機動戦士ガンダム 地球に幽閉された英雄のRX-78(意味深)が限界突破のフルドライブ! 連邦軍上層部、アムロの夜のニュータイプ能力を恐れてハニートラップの仕込みを開始する 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
アウドムラの最深部、先ほどまで輸送機でアッシマーに体当たりをかましていた伝説の英雄のものとは到底思えない、独房さながらの薄暗い自室。
アムロ・レイ23歳。
ケネディ宇宙基地の滑走路で監視をブチ破り、シャアやカミーユの前で華麗なる復活劇を遂げた生ける伝説。
……のはずだった。しかし、戦場のアドレナリンが完全に切れた今、僕の脳内ハードディスクは再び「大人の女性への恐怖(連邦の去勢工作トラウマ)」というバグに侵食され、重度のEDモードを再発。強化人間ロザミアとの「リアル邂逅」によって歪んだお兄ちゃん回路が再点火、アウドムラに一時収容されている12歳のキッカちゃんに生データをサイコ・ミュ的に常時オート受信されて社会的死を迎えつつあるウジウジ少尉である。
ガチ犯罪一歩手前の変態ノイズを撒き散らし、精神のメインジェネレーターが完全にシステムダウンしていたその時だった。
バタンッ! と音を立てて自室の鉄扉が開き、あまりにも冷徹で、死の匂いを漂わせたプレッシャーが脳内センサーを爆撃した。
ピキィィィィィン!
「おい、アムロ」
腕組みをしたハヤト・コバヤシが、相変わらずの猜疑の塊のような冷たい目で、床にズリズリと座り込む僕を見下ろした。
「ケネディ基地であれほどの立ち回りを見せておきながら、アウドムラに収容された途端にこれか。いつまでもキッカへの変態妄想の言い訳を脳内で垂れ流していないで、少しはシャキっとしたらどうだ。それとも、エゥーゴのクルーたちの前でも『僕の操縦桿(意味深)が起動しないんだよぉぉぉ!』とウジウジと泣きつくつもりか?」
「ハ、ハヤト……! 違うんだ、僕は今、精神のマグネット・コーティングが完全に錆び付いていて、まともな大人の会話(ドッキング)ができる状態じゃないんだ……! 頼むから僕を一人にしてくれ!」
恐怖と混乱でウジウジと頭を抱え、ベッドの隅へとバックステップ(緊急回避)を決めようとした。
「フン、お前の壊れた頭のセンサーなど知ったことか。カツ、この男がまた挙動不審な動きをしたら、いつでも右アームをプラズマ・カッターでパージ(強制切断)していいからな」
ハヤトが冷酷に言い放つと、ドアの陰からカツ・コバヤシが姿を現した。
その手には出力限界一歩手前のプラズマ・カッターが握られており、「了解です、父さん。いつでも出力全開(ガチ犯罪処罰モード)で行けます」と、冷徹な目でこちらを凝視している。
「カ、カツ! 誤解だ! 僕は今、戦場の現実とトラウマの挟み撃ちにあって、システムエラーを起こしているだけなんだよ!」
「まだ言うか、この白い悪魔。あなたが頭の中で禁断の回路を駆動させているのは、このアウドムラのサイコ・プレッシャーをモニターすれば一目瞭然です。宇宙の秩序のために、今ここで徹底的にフォーマットしてやります!」
さらに、通路の奥からは、キッカちゃんがレツの影に隠れながら、最高出力のドン引きプレッシャーを送信してきた。
「アムロお兄ちゃん……。さっきの戦場ではちょっと格好いいと思っちゃったのに、安全な船内に入った途端、頭の中の変態リビドー(ロリ属性への欲情)の数値を激しく乱高下させるの、本気でやめてほしいな……。私、もうアウドムラの通路を歩くだけで精神的セクハラ(受動喫煙)になりそうだよ。お父さん、もうこの男をプラズマ・カッターで物理的にパージ(去勢)しちゃっていいよ」
「うぐっ……! キ、キッカちゃん……! 僕は今、大人の女の嘘のトラウマに脳内メモリ(RAM)を圧迫されて臨界点を超えそうなんだ……! 決して君を汚い妄想のシートに座らせようと――」
「ほら、また言い訳(脳内完結だからセーフ)の駆動音を出してる! カツ義兄ちゃん、早くあの白いクズのメインカメラを叩き割って!」
キッカちゃんが本気で怯えた声を上げ、カツが「死ね、白い変質者ッ!」と自らの義妹を守るためにプラズマ・カッターのスイッチをパチパチと入れ始めた。
「ひゃあッ!? ストップ、カツ! 出力を下げて! 僕はただの傷つきやすい23歳のウジウジ少尉なんだよぉぉぉっ!」
狭い部屋の床をザザザザザッとスライディングしながら、ハヤトの猜疑、カツの殺意、キッカちゃんの絶望的な蔑みの3重の精神波に挟まれ、精神の装甲が完全に機能停止した。
しかし、四面楚歌の絶望エンドに見えるこの状況の中で、アウドムラの格納庫のハッチが開く音とともに、上空から飛来した連絡機(フラットフィッシュ)から、これまでのどんな連邦の罠とも違う、あまりにも異質なプレッシャーが脳内センサーを直撃した。
ピキィィィィィン!
「(な、なんだこのプレッシャーは……!? 圧倒的な自己主張……! 周囲の都合など1ミリも考慮しない、天真爛漫という名の凶暴なエゴイズムが、アウドムラの気圧を急速に塗り替えていく……!)」
プラズマ・カッターを構えるカツの手がピタリと止まり、ハヤトが「む……? カラバからの臨時の連絡員(エージェント)が空中ドッキングに成功したようだな」と呟く。
壊れかけたセンサーが、その新しくやってきた「光源」の存在を爆速で感知し、激しくリブートを始めていたのだった――。
――ハッチが開き、白煙の向こうから堂々と歩み寄ってくる、アウドムラのどの重力(プレッシャー)とも違う圧倒的なエゴイズム。