元野球部が過ごすクラリネットパートにようこそ   作:桜紅月音

22 / 22
22.お誘い

 

府大会と突破した北宇治高校吹奏楽部。

今の時間は記念写真タイム。秀一と瀧川の間にでも行こうかと思っていると

 

 

「浩輔君はこっちね」

 

 

牧に捕まって、僕は端の方に

 

 

「福井さん、工藤君隣でも大丈夫?」

 

 

「うん」

 

 

「隣失礼するね」

 

 

という事で、僕は福井と牧の間で写真を撮るのだった。

 

 

「はーい みんな 集まってー」

 

 

記念写真を撮り終えると、晴香先輩の声が響く。

 

 

「こういうのは初めてなので何と言っていいのか、分からないのですが、皆さんおめでとうございます」

 

 

相変わらずだなこの先生は。

 

 

「いえ、むしろ感謝するのは私たちのほうです」

 

 

晴香先輩がそう返す。

そして、部員みんなで先生にお礼を伝えたのだが…

 

 

「あ…はい、ありがとうございます」

 

 

とあっさりした返事を返してきた。

盛り上がらないと言ったらキリがない。

 

 

「私たちは今日たった今から代表です。それに恥じないように、さらに演奏に磨きをかけて行かなければなりません。今、この場から、その覚悟を持ってください」

 

 

そうだ。この時から既に次に向けての大会が始まっているのだ。

まぁ…僕は出れないんだけどね。

 

 

「では移動しまーす」

 

 

晴香先輩の言葉で、現実に戻されるのだった。

 

 

「牧、改めて関西おめでとう」

 

 

「うん、私からもおめでとう」

 

 

僕と福井の言葉を聞いた、牧は照れながら言う。

 

 

「照れるなーでも、2人のサポートもあったからだよ」

 

 

「そう言って貰えると嬉しいよ」

 

 

そして、コンクールメンバーとはまた別れて、僕達は電車で宇治まで帰るのだった。

 

 

 

*******

 

府大会を突破して、次なるは関西。

全国大会に行くためには、三強である『明静工科、大阪東照、秀塔大学附属』に勝たないといけない。

 

 

「次は関西ですね」

 

 

「私たちは出ないけどね」

 

 

「まずは、今日の演奏に集中することです」

 

 

今、音楽室では夏休みのスケジュールについて先生が説明を行っていた。

僕達もなかは、音楽室の前で待機中。

 

 

「では、練習に移りますがその前に」

 

 

滝先生はそう言って、こちらに合図を送ってきた。

そのタイミングで、僕達は音楽室に入る。

 

 

「えーっと皆さん、関西大会出場おめでとうございます」

 

 

「私たちチームもなかは、関西大会に向けて、これまでと同様、みんなを支え 、一緒にこの部を盛り上げていきたいと思っています」

 

 

「おめでとうの気持ちを込めて演奏するので聴いてください」

 

 

先輩方はそう言い、友恵先輩の合図に合わせて演奏をする。

 

 

演奏曲は『学園天国』

 

 

高校野球で応援歌に使われていたりと、聞くことの多い曲だ。

 

 

『コングラチュレーション!』

 

 

演奏を終え、もなかのみんなで声を合わせてそう言う。

 

 

「いやーうまくなったねぇ」

 

 

あすか先輩はそう言って褒めてくれたが、部長である晴香先輩は号泣だった。

なんで泣いてるんだ…

 

 

「いや…上手くなったね二人とも。来年もクラは安泰だね」

 

 

練習が終わって、放課後。僕と高野は鳥塚先輩に褒められていた。

 

 

「早いですって」

 

 

「そうですよ。それに関西大会もあるんですからね」

 

 

「真面目だなー」

 

 

僕と高野の言葉を聞いた鳥塚先輩はそう返してきた。

真面目で何が悪いんだとツッコミを入れたくなる。

 

 

「でも、浩輔君らしいね。高野さんと切磋琢磨して頑張ってね」

 

 

鳥塚先輩はそう言って、自分の鞄を持って

 

 

「それじゃあ、帰ろう」

 

 

「ですね」

 

 

そして、僕達はそれぞれの家へと帰ったのだった。

 

 

 

 

 

 

********

 

 

「吉沢、なんで居るの?」

 

 

「お邪魔してます」

 

 

家に帰ると、何故か私服姿の吉沢の姿がそこにはあった。

 

 

「偶然会って、家に入れたの」

 

 

そう言って姿を現す母さん。

 

 

「こないだ、うちに来たじゃない?」

 

 

「うん」

 

 

「それで偶然、秋子ちゃんの事を見つけて」

 

 

「そのまま、浩輔君の家に…」

 

 

「なるほど」

 

 

二人の説明を受けて、納得してしまった。

 

 

「このお茶、美味しいです…」

 

 

「口に合って良かったわ」

 

 

吉沢も吉沢で、母さんと打ち解けてるし、話に割って入る必要は無いな。

 

 

「浩輔君…」

 

 

「ん?何?」

 

 

「今度の花火大会、一緒に回りたいんだけど…その…いい…かな?」

 

 

「あらあら~」

 

 

なんか母さんがうるさい…

 

 

「いいよ、その日は予定も無いし」

 

 

僕がそう言うと、不安そうにしていた彼女はパッと笑顔になった。

 

 

「それなら秋子ちゃん、浴衣貸してあげるわ」

 

 

「本当ですか!?」

 

 

「ちょっと来て、サイズ合うかだけ確認しましょう」

 

 

母さんがそう言うと、吉沢も付いて行った。

しばらくして、母さんと浴衣を着た吉沢が戻ってきた。

 

 

「どうよ」

 

 

「なんで母さんが自信満々なの…」

 

 

「どう…かな?」

 

 

「私服もだけど、浴衣も似合うんだね」

 

 

「//」

 

 

僕が褒めると、吉沢は顔を紅くした。

 

 

「あらあら~」

 

 

さっきから母さん、おかしくなってない。

 

 

「秋子ちゃん、その浴衣あげるわ。私、着なくなっちゃったし」

 

 

「それは申し訳ないです…」

 

 

「いいのいいの」

 

 

結局、吉沢は母さんの圧力に負けて、浴衣を貰う事になった。

 

 

「母さんがごめんな」

 

 

「ううん、素敵なお母さんだね」

 

 

吉沢を家まで送っている時に、彼女にさっきの事を謝った。

 

 

「気を遣わなくてもいいのに」

 

 

「気を遣ってる訳じゃないから」

 

 

「うん、分かった」

 

 

そう話していると、彼女の家が見えてきた。

 

 

「花火大会、楽しみだね」

 

 

「うん、楽しみだね」

 

 

「さっきの浴衣着ていくから、楽しみにしてて」

 

 

彼女は手を振りながら、家の中に入っていき、家に帰っていると、公園の近くで偶然

 

 

「あれ、浩輔君じゃん」

 

 

私服に身を包んで、買い物袋を持った牧と出会った。

 

 

「おお、牧じゃん」

 

 

「こんな時間に会うのないよな。縣祭りの時くらい?」

 

 

「うん、この時間に家出るのあんまりないからね」

 

 

頬を掻きながらそう言った。

 

 

「というか、浩輔君はなんでここに?」

 

 

「吉沢を家に送ってた」

 

 

「吉沢さん?」

 

 

「そう、今は送ったその帰り」

 

 

「なるほどね」

 

 

「んじゃ、また明日学校で」

 

 

僕は、そう言って家に帰ろうとしたのだが

 

 

「あっ、ちょっと待って」

 

 

「ん?何かあった?」

 

 

「お盆休み、暇?」

 

 

牧にそう聞かれた。

 

 

「えっ?まあ、暇だけど」

 

 

「それじゃあ、三日間のうちの一日、私とどこか遊びに行こうよ」

 

 




麗奈は誘ったけど、『先約が』と言われて落ち込んでいた姿を久美子に見られたとかなんとか。


この作品のヒロインは

  • 高坂麗奈
  • 佐々木梓
  • 鳥塚ヒロネ
  • 島りえ
  • 植田日和子
  • 高野久恵
  • 吉沢秋子
  • 牧誓
  • 福井さやか
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

世界一幸せな男(作者:トトロのとろろ)(原作:響け!ユーフォニアム)

3年生になり部長になった黄前久美子の前に現れたのは、久石奏に一目惚れした新入生のサックス奏者、真島幸人。圧倒的な技量を持つ幸人が希望する楽器はユーフォニアムだった。ちょっと変わった初心者は初めての合奏で何を思うのか。新たな仲間達を迎えた北宇治高校吹奏楽部はどこへ向かうのか。▼そして、響けユーフォニアム最終楽章が始まるのです。▼この作品は、アニメ展開を元に原作…


総合評価:67/評価:-.--/連載:24話/更新日時:2026年10月05日(月) 10:03 小説情報

黄前先生、1年目(作者:alc)(原作:響け!ユーフォニアム)

2022年4月。黄前久美子は母校である北宇治高校に国語科の教師として赴任した。▼吹奏楽部副顧問として、今度は生徒を指導する立場になった久美子。高校生のころとは違う視点で部活を見ることになるのだが、まだまだ新米の久美子には難しいことだらけだった。▼原作時空の延長線上を考えていますが、ビジュアルなどはアニメ版からの引用が多いです。ご了承ください。▼初出▼http…


総合評価:27/評価:-.--/連載:4話/更新日時:2026年09月21日(月) 21:23 小説情報

オーボエに音を乗せて(作者:桜紅月音)(原作:響け!ユーフォニアム)

▼府大会、関西大会で『奇跡の演奏』を目の前で見た主人公、伏見結(ふしみゆう)は、翌年の春。北宇治高校に入学し、幼馴染の剣崎梨々花と共に、北宇治高校吹奏楽部に入部した。▼同級生である久石奏、先輩である鎧塚みぞれ、黄前久美子と共に始まる全国大会での金賞を目指す吹奏楽部の物語。▼*不定期更新▼*原作基準▼


総合評価:40/評価:-.--/連載:5話/更新日時:2026年10月03日(土) 00:00 小説情報

たわけ!ドアホ男子(作者:スピリタス3世)(原作:響け!ユーフォニアム)

久石奏の中学時代からの同級生、荒川大輝は凄腕のチューバ奏者である。しかし、その長所をかき消すアホでナルシストであった。これはそんな彼と久石奏を中心に奏でられる物語である。▼注) 奏の同級生なため、誓いのフィナーレからスタートします。あすかの代はOGとしてでしか登場しないので、ご了承ください。▼注)何も書かずに改訂している時は、誤字脱字を見つけて直してる時なの…


総合評価:542/評価:8/完結:73話/更新日時:2026年09月18日(金) 12:26 小説情報

響け!八幡~北宇治での青春ラブコメはまちがっているのか?~(作者:碧河 蒼空)(原作:響け!ユーフォニアム)

 中学時代に吹奏楽部に所属していた八幡は高校進学と同時に京都へと引っ越しした。▼ 入学前に事故に遭い、高校生活に出遅れた八幡は過去の経験から部活動への参加を拒むが、例の作文を呼んだ松本先生によって生徒指導と称した吹奏楽部への奉仕活動を命じられることとなる。▼――はたして北宇治高校吹奏楽部の青春は嘘であり悪であるのか?▼※本作はpixivにも投稿されております…


総合評価:610/評価:7.03/連載:40話/更新日時:2026年10月03日(土) 21:02 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>