきた。

 

「ねえ、オパールちゃん!」

 

「サファイアです」

 

「あぁぁ、ごめん。サファイアちゃん」

 

「好きなんだ?」

 

「はいーかわいいなー」

 

「なにそれ?」

 

「チューバのゆるキャラだよ」

 

「ああ、チューバ?」

 

「金管の楽器」

 

「金管の楽器?」

 

どうやら葉月ちゃんは知らない模様_

知らなくても仕方ないといえば仕方ないか。僕だって梓と久美子が居なければ知ってないと思うし

 

「みどり吹部だったんですよ。コンバスやってました」

 

「コンバス?」

 

「みどり?」

 

「みどりというのはみどりの名前です。サファイアってなんかあれですし。みどりって呼んでいただけるとありがたいなって思ってます。そしてコンバスと言うのは楽器の名前です。こーーーんな大きなバイオリンのお化けみたいなやつです。知ってますか?」

 

川島さんは身体を使って、コンバスを表す。

 

「それ見たことあるよ」

 

「ありますか!」

 

「私も吹部だったよ」

 

久美子がそう言うと、川島さんは「ほんとですか!」と言ったけど…僕達の名前を覚えてないのかどうしたらいいのか分からなくなっていた。

 

「黄前久美子 久美子でいいよ。こっちは工藤浩輔、浩輔でいいよ、私は葉月ね。よろしく!」

 

僕と久美子の自己紹介取られちゃったんですけど…

 

「アイ コピー! 久美子ちゃんは、久美子ちゃんのパートは」

 

「ああ 低音。ユーフォやってたよ」

 

「なるほど。ぽいですね」

 

「う、え、 ユーフォー?」

 

「ユーフォーじゅなくてユーフォ ユーフォニアムっていう。あ、これの小さいの」

 

「へーー だいぶちっちゃいね」

 

「うん?」

 

「私ね、中学まではテニス部だったんだけど、高校からは吹奏楽やろうと思ってるんだっ」

 

「えーー、うそーー。みどり今から吹部の見学行くんです。もしよかったらみんなで一緒に行きませんか?」

 

川島さんがそう言って、僕は野球部に行こうとしたんだけど、葉月ちゃんと久美子によってそのまま吹部へと連れて行かれるのだった。

 




この作品は不定期更新なので…急に投稿が増えたり、一か月開いたりするかと思いますが許してください。
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