元野球部が過ごすクラリネットパートにようこそ   作:桜紅月音

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中学の位置って、人によって認識は違うと思うので、自分は以下のサイトを使って作品を書いております。参考にしていただけたらと思います。

blog.livedoor.jp/inumoni/archives/1077720614.html


25.夏休み

 

 

次の朝、起きると雲一つのない晴天だった。

集合時間まで、まだ時間があり、朝食を摂っていると、家のチャイムが鳴り、出るとそこには牧の姿があった。

 

 

「おはよー」

 

 

元気よく挨拶を交わしてくる牧。

本当、元気だな。

 

 

「おはよー牧。時間より早いね」

 

 

「うん、楽しみ過ぎて、ちょっと早く来ちゃった」

 

 

約束の時間よりはちょっとどころではないくらいに早く来た。

でも、そのくらい楽しみにしていてくれたという事だ。

 

 

「ううん、大丈夫だよ」

 

 

僕はそう返し、続けて

 

 

「すぐに用紙してくるから、玄関で待ってて」

 

 

「うん」

 

 

彼女を玄関に案内して、僕は食べかけの朝食を口の中に放り込んで、身なりを整えて彼女の元に戻る。

 

 

「お待たせ」

 

 

「浩輔君、それにしても凄いトロフィーの数だね」

 

 

「う、うん、小学生と中学生の大会のトロフィーだね」

 

 

「全日本大会優勝って凄いじゃん」

 

 

「ありがと。でも、僕だけの力じゃないから」

 

 

僕はトロフィーを見て、そう言った。

 

 

「そういえば、牧、今日の恰好可愛いね」

 

 

「そ、そう?気合入れてきたんだけど」

 

 

彼女の恰好は、黒のショートパンツに白のブラウスを着て、黒のブーツ。

可愛いという感想が真っ先に出てきた。

 

 

「可愛いね」

 

 

「えへへ、ありがと、それじゃあそろそろ行こうよ」

 

 

家を出て、駅に向かって歩く。

今日は、京阪の宇治駅ではなく、JRの方に向かう。

 

 

「京都市内に行くんだね」

 

 

「そう、浩輔君と行きたい場所があってね」

 

 

京都まで行く電車が来るまで、牧とそんな話をする。

彼女は携帯を操作して、

 

 

「水族館?」

 

 

「そう、吹部のみんなと話してて、行きたいなーって思ってて」

 

 

「なるほどね」

 

 

偶には、そういういいなと思った。

すると、牧は携帯を見ながら口を開いた。

 

 

「今日は、みんなプールに行ってるみたいだね」

 

 

「そうみたいだね。もなかもプールに行くって言ってた人も居たし」

 

 

「もしかして、みんなの水着を見たかったとか…?」

 

 

「さあ、どっちだと思う?」

 

 

「その反応は見たかったでしょ」

 

 

牧は怪しげな目で僕の事を見てくる。

確かに、あの中でも麗奈の水着は見たいと言えば、見たかったのは事実だけど。

 

 

「それなら、私の水着でも選んで貰おうかな?」

 

 

「え゛」

 

 

「あはは、冗談だよ。付き合ってもない男の子にそんなお願いはしないって!」

 

 

牧は、元気な声でそう話していた。

 

 

「だよね…良かった…」

 

 

あの環境の中に飛び込む勇気なんてないし…ホッとした。

その後、電車に乗って京都市内に、そのまま水族館に行った。

 

 

「楽しかったね。ここまで大きな水族館だったとは思ってなかった」

 

 

「今まで来てなかったからね」

 

 

「うん、野球漬けだったからね」

 

 

三年前に出来たばっかりの水族館は、大きくてきれいだった。

知らない間に、こんなのが出来ていたとは。

 

 

「野球やってる浩輔君も素敵だったけどね」

 

 

「あれ?その反応的に知ってたの?」

 

 

「知ってたよ。同じ吹部だったのは驚いたけどね」

 

 

「その割には話しかけてくるタイミング遅かったような…」

 

 

彼女とは6月に入って初めて話した。

 

 

「それは…話かけにくいとか色々あったじゃん?吹部の雰囲気もあったしさ」

 

 

「まあ…そう聞くと無理もないか…」

 

 

あの頃は、本当に大変だったのを覚えている。

 

 

「あそこから、府大会金賞までよく行ったよ」

 

 

「だよね」

 

 

「牧のサックスも良かったよ」

 

 

「そう褒められると照れるな~」

 

 

牧はそう言って、自身の頭を触る。

 

 

「本当の事だからね。関西でもよろしく頼みますよ」

 

 

「うん、分かってる、もなかのみんなも分もあるからね」

 

 

そんな会話をして、その後も牧と一緒に水族館を周って、夏休みの一日目は終わった。

 

 

 

 

*******

 

 

「おはよう浩輔君」

 

 

「おはよ吉沢」

 

 

「雨大丈夫だった?」

 

 

「うん、まぁ…」

 

 

次の日、吉沢が僕の家にやってきた。

本当は、外でお出かけをする予定だったんだけど、生憎の雨だった。

 

 

「それにしても…良く降るねぇ」

 

 

窓から見える景色は、地面を濡らすくらいには雨が降っていた。

 

 

「うん…」

 

 

「外に行くのは、また機会を見つけて行こうよ」

 

 

「そう、だね」

 

 

落ち込んでいた吉沢は、僕の言葉を聞いて明るくなっていった。

 

 

「じゃあ、何する?と言っても限られるけど」

 

 

吉沢に聞くと、彼女は持ってきていた鞄を机の上に置いて、宿題を取り出してきた。

 

 

「夏休みの宿題って事?」

 

 

「うん、良かったらなんだけど…教えてくれないかな?」

 

 

宿題を顔の前に持っていって聞いてくる。

 

 

「オッケー、僕もまだ終わってない所もあったし、一緒にやるか」

 

 

「うん!」

 

 

「じゃあ、宿題持ってくるから待ってて」

 

 

自分の部屋に向かい、宿題を持って戻ってきた。

 

 

「お待たせ」

 

 

とだけ言って、机を挟んだ反対側に座る。

 

 

「浩輔君、私の隣でもいいよ?」

 

 

「やりにくくならない?」

 

 

「そんな事ないよ、それに困った時は聞きやすいから」

 

 

「そう?」

 

 

でも、彼女が良いって言ってるしと思って、僕は彼女の隣に座る。

 

 

「えへへ」

 

 

「なんで笑ってるの」

 

 

「ううん、なんでもない」

 

 

そう笑う吉沢に違和感を覚えつつも、夏休みは過ぎていった。

 

この作品のヒロインは

  • 高坂麗奈
  • 佐々木梓
  • 鳥塚ヒロネ
  • 島りえ
  • 植田日和子
  • 高野久恵
  • 吉沢秋子
  • 牧誓
  • 福井さやか
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