シスターフッドの大型犬ちゃん   作:ZK

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不安になりつつ彷徨い歩いているので初投稿です。


5.紫関ラーメンとゲヘナ

 

「…はい、多分全員ぶちのめしました。献金もありましたが、奴ら既に少しばかり使っていた様で…。」

 

《ありがとうございます。シオンのおかげで、その少しで済みました。》

 

そう電話しているシオンの尻尾はサクラコの言葉で左右にブンブンと振れている。

 

彼女は犯行グループの拠点を壊滅させ、彼女ら全員に散々鉛の礫や拳、銃床を叩きつけた後、報告のために電話を掛けていた。

犯行グループは、どこで知恵をつけたか、マネーロンダリングをここで行おうとしていた様で、カイザーの闇銀行のパンフレットと、手書きで作った手順を示すノートがあった。

しかしそこでちょうどそこが覆面水着団を名乗る5人に襲撃されたことで立ち往生していた際に、シオンに叩きのめされた様であった。

 

《カイザーコーポレーションですか…分かりました。ひとまずこの話はこれで解決しました。ありがとうございます、シオン。ひとまず休んでくださいね。》

 

「ありがとうございます、しかしサクラコ様も、何か有りましたらお呼びください…!」

 

サクラコに褒められたことで嬉しさをわかりやすく発露させながら、シオンは少し名残惜しそうに通話を終えた。

 

 

 

***

 

「…はぁ。」

 

…ヒフミさんのことは、報告していません。正直ヒフミさんなんじゃないかという気もするのですが、そう思ったら違ったっていう経験がありましてね…。

 

まぁその、サクラコ様に害をなすようなことはしていなさそうだったので、多分。

 

それに、まぁあんな恰好をしていたのも何か訳があったのではないかと思うと…なんて、…少し知り合いに甘すぎる気がするのは私の悪いところでしょうか。

 

私はどうすればよいのだろうか。こればかりはサクラコ様には相談できない。

 

 

「…。」

 

 

結局、私はその答えを先延ばしにした。…ただの、逃げの一手なのに。

 

 

 

 

 

 

「…。」

 

翌日、教会の補修作業を終えて、帰るために荷物をまとめる。

…がどうにも手につかない。

 

撃たれたことは、特にもう気にしてはいないのですが、あれがヒフミさんだったのだろうという半ば確証を持ってしまったために、私の気分は少し重いものだった。

 

キャリアーは教会の前の廃墟に丁寧に駐車してあって、いたって綺麗な状態で置いてあった。

仮にあそこで見たのがそこらの強盗集団であったなら、きっとこうは戻ってこない。

 

最初は安堵したものの、それがなおさら、ヒフミさんだったのであろう予想に説得力を持たせている。

 

 

……しかし待ってください。確かにそこらのコソドロでは無いことはわかりました。…が、別にあれがヒフミさんだという証拠は、無いわけです。

 

…サクラコ様へ報告しない理由を考えている辺り、今の私カスですね。

いや、でもこう、不確定なことで顔見知りに迷惑かけたくないというか…。

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなでもうお昼…。一緒に来たあの2人は鉄道で帰っているので、私1人。

 

と、あそこに見えるのはラーメン屋?…やってるみたいですね。

お腹も空いたので、入ってみますか。

 

「いらっしゃい!」

「えっと、1人で。」

 

カウンターに通されると、店内は空いている。

 

…とりあえず、今は食事に集中しましょうか。

 

「えと、柴関ラーメンに、餃子一人前を。」

 

「あいよ!」

 

大将は気の良さそうな人で、厨房からは良い匂いがする。

 

お店の雰囲気も良さそうで、良いお店を見つけたかもしれませんね。

 

ん?なんか聞いたことのあるような声が。

 

 

「昨日のシスターさんまで食べに来てるわよ!?こんなのアウトローじゃないわ!」

 

え、私?

 

「私が一人前の悪党になるにはこんなお店は要らないの!」

 

 

 

 

「…アル。そのシスター、綾部シオンだよ。あのシスターフッドの。」

 

「へ?」

 

 

 

あ、赤髪の人と目があってしまった。財布の中身を見て誤魔化して…

 

 

 

「え、アルちゃんが昨日名刺渡したシスターさんって、あの人なの?」

 

 

 

ピラッ

 

しまった、便利屋さんの名刺、きちんとしまってなかった。

 

 

 

 

「…今落ちたのうちの名刺じゃん。くふふ、シスターフッドの荒事担当ちゃんに覚えられちゃうね?」

 

「…だからアル、ここも別に悪くないんじゃない?」

 

「…そ、そうね!…シスターフッドの実行役が使ってるんだもの!」

 

 

 

あ、ラーメン来た。

「へいおまち!」

「どうも。」

 

おぉ、いい匂い。これは美味しそうなラーメンですね。餃子もこんがりジューシーな感じがします。それでは…

 

「いただきま…」

 

 

 

ヒュルルルル…

 

ん、この音はもしや………

 

 

 

 

*****

 

 

 

「弾着、今!」

「至近弾!…え、も、目標破壊!」

 

迫撃砲班からの報告と共に、便利屋68の潜伏していると見られる建物は5cm迫撃砲の至近弾で、なぜか砲弾の威力以上に見える爆発と共に木端微塵になった。

 

しかし天雨アコが1個中隊と1個重火器小隊を動員した理由としては、便利屋68は必ずしも第1目標では無かった。

 

シャーレの先生。

連邦生徒会長が創設した部活、連邦捜査部を預かる大人。

なんでもその権限は極めて大きく、あらゆる学校の生徒を無制限で加入させ、他自治区内での無制限での戦闘が可能など、いささか強力すぎる部活だ。

 

例の条約の締結が近い中、その様な部活に下手に動かれると困る。

それに、トリニティのシスターフッドの要員が動いているとの報告もある。トリニティ側についた場合、パワーバランスは極めてゲヘナに不利となるだろう。

 

それに、アビドス自治区の教会のミサで、シスターフッドのゴミ処理係、綾部シオンが目撃されている。

シスターフッドは政治には不干渉を決め込んではいるが、別の自治区に教会を置いていることがある他、影響力もそれなりにある部活だ。何か企んでいてもおかしくない。

 

まもなく、瓦礫となった場所から便利屋と、頭頂部にも耳を生やしたシスターが這い出てきた。

 

 

…?なぜ今の建物にシスターフッド

 

 

 

 

******

 

な、なんですかこれ!?いきなりとんでもない爆発が起きたのですが。

 

「大将、大丈夫ですか?」

 

「す、すまねぇな。」

 

瓦礫の間から大将を引っ張り出すと、少し離れたところに出てきた便利屋68が見えた。しかし少しして慌ただしく逃げ出し始める。

 

 

「あ、昨日のシスターさんじゃない?」

 

ん?誰か来た。先生と…3人いるが、どこかで見たような…。

 

「ん。ひ、久しぶり、シスターさん。」

 

なんか助けてくれたアビドスの人がいるってことはアビドスの人達ですか。なんでちょっとよそよそしいんでしょうか?

 

”シオン…”

 

「あ、先生。お久しぶりです。」

 

”昨日は本当に申し訳ありませんでした。”

 

「え、いや、その…私何かしましたっけ?」

 

…なんか皆どうされたんでしょうか?私全く身に覚えが…でもなんかこの生徒さんたちの服装、見たことがあるような…?

 

そんなことを思っていると、また風を切る音がする。

《砲撃です!距離は3km先に多数の擲弾兵、50mm迫撃砲です!》

 

標的はどうやら私ではないらしいが、とんでもないことになってきた。そこらのスケバンやヘルメット団が迫撃砲を複数基運用できるわけは無い。

 

 

《相手の所属がわかりました。ゲヘナの風紀委員、一個中隊の規模です!》

 

 

ますますわからなくなってきた。何がなんだか…。あれ?これ重大な外交問題では…?

いやブラックマーケットとはいえ他所で強盗団を叩きのめした私が言えることではありませんが。

 

 

どうしましょうか…ここでゲヘナ勢力と戦闘を行えば、外交問題になりかねない可能性があって、しかし便利屋はともかく、アビドスは先生がいるとはいえ少数、それに大将も自身の店が無くなった。

 

「…。」

 

この間にも、風紀委員の戦列が向かっている。逃げるなら捕捉される前に早くしないと…。でも少し後ろ髪引かれると…。

 

 

"シオンは、どうしたい?"

 

「え。そ、それは…なんでこうなってるのかとか自治区侵犯の行為とか、お店が爆破されたことで後ろ髪引かれますが…。」

 

それは事実だ。しかし、暗愚な私でも、シスターフッドの構成員とゲヘナの風紀委員会の交戦は避けるべきだとわかる。

 

「私はシスターフッドで、トリニティ総合学園所属です。助太刀したいのですが、ゲヘナと矛先を交えたらどうなるか…。」

 

”そうだね。”

 

先生の意見もそうですよn…

 

”シャーレとしてなら、どうかな。シオンも、あの時協力してくれたから。”

 

「え。」

 

そんなこと可能なの…?いやでもシャーレって超法規組織だったし…?

 

”責任は、私がとるから。”

 

そう言われても、なお決断出来ずに悩む私に、幸か不幸か、先生の端末から聞こえた傍受された無線が、私に決断させた。

 

《待ってくださいイオリ、あれは、シャーレの先生とシスターフッドの綾部シオンです!》

《シスターフッド?あの宗教部活の?何してるか分からない胡散臭いとかいう噂は聞いたことあるけど、シャーレ?……》

 

 

 

「は?」

 

胡散臭い?シスターフッドが?サクラコ様が?シスターの皆さんが?

 

「私を撃つのは良いでしょう。滅多撃ちされても、爆破されても、まぁ良いでしょう。」

「ですが私を置いておいてくださるサクラコ様やシスターフッドの皆さんを愚弄する事だけは許せません。」

 

"し、シオン…?"

 

「やります!サクラコ様を、シスターフッドの敵は私の敵です!」

 

そんな噂を立てる奴がどこのどいつなのか、聞かせて頂きます。

 

 

こうしてシャーレ指揮下の下で、アビドスと便利屋、そしてシスターフッドの奇妙な共同戦線が結成された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

******

 

「……それで、何か言うことはありますか?」

 

「…いえ、あ、ありません。罰に関してはサクラコ様の思し召しのままに。」

 

あの後、アビドスと便利屋と共に、戦闘に加わったのだが、風紀委員長が来て、戦闘はお開きとなった。

先生が指揮する便利屋とアビドスで戦力的に十分だったため、少し後ろから掩護射撃位しか出来なかった。

 

「今回は、シャーレの指揮下であったことを先生が証言してくださったので良いですが、この時期に今回の様な他校との問題があるのは、良くありません。」

 

はい。全くもってそうです…。

 

「…シオンはシスターフッドの皆さんが「胡散臭い」と言われて怒ったとお聞きしました。お気持ちは嬉しいですが、時には耐えることが必要な時もあります。」

 

 

「店舗を爆破されたラーメン屋の店主も然り、貴女は人のために怒り、悲しむことが出来ます。それは間違いなく美徳ですから、そこをもっと上手にコントロール出来るように、練習していきましょう。」

 

「…え、あ、ありがとうございます…!」

 

いけない、つい尻尾をブンブン振ってしまっていた。

 

 

「しかし、これ以降当分はアビドス周辺へは出向いてはなりません。これはシャーレの先生との決定です。」

 

 

「…は、はい…。」

 

 

 

 




あらすじにいれた「一撃で何もかも一切合切…」の流れをどこに入れられるかも拍車を掛けてたりして…

シオンはモモフレンズが…

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