元野球部が過ごすクラリネットパートにようこそ   作:桜紅月音

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AI作品ってなんかあんまり好かないんですよね。何故かね。

AIの進展が凄いのは認めてるんですけど、映像は…ね。見極めが大事ですね。

今日は投稿間隔変えます。
ご注意を。今日は特別です。


19.再オーディション

 

季節は本格的な夏に入った。

そして、明日にはいよいよ麗奈と香織先輩の再オーディションの日でもあった。

 

 

「暑いねぇ」

 

 

昼時、僕はクラリネットパートのメンバーを昼食を摂っていた。

高久さんは、加瀬先輩と食べると言ったのでここには居ない。

 

 

「汗が止まらなくて大変だよ…」

 

 

高野はそう言って、制服の袖で汗を拭っていた。

 

 

「浩輔君も暑いなんて思うんだね」

 

 

植田がそう聞いてくるが、当たり前の事を聞いて来てちょっとびっくりした。

僕の事をなんだと思っているんだ。

 

 

「うん、こんだけ暑いと嫌になる…」

 

 

「野球やってたのに、浩輔君もそう思うんだ」

 

 

「野球やってたとしても、みんなと思う事は一緒だよ」

 

 

野球をやっている時は、そこまで気にしてなかったけど、こんなに暑いなんてな…

いや、今年が暑いだけか…そう思わないとやってられない。

 

 

「浩輔君、それ貰っていい?」

 

 

植田は、僕の弁当に入っている卵焼きを指しながら聞いてきた。

 

 

「えっ?いいけど」

 

 

「じゃあ、貰い~!」

 

 

そう言って、植田は卵焼きを一つ取って口に放り込んだ。

 

 

「美味しい~これって浩輔君のお母さんが作ったの?」

 

 

「ううん、お母さんじゃなくて僕が作った」

 

 

「ええ!?本当に!?」

 

 

僕がそう言うと、植田が驚いていた。

お母さんに負担をかけたくなくて、中学の時に始めたのが良かったのかな。

 

 

「私が作るのより、上手なんだけど…」

 

 

「そんなに!?」

 

 

「ねえねえ、私も貰っていい?」

 

 

「高野まで…まぁ、いいけど」

 

 

植田の言葉を聞いて、欲しくなったのか高野まで聞いてきたので、僕は彼女に卵焼きをおすそ分けした。

 

 

「うん、美味しい、これ何使ってるの」

 

 

「えっとね…だし系を入れて」

 

 

「だし系かー私の家は、砂糖を入れるから」

 

 

「甘い系ね、そっちも美味しいよね」

 

 

卵焼きは、家庭の味が出るからね。

好みもあるし、チーズ入れたり、海苔を入れたりと様々だ

 

 

「私、貰ったし、これ食べて。私が作ったのだけど」

 

 

高野はそう言って、自分の弁当を差し出してきた。

 

 

「貰っていいの?」

 

 

「うん」

 

 

彼女がそう言うものだから、遠慮なく貰う事にした。

 

 

「甘い卵焼きも良いね。美味しいよ」

 

 

「良かった」

 

 

僕が美味しかったと言うと、高野は喜んでいた。

 

 

「交換っこいいなぁー」

 

 

「日和子、もう食べてしまってるから」

 

 

高野の言う通り、植田は自信の卵焼きを食べてしまっている為、弁当の中は既にからっぽだった。

僕は、苦笑いを浮かべるしかなかった。

 

 

「今度、また持ってくるから交換っこしようよ」

 

 

「うん、約束ね」

 

 

-翌日-

 

 

「おおおお 広いね」

 

 

「本番はここよりさらに大きなホールです。これで驚いていたら飲まれてしまいますよ」

 

 

僕達は、ホールにやってきた。

滝先生の言う通り、今の状態で驚いていると、呑まれてしまう。

 

 

「そ、そっかー」

 

 

「加藤と私、工藤は出ないでしょ?」

 

 

「夏紀先輩、来年がありますよ」

 

 

「楽器きましたー手の空いてる人は手伝って下さーい」

 

 

「ではみなさん、準備を始めましょう。中世古さん、高坂さん、二人は準備はいいのでオーディションの用意を」

 

 

『はい』

 

 

麗奈と香織先輩は元気よく返事を返した。

 

 

「ナックル先輩ー重たいの任せてくださいー」

 

 

「工藤、やる気だなーよし!やるぞー!」

 

 

ナックル先輩と意気投合していると、背中を叩かれた。

振り向くと麗奈が立っていた。

 

 

「頑張ってくるから」

 

 

「えっ、う、うん?」

 

 

麗奈はそれだけ言うと、僕の前から去って行った。

 

 

「これ持っていってくれ」

 

 

「オッケーです」

 

 

 

********

 

 

「では、これよりトランペットソロパートのオーディションを行います。両者が吹き終わった後、全員の拍手によって決めましょう」

 

 

ホールに滝先生の言葉が響き渡った。

 

 

「ではまず、中世古さん、お願いします」

 

 

滝先生の言葉により、香織先輩のトランペットの音がホールに響きわたる。

吉川先輩の言う通り、十分ソロが務まる腕だ。

 

 

「ありがとうございました」

 

 

部員達から拍手が起こる。

 

 

「では次に高坂さん、お願いします」

 

 

続いて麗奈の音が響き渡る。

そういえば、麗奈の音をこうやってしっかりと聞くのはいつぶりだろう。

香織先輩も上手だけど、現実は非情だった。

 

麗奈の音は、この場に居る者を黙らすには十分だった。

 

 

「ありがとうございました」

 

 

麗奈がそう言う時には、先輩達は呆気に取られていた。

 

 

「ではこれよりソロを決定したいと思います」

 

 

しかし、滝先生は待ってくれない。

 

 

「中世古さんがいいと思う人」

 

 

先生がそう言うと、吉川先輩、晴香先輩が拍手を送った。

それでいい。自分の信じているものを信じればいい。

 

 

「では、高坂さんがいいと思う人」

 

 

先生がそう言うと、ざわめきが起こる中、久美子が立って拍手を送った。

僕も拍手を送った。その時、麗奈と目が合ったような気がした。

 

 

「中世古さん あなたがソロを吹きますか?」

 

 

滝先生…なんと非情な事か…そんな事を先輩に聞くなんて…

 

 

「吹かないです、吹けないです」

 

 

香織先輩………

 

 

「ソロは高坂さんが吹くべきだと思います」

 

 

香織先輩がそう言った時、吉川先輩は泣き始めてしまった。

先輩から話を聞いていたので、気持ちは痛い程分かってしまった。

 

 

「高坂さん」

 

 

泣きじゃくる吉川先輩を後ろ目に、滝先生は麗奈に問いかけた。

 

 

「はい」

 

 

「あなたがソロです。中世古さんではなく、あなたがソロを吹く。いいですか?」

 

 

「はい」

 

 

こうして、麗奈がソロとして決まった。

 




super beaverの『人として』って曲良いですよね。


今の状況にも合う曲だと思ってます。
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