元野球部が過ごすクラリネットパートにようこそ   作:桜紅月音

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麗奈と梓ちゃん人気ですねぇ〜


ヒロインは、麗奈、梓、秋子ちゃん、牧ちゃん、さやかちゃん、クラの面々あたりに絞ってますが、これは変わるかもしれぬ。


17.重い空気

 

昨日、麗奈と話した翌日。吉川先輩の一言によって事件は起きた。

 

 

「先生!一つ質問があるんですけどいいですか?」

 

 

「何でしょう?」

 

 

何か嫌な予感がする。僕は直感的にそう思った。

 

 

「滝先生は高坂麗奈さんと以前から知り合いだったって本当ですか?」

 

 

昨日、香織先輩が言うなと忠告をしていたが、先輩は先生にそう聞いてしまった。

 

 

「それを尋ねてどうするんですか?」

 

 

「優子ちゃん、ちょっと」

 

 

香織先輩は、吉川先輩を止めようとしたのだが_

 

 

「噂になってるんです。オーディションの時、先生がひいきしたんじゃないかって。答えてください、先生」

 

 

香織先輩の制止も虚しく、先輩は先生にそう聞いた。

 

 

「ひいきしたことや誰かに特別な計らいをしたことは一切ありません。全員公平に審査しました」

 

 

そりゃそうだ。滝先生はそう答える。

 

 

「高坂さんと知り合いだったというのは?」

 

 

「事実です」

 

 

滝先生はその事実を認め、先生の言葉によって部員達からはざわめきが起った。

 

 

「父親同士が知り合いだった関係で、中学時代から彼女のことを知っています」

 

 

「何故だまってたんですか?」

 

 

「言う必要を感じませんでした。それによって指導が変わることはありません」

 

 

滝先生はそう言う。言う必要は無いのだが…今の状況で、先生の言葉を信じろと言うのは難しい。

 

 

「だったら」

 

 

「だったらなんだって言うの?先生を侮辱するのはやめてください。何故私が選ばれたかそんなのわかってるでしょ?香織先輩より私の方が上手いからです」

 

 

麗奈…はっきりと言い切ったな…だが、ここでそう言う言い方はよくない気が…

 

 

「あんたねー、うぬぼれるのもいい加減にしなさいよ!」

 

 

「優子ちゃん、やめて!」

 

 

香織先輩は先輩の事を制止するが…こうなっては人は止まらない。

 

 

「香織先輩があんたにどれだけ気ぃ使ってたと思ってんのよ!それを!」

 

 

「やめなよ」

 

 

近くに居た夏紀先輩が中に入って止めようとしてくれたが…

 

 

「うるさい!」

 

 

吉川先輩は止まらない。でも__

 

 

 

 

 

「やめて!」

 

 

 

 

 

香織先輩の悲痛な叫び声で、吉川先輩は事の重大さを自覚したのか、ようやく止まった。

 

 

「ケチつけるなら、私よりうまくなってからにしてください」

 

 

麗奈はそう吐き捨てるように、音楽室を去って行き、その後を久美子が追っていった。

 

 

「準備の手を止めないでください。練習を始めましょう」

 

 

滝先生は、そんな二人の事は置いておいて、そう言うのだった。

それからというのも、麗奈と滝先生の疑惑が膨れ上がる中、先生が無言を貫く為、部員達からは不信を持たれつつあった。

 

 

「滝先生…なんで言ってくれなかったんだろうね」

 

 

「僕は言ってもこうなってたと思いますよ」

 

 

「そうだけど…知ってるのと知らないのとでは違うと思う」

 

 

「そうですけど…」

 

 

パート練習。鳥塚先輩、島先輩とさっきの事について話合っていた。

というか、先生に対しての不信感で集中力が切れてしまったという方が強い。

 

 

「浩輔君、随分と先生と高坂さんの肩を持ってるよね」

 

 

「そうですかね」

 

 

「はい。私も思いました」

 

 

「それに関しては、麗奈と知り合いっていうのが強いかと…」

 

 

「むむむ、私、いつも思うんだけどさ、キミ、高坂さんと黄前さんに対しては私情入ってるよね。私たちには、中立ですってふるまいをしてるのに」

 

 

「はい、そうですよね先輩」

 

 

さっきから、島先輩。鳥塚先輩の意見に対して肯定マシーンになってないか。

ま、いいや

 

 

「島先輩は、さっきから肯定しかしてないんですけど…そこんとこはいいんですか?」

 

 

「私は、ヒロネ先輩信者だから」

 

 

「あっ、はい」

 

 

島先輩の言葉に呆気を取られていると、一年生組が返ってきた。

 

 

「滝先生、マジで怖かった」

 

 

「布団を片付けただけであんなに怒るのはおかしいでしょ!」

 

 

高久さんは、怯えながら、植田さんは怒りに任せてそう言っていた。

どうやら、音楽室でひと悶着があったらしい。

 

 

「そっちもそっちで大変だね…」

 

 

「本当に大変ですよ、全く…!」

 

 

こんな植田さんを見たことがない僕は、再び呆気に取られていた。

 

 

「あっ、浩輔君。モナカ集合だって」

 

 

「高野、了解。それじゃあ、僕行きますね」

 

 

「うん、そっちも頑張ってね」

 

 

「はい。先輩方も頑張ってください」

 

 

そうは言うが、集中力を失っている現状では、頑張れるかは不明ではあるが…

 

 

「聞いてよ、浩輔君ー」

 

 

教室に入るや否、ララちゃんが僕のそばまでやってきた。

 

 

「ララちゃん、どしたの…」

 

 

「さっきさー」

 

 

ララちゃんはそう言って、音楽室であったひと悶着の事を話してくれた。

 

 

「そっか…そんな事があったんだね」

 

 

「滝先生、信用しろっていうのが無理だよ」

 

 

「あはは…」

 

 

ララちゃんの勢いに負ける。

 

 

「でも、今の雰囲気は嫌だよね…」

 

 

「あーね…どうにかして欲しいのはそうだよね」

 

 

秋子も部の雰囲気を感じているのか、そう言って落ち込む。

こういう雰囲気を壊してくれそうな葉月ちゃんは居ないし、どうしたものか。

 

 

 

********

 

 

「あっ…香織先輩、ソロの所練習してる」

 

 

「工藤君、どうしたの?」

 

 

一緒に行動していた福井がそう聞いてきた。

僕は、窓から見える香織先輩を指す。

 

 

「ここって確か…」

 

 

「うん、トランペットのソロの所」

 

 

窓の外から聞こえてくる香織先輩の音は、諦めきれていないそんな音が響いていた。

 

 

「良い音だね。香織先輩」

 

 

「うん、諦めてないんだろうなぁ…」

 

 

「工藤君…?」

 

 

「ううん、なんでもない。加部先輩に言われた事しなくちゃ」

 

 




誰か姫神先輩の小説書いてくれませんかね。
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