機動戦士ガンダム 地球に幽閉された英雄のRX-78(意味深)が限界突破のフルドライブ! 連邦軍上層部、アムロの夜のニュータイプ能力を恐れてハニートラップの仕込みを開始する   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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去りゆく仲間たちと、孤独の重力

「アムロ……。私、ハヤトくんと結婚することになったわ」

通信画面の向こうで、フラウが少し伏し目がちに、だけど決意を込めた声でそう告げた。

その瞬間、僕の脳内コクピットの全計器が、ソーラ・システムIIの直撃を受けたかのように大爆発を起こした。

――重力という名の底なしの泥沼のなかで、僕の孤独はついに絶対零度の臨界点へと達しようとしていた。極限の人間不信とEDモードを発症した僕の前に、ついに唯一の絶対安全圏(フラウ)の完全パージが言い渡されたのだ。

「……えっ……? フラウ……君が、ハヤトと……?」

 

喉がガタガタと鳴る。

 

戦時中、ホワイトベースの艦内でどれだけ僕がウジウジしていようとも、いつも生足で「アムロ!」と世話を焼いてくれていた、唯一の「嘘のない絶対安全圏(セーフティエリア)」だったフラウ。

 

あの終戦直後の夜、暴走した絶倫リビドーの猛攻(ピストン運動)を受け止め、事後の「僕は人間のクズだぁぁぁッ!」というめんどくさい号泣フィールドにガチでドン引きしていた彼女が、ついに僕という機体を完全に「廃車(見限る)」処分し、戦友のハヤト・コバヤシのコクピットへと永久ドッキングすることを決意したのだ。

 

「ハヤトくん、戦争の怪我でまだリハビリが必要なんだけど……とっても優しく私を支えてくれるの。だから私、カツとレツとキッカを連れて、彼のいる臨海都市へ行くわ」

 

もう足を出していないフラウの言葉が、メガ粒子砲以上の貫通力で僕の心を撃ち抜く。

 

画面の奥には、かつてホワイトベースのなかで僕の周囲をチョロチョロと走り回っていた、あの純粋無垢な3人の子供たちの姿が見えた。

 

カツ、レツ、キッカ。

 

大人の嘘や計算にまみれたこの世界で、過敏なニュータイプ能力が唯一「汚れなき癒やし」として認識していた、最高のオアシス(幼稚園児)。

 

「待ってくれフラウッ! カツ、レツ、キッカも連れていっちゃうなんて……! そんなの僕、これから一体何をおかずに……じゃなくて、何を心の支えにしてこの檻のなかで生きていけばいいんだよぉぉぉぉッ!」

 

「……そういうとこだよ、アムロ。あなた、もう大人なのよ? いつまでそうやって全裸でシーツを被ってウジウジしているの? ハヤトくんはね、身体は不自由になっても、ちゃんと前を向いて歩こうとしているわ。あなたみたいに、夜の戦線から敗走してガンダム(意味深)を錆び付かせたまま引きこもったりしていないもの!」

 

フラウの冷徹な正論(ガンダム・ハンマー)が、脳天を直撃して粉砕する。

 

ハヤトに負けた。

 

かつてホワイトベースの訓練で、圧倒的な戦闘センスの前にいつも悔し涙を流していた、あのガンタンクのハヤト・コバヤシに、男としての種族保存競争(夜の性能)で完全に敗北したのだ。

 

いや、フラウの言う通りだ。ハヤトは身体が傷ついても男として立派にフラウを、子供たちを受け入れる器(コクピット)を持っている。

 

それに比べて僕は、プロの女の嘘に怯えて操縦桿(意味深)すら握れなくなった、魂を重力に引かれた抜け殻の化け物だ。

 

「う、美しい……汚れがないカツたちの思い出まで、僕からパージされてしまうなんて……! 僕は本当に人間のクズだ! 宇宙の破壊者、白いウジウジ悪魔とは僕のことだったんだぁぁぁぁぁッ!!」

 

「(あ、これ、人の結婚報告の場で自分のウジウジを限界突破させる、一番めんどくさい時のアムロだ……)」

 

通信画面の向こうで、フラウの目が完全に絶対零度まで冷めきっていく。

 

彼女のその「哀れみの表情」がノイズなしのダイレクト精神波で伝わってきて、たまらず通信ボタンを狂ったように連打して回線を遮断(パージ)した。

 

ブツッ。

 

暗転するスクリーン。

 

部屋に残されたのは、ただ1人、広いベッドの上で全裸で膝を抱える影だけだった。

 

「フラウ……カツ……レツ……キッカ……。みんないなくなっちゃうんだね……。僕を置いて、遠いところへ還ってしまうんだね……」

 

記憶のなかの、まだ純粋だった頃の仲間たち(幼稚園児の姿)が、手からすり抜けていく。

 

僕の超鋭敏なニュータイプ・センサーは、今や誰の温もりもキャッチできない。

 

周囲を囲むのは、邸宅の壁のなかに仕込まれた連邦軍の防犯カメラ(監視モニター)の冷たい電子の視線と、毎日入れ替わるハウスキーパー(大人の女)たちの「早くこのひきこもり少尉の部屋の掃除終わらせて、ボーナス貰って彼氏とデートしよ」という、嘘にまみれた脳内ノイズだけだ。

 

「誰も信じられない……。大人の世界は怖い、連邦の女も怖い、フラウにもハヤトにも笑われて……」

 

ベッドから這い出し、部屋のクローゼットの最深部へと潜り込んだ。

 

洋服の隙間の薄暗いスペースだけが、今の僕にとっての唯一の安定したコクピット(自室の隅)だった。

 

重力。地球の圧倒的な重力が、身体だけでなく、男としてのリビドーも、ニュータイプとしての魂も、すべてを地面へと磨り潰していく。

 

この日、周囲からすべての「本物の仲間」がパージされ、完全なる孤立(ディスコネクション)が証明された。

 

大人の嘘に四方を囲まれたまま、ただ、脳内にかろうじて残された「過去の記憶」だけを反芻する脳内ニートへと、完全に進化(退化)を遂げていくのだった。

 

そして、この邸宅の地下に設置された、連邦情報部の監視ルーム。

 

大型モニターで、クローゼットのなかに全裸で潜り込んで号泣している哀れな姿を見ていた情報高官たちは、完全に冷めきった顔でコーヒーを飲み干していた。

 

「……決定したな。アムロ・レイ少尉は、社会的にも男としても、完全に『去勢(無害化)』された」

 

「ええ、かつての幼馴染に見捨てられ、子供たちとも引き離された。これで彼を動かす『絆の回路』はすべて切断されました。大人の女への恐怖心で、ガンダム(意味深)が再起動する可能性もゼロです」

 

「フッ、素晴らしい。これで『白い悪魔』の脅威は地球圏から完全に消滅した。明日から監視レベルを最低ランクに下げ、彼をこの北米の邸宅のなかで、一生ウジウジとした幻影に怯えながら老いさらばえさせろ」

 

連邦政府のえげつない心理工作の歯車は、完璧な勝利のファンファーレを響かせていた。

 

暗いクローゼットのなかで、自分の右手のコントロールの効かなさと、失った仲間たちの面影に溺れてシーツを引きちぎっている間に。

 

宇宙世紀の表舞台から、アムロ・レイという男の存在は完全に抹消され――ただの「魂を重力に引かれた引きこもり少尉」という、終わりのない絶望の深淵へと完全完成(チェックメイト)を迎えるのだった。

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