お盆休みの三日間が過ぎて、二泊三日の合宿が始まった。
コンクールメンバーともなかは、違う部屋で練習を行う。
「高野、行くぞー」
「うん、分かった」
高野を呼んで、もなかの部屋に向かう。
既に、メンバーは集まっていた。
「集まってるな」
松本先生が入ってきて、点呼を取っていく。
そして、キツイ練習が始まったのだ。
「そっちはどうだった?」
練習終わり、この合宿では癒しの時間になるであろう食事の時間。
食事の時間。植田がそう話を掛けてきた。
「きつかったよ…」
「うわぁ…浩輔君の目が死んでる…」
「…松本先生「分かってるな」って…」
「うわぁ…」
僕と高野の様子を見て、植田は引いていた。
「植田の方は?新山先生どうだったのかなって」
滝先生の知り合いで、木管の新山先生。
木管ってこともあって、島先輩辺りは喜んでたらしい。
「…こっちも大変だったよ…」
「そうか…」
明らかに、遠い目をしている植田を見て、そう言うしかなかった。
「高久さんはどうだったの」
「私…?」
「うん、高久さんから見て新山先生はどうだったのかなって」
「私は良い先生だったと思うよ」
「ほうほう、松崎さんは?」
「私も同じ意見かな」
二人は同じ意見。新山先生良い先生なんだろう。
「お互いに頑張ろうって事で」
「だね」
「うん、頑張る!」
「私、頑張るぞ!!」
植田と高久が息込んでいると、僕らに近づく姿が
「一年生達だけ集まって何の話をしてるのかな?」
とそこで、僕の肩に手を置いてやってきたのは鳥塚先輩。
食べ終わった後なんだろう、手元には何もなかった。
「隣座るよ」
先輩はそう言って、僕と高野の間に無理やり入ってきた。
「先輩ー狭いですって!」
「気にしないの」
高野が先輩に文句を言うと、先輩は聞く耳を持たない。
「ふふふ」
「なんで高久さん笑ってるの」
このやり取りを見た高久さんが笑っていた。
笑いどころではない。
「そのやり取り面白いね」
「面白いのか…」
高久さんの感性が分からなかった。
*******
「涼しい~」
食事時を終えて、後は就寝時間まで暇だったので、僕は外に出て風に当たっていた。
「あっ…」
「あっ…先輩」
とそこに、先輩がやってきた。
確か…オーボエの…
「よろ、鎧塚先輩…でしたっけ?」
「うん…そう…」
先輩はそう言って、机を挟んだ反対側の席に座った。
いや…座るんかい…
「……」
先輩は黙ったまま、スマホを触りだした。
何をしてるか分からないけど、こっちから干渉しなければ大丈夫だろう。
そう思い、僕も携帯を触る。
『大阪東照ー!!さよならホームランで、決勝進出ーー!!!!!!』
携帯を見て、甲子園の映像を見る。
立華に勝った大阪東照は、決勝に勝ち進んだみたいだった。
「ねぇ…」
「は、はい…」
「野球好きなの…?」
「は、はい、元々野球やってたので…」
「そう…」
先輩はそう言って、再び椅子に座り込んだ。
ちょっとうるさかったかな…音無しで映像を見る事にしよう…そう思った時だった。
「ハァ…」
久美子…?なんでここに?
「あっ…」
鎧塚先輩も気になったようだ。
久美子は、音楽を聴いていた。僕は聞いた事がある…この曲って確か…南中の……
そう思っていると、鎧塚先輩が立って久美子の足を突いた。
「ひっ!?鎧塚先輩!?と浩輔!?」
「よぉ……」
「その曲やめて嫌い」
僕と鎧塚先輩の反応は大いに違っていた。
「すみません、先輩と浩輔はどうしてここに?」
「夜風に当たりに来ただけ」
「リズムゲーム 眠れないから、どうぞ」
「はぁ…」
鎧塚先輩に案内されるがまま、久美子はそのまま先輩の隣に座る。
「リズムゲーム、音無しでもできるんですか?」
「ねぇ、コンクールって好き?」
鎧塚先輩はそう久美子に聞いた。
「え?」
「私は嫌い。結局、審査員の好みで結果決まるでしょ」
確かに、野球みたいに点数で決まる競技なら、納得できる。
しかし、吹奏楽は審査員の好みで決まる。
「でも、そういうのって、何となく仕方ないかなって、思っちゃってます」
「仕方ない?たくさんの人が悲しむのに」
久美子の言葉も先輩の言葉も両方の言葉も分かってしまう。
「すみません」
「私は苦しい。コンクールなんて、なければいいのに」
「え?じゃあ、その…鎧塚先輩はどうして続けてるんですか?」
「分からない」
「先輩…?」
「えっ、先輩?」
「もう何も…分からない」
鎧塚先輩の反応は気になるが…僕らにはどうしようもなかった。
その後、鎧塚先輩は一人で戻っていき、久美子と二人きりになった。
「久美子、持ち前の力でなんとかしたらどうよ」
「無理だよ…」
「久美子なら出来ると思うんだけどなぁ」
「浩輔じゃないんだよ、私は」
「何を言ってるんだが」
*******
「どこ行ってたんだ」
「気になってたのか」
部屋に戻ってくると、秀一に聞かれた。
「浩輔の事だから、夜風に当たるとかだと思うが」
「良くお分かりな事で」
「当たりだったのかよ」
「見事に正解」
「なら、いいや」
秀一はそう言って、布団をかぶって反対側を向いた。
一体、なんだったんだ…
この作品のヒロインは
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高坂麗奈
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佐々木梓
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鳥塚ヒロネ
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島りえ
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植田日和子
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高野久恵
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吉沢秋子
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牧誓
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福井さやか