機動戦士ガンダム 地球に幽閉された英雄のRX-78(意味深)が限界突破のフルドライブ! 連邦軍上層部、アムロの夜のニュータイプ能力を恐れてハニートラップの仕込みを開始する 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
「くっ……、あ、頭が割れそうだ……ッ!」
宇宙の闇から響く強烈な悪意の波動に脳内を蹂躙され、僕は全裸のままシーツの上でのたうち回った。
――重力という名の、終わりなき絶対零度の暗黒空間。仲間たちに置いていかれ、完全なる孤立を迎えた僕の精神回路は、日々、得体の知れない強力な「予兆(ノイズ)」をダイレクト受信し始めていた。
間違いない。ジオンの残党だ。それも、かつてのコンスコン隊などとは比較にならない、本物の化け物たちが宇宙の闇のなかで巨大な作戦のカウントダウンを始めている。
「出撃だ……! 僕のガンダムを……ア・バオア・クーから回収したコア・ファイターを僕にくれぇぇぇッ!!」
半狂乱のまま、全裸で部屋のドアへと突撃し、操縦桿を握る真似をしてドアノブを激しくガチャガチャと往復(爆速ピストン)させた。
だが、ガチャンと虚しく響く電子ロックの音。
「……少尉、また発作ですか? 暴れるなら、鎮静剤の補給レベルを引き上げますよ」
インターホンから聞こえる、監視員の冷徹な大人の女性(ハウスキーパー)の声。その脳内をセンサーがハッキングする。
『(また始まったわ、この引きこもり元英雄のメンヘラ発作。全裸でドアノブを激しくピストンさせて、本当に気持ち悪い男。早くシフト終わらないかしら)』
「……嘘だ……。君も、僕を化け物としてしか見ていないんだね……!」
ドアノブから手をパージし、絶望とともにベッドへと崩れ落ちた。
そうだ。僕は地球の重力に魂を引かれた、ただの軟禁少尉なのだ。宇宙の危機をどれだけ敏感に察知しようとも、それを伝える連邦の人間は誰も僕を信じていない。それどころか、大人の女性たちはみんな僕を蔑み、去勢された「白いウジウジ悪魔(笑)」として処理している。
「誰も信じられない……。連邦も、ジオンも、大人の世界はすべて僕の敵だッ!!」
宇宙の危機を前にして、操縦桿(意味深)すら握らせてもらえない無力感。
僕の超銳敏なニュータイプ能力は、敵の悪意と身内の軽蔑を100%の精度で同時受信してしまう、ただの自傷デバイスと化していた。
「人間のクズだな、僕は……。宇宙がこんなに泣いているのに、僕は暗い部屋のなかで女の人の冷たい視線に怯えてウジウジしているだけなんて……」
事後のような猛烈な賢者タイムが、孤独の檻をさらに強固にしていく。
再び、クローゼットの暗闇へと這いずり込み、膝を抱えてシーツを涙で濡らした。宇宙の戦火のプレッシャーと、地球での人間不信のダブル・サイコ・ショックによって、僕のマグネット・コーティング(意味深)は、完全に溶接されたかのように沈黙を続けるのだった。
そして、邸宅の地下監視ルーム。
「ククク、素晴らしい。どれほど高性能なセンサーを持っていても、それを動かすリビドー(再起動の意志)が去勢されていれば、ただの壊れた受信機だ。明日からの観艦式の警備計画に、彼の存在を考慮する必要は一切ない。このまま北米の泥沼に沈めておけ」
連邦政府の高官たちは、コーヒーをすすりながら冷酷に笑う。
――だが、連邦のえげつない心理工作の歯車は、ただ泥沼に沈めるだけでは満足しなかった。去勢状態を完全に「確定」させるための、最終生体実験。
その日、僕が宇宙の戦火のプレッシャーに耐えかね、全裸でクローゼットの暗闇に引きこもっていた時。
カチャリ……。
洋服の隙間から、細い光が差し込んだ。クローゼットの扉を開けたのは、毎日入れ替わるハウスキーパーではない。
軍服に身を包んだ、あの、忘れもしないウェーブの髪の女性――。
ピキィィィィィン!!!
僕の脳内センサーが、かつてないほど激しくスパークする。オデッサの戦場で、僕の目の前で散ったはずの、あの人がそこに立っていた。
「アムロ少尉……寂しい夜は、私にそのガンダム(意味深)を補給させてみませんか?」
「ま、マチルダ……さん……ッ!?」
――それが、僕の神聖な思い出をも泥靴で踏みにじる、連邦が放った「対アムロ用最終兵器」の襲来だとは、この時の僕はまだ知る由もなかった。