機動戦士ガンダム アムロ・レイ「ガンダム(意味深)の起動は、12歳の少女の瞳と、19歳のわがまま金髪美女の重力で決まるんだよッ! 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
重力という檻のなかで、男の充填されたリビドーは行き場を失い暴走する。
その男の名はアムロ・レイ。
のちに「一年戦争」と呼ばれる人類史上最大の宇宙大戦において、白いモビルスーツ・ガンダムを駆ってジオン公国軍を恐怖のズンドコに叩き落とした、伝説の超天才トップエースパイロット。
しかし。
現在の状態を冷徹にプロファイリングするならば。
英雄でも何でもない、ただの16歳の、エネルギーのやり場に困り果てた絶倫ウジウジ引きこもりDT(童貞)未遂男である。
宇宙世紀0080年1月。
ア・バオア・クーの爆炎を潜り抜け、コア・ファイターで奇跡の生還を果たした僕は、連邦軍の救護部隊によって地球のジャブロー基地へと送り届けられ、用意された士官用宿舎の一室にいた。
「僕にはまだ還れるところがあるんだ。こんなに嬉しいことはない」
あの脱出の瞬間、全宇宙の涙を誘ったあの感動的な名セリフ。
あれは嘘じゃない。本心だ。
だが、生き残って地球の重力圏に降り立った瞬間、僕のニュータイプ能力は、人間の生存本能がもたらす「別の恐怖」をキャッチしてしまっていた。
死の淵から生還した反動。
それすなわち、男としての圧倒的な種族保存の欲求――。
要するに、のちに北米へと移される7年間の軟禁生活を前にして、僕のマグネット・コーティング(意味深)が、未だかつてないレベルで限界突破のフルドライブ(大気圏突入モード)を迎えていたのである。
戦時中は操縦桿しか握っていなかった右手が、今、生命の神秘を求めて激しく自己主張をしている。
「アムロ……本当に、無事でよかった……」
ベッドのすぐ傍らで、涙を拭いながら僕を見つめる生足少女の姿があった。
フラウ・ボゥ。
サイド7のときから、いつも僕の後ろをウジウジとついてまわっていた、いつも僕をムラムラさせる生足の幼馴染。戦場を生き延び、ようやく互いの無事を確認できたこの瞬間、彼女の瞳には本物の涙が浮かんでいた。
その瞬間、僕の超鋭敏なニュータイプ・センサーが、至近距離から放たれる「フラウの無防備な雌としての包容力」を100%の精度でオートロックオンしてしまった。
「フラウ……」
喉が鳴る。
今の僕は、ガンダムのコクピットにいるときよりも獰猛だった。
戦場でのウジウジした態度なんて、宇宙の彼方へパージされた。
なにせ16歳の健康な男子が、生死の境目を抜けて、目の前に自分を心配してくれる女の子がいるんだ。
これで行かなきゃ男じゃない。ガンダムのパイロットなんて辞めてやる。
「ひゃっ!? あ、アムロ……? 急に抱きつくなんて、どうしたの……?」
驚いて目を丸くするフラウを、圧倒的なエースの腕力でベッドへと押し倒した。
かつてサイド7の自室で回路をいじっていた引きこもりオタクの腕力ではない。
幾多の戦場で、ジオンの猛者たちとビーム・サーベルを交え、レバーをへし折らんばかりに引きちぎってきた、本物の撃破王のG(重力)がフラウに圧し掛かる。
「戦いは終わったんだよ、フラウ……。だから、僕だって……僕だって男なんだ! 僕のRX-78(意味深)が、もう1ミリも我慢できないんだよッ!」
「あ、アムロ……!? 待って、そんなに激しくされたら、私の連邦軍制服が――」
激しい衣擦れの音。
僕の指先は、まるでガンダムのコア・ブロック・システムを爆速で換装するかのような正確さで、フラウの防衛装甲(衣服)をつぎつぎとパージしていく。
敵の弾幕を避けるより素早いその指捌きは、もはや神の領域に達していた。
「フラウ、君のホワイトベースに、僕のコア・ファイターをドッキングさせるッ!」
「ああっ! アムロ……! こんなに激しくされたのは初めてよ! ハヤトにだって抱かれたことないのにッ!」
宇宙世紀の歴史の裏側で、伝説の少年が本当の「大人」へとステップアップする、激しい夜の戦闘(ドッキング)が火を噴いた。
僕の逆襲パワーは凄まじく、フラウの防空陣地を瞬く間に突破。
右へ左へと超高速のピストン運動(操縦桿操作)を繰り返し、WBの主砲並みの極大熱量を、フラウの最深部へと何度も白い悪魔をダイレクト・インジェクションしていく。
「はぁ、はぁ……すごい、アムロ……これじゃあ、ア・バオア・クーの弾幕より濃いよぉ……ッ!」
フラウが歓喜の声を上げ、僕の背中に爪を立てる。
それは、重力に魂を引かれた男女が、貪り合うように生を実感するための、あまりにもドロドロとした肉体のニュータイプ共鳴だった。
しかし。
激しいドッキング戦が終了し、部屋に静寂が戻ったその瞬間。
アムロ・レイという人間に、早くも「あの悪魔」が襲いかかった。
そう。
ニュータイプ特有の、圧倒的に深い【賢者タイム(自己嫌悪)】である。
「……僕は、なんて最低な人間なんだ……」
ベッドの端で、全裸のまま膝を抱えてガタガタと震え始める。
たった今まで絶倫の限りを尽してフラウの防壁を突破していた男とは、到底思えないほどのウジウジへの超高速マニューバ(急降下)だった。
「フラウは、戦友のハヤトが戦争で大怪我をして、同じジャブローの病院に入院しているっていうのに……。そのフラウを、地球に還ってきた野生の興奮に任せて抱いてしまうなんて……! 僕は人間のクズだ! 宇宙の破壊者、白い悪魔とは僕のことだったんだぁぁぁぁぁッ!!」
「えっ? いや、アムロ、私はべつにそんなに気にしてないっていうか、むしろ凄かったし……」
「違うんだフラウ! 僕は汚れてしまったんだ! こんな汚い精神波(リビドー)を撒き散らしていたら、宇宙の彼方で僕と魂を響かせたララァに笑われてしまうッ! ララァ……教えてくれ、僕はどうしてこんなに、右手のピストン運動のコントロールが効かないんだよぉぉぉッ!!(号泣)」
「(あ、これ、一番めんどくさい時のアムロだ……)」
さっきまで激しく抱き合っていたはずのフラウの目が、完全に絶対零度まで冷めていく。
この「事後の圧倒的なウジウジ・メンタル」が、フラウの心を少しずつハヤトへと向かわせる決定打になることを、この時はまだ知らない。
――そして、数日後。
僕は軍の最高司令部で、戦争の英雄として盛大な表彰式に出席させられていた。最高位の勲章を与えられ、階級も曹長から一気に「少尉」へと特別昇進(特進)。16歳にして将校の仲間入りを果たしたが、その輝かしい栄光の裏側では、冷酷な罠が牙を剥いていた。
この宿舎の防犯カメラ(監視モニター)や軍の記録から、夜の戦闘データと精神波を分析していた地球連邦軍の情報部員たちは、冷徹な目で報告書をまとめていたのだ。
「見たか。アムロ・レイ少尉のあのアウトサイダーな爆発力を。彼は戦いが終わっても、なおあの絶倫エネルギーを秘めている。放っておけば、夜の地球圏の女性をすべて支配しかねん危険分子だ。それに、彼のような強力なニュータイプを放置すれば、いずれ反連邦組織のリーダーに担ぎ上げられるリスクもある」
「ああ、彼の牙を抜く必要があるな。広報活動や新型機のアドバイザーとしてしばらくジャブローで飼い殺しにしたのち、時期を見て北米の邸宅へ完全軟禁しろ。そして……彼の性癖を分析し、極上の『大人の罠(ハニートラップ)』を仕掛けるんだ」
己のウジウジの深淵に溺れてシーツに顔を埋めている間に、連邦政府のえげつない心理工作の歯車は、静かに回り始めていた――。