アビドス近郊のブラックマーケット。
学校からドロップアウトした、もしくはそれこそ本当に望んでなった極悪人かの生徒が屯する闇市。
どこの企業も自治区も手出し出来ず、ブラックマーケットガードという自前の警察組織まで持っている有様だ。
だが、いやだからこそ、なんでも売っている。
9ミリパラベラム弾から、横流しされた戦車や重砲まで。
ハンカチから高級ブランドのバッグまで。
三輪車から、カイザーコーポレーションの上級幹部が乗るような高級車まで。
探そうと思えば手にはいる。…もちろん身ぐるみ剥がされる者もいるため、慎重さは求められる。
そんな無法地帯の中を、犬耳と尻尾を垂らしたシスター服姿の生徒が歩いていた。
耳をピンと立て、尻尾はスカートの後ろにピタリと付き、警戒しているのが見てとれる。
(…さて、来てみたは良いものの…。)
サクラコ様からのお仕事で了承してしまったが、ブラックマーケットは案外広い。
そして私は教会の保守点検とミサしか考えていなかったため、潜入するために着るべき外行きの私服を忘れて来ていた。
まぁシスターフッドの送り狼が来ていると伝わって動きがあればヨシ、私へ向かってくれば良し、一網打尽にできれば最良だろう。
「…ギャッ!?」
戦闘態勢のおかげでスリも分かる。騒ぎにならないように足先を踏んで済ませる。
あ、見たことある顔だ。…確かシスターを誘拐して売り飛ばそうとしてたのを自慢のお店ごと吹き飛ばした一行ですね。
私だと見たら逃げていく辺り、印象に残して頂けたならば幸いですが。
珍しく荒事に着いて来たヒナタさんと一緒に派手にやりましたからね。
向こうから掛かってきた不良を倒すのにもごめんなさいと謝罪する彼女が、相手の構成員を薙ぎ倒して、捕まってた子の拘束具を引き千切ったところで、ヒナタさんを怒らせてはならないと本能的に感じました。はい。
?
なにやら向こうが騒がしいような…それにこっちに近付いてくる。
数は…5人。意外と統制の取れた足並み。場合によっては対処を…?
「あれ?」
現れたのは覆面を被った5人組、4人はともかく紙袋を被った1人の服装、どこかで見た様な…。
「うぇぇ!?な、なんでシオンさんが!?」
「え…?」
誰だ…?私のことを知っていて、いやこの声は…
「もしやヒフ…」
「あーあー!言わないでください!」
どうやら図星。いやこちらこそなんでヒフミさんがこんなとこで銀行強盗の真似事を…?
…いや待ってください
トリニティなら、自治区内の教会のことも知っているはずで、ブラックマーケットにいるということは…いやいや、そんなことまさか…
「あの、私は献金強盗を追って…」
「現金強盗を追って!?」
黒髪さんの聞き間違いで銃が向けられる。
「ん、悪いけど倒す。」
「っ!!」
マシンガンを構えるが、ヒフミさんがいる衝撃で少し遅れてしまった。
アサルトライフル2丁の連続射撃が身体を叩く、が私も伊達に暴力装置では無い。
「そっちが撃ちましたからね!」
初弾の装填と同時に、推定ヒフミさん以外の4人へ銃口を向ける。この際多少狙いがズレても関係ない。
「あ、危ない…!」
ん?足元に何か…?
ボフン!!
「う、わ…!?」
足元で突如何かが展張されて、押しのけられる。
「な、なんですこれ、デコイ風船…っ!?」
押しのけられた時、大きな多銃身式の銃を構える黄色っぽい生徒を筆頭に、
これほど手際よくキルゾーンの形成なんて、手際が良すぎる…!
「ごめんなさいね♧」
これはマズ…
あばばばばばばばばばばばばばばばばばばば
衝撃が全身を揺らし、脳も揺れてスクランブルエッグになりそうだ…だが1連射は耐えた。
「ま、だまだぁ…!」
クラクラするけどまだ引き金は引け…
「うへー、ごめんねー。ちょっと追われてるからさ。」
フロントマン…!さっきの銃撃は3人から、ヒフミさんは抜きにしても、もう1人、いつの間に背後へ距離を詰められ…!?
ズドン
あぁ、サクラコさまが、たくさんいらっしゃる〜
いっぱいチカチカしてる…げんそうてき〜
「あ、あぅぅ…すみません…!後で返しますから!」
なんでカギのあるとこ、しってるの…。
あ、いしきがないな…「ちょっとそこのシスターさん!」
だれこのあかい かみの人?
「あのアウトローな子達はどっちに行った!?」
あしおとはあっち〜
「助かったわ!」
あたまぐわんぐわんする…もうむり…。
ギャフン
***
追手に捕捉されそうだったところをギリギリで脱した覆面水着団は、途中で遭遇して袋叩きにしたシスターからヒフミが
「ファウスト、あのシスターと知り合い?」
青い覆面を被るシロコが、先ほど滅多撃ちにした挙句ホシノに至近距離からのヘッドショットで無慈悲にもふっ飛ばされた哀れなシスターの顔と、彼女へのヒフミの反応を思い出してそう尋ねる。
「えっと…はい。そ、そうなると思います。」
「ちょ、知り合い!?大丈夫なのそれ!?」
「ん、でもこっちを強盗だって戦おうとしてた。仕方ない。」
"……。"
先生は、なし崩し的にとはいえ、ひどい目に合わせてしまったシスター、シオンに今度謝罪しようと考えていた。
「あのシスター、綾部シオンさんは、トリニティ総合学園の部活、シスターフッドの1人です。」
《!こちらでも調べました。…綾部シオンさん、シスターフッドの長、歌住サクラコさんの側近であり、荒事担当でもある様です!》
「うへー、確かにノノミちゃん達の掃射を受けて立ってたもんね〜。」
「あれは驚きましたね。…しかし、なぜそんなシオンさんがあそこにいたのでしょうか?」
ノノミの疑問に、ヒフミがキャリアーを初めてにしては器用に操縦しつつも答えた。
「シオンさんがいるということは、シスターフッドは何か重大なことを考えているのかもしれません…それを邪魔してしまったとなると…あぅぅ。」
そんな話をしつつ、安全圏まで到着した一行は目的の書類のみを選別していると、白目を剥いてすっかり息の上がったアルが追いつき、覆面水着団としての口上を述べ、アルの目を輝かせるのであった。
***
ゔ…ぉ…。
…生きてる。
財布とかは…盗られてない。ん?名刺?…『便利屋68』かぁ。
裏社会ではそれなりに腕が立つのにどこか残念だとかで有名だった気がする。
「おい、コイツって…」
「おう、シスターフッドの…」
誰か来た。まだ頭がグワングワンするので起き上がっていないのは邪魔で…
「コイツ攫って、更に金巻き上げてやろうぜ。」
「へへっ、頂いた献金に臨時収入とはなぁ!」
「………。」
なるほど、献金強盗のクズの方から来てくださるとは。
案外あそこでぶっ飛ばされるのも悪く無かった感じですかね。…いやそうでもないかも。
「なるほどなるほど。貴女たちは、神聖なる教会へ押し入り、篤き信仰の下集まったお金を奪った…!」
耳で方向と距離は掴めていたので、起き上がると同時にマシンガンの銃床を1人にフルスイングする。
「そして!それに懲りずにシスターを攫い、身代金を取ることを考えるとは!…許せませんね。」
「な、なんだコイツ起きて…っ!?」
もはやマシンガンが噛むかどうか、判断を鑑みることも必要ない。
相手の銃を奪い取り、その銃床で殴打、殴打、殴打!!
おっと、怒りに任せて結構強く何度か殴ってしまいましたが、コイツらの巣を吐いてもらわねば困ることを思い出しました。
主よ
「…さて、あなたがたの拠点、教えて頂けますか?」
爪を剥ぐような、もしくは目玉をえぐる様な非人道的な拷問は痛そうで嫌いだし、上手く交渉するだけの話術も無い。
ならば、吐きたくなるまで殴る。撃つ。それの方が、いろいろと考える必要が無く、私にとっては楽だ。
「ひ、ひぇ…!い、言います、言いますから、どうか命だけは…!」
最初の一撃で済んでいた方は、そうして全て吐いた。
その日、ブラックマーケット付近の貸し物件が1つ、銃声と殴打音で満たされ、そこから1人で出て来たシスターの姿が目撃された。
何故かうちの子は不憫な目に合わせてしまいがち
アビドスに集中砲火された挙句おじさんにヘッドショット食らってかわいそう(他人事)
先生は…
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男性
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女性
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どっちでも
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ショタ
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ロリ
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筋肉モリモリマッチョマンの変態
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コハル裁判長からしけい判決
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その他
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傍観者