機動戦士ガンダム 地球に幽閉された英雄のRX-78(意味深)が限界突破のフルドライブ! 連邦軍上層部、アムロの夜のニュータイプ能力を恐れてハニートラップの仕込みを開始する   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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下がっていろ、カツ! 覚醒の白いハイドラー!

目の前には、どこまでも続く退屈なハイウェイが広がっている。

 

だが、今の僕の心は、大人の女性への恐怖(連邦の去勢工作トラウマ)からくる重度のEDモードを発症し、精神のメインジェネレーターが完全にシステムダウンしていた。

 

アムロ・レイ23歳。

かつてはRX-78-2ガンダムを駆り、ジオンのエースたちを絶望の底へと叩き落とした生ける伝説。

しかし今や、連邦政府の手厚い監視(幽閉生活)という名のぬるま湯に浸かり、あろうことか一緒の車に乗っている12歳のキッカちゃんへの変態妄想生データをサイコ・ミュ的に常時オート受信されて社会的死を迎えかけているウジウジ少尉である。

 

「アムロ、お願い! 立って、戦ってよ! カツ一人をあんな戦場に行かせる気!?」

 

隣の助手席で、涙を浮かべながら胸ぐらをつかみ、激しく叱咤してくるのは、かつてホワイトベースで共に生き抜き、僕を大人にしてくれた幼馴染のフラウ・ボゥ(現・フラウ・コバヤシ)だ。

 

今、必死にステアリングを握りしめているのは、連邦の監視を欺くために用意した、民間用の白い高級スポーツカー「ハイドラー」。

 

ピキィィィィィン!

 

「(来る……! 宇宙へ帰ろうとするシャトルを落とすため、ティターンズのモビルスーツがケネディ宇宙基地を襲撃している……! そして、僕を呼びに走ったカツの、未熟で危うい精神波が戦場で震えている……!

だけど、大人の女性であるフラウがこんなに近くで僕の胸ぐらを掴んでいるせいで、僕の脳内センサーは恐怖で逆噴射(バリア)を起こしそうなんだよぉぉぉっ!)」

 

「ちょっと、アムロお兄ちゃん……」

 

ハイドラーの後部座席から、これまた一緒についてきていたキッカちゃんが、同じくコバヤシ家の養子である兄のレツの影に隠れながら、最高出力のドン引きプレッシャーを送信してきた。

 

「お兄ちゃんの頭の中から出てた、あのドロドロした、嫌な変態リビドー(12歳の私への脳内避難)の数値が、フラウお母さんのボディタッチのせいで激しく乱高下するの、本気でやめてほしいな……」

 

「うぐっ……! キ、キッカちゃん……! 僕は今、フラウの大人の肉体美への恐怖と、君のハイパー精神チェッカーによる蔑みの間で、脳内メモリ(RAM)が臨界点を超えて爆発しそうなんだ……! 決して君を汚い妄想のバケットシートに座らせようと――」

 

「ほら、また言い訳(脳内完結だからセーフ)の駆動音を出してる! お母さん、早くこの白い変質者のステアリングを叩き割って!」

 

キッカちゃんが本気で怯えた声を上げ、フラウが「いい加減にしなさいアムロ!」とさらに揺さぶる。

 

「ひゃあッ!? ストップ、フラウ! 揺らさないで! 僕はただの傷つきやすい23歳のウジウジ少尉なんだよぉぉぉっ!」

 

四面楚歌の絶望エンドに見えるこの状況。しかし、フロントガラス越しに黒煙の上がる遥か彼方の空港を睨みつけた瞬間、僕のニュータイプ・センサーが、ついに7年の眠りから覚め、大気圏内の空を指し示して咆哮した。

 

一年戦争を戦い抜いた伝説のパイロットとして、僕を大人にしてくれた幼馴染の涙に心を動かされた23歳の男として、今、本当の覚醒(再起動)を迎えていた。

 

「フラウ、カツは死なせない。……僕が、行く」

 

サングラスを外して助手席のフラウに預け、右足でアクセルペダルを床まで踏み抜いた。

白いスポーツカーのツインカム・エンジンが激しく咆哮し、タイヤに悲鳴を上げさせながら、監視の目をブチ破ってケネディ宇宙基地の滑走路へと突っ込んでいく。

 

「アムロ……!」

 

フラウの驚愕と祈りの声が車内に響く。だが、もう迷わない。

 

滑走路に滑り込んだ瞬間、目の前には、カツが勝手に乗り込んでティターンズに立ち向かおうとしている大型の輸送機(シャトル牽引機)の巨体が見えた。

 

車を急停車させ、ドアを開けて飛び出す。7年ぶりに戦場の風を肌で感じる感触が、身体に馴染んでいく。

 

「下がっていろ、カツ! お前だ!」

 

輸送機のタラップを爆速で駆け上がり、コックピットへ飛び込んでカツを強引に引き剥がした。

 

「ア、アムロさん!? 何を考えているんですか! この機体には武器なんて――」

 

後ろに突き飛ばされたカツが驚愕で丸くなった目を向ける。

 

「黙っていろ、カツ! モビルスーツだけが戦闘手段じゃないッ!」

 

大型輸送機の重々しい操縦桿(意味深)を両手で鷲掴みにした。

民間用スポーツカーのステアリングから、一気に巨大な航空機の操縦桿へ。7年の空白など、染み付いた戦闘本能の前には1ミリの障害にもならなかった。

 

ゴォォォォォォッ!!

 

4基の巨大なジェット・エンジンが悲鳴のような爆音を上げ、丸腰の輸送機がケネディ宇宙基地の滑走路を蹴って強引に浮上する。

 

ピキィィィィィン!

 

「(クワトロ……いや、シャア! 貴様ほどの男が、地球の重力に魂を引かれたブランのアッシマーごときに手こずっているというのか……! そしてカミーユ、お前のMk-IIのステップは、まだ甘い!)」

 

全天周囲モニターなどない、ただの輸送機のコクピットのフロントガラス越しに、僕の鋭敏すぎるニュータイプ・センサーが戦況を完全に可視化(オートマッピング)する。

上空では、ブラン・ブルターク少佐の駆るアッシマーが、その圧倒的な機動力でクワトロの百式とカミーユのガンダムMk-IIを翻弄していた。

 

僕は操縦桿を限界まで引き絞り、輸送機の巨体を急上昇させた。狙うは、カミーユのMk-IIの背後からビーム・ライフルを狙わんとする、あの巨大な円盤――アッシマーの胴体だ!

 

「な、何だあの輸送機は……!? 狂ったのか!」

 

通信回線を超えて、ブラン少佐の驚愕の思念が脳内に直接突き刺さる。

 

「下がっていろ、カミーユーーーッ!!」

 

ドンッ!!!

 

輸送機の機首が強烈な質量兵器となってアッシマーの分厚い装甲へと炸裂した。

激しい金属音と共に輸送機のコックピットのガラスが粉々に砕け散り、凄まじい風圧が髪を吹き上げる。だが、僕の目は、怯んだアッシマーの動きを完全に捉えていた。

 

「バ、馬鹿なッ!? 私のアッシマーが、ただの民間輸送機の質量に……押し負けるだとぉぉっ!?」

 

ブランの叫びと共に、アッシマーは体勢を激しく崩して失速、戦線離脱を余儀なくされる。

 

即座にパラシュートのレバーを引き、大破した輸送機からカツを掴んで脱出した。

激しい風の中、ゆっくりと降下していく僕たちの目に、エゥーゴの巨大輸送機「アウドムラ」の巨体が滑走路へと着陸していく姿が映る。

 

こうして僕は、伝説の復活をこれ以上ない形で戦場に刻みつけ、カツやフラウ、キッカたちと共にアウドムラへと収容されることになった。

 

しかし、この時の僕はまだ知る由もなかった。

戦場での超絶覚醒ムーブによってアドレナリンが切れた直後、アウドムラの独房さながらの自室で、さらなる絶望的な「社会的死の第2波」が待ち受けていることを――。

 

――英雄の輝かしい復活劇から、再び倫理の底なし沼へ。かつてないトリプル・プレッシャーの包囲網が、引きこもり少尉アムロ・レイの精神装甲を完全にロックオンしていた。

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