元野球部が過ごすクラリネットパートにようこそ   作:桜紅月音

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さっちゃんヒロインの小説、知り合いが書けとうるさいので個人的に書いてるんですけど、公開するかは未定です。


公開したらしたらで色々と大変なので……ね。


36.取り戻せ

 

 

「あすか先輩と一緒に勉強会ねー」

 

 

「浩輔、どうしたらいいと思う!?」

 

 

久美子がいつも通り……ここまでテンパっている久美子は久しぶりか。

どうやら、あすか先輩と数学の勉強会をすることになったらしい。

そして、久美子は何を思ったのか僕に相談してきた。いや、知らないし

 

 

「どうしたらって言われても…」

 

 

「浩輔っていつも良い案を出してくれるじゃん!今回も何か良い案を出してよ」

 

 

「そう言われても…」

 

 

あすか先輩と話したのは、最初の日くらいだし…もなかに行ってからは全くと言っていいほど話してないから、先輩がどういう人か知らない。

 

 

「大人しく先輩と勉強会するしかないのでは」

 

 

思いついた案はこれだった。

 

 

「そうは言っても…」

 

 

「っていうか、なんでそんなに緊張してるの…」

 

 

「だって…!」

 

 

「だって?」

 

 

「先輩達からの、あすか先輩を取り戻してこいっていう圧が凄いだもん」

 

 

「あー……」

 

 

「浩輔も思ってるじゃん!」

 

 

確かになと思ってしまった。

あすか先輩が部活に神出鬼没だから、何も出来ないもんな。

とはいえ、一年生一人にその大事な役割を任せるかね…

 

 

「浩輔は、あすか先輩がなんで私を呼んだと思う」

 

 

「話が戻ってきた」

 

 

「浩輔の意見が知りたい」

 

 

「うーん…違うパートだし、話した事も片手でしかないけど…何かあるとは思う」

 

 

「何か?」

 

 

「うん、それがなんなのか分からないけど、久美子なら話してくれるかもね」

 

 

「何それ」

 

 

「さあね」

 

 

「あっ、いたいた」

 

 

その時、夏紀先輩が僕達に近づいてきた。

 

 

「夏紀先輩、何か用ですか?」

 

 

「うん、黄前ちゃんに」

 

 

夏紀先輩はそう言って、久美子の目を見てそう言った。

 

 

「私にですか!?」

 

 

「そうだよ」

 

 

「あすか先輩関連ですか?」

 

 

「正解!」

 

 

僕が聞くと、夏紀先輩はそう返してきた。

 

 

「題して、あすか先輩を連れ戻すぞ大作戦?」

 

 

「なんですかその作戦…」

 

 

夏紀先輩から発せられた言葉に、僕はそう返した。

 

 

「あっ、言っとくけど、作戦名決めたのは香織先輩だから」

 

 

「す…ステキな作戦名ですね…」

 

 

久美子はそう返していたが、香織先輩…なんていう作戦名考えてるんですか…。

 

 

「でさ、黄前ちゃん、来週あすか先輩の家に、勉強教わりに行くんでしょ?」

 

 

夏紀先輩がそう言うと、久美子は速攻で無理ですと返した。

反応が早いな。

 

 

「そこでお母さん説得してこいって言うんですよね?」

 

 

久美子が、夏紀先輩に聞くと、夏紀先輩は目を逸らした。

 

 

「無理ですよ!無茶言わないでください」

 

 

「大丈夫、香織先輩からいいものもらってるから」

 

 

夏紀先輩はそう言って何かを出してきた。

 

 

「これって駅前の栗まんじゅうじゃないですか…」

 

 

「なんでこれがここに…」

 

 

饅頭を見て、二人で先輩に聞いた。

 

 

「あすか先輩のお母さんの好物なんだって、これさえ持っていけばすべてオッケー」

 

 

先輩はそう言って、僕達から目を逸らす。

 

 

「私の目を見て言ってください」

 

 

「オッケー…」

 

 

「先輩…」

 

 

すると、夏紀先輩は口を開いた。

 

 

「けど本当に、黄前ちゃんは、今までうまくやってきたよ。高坂さんの時もみぞれの時も」

 

 

「私は何も…」

 

 

久美子はそう言っているが、夏紀先輩の通りだ。

みぞれ先輩、麗奈の事。久美子が解決してたから。

 

 

「そんなことない。あすか先輩が、どうして黄前ちゃんを呼んだと思う?」

 

 

「わかりません…」

 

 

「私は、黄前ちゃんなら何とかしてくれるって期待してるからだと思う」

 

 

「そんなことないです。それにそれで、もしあすか先輩が戻ってきたら、夏紀先輩吹けなくなります…」

 

 

「私はいいの、来年もあるし、今この部にとって一番いいのは、あすか先輩が吹くことなんだから」

 

 

「それは…夏紀先輩の本心ですか?」

 

 

「黄前ちゃんらしいね。うん本心だよ」

 

 

夏紀先輩はそう言い切った。

そんなやり取りをしてから数日。テスト二日前になった。

久美子があすか先輩の家に行く日でもあった。

 

 

「それじゃあ、頑張って」

 

 

「他人事みたいに言って」

 

 

「だって他人事だもん」

 

 

「浩輔の癖に…」

 

 

久美子はジト目でそう言ってきた。

 

 

「あっ、黄前ちゃん!」

 

 

あすか先輩は、久美子の姿を見て声を掛けてきた。

 

 

「と浩輔君」

 

 

「はい」

 

 

「黄前ちゃん、借りて行くね」

 

 

「はい」

 

 

久美子は、あすか先輩に連れて行かれた。

 

 

 

*******

 

 

家に帰ると、眼鏡をかけた梓が居た。

約束というのは彼女と一緒に勉強をする事だった。

 

 

「それにしても、立華も同じ日に中間ってどんな確率だよ」

 

 

「本当だよー浩輔が居て良かった」

 

 

笑顔でそう言う梓。

本当になぁ……

 

 

「梓は、自分で勉強できるように頑張ろうな」

 

 

「頭が良いからって…」

 

 

梓はそう言って、僕の事をポカポカと叩いてきた。

身体を鍛えているだけあって、春先と違って叩く力に重みを感じた。

 

 

「なんか攻撃力増してるじゃん」

 

 

「鍛えてるだもん」

 

 

「そっか」

 

 

立華に行って、どんな練習をしているのかは知らないけど、それはそれはかなりきつい練習をしているのだろう。北宇治よりも。

 

 

「教科書見てもいい?」

 

 

「いいけど」

 

 

梓がジッと見ていた教科書が気になったので、梓に許可を取って。教科書を見る。

ふむ。このくらいなら十分出来ると判断する。

 

 

「これぐらいなら出来る」

 

 

「マジ…?」

 

 

「なんでそんな反応になってるんだよ…」

 

 

「だって……分からないものは分からないんだもん!」

 

 

梓はそう言って、教科書を机の上に放り出した。

 

 

「基本を抑えたら出来るようになれるよ」

 

 

「自慢…?」

 

 

「そうじゃないって…」

 

 

そうは言っても時間というのは有限なので…

 

 

「立華ってここやってるのか」

 

 

「浩輔なら簡単だよね~」

 

 

「まぁね」

 

 

「ムカつく…」

 

 

「あはは…」

 

 

梓との時間は過ぎていった。

 




阪神のファン感謝デーのファンクラブ抽選落ちましたー

地元から30分で行けるほっともっとでやるから当たって欲しかったんですが、その運はユーフォの定期公演では果たしたい所です。
流石チケット取るだけなのに、待機人数400万人って出るだけはありますね。
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