機動戦士ガンダム 地球に幽閉された英雄のRX-78(意味深)が限界突破のフルドライブ! 連邦軍上層部、アムロの夜のニュータイプ能力を恐れてハニートラップの仕込みを開始する 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
『……こわい! 空が落ちてくる! お兄ちゃん……どこなの!? お兄ちゃん、助けてぇぇぇぇッ!!』
ロザミアの口から「お兄ちゃん」という言葉が漏れた瞬間、僕の脳髄へとダイレクトに、あまりにも異質で、あまりにも強烈なサイコ・パルスが突き刺さった。
――地球の重力という名の、絶対に脱出不可能な暗黒のブラックホール。ティターンズの完全なる孤独拷問によって、僕の男としてのメインジェネレーターは臨界電圧を迎えていたはずだった。だが、目の前の17歳の大人の肉体を持った【精神的幼児(駄々っ子ロリ属性)】の超巨大な生エネルギーが、すぐ目の前から僕に向かって放射されている。
「お兄ちゃん! お兄ちゃんなのね!? あたしを置いていかないでぇっ!」
科学者たちの制止を振り切り、ロザミアが僕のベッドへと飛び込んできた。
17歳の、まだ少女の柔らかさを残した肉体がシーツ越しに激しく僕を押し包み、涙を流しながら僕の胸ぐらに顔を埋めて、全力で甘え、おねだりしてくる。
嘘をつかない。僕を責めない。ただ僕の庇護だけを100%の無垢さで待っている、巨大な精神の苗床が、今、僕の腕の中にリアルに存在する。
23歳のウジウジニート少尉の精神のなかで、まったく新しい「救済の回路(シスコン・バースト)」が爆速で開通した。
ロザミアの絶望と甘えのサイコ・パルスが、アムロの錆び付ききったガンダム(意味深)を、実に数ヶ月ぶりに激しく、そして凶悪なまでに起立させる。
地下の監視ルーム。
「……待て! アムロ少尉のバイタルが急上昇している!? 凍結していたサイコ・フレームの数値が、ロザミア検体とリアル接触した瞬間から異常数値を叩き出しているぞ! なんだこの『お兄ちゃん・モード』とでもいうべき未知の防衛反応は!?」
「バカな、去勢は完了したはずだ! なぜ『人間のクズ』と呟いていた男の瞳に、こんな禍々しいまでの活力が戻っているんだ……っ!」
ティターンズの指揮官たちが驚愕に目を見開く。
アムロはロザミアをその細い両腕でしっかりと抱き締め、ギラギラとした、かつての「白い悪魔」とは全く違う、何か一線を越えてしまった男の目で、部屋のカメラを睨みつけていた。
「(まだだ……まだ僕のジェネレーターは死んでいない。ティターンズめ、僕を檻に閉じ込めたまま、あんな極上の全肯定セーフティエリアを僕のベッドに直接放り込んでくるとはな……っ。この子は僕の妹だ。僕が守る。そのためなら、僕はもう一度ガンダムにだって乗ってやる……っ!)」
精神の暗黒回路は、目の前のロザミィという名の「奇跡の燃料」によって完全に再点火された。
ティターンズの科学者たちは、実験の「成功」とアムロの「想定外の復活」に怯えながら、大急ぎでロザミアをアムロから引き離し、再びオーガスタの奥深くへと連れ戻していった。だが、その一瞬のリアル邂逅こそが、語られざるもう一つの「変態サイコ戦のミッシングリンク」だったのだ。
「待っててくれ、ロザミィ……。お兄ちゃんが今、そのガンダム(意味深)で、君を縛るすべての連邦のシステムをパージしに行ってあげるからね……ッ!」
――ウジウジ引きこもりニートの英雄が、一線を越えた「シスコンの怪物」として覚醒し、禍々しいまでのリビドーを放射し始めた、まさにその時。
ドガァァァァァン!!!
突如として、邸宅の正面玄関が凄まじい爆発音とともに吹き飛んだ!
「な、なんだ!? ティターンズが僕のロザミィ補給計画を察知して殺しに来たのかッ!?」
パニックを起こす僕の寝室のドアが、ものすごい勢いで蹴破られる。逆光の中に立っていたのは、黒い制服の看守ではない。かつてホワイトベースでともに戦った戦友、そして――すっかり大きくなって生意気な怒りの青筋を浮かべた少年の姿だった。
――それが、僕の歪んだお兄ちゃん計画を、文字通り物理的に「修正」しにやってきた、あの最悪の引きこもりブレイカーたちの襲来だとは、この時の僕はまだ知る由もなかった。